テキスト全文
#1. お願いですから 症例プレゼンの 出オチだけは おやめください 開始5秒で心をつかむ opening statement
#2. 「胸痛で受診した49歳男性です」 こんなプレゼンだと 開始5秒で萎えるんです
#3. プレゼンの大きな目標は 「伝えたいことを しっかり伝える」 そのためには ノイズを減らすことが重要
#4. ノイズには情報量や見た目も含まれるが 聞き手の頭に余計なことを 考えさせてしまうことも 大きなノイズになる
#5. 症例プレゼンが伝わりづらい理由の1つに 聞き手によけいなことを考えさせて 頭を消耗させてしまうことがある 本来検討したい内容をしっかりと検討するためには 論点までに相手を無駄に消耗させないことが重要
#6. さっきのプレゼンだと,本来の論点に移る前に聞き手が 疲れて脱落してしまったり,イライラしてまともな議論が できなくなってしまう可能性がある
#7. そこで使う技が opening statement(OS) 症例プレゼンの冒頭に述べる その患者の状況を表す一文
#8. opening statement(OS) に含むもの 名前,年齢,性別 必要に応じ ADL,住居,職業 今回の主訴に関連する既往,併存疾患 今回の主訴とその特徴 ex) 山田さんは,認知症があり施設入所中のADL全介助の 82歳女性で,食事中の咳嗽と呼吸困難で搬送されました
#9. OSのメリット 患者さん個人のイメージがわきやすい 余計なことを考えずに聞けるので疲れない キーワードから診断推論につなげやすい
#10. opening statement OFF 「胸痛で受診した54歳男性です」 狭心症?大動脈解離?気胸?リスクは? 労作性?突然発症?いつから? そんなことばかり考えて,プレゼンに集中できない opening statement ON 「高血圧,脂質異常症を持ち,1週間前からの 労作性の胸痛発作で受診した54歳男性です」 なるほど,狭心症を疑う患者だな.どんな経過だろう? 余計なことを考えずに,プレゼンに集中できる
#11. 初診/初回OS 「ADL自立の心房細動を持つ65歳男性 で,突然発症の左上下肢麻痺で 救急搬送された方です」 病棟/2回目OS 「元々ADL自立の心房細動を持つ65歳男性で, 左上下肢麻痺で発症した脳梗塞のため 入院3日目の患者さんです」
#12. OSのポイント 長ったらしくしない それただの現病歴じゃんというのはよくある 関係のない既往/併存疾患を言わない 鑑別や経過に関係ないものまで含めるのもよくある 突然発症の胸痛患者に虫垂炎切除歴は不要
#13. クロージング opening statementで 開始5秒で心をつかめ