テキスト全文
会議の流儀とフレームワークの重要性
#1. 専攻医のための 会議の流儀 フレームワーク紹介 考える編
#2. 総合診療科では「業務改善」のために 会議を行うことも多い しかし,それぞれが言いたいことばかり言って 話が前に進まないことも多かろう
#3. 当院のプロジェクトに関わった ある専攻医の院内の○○委員会後の一言 「 会議にホワイトボードとペンがあれば, もっと効率よく建設的な議論ができる のに,なんでしないんですかね マジでイラつきますね 」 そう,色々な背景を持った人との会議で 必要なのは ホワイトボード,ペン,ふせん そして,フレームワークだ!
会議で使えるフレームワークの種類
#4. フレームワーク 会議で使えそうな武器 状況整理系 考える系 比較系
#5. フレームワーク 会議で使えそうな武器 考える系 KJ法 コントロール可能/不可能 できていることリスト ディシジョンツリー
#6. 考える系フレームワーク KJ法 ブレインストーミングからの再構成 思いつく改善点などをブレインストーミングして ふせんで挙げまくり,似た者同士や新しい視点で グルーピング. さらにそれをヒントに追加のアイデアを出したり.
KJ法とコントロール可能/不可能の考え方
#7. KJ法例 「論文読めるようになろうぜ」 翻訳する ユーザーズガイド輪読 ユーザーズガイド輪読 ACPJみる 外部勉強会にでる ポイントを絞る オリジナルの読み方を作る システム ACPJみる 教えることで学ぶ まとめてみる 読む時間を作る ACPJみる オリジナルの読み方を作る まとめてみる 外部勉強会にでる オリジナルの読み方を作る ポイントを絞る 研究やってみる たくさん読む 外部勉強会にでる たくさん読む 読む時間を作る 外から学ぶ 曝露を増やす 翻訳する 執筆,対外発信してみる 毎回レクチャー 論文のカテゴリを集中 先輩後輩のペアを作る 練習問題作る
#8. 考える系フレームワーク コントロール可能/不可能 コントロール可能なものに目を向ける 可能 不可能 問題点を挙げまくって改善点などを考える際に コントロールができないことに時間をかけても しょうがない. 問題点をコントロール可能と不可能に分けて考え, コントロール可能なものにフォーカスを当てる ・・・・ ・・・・ ・・・・ ・・・・ ・・・・ ・・・・
#9. コントロール可能/不可能例 「繁忙期の病棟業務が大変」 コントロール可能 ・カンファが多い ・カンファが長い ・外来に専攻医がとられ,病棟業務のマ ンパワーが足りない ・対外発信が大変 ・定期外来が多い ・知識が足りず,スムーズに診療が進ま ない ・見学者対応が大変 不可能 ・入院患者が多い ・救急要請が多い ・重症が多い ・外来人数が多い ・当直明けで帰るため,日中のマンパ ワーが減った ・他科も人が少ないときがある ・専攻医が学年のバランスがおかしい コントロール可能なものに絞って,改善策を検討しよう!
できていることリストの活用法
#10. 考える系フレームワーク できていることリスト できてない できてる できていることを伸ばすことに焦点を当てる ・・・・ ついついできていないことばかりに目がいってしまう ので,現在できていることを挙げ,それをどう発展させ ・・・・ るかを考える ・・・・ ・・・・ ・・・・ ・・・・ ・・・・
#11. できていることリスト例 「当科がレベルアップするには」 できていない ・臨床研究 ・論文執筆 ・外来の数が少ない ・対外発表の気概 できている →さらに発展 ・雰囲気がよい →SNSなどで対外アピール ・EBMができる →セミナーなど開催でさらにブラッシュアップ ・人が多い →色々な興味に合わせた得意分野を作ろう ・急性期治療ができる ・慢性期外来ができる ・家庭医療を意識している →さらに言語化して,共通認識を作っていこう ・診断推論ができるようになってきた →発表してやりがいや達成感を感じよう
ディシジョンツリーの作成と活用事例
#12. 考える系フレームワーク ディシジョンツリー ○% 場合分けを結果と可能性で考える ○% アルゴリズムのパターンを作るときに だいたいの確率を添えて考えると 思考停止になりづらい ○% ○%
#13. ディシジョンツリー例 「高齢患者さんの食思不振」 看取り 可能性 高い 代替栄養 フレイル おそらく余命半年ほど 緩和のステロイド? たぶん効かない 精査・加療する? 診断できても 治療は困難 悪性腫瘍 食欲低下の高齢患者さん 可能性 小さい 可能性 小さい その他 業務改善よりも実診療の方が使えるかも 胃薬 たぶん効かないが 一発逆転あり 抗うつ薬 たぶん効かないが 一発逆転あり
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