#4.
皮膚疾患の診かたはAHCの「イロハ」のひとつ 4月 働 き な が ら 学 べ る カ リ キ ュ ラム 患者対応:電話編 褥瘡のイロハ 在宅医療基本の「き」 5月 患者対応:往診編 8月 第2回 緩和ケアの実際 感染症の基礎知識 6月 7月 嚥下困難患者へのアプローチ 第1回 緩和ケアの基礎知識緩和 9月 第2回 心不全 皮膚疾患のイロハ まずはこれだけ!在宅で出会う精神症状 第1回 心不全 便秘薬の使い方
#5.
プライマリケアでの皮膚疾患の診かたの基本 皮膚疾患は「見た目」が9割。 総合診療医は遭遇頻度の高い疾 患を体系的に学ぶとよし。
#6.
診かたのキホン:解説 皮膚疾患の診断は見た目が重要で写真診断が定石 皮膚科医のように膨大な症例を経験することは総合診 療医にとって現実的ではない。(1日50件とかムリ) 頻度の高い疾患に焦点を当て、体系的に考えるアプロ ーチが有効
#7.
皮疹の性状による3つのアプローチ 境界:明瞭である場合、比較的浅い領域 (真皮など)が傷害。境界が不明瞭なら病 変が皮下組織などより深い。 表面:ザラザラなら表皮に異常、外因性と 関連付けやすい。ツルツルしていれば表皮 は損傷しておらず炎症が真皮より深いことを 示唆。 深さ=原因 皮膚の構造(表皮、真皮、皮下組織)を理 解し、どの深さの層に病変があるかで原因 を推測する。 境界 表面 深さ
#8.
まずは大きく分類する 出発点として「感染性か非感染性か」「外因性か内因性 か」という大分類が役立つ 先生…なんか \\ かゆいんです・赤いんです // 感染性か非感染性か 内因性か外因性か
#9.
外因性・内因性の主な内訳 外因性のほとんどが感染性 内因性のほとんどがアレルギー 感染性 アレルギー
#10.
外因性の内訳をさらにみていこう 分類しやすそうな分け方がいいね… 局所性か全身性かという考え方もあるけど… 外因性 アプローチしやすいのは「大きさ」 感染性 ウイルス 細菌 真菌 原虫 節足動物
#11.
外因性の原因を「大きさ」で考えるとよい理由 外因性、つまり「外から」の侵入者だから皮膚 症状の「見た目」が特徴的になりやすい! 表皮はビニールシートみたいに硬いイメージ 表皮 そんな表皮が傷ついている/ザラザラしてい 真皮 感染性 皮下組織 るときは外因性に結び付けやすい 病原体の大きさで症状(侵入してきたときの 見た目)に特徴があり原因を考えやすくなる
#12.
外因性の内訳をさらにみていこう 細菌以上の大きさになると、外側から食い破ら れる感じで表皮が傷つけられて感染する ウイルス 細菌 真菌 原虫 例:帯状疱疹 例:ブドウ球菌 例:白癬(水虫) 例:疥癬 小さいので体の 内側から増殖し 炎症を起こすこ とが多い。 傷がつく、つまり 皮膚のバリアが壊 れた部位に感染す る。膿痂疹など。 皮膚のバリアが弱っ ているところから侵 入。顕微鏡で確定診 断。 寄 生 虫 と も い う。 疥 癬は在宅医療で遭遇 する可能性が高い。 治療はストロメクト ー ル ® 錠 な ど。 節足動物 例 : ダ ニ 、 ク モ、ノミなど
#13.
では、内因性は? 代表例は薬疹。内因性のほとんどがアレルギー由来、 つまり自己免疫による攻撃が原因。 表皮 表皮と真皮は1:9の厚みの違い。この二つが 防御機能を果たすバリアとなっている 真皮 皮下組織 表皮から遠いところに病変がある。病変の境 界が不明瞭なときは内因性の可能性が大きい
#14.
参考|アトピーとアレルギーの違い アレルギーは原因が特定されている。 アトピーは原因がはっきりしないアレルギーを発症し やすい状態。特に外的刺激によって症状が悪化。 アトピー性皮膚炎はアレルギーの一種。年齢とともに改善し、子供 の時アトピーだったけど、大人になって症状がなくなる人も。 アトピー性皮膚炎が花粉症によって悪化することが臨床的には認め られている。 アトピー性皮膚炎は皮膚が乾燥して荒れやすくバリア機能が弱い。 自己免疫疾患なども広い意味ではアレルギー反応
#15.
まとめ|見た目(性状、境界の明瞭さ)で推測 外因性・感染 表面がザラザラしている場合は表皮 内の異常(湿疹) 境界が明瞭な場合は比較的浅い領域 内因性・アレルギー 表面がツルツルしている場合は真皮また は皮下組織の異常(蕁麻疹など) 。 境界が不明瞭な場合は深い領域を示唆。 蕁麻疹:はアレルギー反応が真皮で起きている。 表皮は傷ついていないため、完全に消えるのが特徴。
#16.
プライマリケアでの皮膚疾患の診かたの基本 保湿とステロイドを中心に 在宅でよく出会う疾患と処方の まとめ
#17.
処方のTIPS 01 1にも2にもスキン ケア。スキンケアの 基本は適度な保湿。 ヒルドイド®︎ソフト 軟膏は万能。 02 03 塗ったらすぐ直る疾 怖い疾患だけ除外し 患はまれ。頻度は重 たらあとは丁寧な 要。接触皮膚炎は途 観察とフォロー。 中から出現する。 かゆみには内服。
#18.
外因性皮膚疾患の治療薬の例 外 因 性 、 つ ま り 感 染 系 の 処 方 は 、「 そ の 原 因を直接たたく」と考える 白癬 帯状疱疹 イトリゾール® アメナリーフ®+ゲンタシン® 長期使用すると接触皮膚炎 神経痛のコントロールも非常に を誘発することもあるため 重要。症状は内部から来ている 注意 ため何を塗っても大きな変化は ない
#19.
TIPS|真菌感染のステロイド戦略 真菌が減っても炎症が続くことも。破壊された皮膚構造が 回復するのに時間がかかるため。抗真菌薬を続けても赤み が治まらない場合、真菌には効いているが接触皮膚炎が起 きている可能性 →ステロイドの併用が必要に 逆にステロイドを先に塗ると真菌が増殖し、症状が悪化す ることも。→これが診断のヒントになることも
#20.
内因性皮膚疾患の治療薬の例 アレルギー系ならステロイド+アレルギー薬が 基本戦略 接触性皮膚炎・脂漏 性皮膚炎・皮脂欠乏 性湿疹 ステロイド軟膏 乾燥によるバリア機能の低下へ の不適切な油分の塗布は接触皮 膚炎の原因にも。 アトピー性皮膚炎 プロトピック®軟膏 (+ステロイド) ステロイド軟膏を急性の炎症 に、プロトピック®軟膏を長期的 なアレルギー抑制に。 蕁麻疹 内服抗アレルギー剤 表皮が無傷でアレルギー反応が 真皮で起きるため、内服薬がよ り効果的
#21.
ステロイドとプロトピック®軟膏の使い分け ステロイドは基本的に起きた炎症を抑える消炎剤 プロトピック®軟膏をはじめとする免疫抑制剤はアレルギー 反応そのものへの抑制作用 アレルギーには基本的にステロイドを正しく使用すること が重要。プロトピック®軟膏と併用しながら激しい表面の炎 症にはステロイド。ステロイドは一時的に症状を抑えるだ けなので、根本的な治療にはプロトピック®軟膏が適する。
#22.
水分と油分バランスの重要性 乾燥していると皮膚が傷つきやすくバリア機能が弱くな り、荒れやすくなる →乾燥性皮膚炎 弱った皮膚をカバーするため油分を塗るが、塗り方が適切 でないと油自体が刺激となって炎症を起こす→接触皮膚炎 皮脂が過剰に分泌され、長く皮膚に留まることで表皮バリ アを壊し、周囲の刺激に敏感になる →脂漏性皮膚炎
#23.
すべての皮膚疾患で有効なヒルドイド 皮膚が傷ついている場合は適切な保湿が基本。どの軟膏を 使うかより重要。最終的には皮膚は自己再生で治癒する。 皮膚の自己再生能力を高めるため油分と水分が適切な保湿 が非常に重要、ヒルドイド®︎ソフト軟膏は優れた基材で「万 能」 TIPS 真菌治療の注意点 接触皮膚炎と乾燥性皮膚炎は似た症状を示す。両者は共存する こともあり乾燥には適度な保湿が必要だが過剰な保湿は逆効果
#24.
おまけ 頭の片隅に入れておく疾患 薬疹(スティーブンス・ジョンソン症候群) 疥癬 梅毒・HIV関連・皮膚結核 扁平上皮癌 多形滲出性紅斑 Toxic shock syndrome 風疹・麻疹
#25.
頭の片隅に入れておく疾患① 薬疹 原因の特定が難しい。特にスティーブンス・ジョンソン症 候群のように水疱形成や粘膜病変を伴う重症型は注意。 疥癬(かいせん) 高齢者や介護施設で注意が必要。通常疥癬と ノルウェー疥癬(角化型疥癬)がある。前者はダニの数が非常に 多く、感染力が強い。通常疥癬の感染力はそれほど強くなく、同 居者の予防的治療は不要なことが多い。内服のストロメクトール®︎ 錠と外用のスミスリン®ローションがあり、特に外用薬は塗布後 12時間の洗浄禁止、1週間以上の間隔を開けて再塗布などの特殊 な使用法がある。
#26.
頭の片隅に入れておく疾患② 梅毒・HIV関連・皮膚結核 皮膚病変を伴うことがあり、近年増加傾向 扁平上皮癌 表皮を破壊しながら進行することが多い 多形滲出性紅斑、Toxic shock syndrome、風疹・麻疹など 特 に高齢者の風疹・麻疹は、小児とは異なり典型的な皮疹が、現 れないことがあるため、鑑別疾患として念頭に置く