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在宅医療で出会う困難事例の紐解き方

  • 内科

  • その他

  • 多職種連携
  • 在宅医療
  • 困難事例

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2022/1/10

内容

在宅医療では、社会的背景、家族関係、多職種連携の中で困難を感じる、いわゆる困難事例に遭遇することがしばしばあります。今回は、そんな在宅で出会う困難事例の紐解き方について、幾つかフレームワークを作成し、まとめてみました。

田中公孝

杉並PARK在宅クリニック


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在宅医療で出会う困難事例の紐解き方

  1. 杉並PARK在宅クリニック 院長 田中公孝 在宅医療で出会う困難事例の紐解き方 〜多職種連携不全、複雑な背景、共依存など

  2. 2009年滋賀医科大学医学部卒。  日本プライマリ・ケア連合学会認定家庭医療専門医。2017年〜4年間、三鷹で訪問クリニックを運営。  2021年4月杉並区西荻窪に    杉並PARK在宅クリニックを開設。 (訪問診療に特化)   田中 公孝 医師/院長 

  3.    クリニック概要 杉並PARK在宅クリニック 所在地:東京都杉並区西荻北4-10-6 診療開始:2021年4月 従業員:4名 診療形態:訪問診療特化

  4. ​訪問エリア ​東京都23区 西側〜多摩地域

  5. ミッション・ビジョン MV

  6. 診療の様子 SCENE

  7. 困難事例にどう立ち向かっていくとよいか? ⇨ 困難事例の背景には、隠れている事実、   十分ではない情報共有と整理、価値観の対立   が重なっていることが多いです 講義の問いとMESSAGE まずは意識的に認知・整理できるようになりましょう

  8. ・困難事例の定義を認識しよう ・困難事例かも?と思ったら想起すべき「3W1H」   → WHAT,WHERE,WHY,HOW(3W1H) ・職種間の目線に気づくフレームワーク「5つの窓」 ・共依存のポイントや社会制度を意識する ・思考停止せずに振り返りを大事にする 本日の学習ポイント

  9. 困難事例とは? 引用:ケアマネジメント困難事例集 支援が困難と感じたときのヒント 「困難」という単語の意味   ① 苦しみ悩むこと。   ② ものごとをなしとげたり実行したりすることがむずかしいこと。難儀。  (広辞苑第六版) これに基づいて、「困難事例」 という言葉を定義通りに表せば、  「介護支援専門員が苦しんだり、悩んだり、難しいと感じたり   している(いた)事例」 主観であり、相対的なもの。

  10. 経験頻度が高く、困難感も強い類型 (典型例 : 独居高齢者のサービス拒否) 経験頻度は低いが、困難感は強い類型(典型例 : 虐待またはその疑い) ex) 医療拒否 癌末期 外国人 虐待事例    家族の意見調整が困難(遺恨あり) 成年後見人絡み    ニーズが掴みにくい(専門職に喋らない、喋れない)    サービスへの不振・不満    遠方の家族がクレーマー気質 困難事例とは?〜個人的経験も含めて 引用・参考:ケアマネジメント困難事例集 支援が困難と感じたときのヒント

  11. 課題 困難事例と聞いて思い出す印象深い事例を書いてみて下さい (1つを深く書いても2つ3つ書き出しても大丈夫です)

  12. (本質的)WHAT→WHERE→WHY→HOW(弱い) 困難事例かも?と思ったら想起すべき「3W1H」 ・いきなり打ち手 (HOW) から考えるのは× ・なぜ(WHY)から考えられてもまだ▲ ・どこに(WHERE)問題があるか● ・何が(WHAT)問題か見極めること◎

  13. ・3W1Hで課題を捉えて複数のシナリオを準備・共有する ・職種間の目線に気づくフレームワーク「5つの窓」 ・共依存のポイントは愚痴を聞いて1つ1つ整える ・社会制度の把握と資源の把握 〜 総力戦に備える ・ビッグワードで思考停止してないか?もう一歩の言語化を ・100人100通り。でも過去の事例は考える補助線になる 困難事例に専門職が向き合うためのポイント

  14. 14 3W1Hで課題を捉えて 複数のシナリオを準備・共有する ー どこが課題となるか見極め、未来を予想するー 困難事例を紐解くポイント①

  15. 2017年12月末〜心窩部痛あり、2018年2月A病院受診。切除不能局所進行膵頭部癌の診断。手術は不可、抗がん剤 TS-1も服用してみたが副作用(食欲不振、便秘、発熱、皮膚搔痒など)のため中止。緩和ケアの方針で、当院訪問診療開始となった。 家族構成:本人、弟夫婦の3人暮らし 当院介入後は、前医への不信感・強い悲嘆があり、経緯をお聞きし、 今後は私達と訪問看護に相談しながら進めていきましょうとお話。 事例 70代女性 膵癌末期

  16. その後、自宅での生活に安心されていたが病状の進行がはやく・・ 癌性疼痛が週の単位で悪化あり、  麻薬 オキシコンチン 45→60→70mgに増量、  8/10〜疼痛増強、内服も飲みづらくなり、  麻薬 フェントステープ4mgにオピオイドローテーション もともと繊細な性格だったが、癌になって以降、感情失禁  を出す状況。  →抗不安薬デパス屯用、前週よりは対応できるように 事例経過①〜病状進行と薬の調整

  17. 下肢浮腫が著明で利尿剤投与、弾性ストッキングおよび訪問マッサージを導入(女性施術師指定という強い要望)。 排便コントロールが難しくなり、下剤増量 臨時訪問で浣腸を2回施行。 入院のタイミングをご本人・ご家族と相談し、老老介護のため介護疲弊が限界にきていること、毎週のペースで麻薬を増量しており病状が悪化していることを説明、緩和ケア病棟入院へ しかし入院生活は思っていたものと違った、とご本人より話があり、早期退院。最期は自宅看取りの覚悟を決められ、数週後看取りとなる。 事例経過②〜病状進行と薬の調整

  18. 打ち手 (HOW) から考えるのは× なぜ(WHY)から考えられてもまだ▲ どこに(WHERE)問題があるか● 何が(WHAT)問題か見極めること◎  → 本人の悲嘆・希望と老々介護と病状進行の対応が    複数同時に現れているのが一番の問題!  → 1個1個の対応で満足せずに複数同時に考える 3W1Hで考えると・・・

  19. ・前医への不信感・強い悲嘆 → 医師・看護師による傾聴 ・病状の進行が早い → 薬を調整しつつ 早めの終末期シナリオを ・女性施術師指定という強い要望 → 日頃からの業者の検討 ・老老介護のため介護疲弊 → 入院と在宅の細かいシナリオ作成   ex) 3つのシナリオを準備する:good - even - bad ・入院生活は思っていたものと違った → 最後の話し合いの場設定 事例まとめ〜困難に感じる要因の重なり 全てに打ち手と選択肢を なるべく事前に試行錯誤

  20. できる限り前倒しで問題について考えておくこと 着手が早ければ想定より準備に時間がかかることが 早期にわかる 在宅医療で意識するべきは Think ahead of the problem 引用:イシューからはじめよ――知的生産の「シンプルな本質」 安宅和人

  21. 仕事でも皆さんがそうしているように 直近で起こる緊急的なものか、重要性の高いものか、 課題を分析し、優先順位をつけて取り組んでいくのが大事 在宅医療で意識するべきは 優先順位を常に意識する

  22. ・前医への不信感・強い悲嘆 → 医師・看護師による傾聴 ・病状の進行が早い → 薬を調整しつつ早めの終末期シナリオを ・女性施術師指定という強い要望 → 日頃からの業者の検討 ・老老介護のため介護疲弊 → 入院と在宅の細かいシナリオ作成   ex) 3つのシナリオを準備する:good - even - bad ・入院生活は思っていたものと違った → 最後の話し合いの場設定 事例まとめ〜困難に感じる要因の重なり 全てに打ち手と選択肢を なるべく事前に試行錯誤 ❶ ❷ ❸ ❹

  23. 1人だと見えている問題に限界がある 他の視点を入れることで前に進み、楽になる まずはブレスト的に人と相談することを推奨  →本事例も訪問看護とよく相談した 在宅医療で意識するべきは 困難を感じたら相談する

  24. 24 職種間の目線に気づくフレームワーク「5つの窓」 ー 図解し、どこの情報が抜けているか見極める ー 困難事例を紐解くポイント②

  25.  ① クリニック  ② 訪問看護  ③ ケアマネジャー(+サ責、ヘルパー)  ④ 訪問薬局  ⑤ 家族 などその他 職種間フレームワーク:多職種連携不全?

  26. キーパーソンである長女は遠方に在住、普段は高齢で初期認知症の妻との2人暮らしという老老介護。 B病院から退院時紹介され、腹水が溜まりやすい、肝性脳症が発症しやすいなど頻繁に緊急対応が発生するため、長女に医療介護ICTを紹介し、本人のアカウントを取得して参加。 多職種の参加も訪看、ケアマネ、ヘルパー、介護福祉士(24時間訪問介護)、薬局など“フルメンバー”。 多職種はそれぞれ訪問時の様子をこまめに書き込み、 長女も患者の様子や自身の不安な気持ちまで細かに書き込むなど、医療・介護側、患者側ともにタイムラインを“フル活用”。しかし、これだけの体制を整えてもすれ違いが生じてしまった・・・。 事例 80代男性・肝硬変末期患者のAさん

  27. 発端は、介護さんから『Aさんが先生にちゃんと診てもらっていないとおっしゃっていますが』と報告があったこと。 実は、このケースでは終末期について、患者本人と家族との意志に微妙なズレがあった。当院と家族の間では「治療の手立てがないので緩和ケアを行い、最期は自宅で」とのコンセンサスが取れていたのだが、多職種の中でも家族とのコミュニケーションが少ないメンバーが、何か他に治療はないかと思う患者の言葉をそのまま受け取ってしまったことが、行き違いの原因だった。 発端は、介護さんからの一言

  28. ● 当院 ● 訪問看護 / 訪問リハビリスタッフ ● ケアマネジャー   ● サービス提供責任者 → 顔を合わせて話をすることで、医療・介護側の目線が揃うことに 一度、事業所で担当者会議を開催 そこからは基本ICTのやりとりと対面・電話の併用によって連携が スムーズになり、家族からも感謝されての在宅看取りに繋がる。

  29. 職種間の目線に気づく「5つの窓」 ・本人が末期でも治療希望があると知っていた ・しかし治療はないと言われており、家族から「父に治療はないと言ってください」と言われて私からも伝えていた ・本人が末期でも治療希望があると知っていた →傾聴 ・しかし治療はないと言われており、家族から「父に治療はないと言ってください」と言われて実行していた ・本人が末期でも治療希望があると知っていた が家族と話はしていなかった ・本人の身になりすぎたヘルパーの一言を真実として、医師の診療怠慢でないかと疑った ・本人が治療意欲があると知っていたが、 そもそも今回のやりとりを知らなかった・・・ ・本人が末期でも治療希望があると知っていた が病院から治療はないと言われていて説得方向で進めたかった ・ケアマネの介入は家族としては求めていなかった

  30. 多職種との認識:目線はずれていないか?          得ている情報は大きく異なっていないか?          最近連絡が希薄になりすぎていないか?          専門技術や資源の提案だけで済ませよう          としていないか? 本人・家族の認識:今の不安・不満なところはないか?            私が困難事例でよく考えること

  31. 31 共依存のポイントは愚痴を聞いて1つ1つ整える ー 一手一手をカスタマイズして慎重に ー 困難事例を紐解くポイント③

  32. 例えば・・・ ・外のサービスに個別性/柔軟性を求めすぎる ・現在、社会との関係が希薄で愚痴が言えない ・離れたいけど離れられない (ex. ショート拒否の母) ・母娘の関係、母と障害・精神の息子の関係が多い → 1つ1つ紐解いてニーズや共依存になった経緯・原因を確認   歴史を紐解いていくことで構造が見えてくる サービスは慎重に 共依存は個別性の分析が求められる

  33. 33 社会制度の把握と資源の把握 ー 総力戦に備える ー 困難事例を紐解くポイント④

  34. ・食事がおいしいデイ、男性の多いデイ ・後見人申請の地域の相談窓口 ・保証人のNPO団体 ・限度額認定証や生活保護の申請ライン → ケアマネだけ、ソーシャルワーカーだけに任せすぎる   のではなく総力戦の意識を ( 個人の限界 → チームに ) 困難事例と社会制度・資源は密接に関わる

  35. 35 ビッグワードで思考停止してないか?もう一歩の言語化を ー より具体的に考えよう ー 困難事例を紐解くポイント⑤

  36. 例えば・・・「8050問題だよね」=ビッグワード で、「具体的にどうするんですか??」まで考えましょう ex)   - 障害や精神を持つ息子さんの細かいケア(物理的・精神的)  - 男性介護者のこだわりと限界(誰がその支援者になれるか?)   - 密な情報連携ー特に最前線と周囲が密になれているか? - 本人のADL低下の防止/再入院を防ぐ  – 虐待に発展する可能性に注意       ビッグワードからもう一歩

  37. 37 100人100通り。でも過去の事例は補助線になる ー デスカンファ以外にも振り返りをしっかりとー 困難事例を紐解くポイント⑥

  38. 内省・振り返りの推奨 こじれた事例、大変だった事例は・・・ 実はそれなりの裏があったり、認知していなかった動きがあった、価値観の対立があった(仲が悪かった) ということが往々にして多い印象です。また、多職種で向いている方向性が違った、家族と目線が十分にあってなかったということもあります。振り返りをして修正ポイントの洗い出しをお勧めします。

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