#4.
血液ガスで何がわかる?
迅速 かつ 情報量が多い!
4 病態/診断
緊急性
を判断できる 臨床的にかなり有用な検査なので、
適切に解釈ができるようになりましょう!
#5.
血液ガスはいつ取る? ・急変した患者の状態評価のため
バイタルサインの異常のときは積極的な適応。
・敗血症、DKA/HHSなど、診断のため
・治療反応性の確認
Ex)人工呼吸器設定変更、DKA/HHS、電解質補正、敗血症、CO中毒など 5 レジデントノート2021Vol.23 No4
#6.
酸塩基平衡の基礎知識 6 体内では常に酸が産生されている。
酸がたまると、pHが低下する。
→酸性環境下ではタンパク質の変性や失活を引き起こす。
つまりpHの低下は有害!
こうならないように、
緩衝系(pHの変化を最小限に抑える)
排泄(肺、腎臓)が備わっている レジデントノート2021Vol.23 No4 分単位で速やかに 時間〜日単位でゆっくり
#7.
7 日腎会誌2001; 43(8):621-630
#8.
血液ガスを読む前に 8 条件の確認をしましょう!
①動脈血 or 静脈血
②呼吸数
③酸素の投与方法、投与量
#9.
9 日腎会誌2001; 43(8):621-630 静脈血液ガスは
動脈血液ガスに比べて
pHはアシデミア
PCO2はアシドーシス
HCO3-はアルカローシス
傾向に少しだけなる 動脈血液ガスと静脈血液ガスの違い 酸塩基平衡を大まかにみるなら静脈血液(V)ガスでも可!
でも、細かく酸塩基平衡をみた方が良い状況(重症、急変など)や
Vガスで取って”なんか変?”と思ったら
必ず動脈血液(A)ガスで評価しましょう!
#10.
正常値(必ず覚えましょう!!) 10 正常値(動脈血液ガス)
pH:7.4 ±0.05
PCO2:40 ±5 mmHg HCO3-:24 ±2 mEq/L
Anion Gap:12 ±2 mEq/L
#11.
目次
血液ガスを読む前に
血液ガスの読み方
11
#12.
血ガスの読み方 Step1:アシデミア or アルカレミア
Step2:呼吸性 or 代謝性
Step3:Anion Gap(AG)の計算
(Step3’:AG開大あれば補正HCO3-の計算)
Step4:代償はできているか
Step5:結果の解釈 12
#13.
Step1:アシデミア or アルカレミア pH(正常 7.4 ±0.05 )をチェック
・pH≦7.35:アシデミア
・pH≧7.45:アルカレミア
13 ⚠︎注意ポイント
アシドーシス/アルカローシスではないよ!
#14.
アシデミア/アルカレミア、アシドーシス/アルカローシス 14 酸塩基がどの方向に
動いているか pH7.4より
高いか低いか
#15.
酸塩基がどの方向に
動いているか アシデミア/アルカレミア、アシドーシス/アルカローシス 15 pH7.4より
高いか低いか pHの値は関係ない。
pHが高くてもアシドーシス
pHが低くてもアルカローシス
になり得る!
#16.
Step2:呼吸性 or 代謝性 PaCO2(正常 40 ±5 mmHg )、
HCO3-(正常 24 ±2 mEq/L)をチェック 16 ここはベクトル!
#17.
Step3:Anion Gap(AG) ・細胞外液中の陽イオンと陰イオンは等量存在する。
陽イオン(カチオン):Na+、測定されない陽イオン(UC)
陰イオン(アニオン):Cl-、HCO3-、測定されない陰イオン(UA)
・アニオンギャップとは
測定されない陰イオンと測定されない陽イオン差。
つまり、AG=UA-UC。正常 12 ±2 mEq/L。 17
#18.
Step3:Anion Gap(AG) 18 陽イオンと陰イオンは等量 @細胞外液(血管内) unmeasured cations(UC):
K+、Ca2+、Mg2+など。
約11mEq/Lと少なく一定。 Unmeasured anions(UA):
蛋白(主にAlb)、硫酸イオン、硝酸イオン、乳酸イオン、
ケトン体など
#19.
Step3:Anion Gap(AG) アニオンギャップ=UA-UC なので、、、 19 AG AG=Na+-(HCO3-+Cl-)
(正常 12 ±2 mEq/L) ⚠︎血液ガス分析器により
バラツキがあるため、
Na,Clは血清検体で
計算しましょう。
#20.
Step3:Anion Gap(AG) 低Alb血症がある場合、AGの正常値を下げる! HCO3- Cl- UA UAのひとつに
蛋白(主にAlb) 低Alb血症 AG 低Alb血症のとき
AGの正常値=
12-2.5(4-Alb) ±2 低Alb血症の場合
AGの正常値が
通常よりも小さい。
⇩
AG<12でもAG開大
していることがある 20
#21.
Step3:Anion Gap(AG) AGを測定する意味 →UAが増加? or Cl-が増加? 21 AG
#22.
Step3:Anion Gap(AG) ・UAが増加する場合
22 AG AG開大性
代謝性アシドーシス 不揮発性酸が増加、
同量のH+も増加
→AGは開大する
#23.
Step3:Anion Gap(AG) ・Cl-が増加する場合 23 AG 高Cl性/AG非開大性
代謝性アシドーシス Cl-が増加、
同量のHCO3-が消費
→AGは正常になる
#24.
Step3:Anion Gap(AG) ・Cl-が増加する理由
原因疾患の病態的にH+が排出できない
⇨体内のH+とセットで干渉物質としてCl-が増える
HCO3-が再吸収できない(NaHCO3が排泄される)
⇨NaHCO3が失われてHClが残る
(体液はNaCl+H2O+CO2でできているため)
24
#25.
Step3’:AG開大あれば補正HCO3-の計算 ・補正HCO3- :AGが正常と仮定したときの推測のHCO3-
→他の代謝性アシドーシスや代謝性アルカローシスが
合併しているかを判断する
・補正HCO3-=実測HCO3- + ΔAG
<24:AG非開大性代謝性アシドーシスの合併
>26:代謝性アルカローシスの合併
25
#26.
Step3’:AG開大あれば補正HCO3-の計算 AG HCO3- Cl- UA 26 AG開大代アシ AG 増えたAG分
=ΔAG
#27.
Step3’:AG開大あれば補正HCO3-の計算 AGが正常と仮定すると、、、 AG HCO3- Cl- UA 27 AG開大代アシ AG 他に異常がなく、
AG正常と仮定すると
HCO3-は減らないはず。
⇩
補正HCO3-=
実測HCO3- + ΔAG
#28.
Step3’’:ΔAG/HCO3-(補正HCO3-の代用) ・海外では補正HCO3-よりもΔAG/HCO3-を使うことがある。
・ΔAG/HCO3-
1mEq/Lの酸負荷で血清HCO3-が1mEq/L低下し、
ΔAGが1mEq/L上昇するということを前提。通常はΔAG/HCO3-=1。
<0.8:AG非開大性代謝性アシドーシスの合併
0.8~2:AG開大性代謝性アシドーシスのみ
2<:代謝性アルカローシスの合併 28 補正HCO3-あるいはΔAG/HCO3-のどちらかを使えるように。
#29.
Step4:代償はできているか 29
#30.
Step4:代償はできているか 30 呼吸性代償は分単位、
代謝性代償は時間〜日単位
#31.
血液ガスの読み方 チェックリスト Step1:アシデミア or アルカレミア →pH(正常7.4)
Step2:呼吸性 or 代謝性 →PCO2(正常40)、HCO3-(正常24)
Step3:Anion Gap(AG) →AG=Na+-(HCO3-+Cl-)(正常12)
Step3’:AG開大あれば補正HCO3- →補正HCO3-=実測HCO3-+ΔAG
Step4:代償
Step5:結果の解釈 31
#32.
例題 50歳男性 <動脈血液ガス分析>
呼吸数 30回/分、室内気
32 一緒に血ガスを読んでみましょう!
#33.
例題 Step1:アシデミア or アルカレミア →pH(正常7.4)
アシデミア
Step2:呼吸性 or 代謝性 →PCO2(正常40)、HCO3-(正常24)
PCO2↓、HCO3-↓ ⇨ 代謝性アシドーシス 33
#34.
例題 Step3:Anion Gap(AG) →AG=Na+-(HCO3-+Cl-)(正常12)
AG=131-(8.5+89)=33.5 >12
⇨ AG開大性代謝性アシドーシス
Step3’:AG開大あれば補正HCO3- →補正HCO3-=実測HCO3-+ΔAG
ΔAG=33.5-12=21.5 なので
補正HCO3-=8.5+21.5=30
⇨ 代謝性アルカローシス 34
#35.
例題 Step4:代償
代謝性アシドーシス ΔPCO2=(1~1.3)×ΔHCO3-
ΔHCO3-=24-8.5=15.5 なので
ΔPCO2=(1~1.3)×15.5=15.5~20.15
PCO2は低下するはずなので、
予測PCO2=40-(15.5~20.15)=19.85~24.5
実測PCO2=23.5 ⇨ 代償範囲内 35
#36.
Step5(結果の解釈)では、なぜこの酸塩基平衡になったのか、
アセスメントを行います。(Step5が一番重要です) 例題まとめ
Step1: アシデミア
Step2: 代謝性アシドーシス
Step3: AG=33.5>12 ⇨ AG開大性代謝性アシドーシス
Step3’: 補正HCO3-=30>26 ⇨ 代謝性アルカローシス
Step4: 代償範囲内 36 AG開大性代謝性アシドーシス+代謝性アルカローシス
#37.
オンライン勉強会(毎週火曜日21時〜開催)
毎回100名以上の若手医師やコメディカルスタッフが全国から参加しています。
毎回1つのテーマ(失神、呼吸困難、敗血症、輸液・抗菌薬など)を取り上げ、
実際によくある症例をもとに「どう考えて、どう動くか」を ステップごとに整理していきます。 4月から初期研修医向けレクチャー始まります! 参加希望の方は、是非Lineグループへ参加ください!
https://minhos-homepage-2025.web.app
#38.
Take home message 血液ガスから状態把握と解釈ができるようになりましょう
続きは、『みんほす!オンライン勉強会』で 38 参考文献
レジデントノート2021Vol.23 No4
日腎会誌2001; 43(8):621-630
帰ってきた 竜馬先生の血液ガス白熱講義22問
SHORT SEMINARS 水・電解質と酸塩基平衡 改訂第2版