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磯谷俊太郎

1/53

ループス腎炎患者における寛解達成後の免疫抑制療法の中止について

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磯谷俊太郎

名古屋市立大学病院

内容

ループス腎炎患者における寛解達成後の免疫抑制療法の中止について(Immunosuppressive therapy withdrawal after remission achievement in patients with lupus nephritis: Zen M, Fuzzi E, Loredo Martinez M, Depascale R, Fredi M, Gatto M, Larosa M, Saccon F, Iaccarino L, Doria A. Immunosuppressive therapy withdrawal after remission achievement in patients with lupus nephritis. Rheumatology (Oxford). 2022 Feb 2;61(2):688-695. doi: 10.1093/rheumatology/keab373. Erratum in: Rheumatology (Oxford). 2022 Aug 3;61(8):3506. PMID: 33909900.) 抄読会資料

本スライドの対象者

研修医/専攻医/専門医

参考文献

  • Zen M, Fuzzi E, Loredo Martinez M, Depascale R, Fredi M, Gatto M, Larosa M, Saccon F, Iaccarino L, Doria A. Immunosuppressive therapy withdrawal after remission achievement in patients with lupus nephritis. Rheumatology (Oxford). 2022 Feb 2;61(2):688-695. doi: 10.1093/rheumatology/keab373. Erratum in: Rheumatology (Oxford). 2022 Aug 3;61(8):3506. PMID: 33909900.

テキスト全文

  • 1.

    名古屋市立大学病院 リウマチ・膠原病内科 磯谷 俊太郎 論文抄読会 2022.11.10SLE②(2022年度)

  • 2.

    本日の論文1) . Rheumatology (Oxford): Impact Factor 7.046(2021-2022)※22/11/01時点

  • 3.

    プログラム §1 § §2 §3 Introduction/Clinical question Methods Results §4 Discussion

  • 4.

    プログラム §1 § §2 §3 Introduction/Clinical question Methods Results §4 Discussion

  • 5.

    前回までのおさらい PSL1mgの減量が臓器障害3%減らす2). PSL1mgの増加がSDI増加リスクを14%増やす2). PSL5mg/日を超える場合, 有意に臓器障害が増える3). ☞極力ステロイドを減量・中止したい. ☞1年間SLEの疾患活動性が安定している患者の3/4で ステロイドの漸減・中止が可能であった. The CORTICOLUP trial4)

  • 6.

    Clinical Question ステロイドは一定の条件を満たせば 漸減中止可能のようだが, 免疫抑制剤は休薬できるのだろうか. そもそもやめることに意義はあるのだろうか

  • 7.

    SLEの自然史5) SLEでは再燃が頻繁に起こり, 不可逆的な損傷を引き起こし, 死亡率が増加する. 時間経過とともに感染症, 早期の動脈硬化症, 悪性腫瘍の併存症も増加する. 寛解を達成することによりSLEの再燃頻度・重症度を低下させ, 臓器損傷を減少させる. T2T達成を目標にしている現在は臓器損傷の原因に薬剤の影響が占める割合が増えている.

  • 8.

    免疫抑制剤継続のメリット6) ループス腎炎における末期腎不全進行危険因子 免疫抑制剤を維持療法で使用しないことは末期腎不全への進行予測因子の一つ.

  • 9.

    免疫抑制剤継続のメリット6) ループス腎炎における末期腎不全進行危険因子 免疫抑制剤を維持療法で使用しないことは末期腎不全への進行予測因子の一つ. 免疫抑制剤の継続により 再燃に伴う臓器障害の頻度を減らし, さらにGC減量につながる.

  • 10.

    免疫抑制剤継続のデメリット ステロイドの使用程ではないが, 免疫抑制剤の使用は5年後のSDI上昇のリスク因子. ☞免疫抑制剤の長期の使用はSLE患者の臓器障害の蓄積に関与する12). ※ステロイド併用による交絡の可能性もある.

  • 11.

    免疫抑制剤継続のデメリット 重篤感染症・人年 1000人年あたりの発生率 HR: 年齢・性別による調整 HR: 腎炎・GCなどで調整 “Damage”としての”感染症”. アザチオプリンの感染症発症リスクが高い14). ※ステロイド併用による交絡の可能性もある.

  • 12.

    免疫抑制剤いつまで続ける? ループス腎炎においていつまで免疫抑制剤を続ければいいのですか? 医師 T2T23) ループス腎炎ならば少なくとも3年間は 免疫抑制剤を続けなさい. 医師 3年間? 根拠は…?

  • 13.

    免疫抑制剤いつまで続ける?(T2T作成時) ALMS26) 寛解維持(3年) MMF2000mg/日 AZA 2mg/kg/日 N=116 N=111 MAINTAIN27) 寛解維持(3年) T2Tで3年を規定した根拠は過去の臨床試験での観察期間による. その他上に示した以外にCYの臨床試験を参考文献にしている23, 28). あまり”3年”の定義に根拠はなさそう(長ければ長い方がよさそうだが)

  • 14.

    免疫抑制剤いつまで続ける?(T2T発表後) 105人のSLE患者でIS中止後の 再燃に関わる予測因子 (26/105 24.7%が再燃)25) ※薬剤の種類にこだわらない. 2年以上の寛解後にIS中止する場合は再燃リスクが低下 ※T2T作成後の論文 その他の研究でもIS中止後の再燃に   中止前の寛解期間が関与していることが分かっている7). 53か月 vs 12か月 p<0.001

  • 15.

    免疫抑制剤いつまで続ける?(医者側) 一貫したデータが存在しないため本邦, 海外のガイドラインでは免疫抑制剤中止に関して言及していない8)-10). 実臨床の現場では寛解維持が持続しているLN患者の再燃を防ぐために無期限に免疫抑制剤が使用されていることがある11).(下図 医師に対するアンケート調査) 

  • 16.

    免疫抑制剤いつまで続ける?(医者側) 一貫したデータが存在しないため本邦, 海外のガイドラインでは免疫抑制剤中止に関して言及していない8)-10). 実臨床の現場では寛解維持が持続しているLN患者に再燃を防ぐために無期限に使用されていることがある11).(下図 医師に対するアンケート調査)  医者側は(重症な)再燃を心配して, 免疫抑制剤を継続する傾向にある.

  • 17.

    免疫抑制剤いつまで続ける?(患者側) 免疫抑制剤の継続使用は肉体的健康, 疼痛, Planningにおいて負の相関あり13). 患者側は 半永久的な免疫抑制剤の継続を負担に感じているようだ.

  • 18.

    免疫抑制剤いつまで続ける?(パイロット研究7)) 寛解達成後における免疫抑制剤中止により患者は年間4-27%の割合で再燃する. 1年以上 Cre正常, 尿蛋白 <0.5 g/日, 沈査活動性なし, 腎外病変の活動性なし. N = 73 ステロイド・免疫抑制剤中止 N = 52 漸減中に再燃 N = 21 中止達成 N = 32 中央値 102か月 中止後再燃 N = 20 中央値 37か月 中止達成群 vs 再燃群7) ①中止までの寛解期間が長い(53か月 vs 12か月 p<0.001) ②抗マラリア薬の継続 (52% vs 10% p<0.004)

  • 19.

    SLE患者の再燃は臓器障害の蓄積につながる. 免疫抑制剤の使用は寛解維持, GC減量につながる. しかし長期の免疫抑制剤使用においてもデメリットが存在. Qustion: SLE患者においてISは離脱できるだろうか. ☞実際にISを離脱した患者はどうなるか.    ⇒実臨床でIS離脱後の再燃頻度を観察. ☞どのような患者群であれば離脱できるか.  ⇒多変量解析でのリスク因子の探索. 青文字: pilot studyでは明らかになっていない点 小括

  • 20.

    SLE患者の再燃は臓器障害の蓄積につながる. 免疫抑制剤の使用は寛解維持, GC減量につながる. しかし長期の免疫抑制剤使用においてもデメリットが存在. Qustion: SLE患者においてISは離脱できるだろうか. Padua Lupus cohort 単一施設, 過去起点コホート(後ろ向きコホート)研究 本論文を選んだのは…

  • 21.

    プログラム §1 § §2 §3 Introduction/Clinical question Methods Results §4 Discussion

  • 22.

    論文の要旨 : PPO P(Population: 集団): 寛解を維持しているLN患者. P(Predictor: 予測する変数): 免疫抑制剤中止時の電子カルテ上で確認できる一般臨床データ項目 患者基本情報, 検体検査, 病理検査, 治療内容 O(Outcome: 結果) IS中止後の再燃を予測する  prognostic factorの探索

  • 23.

    Population(組入基準) 組入基準: Padua Lupus cohortを含むSLE databaseから ①分類基準: ACR 1982基準15). ②対象期間: 1990-2020年. ③組織学的証明: 腎生検によるLNの診断. ISN/RPS 2003分類16) ④LNに少なくとも1回は免疫抑制剤を使用. ☞これらの患者で寛解基準を満たした患者

  • 24.

    (補)ACR1982分類基準15) 11項目中4項目に該当すればSLEと分類する. 感度96%, 特異度96%

  • 25.

    (補)ISN/RPS 2003年分類16) Ⅰ型: 微小メサンギウムループス腎炎 Ⅱ型: メサンギウム増殖性腎炎 Ⅲ型: 巣状ループス腎炎 Ⅳ型: びまん性ループス腎炎  Ⅳ-S型: びまん性分節性ループス腎炎  Ⅳ-G型: びまん性全節性ループス腎炎 Ⅴ型: 膜性ループス腎炎 Ⅵ型: 進行した硬化性ループス腎炎

  • 26.

    Population(寛解基準) 前提条件: 免疫抑制剤, 抗マラリア薬が1年以上の変更なし.            もしくはPSL≦5mg/日. ①血清Cre正常 ②蛋白尿<0.5 g/日 ③尿沈渣活動性なし ④腎外病変の安定 臨床的SLEDAI-2K = 0 ☞臨床的寛解 + 血清学的活性なし SLEDAI-2K = 0 ☞完全寛解 ※溶血性貧血と腸管血管炎の患者は除外

  • 27.

    SLEDAI-2K (SLEDAI 2000)17) SELENA-SLEDAIと比較して再燃の評価が困難. 重症度の定義がない. 10日以前から続く臓器障害の評価ができない. 一部の臓器障害が計上されていない, 臓器病変の点数に偏りがある.

  • 28.

    Population ISの中止: いずれかのISを中止と定義. 寛解維持におけるISの離脱を検討するため ISの完全中止の前に一旦ISの漸減を行う. 最終使用がCY(寛解導入目的)は除く

  • 29.

    Outcome 【評価項目】IS中止後の再燃を予測するリスク因子 再燃頻度, 再燃臓器 <再燃などの評価定義> 【疾患活動性】SLEDAI-2K16) 【臓器障害】SLICC Damage Index (SDI 以前のスライド参照) 【再燃】SELENA-SLEDAI Flare index (SFI 以前のスライド参照)

  • 30.

    (補)SELENA-SLEDAI flare index (SFI)

  • 31.

    統計解析 【統計】 連側変数: t検定もしくはウィルコクソンの符号順位検定 名義変数:フィッシャーの正確確率検定/カイ二乗検定 再燃予測因子 単変量解析でp<0.2となった因子を選択し, 多変量ロジスティック回帰モデルに入力. 変数選択はステップワイズ法を使用. サンプル数に対して説明変数の候補が多いため 多重共線性はモデルを実行する前に実行. 相関: SpearmanとPearson R値>0.6で有意と判断. 解析ソフト: SPSS(v.26.0)

  • 32.

    (補)ステップワイズ法18) 結果を見ながら変数を選択するため, バイアスが生まれやすい.

  • 33.

    プログラム §1 § §2 §3 Introduction/Clinical question Methods Results §4 Discussion

  • 34.

    試験登録患者のフローダイアグラム

  • 35.

    試験登録患者のベースライン特徴 (Table1) 83人が寛解達成後46±30か月でIS中止. IS中止後大多数はHCQを継続(68/83 82%) PSL≦5mg/日 の継続(9/83 11%) すべて中止 (6/83 7.2%) HCQ+low dose GCは再燃予防という意味でHCQ単剤以上の効果をもたらさなかった(data not shown) Low dose GC vs すべて中止で再燃率は同等(4/9 44.4% vs 4/6 66.6%, p=0.7)

  • 36.

    評価項目: 再燃率・再燃臓器の割合 22.9%(19/83)が再燃. アドヒアランス不良/不耐性を理由にISを中止した患者の再燃率は80%(8/10). 再燃までの期間は50(7-180)か月. 再燃時病変: 中止群の再燃率は既報と近似19) 長期MMF中止(48人) vs 維持療法継続(42人): 60週間の無作為・非盲検 22% vs 7.7% (有意差なし) 寛解の程度で再燃率に違いはない. (p = 0.3) ただし重症再燃例はすべて臨床的寛解例であった. 再燃例の73.7%は薬剤再投与で寛解に至った.

  • 37.

    評価項目: 再燃予測因子 多変量解析: 再燃リスクを低下させる要因 ①IS中止後のHCQによる維持療法継続 ②IS中止時の年齢 ③寛解期間が3年以上である場合のIS中止

  • 38.

    評価項目: 再燃予測因子 多変量解析: 再燃リスクを低下させる要因 ①IS中止後のHCQによる維持療法継続 ②IS中止時の年齢 ③寛解期間が3年以上である場合のIS中止 3年以上の寛解後のIS休薬+HCQ継続の組み合わせでは再燃リスクがさらに低下. OR 0.057, 95% CL 0.007-0.487, p = 0.014 寛解期間が3年未満でISを中止した場合の再燃率: HCQ投与患者33.3% vs非投与 50%. p = 0.37

  • 39.

    評価項目: 再燃予測因子 再燃に寄与しなかった因子: ①抗dsDNA抗体陽性の有無 ②補体価 ③ベースラインの蛋白尿 ④免疫抑制剤の種類 ただし寛解している患者の大半は抗dsDNA抗体が低かったので注意. LNの病理分類で差はほぼなかった. ただしⅣ型の患者で腎再発が多い傾向.(統計学的有意差なし. Data not shown) ただし重症度が高い再燃はすべて血清学的安定を得られていない(臨床的寛解) 単変量

  • 40.

    プログラム §1 § §2 §3 Introduction Methods Results §4 Discussion

  • 41.

    再燃予測因子に対する文献的考察

  • 42.

    再燃予測因子: HCQによる維持療法 HCQの維持療法継続はLNを含むSLEの再燃を防ぐ20). 特にHCQ治療は腎炎発症リスクを大きく軽減. 寛解期LNの再燃の確率を下げる. HCQの使用はSLE再燃の予防因子である. 禁忌がない限り, LN患者を含むすべてのSLEでHCQを投与が推奨9). 再燃例のほとんどが治療で再寛解を達成. IS中止後の活動性コントロールが重要. 文献20より HCQの使用は再燃リスクを下げる.

  • 43.

    再燃予測因子: 中止時年齢/寛解期間 年齢21): 再燃を経験した症例はSLEの発症年齢だけではなく, IS中止時の年齢も若い傾向にある. ⇒発症が若い程, 臓器病変の重症度が高いことが背景にある. ただし腎再燃に関しては予測因子として検出されなかった.(Table2) 寛解期間: 寛解期間は既報でも再燃に関して独立した保護因子である. 3年間の寛解は再燃リスクを71%減少させる22). SLEのT2Tでは少なくとも3年のIS継続が推奨されている23). (推奨7) ただし本研究は臨床的寛解を対象にした場合は再燃に関与せず. 腎外病変の疾患活動性を考慮しない場合, 腎部分寛解または完全寛解に至る時間が長期腎転帰の予測因子とされる6,7).

  • 44.

    再燃予測因子 抗dsDNA抗体陽性の有無 中止時はいずれの症例も抗体価が低い傾向にあった. 高力価の抗dsDNA抗体が再発を予測する可能性は否定できない. dsDNAはLN再燃予測に有用という報告. BEL第三相試験データによる再燃の解析24).

  • 45.

    Discussion:類似の報告25) P: 1990-2018年においてSLEの診断を受け, 免疫抑制剤治療歴のある患者. E: 完全寛解を目的に免疫抑制剤を中止. C: アドヒアランス不良を理由に免役抑制剤を中止. O: 再燃頻度+(E)における再燃の有無を予測する因子の検索(多変量解析) 139人が適格性を満たし, (E)に105人, (C)に34人が該当. 再燃頻度 26/105(24.7%) vs 23/34(67.6%), p<0.001 頻度は近似. HCQ治療の継続と, 中止前の寛解期間が検出 ※今回の論文と同じ雑誌に掲載されており, 発表年数が新しい方を発表用として選択しました.

  • 46.

    Limitation

  • 47.

    Discussion: Limitation①-③ 過去起点コホート研究(後ろ向きコホート研究) 未測定交絡の存在. 脱落者が予防できない(poor adherenceなど) 単一施設での施行 脱落患者の出現. 施設方針によるバイアスの除外が困難. ステロイド, 複数免疫抑制剤の使用 1割程度ステロイドを残して, 免疫抑制剤をoffしている. 全例がステロイド⇒ISの順で休薬した場合は結果が変わる可能性. 免疫抑制剤に関しても全てをoffしたわけではない. 残した薬剤にバイアス? 7.2%しかすべての薬剤を休薬していない. ※下線部は私見.

  • 48.

    Discussion: Limitation④-⑥ ISを中止した患者が比較的少ない(サイズ不足) 後ろ向きコホート研究であるため(実臨床の反映?) そもそも他のコホートと比較して免疫抑制剤使用例が少ない傾向にある. パイロット研究7)よりもnが少ない. 統計手法もこのため, 少し恣意的(ステップワイズ法) 再燃時の腎生検の不履行 倫理的な問題, 過去起点コホート(全例実施に関して)にて困難. 未測定交絡の可能性. 腎病変再燃患者が少ない. 単一施設であるため, 施設の性格による. 腎病変再燃のリスク因子の評価ができなかった. ※下線部は私見.

  • 49.

    Conclusion LN患者において安定した寛解期にあり, HCQを使用している場合はIS休薬は可能. ただしISを休薬をするには3年間は少なくとも寛解を維持することが重要となる. 治療中止後にも定期的なf/uが必要であり, 再発の早期発見と迅速な治療が望まれる. IS中止後の疾患再燃に対して保護的な作用が見込まれるため,すべてのLNの患者にHCQの長期投与が推奨される.

  • 50.

    Key message 寛解維持を達成したループス腎炎患者の約4/5の症例において再燃なく, 免疫抑制剤の中止に成功した. 免疫抑制剤中止可能を予測する制御可能な因子として①HCQの使用, ②3年以上の寛解が挙げられる. 免疫抑制剤中止後に再燃した場合も免疫抑制剤の再開で寛解を達成することができる可能性が高い. 今後は複数施設でnを増やし, 今回の予測因子を組みあせたモデルの診断精度を検討する必要がある.

  • 51.

    参考文献 (1) Zen M et al. Rheumatology (Oxford). 2022 Feb 2;61(2):688-695. Strehl C et al. Ann Rheum Dis. 2016 Jun;75(6):952-7. Apostolopoulos D et al. Lupus Sci Med. 2016 Nov 22;3(1):e000157. Mathian A et al. Ann Rheum Dis. 2020 Mar;79(3):339-346. Fanouriakis A et al. Ann Rheum Dis. 2021 Jan;80(1):14-25. Moroni G et al. Ann Rheum Dis. 2018 Sep;77(9):1318-1325. Moroni G et al. Clin Exp Rheumatol. 2013 Jul-Aug;31(4 Suppl 78):S75-81. 日本リウマチ学会 全身性エリテマトーデス診療ガイドライン2019 Fanouriakis A et al. Ann Rheum Dis. 2020 Jun;79(6):713-723. (EULAR/ERA-EDTA 2019 update) Gordon C et al. Rheumatology (Oxford). 2018 Jan 1;57(1):e1-e45.(英国リウマチ学会ガイドライン) Ngamjanyaporn P et al. Lupus Sci Med. 2017 Jun 29;4(1):e000173. Urowitz MB et al. J Rheumatol. 2021 Jan 1;48(1):67-73. Elera-Fitzcarrald C et al. Lupus. 2018 May;27(6):913-919. Simard JF, Rossides M et al. Lupus Sci Med. 2021 Sep;8(1):e000510. Tan EM et al. Arthritis Rheum. 1982 Nov;25(11):1271-7. Weening JJ et al. J Am Soc Nephrol. 2004 Mar;15(3):835-6. Gla

  • 52.

    参考文献 (2) 23. van Vollenhoven RF et al. Ann Rheum Dis. 2014 Jun;73(6):958-67. 24. Petri MA et al. Arthritis Rheum. 2013 Aug;65(8):2143-53. 25. Zen M et al. Rheumatology (Oxford). 2020 Jul 1;59(7):1591-1598. 26. Dooley MA et al. N Engl J Med. 2011 Nov 17;365(20):1886-95. 27. Houssiau FA et al. Ann Rheum Dis. 2010 Dec;69(12):2083-9. 28. Gatto M et al. Nat Rev Rheumatol. 2019 Jan;15(1):30-48.

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