#4.
結節性紅斑 erythema nodosum: EN➡下腿伸側 圧痛 熱感 50代 女性
クローン病 大腸亜全摘
ウステキヌマブ➡現在はリサンキズマブ 皮下脂肪小葉間結合織リンパ球主体の浸潤
∴境界が不明瞭な2-4㎝程度の結節状の紅斑 IBD以外にも溶連菌感染、結核など感染症、薬剤、サルコイドーシスなどにも合併
➡原因への対処が第一 IBD合併の場合はIBDの病勢と相関することが多い。
安静 挙上 クーリング!
NSAIDs
ヨウ化カリウム 600mg/3xn
PSL 20mg/d (安静厳守で!)
#5.
尋常性乾癬 psoriasis vulgaris: PsV➡ケブネル現象 50代 女性
クローン病 大腸亜全摘
ウステキヌマブ➡現在はリサンキズマブ ケブネル現象: 摩擦など物理的刺激、温熱的、化学的な刺激で健常皮膚にも乾癬病変を生じること。
個人的な印象ですが、IBD合併乾癬はケブネル現象が起きやすいような。。。。 60代 女性
潰瘍性大腸炎 大腸全摘
メサラジン 境界明瞭な紅斑~局面+銀白色の雲母様鱗屑
爪にも、点状陥凹、爪甲剝離など病変伴うことあり。 爪病変+
⇒乾癬性関節炎に注意
#6.
尋常性乾癬 psoriasis vulgaris: PsV➡時に膿疱化することも 50代 女性
クローン病 大腸亜全摘
ウステキヌマブ➡現在はリサンキズマブ ケブネル現象: 摩擦など物理的刺激、温熱的、化学的な刺激で健常皮膚にも乾癬病変を生じること。
個人的な印象ですが、IBD合併乾癬はケブネル現象が起きやすいような。。。。 尋常性乾癬は、もともと表皮に好中球が浸潤しやすい。
∴あせも(汗疹)のような無菌性膿疱を作ることもあり、抗菌薬ではなく乾癬と同じステロイド+ビタミンD3外用剤が有効。
#7.
白血球破砕性血管炎 Leukocytoclastic vasculitis➡palpable purpura 20代 女性
クローン病
インフリキシマブ使用後2年で出現 臨床所見はIgA血管炎とほぼ同じだが、病理学的に真皮上層の血管壁にIgAの沈着を認めない、皮膚以外の症状を欠く点が異なる。
点状の紫斑だが、触るとわずかに盛り上がりを触れるpalpable purpuraが特徴➡真皮浅層の血管炎による浮腫を反映。 IBD (クローン、UCとも) に対して抗TNFα抗体製剤など生物学的製剤使用中に出現するIgA血管炎の報告が散見される。 Hong JG. et al. Clin J Gastroenterol. 2021 Urushikubo J. et al. Clin J Gastroenterol. 2021 Toruner MD. et al. Intest Res. 2025 IgA血管炎は腎や消化管にも血管炎を起こすためPSL全身投与になることが多い。
生物学的製剤がどこまで発症に寄与しているのかはまだ、controversial…
#8.
Sweet syndrome➡発熱 頭頚部、四肢優位 有痛性 硬い紅斑 Sleiman J. et al. Dig Dis Sci. 2023 Commins N. et al. Front Med (Lausanne). 2025 60代 男性
left-sided colonic IBD with perianal diseaseと6か月前に診断
インフリキシマブを3か月前~
アザチオプリンを3週間前~ アザチオプリン誘発性Sweet syndrome
被疑薬中止とPSL内服で改善 1施設25例のcase series
#9.
Sweet syndrome➡発熱 頭頚部、四肢優位 有痛性 硬い紅斑 Sleiman J. et al. Dig Dis Sci. 2023 1施設25例のcase series 成木 良瑛子ら Progress of Digestive Endoscopy. 2013 IBD合併例の日本からの報告は多くない。
➡女性に多く、IBDの活動期に出やすい傾向は同じ
Sweet syndrome自体の診断基準
Major 2項目,Minor 2項目を満たす
Major
①紅斑性丘疹,
②壊死性血管炎を伴わない好中球浸潤
Minor
①発熱
②基礎疾患を有する
③好中球優位白血球上昇
④CRP上昇
⑤ステロイド反応性良好
IBD以外は血液疾患(MDSなど)との合併が多く、G-SCFやIL-6の関与。
男性の場合VEXAS症候群との鑑別も
#10.
壊疽性膿皮症 Pyoderma gangrenosum: PG➡治らない潰瘍 疼痛 Powellらの分類 細菌培養陰性 無菌性膿疱
Pathergy: 外的侵襲に対する過剰な反応➡デブリードマンするほど広がる
病理では表皮や真皮への好中球の浸潤+血管炎がないこと
#11.
壊疽性膿皮症 Pyoderma gangrenosum: PG➡治らない潰瘍 疼痛 30代 女性
潰瘍性大腸炎 全大腸型 13年前~
症状増悪➡トファチニブ導入後6週
発熱 右下腿発赤腫脹➡壊死性筋膜炎s/o 細菌培養: 血液、創部、組織すべて陰性
mPSLパルス➡PSL 50mg/d➡アザチオプリン+アダリムマブへ PG ざ瘡: acne 化膿性汗腺炎:
Suppurative Hidradenitis PASH症候群?
#12.
PSTPIP1関連炎症性疾患 PSTPIP1-associated inflammatory disease: PAID PSTPIP1: pyrin inflammasomeの活性化と細胞骨格の制御に関与する分子
PSTPIP1遺伝子の病的バリアント: pyrin inflammasomeが持続的に活性化➡IL-1β過剰産生➡自己炎症 古賀 琢眞ら JSIAD Journal. 2022 PAC症候群はこれまで1例報告のみ(PubMed)。
自験例もPSTPIP1遺伝子の病的バリアント同定に至らず…
IBDにPGを伴う場合はPAIDの可能性も…
#13.
ストーマ周囲壊疽性膿皮症 Peristomal PG➡ストーマ側から拡大 40代 女性
腸管ベーチェット+家族性地中海熱
回腸穿孔➡回腸部分切除+ストーマ増設
2週間後ストーマ周囲に潰瘍 IBDの場合も基礎疾患のコントロールが最も大切。
ステロイド、タクロリムス、デルゴシチニブなどの外用 当科で経験したPeristomal PG背景因子のまとめ Honma M. et al. J Dermatol. 2022
#14.
IBD治療の影響で出る疾患
#15.
抗TNFα抗体製剤による乾癬様皮疹 Paradoxical reaction 70代 女性
SAPHO症候群
ADA-BS使用後 2か月前後で皮疹 尋常性乾癬より角化傾向が弱く鱗屑も厚くない。
掌蹠に膿疱を伴うことが多い。
抗TNFα抗体製剤の種類、投与期間、IBDの病勢に関わらず発症する。
女性、喫煙(歴も)がリスク因子。
#16.
帯状疱疹 Herpes zoster: HZ➡IBDは発生リスク上昇要因 脊髄後根神経節に潜伏感染している水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)が再活性化。
片側の一定神経支配領域に神経痛が出た数日後、紅暈を伴った小水疱が集簇して出現する。
後遺症の帯状疱疹後神経痛(PHN)は通常は1か月程度で終息することが多い。
➡局所の炎症が激しい、高齢、抗ウイルス薬開始の遅延 はPHN重症化、遷延化のリスク
頭痛、発熱、嘔気、嘔吐などがある場合は髄膜炎の合併に注意。
JAK阻害薬は年齢に関係なくHZ発症リスク上昇➡重症化しやすい
特にアジア人は欧米人よりもJAK阻害薬によるHZ発症が多い。 治療: ファムシクロビル6T/3x (腎機能に応じた減量要)、
アメナビル2T/1x (腎機能無視できるが、発症後3日以降投与は効果大幅減)
汎発疹ある、頭痛など髄膜炎の可能性➡入院アシクロビル点滴 単純ヘルペス
⇩
既感染だとJAK阻害剤やIBDの悪化で再燃あり
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繰り返す+再燃兆候が把握できる人⇒PITで予防!
#17.
IBDでみられる皮膚病変の多くはIBDの病勢と相関して推移します。
IBDに対する生物学的製剤やJAK阻害剤の多くは皮膚病変にも効果があることが多いため、皮膚科からは外用などで補助的にみることが多いです。
Paradoxical reactionはしばらく頻度が減っていましたが、バイオシミラーで抗TNFα抗体製剤が安価になって再び頻度があがる可能性を感じています。
JAK阻害剤使用中の帯状疱疹は非典型な経過をとることもあるので、紛らわしい場合はいつでもご相談ください。
嚢胞性ざ瘡や口腔内アフタなどIBDと関連して出現する皮膚疾患は、他にもあるのでお気軽にお問い合わせいただけますと幸甚です。
結語