テキスト全文
会議の流儀とフレームワークの紹介
#1. 専攻医のための 会議の流儀 フレームワーク紹介 状況整理編
#2. 総合診療科では「業務改善」のために 会議を行うことも多い しかし,それぞれが言いたいことばかり言って 話が前に進まないことも多かろう
#3. 当院のプロジェクトに関わった ある専攻医の院内の○○委員会後の一言 「 会議にホワイトボードとペンがあれば, もっと効率よく建設的な議論ができる のに,なんでしないんですかね マジでイラつきますね 」 そう,色々な背景を持った人との会議で 必要なのは ホワイトボード,ペン,ふせん そして,フレームワークだ!
状況整理系フレームワークの種類
#4. フレームワーク 会議で使えそうな武器 状況整理系 考える系 比較系
#5. フレームワーク 会議で使えそうな武器 状況整理系 KJ法 ロジックツリー プロセスマップ フィッシュボーン システムループ
#6. 状況整理系フレームワーク KJ法 ブレインストーミングからの再構成 ひとまず問題点などをブレインストーミングして ふせんで挙げまくり,似た者同士をグルーピング. そのグループをこれ以降のフレームワークのパー ツにしてもよい
KJ法とロジックツリーの具体例
#7. KJ法例 「なんかみんな疲れている」 自分が成長しているのか わからない COVID19が不安定 新人が多い カンファが多い タスクが多い 最近眠れない 入院患者が多い 外来患者が多い 状況の不安定さ カンファが多い 入院患者が多い カンファの内容が難しい ハレがない 外来患者が多い 燃え尽きてる? 最近眠れない ボーッとしちゃう 重症患者が多い COVID19が不安定 重症患者が多い ハレがない ボーッとしちゃう PF書かなきゃ 調べることが多い 患者さんとトラブル 調べることが多い その他 PF書かなきゃ カンファの内容が難しい 新人が多い 患者さんとトラブル 自分が成長しているのか わからない
#8. 状況整理系フレームワーク ロジックツリー モレなく,ダブリなく が合言葉 問題の構造を可視化することで 議論の焦点をはっきりさせやすい これをやると話がとっちらからない いい加減にやって,モレ・ダブリがでると 後々,場が混乱しやすい
#9. ロジックツリー例 「学会発表が少ない」 学会発表が少ない スキル欠乏 ネタ欠乏 やる気欠乏 情報整理力 診断力 本人の気持ち まとめ力 情報収集力 科の雰囲気 プレゼン力 知識
プロセスマップとフィッシュボーンの活用
#10. 状況整理系フレームワーク プロセスマップ 物事の流れに沿って 問題点などを整理 プロセスを図示することで どの流れのどの部分にどんな問題が あるのかが把握しやすい
#11. プロセスマップ例 問題整理型 「外来診察までが遅い」 そもそも事務の人数が少なく長蛇の列 書類作成に時間がかかる 検温の手間 診療科の振り分けで戸惑う 問診票が医師の手元に コミュニケーションが難しい患者さんで止まる 来るまでが遅い 患者さんが順番がわからず 動線が複雑で患者さんが迷う どこかに行ってしまう 物理的に遠い 受付 看護師問診 医師診察 医者がブースにいない なんかのんびりしてる 患者さんを順番通り呼ばない すごく密度の高い問診を取る 処置の付添いなどで看護師が足りない 待合にいない患者さんを探す必要がある 目標整理型 「専攻医がEBMを学ぶには」 二次資料に慣れる 抄読会で単語に慣れる S1 S2 抄読会でレクチャー 診療で適用をできる S3 自分で吟味できる 抄読会を楽しめる 隣の後輩に教えられる S4 フレームワークを 使って診療・指導
#12. 状況整理系フレームワーク フィッシュボーン 問題に対して,ある程度カテゴリが わかっている場合に カテゴリを骨として図示することで カテゴリごとにどんな問題があるのかが 把握しやすい
システムループの理解と応用
#13. フィッシュボーン例 「カンファに人が集まらない」 カンファへの思い 自分が行かなくても 大丈夫 行っても意見が反映 されない 怒られる 発言しづらい 雰囲気が悪い 多忙 日常診療の負担多 カンファが多い レベルが 合ってない ニーズに 合ってない 学習面での魅力がない
#14. 状況整理系フレームワーク システムループ それぞれのトピックの関連性を図示 変化が他の部分にどう影響するか 家庭医療理論ではおなじみのやつ それぞれの関係性を知ることで, パッと見の解決法が他の部分に 悪影響をきたすことなどが可視化できる 慣れないとこれをハンドリングするのは大変かも
#15. システムループ例 業務負担 同 経験値 同 担当機会 同 担当意欲 同 同 カンファの参加を 増やしたい 知識 重症管理を 身に着けたい 参加意欲 同 同 同 自信 やりがい 逆 逆 同 参加人数 同:同じ方向に動く 逆:逆の方向に動く
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