テキスト全文
初期研修医のための基本勉強法の概要
#1. 初期研修医のための
勉強法の基本
米空軍横田病院 日本人フェロー
小林 尭広
#2. 研修医生活をストレスフリーに
本シリーズの目的 なるべくストレスフリ-な研修医生活のサポート 学習法の提案 効率的な医学知識の
習得方法 心構えの共有 研修医としての大切な姿勢
#3. 本スライドの概要 目的 研修医の皆さんの成功を
サポート 内容 日々の学習の基本的
アドバイス 目標 充実した研修生活の実現
研修医に求められる勉強の心構え
#4. 前提として大事なこと・・・医学知識が多すぎ問題 完璧は不可能 医者個人の努力だけで全てを網羅するのは無理 専門を持ってからでも大変 専門分野のアップデートだけでも追いつくのが難しい 効率が重要 必要な知識を効率的に身につけることが大事
#5. 研修医に求められる勉強とは? ①全診療科で最低限必要な知識の習得
②目の前の患者さんの問題を解決しようとして行う勉強
#6. 初期研修中の勉強の心構え 5箇条 ①能動的学習と受動的学習を区別する
②Background questionとForward Questionを区別する
③日々の勤務に関連する知識から勉強する
④勉強のための勉強は後回しで良い
⑤自分の希望科で役立つ知識を吸収できれば十分
能動的学習と受動的学習の違い
#7. 初期研修中の勉強の心構え 5箇条 ①能動的学習と受動的学習を区別する
②Background questionとForward Questionを区別する
③日々の勤務に関連する知識から勉強する
④勉強のための勉強は後回しで良い
⑤自分の希望科で役立つ知識を吸収できれば十分
#8. 心構え① 能動的学習と受動的学習を区別する
#9. 学習法には2種類ある 能動的学習(Active Learning) 自分で知識を探しにいく学習法 疑問を解決するために自ら調べる 受動的学習(Passive learning) 知識が勝手に入ってくる学習法 セミナーや勉強会で受け身的に学ぶ
#10. 詳しく説明すると 能動的学習(Active Learning) 臨床で出会った疑問を解決するために、自ら意識的に調べて行う学習 肺炎の治療がわからない 教科書をみる 参考文献を読んでまとめる 受動的学習(Passive learning) 臨床で出会う出会わない関係なく、たまたま遭遇した知識についての学習 メーリスで流れてきた論文まとめに目を通す オンラインセミナーに参加する
学習法の実践的なアプローチ
#11. よくあるシチュエーション 能動的学習(Active Learning) 研修でわからないことに出会う 指導医に聞きそびれた 聞ける人がいない、聞いてもよくわからない 自分で調べてみようと思う 受動的学習(Passive learning) 院内の勉強会で習った 研修医向けオンラインセミナーでやってた SNS・メーリングリストで流れてきた
#12. 内容を一般化すると・・多いのは・・ 能動的学習(Active Learning) 目の前にいる患者さんのこと 具体的な症例に関する知識 特定の疾患の治療法 受動的学習(Passive learning) 研修医の一般常識・知識 基本的な医学知識 最新の医学トレンド
#13. どっちも大事!! 能動的学習 目の前の患者さんのための学習 実践的な知識の獲得 受動的学習 研修医の一般常識・知識 医学の基礎知識の習得 バランスと組み合わせ 両方を組み合わせることで効果的な学習に
#14. 自分の環境に応じて組み合わせる 能動的学習に向いている状況 自分で頑張るしかない病院 患者診療で困った時 真面目な人 勉強頑張れる人 受動的学習に向いている状況 勉強会のある病院 オンラインセミナー 指導医が熱心に教えてくれる環境
疑問の分類とその重要性
#15. 心構え①
能動的学習と受動的学習 毎日継続 内容1個だけでも良い どちらか一方でもOK 毎日片方だけでも続けましょう 無理なく続ける 自分のペースで学習習慣を作る
#16. 初期研修中の勉強の心構え 5箇条 ①能動的学習と受動的学習を区別する
②Background questionとForward Questionを区別する
③日々の勤務に関連する知識から勉強する
④勉強のための勉強は後回しで良い
⑤自分の希望科で役立つ知識を吸収できれば十分
#17. 臨床に関する疑問(Question)の分類 Background question 一般的マネジメントの疑問 教科書に載っているような基本知識 Forward Question 目の前の患者さんの今後についての疑問 個別の症例に対する具体的な対応
#18. もう少し詳しくいうと Background question 研修医本やマニュアルを読めば書いてある一般的な内容 一般的マネジメント アルゴリズム 疫学 など Forward Question 自分の目の前の患者の今後の経過を類推する時に生じる個別の疑問 論文チェックが基本必要 例:持ち患の肺炎の治療期間は5日と7日どっちが良いの?
一般的マネジメントの理解
#19. 初期研修医の疑問は大体Background question 一般的マネジメントをまずは理解したい 専門外の疑問 自分の専門外の基本知識もBackground question 研修医の学び 全科の常識的知識も大体Background question
#20. 自分1人でできるのも大体こっち Background question 一般的マネジメント 知っているに越したことはない 研修医本で調べられる Forward Question 初期研修医1人で抱え込む必要はない 目の前の患者の治療はみんなで決める 調べるのも手間と経験が必要 患者に適応するのも注意が必要
#21. Passive learning(受動的レクチャー)も
大体こっち Background question 一般的マネジメント セミナーで取り扱いやすい 基本的な医学知識 Forward Question 論文閲覧が基本必要 手間がかかる 個別症例への適用には経験が必要
#22. 実臨床で困るのは大体こっち Background question 一般的マネジメント 知っているに越したことはない 研修医本で調べられる Forward Question 初期研修医1人で抱え込む必要はない 目の前の患者の治療はみんなで決める 調べるのも手間と経験が必要 患者に適応するのも注意が必要
必要性を感じる知識の優先
#23. Active learningも大体こっち Background question 一般的マネジメント 知っているに越したことはない 研修医本で調べられる Forward Question 壁にぶち当たった時に頑張って調べる 目の前の患者の治療はみんなで決める 調べるのも手間と経験が必要 患者に適応するのも注意が必要
#24. 心構え②
まずはBackgroundの一般的マネジメントを勉強 研修医本を活用 オンラインセミナー
参加が楽 まずは一般的知識から
#25. 初期研修中の勉強の心構え 5箇条 ①能動的学習と受動的学習を区別する
②Background questionとForward Questionを区別する
③日々の勤務に関連する知識から勉強する
④勉強のための勉強は後回しで良い
⑤自分の希望科で役立つ知識を吸収できれば十分
#26. 心構え③
日々の勤務に役立つ知識から勉強する 効率的な学習 必要性を感じる知識から学ぶ ローテーション関連 現在の科に関する知識を優先 患者中心 目の前の患者さんに関する学習
勉強のための勉強の考え方
#27. 必要は発明の母 ローテーション活用 ローテート中の科に関する勉強をした方が効率良い 患者から学ぶ 目の前の患者さんに関する勉強は効率○ 必要性の認識 必要性を感じないと身につかない・やる気も出ない 患者ケアに直結 結果的に目の前の患者さんのためになる
#28. 心構え③ 必要と感じる勉強をまずをやればOK 学習効率が最大化 長期記憶に定着 実践的な医療スキル向上
#29. 初期研修中の勉強の心構え 5箇条 ①能動的学習と受動的学習を区別する
②Background questionとForward Questionを区別する
③日々の勤務に関連する知識から勉強する
④勉強のための勉強は後回しで良い
⑤自分の希望科で役立つ知識を吸収できれば十分
#30. 心構え④
勉強のための勉強は
後回しで良い 必要性の優先 必要と感じる知識を優先 無理は禁物 関係ない知識の詰め込みは避ける タイミングを見極める 必要になった時に学べば良い
専門性を重視した学習法
#31. 勉強のための勉強は
しない方が良い 負担が大きい 自分に全く関係ない知識を
調べるのは大変 勉強しても忘れてしまう 無理は禁物 無理して最新論文全部に
目を通さなくても良い 自分に関連するものだけで良い タイミング 必要と思える状況が来たらその時にやれば良い 効率的な学習のために優先順位をつける
#32. 心構え④ 勉強のための
勉強は好きな人がやればOK 好きなら続ける 勉強が好きな人は続けても良い 必要性を基準に 必要性を感じるものだけの勉強でもまずはOK バランス重視 自分のペースで無理なく学習を続ける
#33. 初期研修中の勉強の心構え 5箇条 ①能動的学習と受動的学習を区別する
②Background questionとForward Questionを区別する
③日々の勤務に関連する知識から勉強する
④勉強のための勉強は後回しで良い
⑤自分の希望科で役立つ知識を吸収できれば十分
#34. 心構え⑤
自分の希望の科で役立つ知識だけでもOK 専門性の重視 将来の専門分野に関連する知識を優先する 選択的学習 全てを学ぶ必要はない 効率的な成長 自分のキャリアに直結する知識に集中する
患者中心の学習とその実践
#35. 大前提 患者中心の学習 目の前の患者さん関連の勉強はしっかりやる 基本知識の習得 研修医本だけでもまずは目を通す 指導医の活用 専門的すぎたら指導医に質問した方が早い 理解の深化 治療選択の理由だけでも質問して理解しておく
#36. 前提をクリアした上で 関連性の探索 希望する専門科でどう活かせるかを考える 関連項目の学習 関連しそうなら調べてみる 無理しすぎないのも大事 目の前の患者さんの勉強だけでも十分 3 専門性の構築 将来の専門に役立つ知識を少しずつ蓄積する 4
#37. 研修医に求められる勉強:区別するとわかりやすい ①全診療科で最低限必要な知識の習得(能動・受動・Background)
②目の前の患者さんの問題を解決しようとして行う勉強(能動・Forward)
#38. Takeaways 学習の分類理解 能動的か受動的。
どちらかだけでも毎日やりましょう。 疑問の分類 まずはBackgroundで良い
一般的知識だけでも研修医本で調べてみましょう。 患者さんから学ぶ コスパも良いし、患者さんのためになります。 勉強すること自体を目的にしない 目の前の患者さん、自分の将来に役立つものから優先的に学びましょう。