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精神科以外でも出会う?双極性障害への対応(他科、研修医向け)

投稿者プロフィール
Dr.fax@精神科専門医

精神科単科病院

17,008

64

概要

双極性障害に関する基本的な知識を解説したスライドです。特に、精神科以外の領域で双極性障害の患者と接触する可能性が高いプライマリケア医や研修医に向けて、診断基準や治療戦略、患者への適切な対応方法について詳しく述べています。双極性障害はしばしばうつ病と混同されるため、適切な理解が求められます。具体的な症例や注意点を、現場での実践に役立ていただければと思います。

※本スライドはアメリカ精神医学会が出している診断基準である、DSM-5に基づき作成しています

本スライドの対象者

研修医/専攻医/専門医

参考文献

  • Watanabe K, et al. : Neuropsycihatr Dis Treat., 12 : 2981-2987, 2016

  • 三木治:プライマリ・ケアにおけるうつ病の治療と実態、心身医学、42(9):585-591, 2002

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テキスト全文

双極性障害の基本知識と重要性

#1.

精神科以外でも出会う? 双極性障害への対応 (他科、研修医向け) Dr.fax@精神科専門医

#2.

本スライドの対象者 • プライマリケア領域で抑うつ症状を主訴にした患者に対応する医師 • 双極性障害について知りたい研修医、他科の医師 • 双極性障害の患者が自科に受診、入院した時の対応が知りたい方 このスライドでは双極性障害の基本的な知識をまとめ、 臨床上、精神科以外で比較的出会う可能性が高い場面での対応について解説します ※本スライドはアメリカ精神医学会が出している診断基準である、DSM-5に基づき作成しています

#3.

なぜ双極性障害について知るべきか • 双極性障害は診断されるまでに年単位の時間がかかることが多く、 初診時の診断はうつ病、うつ状態とされていた患者が多い※1 • うつ病、うつ状態の患者は最初に内科を受診することが多い※2 うつ病、うつ状態をプライマリケアで見る可能性は高く、 その中に双極性障害である患者がいる可能性は低くない • 双極性障害に限らず、精神疾患を抱えている患者も当然身体疾患になる 双極性障害の既往がある患者への身体科対応が必要になる 精神科がない総合病院も多く、最低限の知識は知っておいた方がよい ※1:Watanabe K, et al. : Neuropsycihatr Dis Treat., 12 : 2981-2987, 2016 ※2:三木治:プライマリ・ケアにおけるうつ病の治療と実態、心身医学、42(9):585-591, 2002

双極性障害の分類と診断基準

#4.

目次 • 双極性障害とは何か? • 双極性障害の分類 • 双極性障害の診断 • 鑑別、合併を念頭に置くべき疾患 • 双極性障害の治療 • 双極性障害の患者への対応(精神科以外での外来、入院)

#5.

双極性障害とは何か? • エネルギーにあふれる躁状態と元気がないうつ状態を繰り返す疾患 躁状態 躁状態 うつ状態 躁状態 うつ状態 実際にはこの図のように規則的に等間隔で起こるとは限らない

#6.

双極性障害の分類(DSM-5) • Ⅰ型:躁状態とうつ状態を繰り返す 躁状態 躁状態 うつ状態 躁状態 うつ状態 • Ⅱ型:軽躁状態とうつ状態を繰り返す 躁状態 躁状態 うつ状態 躁状態 うつ状態 特にⅡ型は躁状態が軽く、うつの時期が長いため、うつ病との鑑別が難しい

双極性障害の診断方法と注意点

#7.

双極性障害の診断(DSM-5より要約) 躁状態(躁病エピソード)または軽躁状態(軽躁病エピソード) ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦ ⑧ 高揚気分、開放的または易怒的(ハッピーなタイプとイライラタイプがある) 自尊心の肥大、誇大 睡眠欲求の減少(眠らなくても平気) 多弁、しゃべり続けようとする切迫感 観念奔逸(話題が逸れながら続く、アイデアがどんどん湧いてくる) 注意散漫(他の刺激にすぐ反応してしまう) 目標指向性の活動(社会的、職場や学校内、性的)の増加、焦燥 困った結果につながる可能性が高い活動に熱中すること(浪費、性的無分別) 簡単に分けると、これらの症状が激しい→躁病エピソード そこまでひどくない→軽躁病エピソード

#8.

双極性障害の診断(DSM-5より要約) うつ状態(うつ病エピソード) ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦ ⑧ ⑨ 抑うつ気分 興味・喜びの喪失 体重減少・食欲減退または体重増加・食欲増加 不眠または過眠 精神運動焦燥または制止 疲労感または気力減退 無価値観または罪責感 思考力低下・集中力低下・決断力低下 希死念慮・自殺企図 どちらか1つは必須! 希死念慮の確認は重要

#9.

双極性障害の診断(DSM-5より要約) • 躁状態(躁病エピソード)または軽躁状態(軽躁病エピソード)、 うつ状態(うつ病エピソード)の時期が現在ある、過去にあったことを確認 • 症状は臨床的に著しい苦痛または社会的・職業的・他の重要な領域における 機能の障害を引き起こしている →日常生活において支障があるかどうか • 物質や他の医学的状態による精神的な影響が原因とされない 双極性障害の診断において除外診断は重要

除外診断と鑑別すべき疾患

#10.

除外診断(一例) 疾患 ポイント 甲状腺機能異常 血液検査 脳腫瘍 頭部CT、MRI 脳炎 ヘルペスや抗NMDA受容体脳炎など てんかん 精神症状そのものや性格変化としての爆発性 薬剤性 ステロイドや抗うつ薬による躁状態 採血や頭部MRI 頭部MRI、脳波 初発はもちろん、既に診断がついている場合も、身体疾患による精神症状には注意 精神症状によっては問診、診察が難しいこともあるため、 身体疾患を見落とさないように!

#11.

鑑別、合併を念頭に置くべき他の精神疾患(一例) 疾患 ポイント 統合失調症、 妄想性障害、 統合失調感情障害 双極性障害でも精神病症状(幻覚、妄想)を伴うことがあり、鑑別が難しい 気分の波に一致して精神病症状が出現、消失するかで鑑別 うつ病 単極性うつでも焦燥、自傷や衝動性などが見られ得る 軽躁、躁病エピソードの確認が重要 発達障害 特にADHD(注意欠如多動性障害)は、衝動性、注意散漫など共通する症状 幼少期から症状が見られるかで鑑別 パーソナリティ障害 特に情動不安定性が目立つ境界性パーソナリティー障害との鑑別が必要 物質使用障害 双極性障害に限らず、精神疾患において違法薬物等の使用の鑑別は重要

#12.

なぜ双極性障害の診断が難しいか • 患者が躁症状を病気だと自覚しにくい →特に軽躁エピソードだと、「調子が良い」「うつが良くなった」時期だと考えていて、 躁症状であると気づきにくいため医療者に話さない • 医療者の知識・経験不足 →うつ症状を呈する患者を診た時に躁症状があった時期がないか確認することが重要 問診例「何でもできるような気分になった時期はないですか」 「寝なくても平気な時期はありましたか」 「アイデアがどんどんわいてくる感じはありましたか」 「浪費や大きな買い物をし過ぎることはありましたか」など 初診時がうつ状態で、これまで躁症状が起きたことがない場合は うつ病、うつ状態の診断となるが、経過中に躁症状が確認されることもある →そのため、初診時に双極性障害を疑う要素、いわゆるbipolarityがないか注意

双極性障害の治療法と薬剤

#13.

双極性らしさ(bipolarity)について 双極性障害のうつを疑う要素 典型的なうつ病を疑う要素 過眠 不眠、早朝覚醒 食欲亢進(体重増加) 食欲低下(体重減少) 双極性障害の家族歴あり 双極性障害の家族歴なし 若年発症(24歳以下) 25歳以上の発症 抑うつ相の再発(繰り返している) 6ヶ月以上の罹病期間 その他:精神病症状(幻覚、妄想)を伴う、症状の不安定さ その他:身体的愁訴

#14.

双極性らしさ(bipolarity)について • うつ病の診断がついた後に双極性障害の診断に変わることも珍しくなく、 鑑別が難しい • bipolarity が強い患者さんに抗うつ薬を使用すると躁転リスクが高い • また、抗うつ薬は添付文書に「24歳以下の患者で、自殺念慮、自殺企図の リスクが増加するとの報告がある」と記載されている • 双極性障害と診断できなくても、特に、自殺企図がある、若年(24歳以下)、 未熟なパーソナリティな患者さんには抗うつ薬は慎重に使用 or 使わない

#15.

双極性障害の治療 • 薬物療法が中心、気分安定薬や抗精神病薬がメイン • 抗うつ薬も絶対使用してはいけない訳ではないが、躁転リスクに注意 →プライマリケアでは使用しない方が無難 • 薬物療法に反応しない重症例には修正型電気けいれん療法(mECT)も検討 • 規則正しい生活習慣やストレスマネジメントも重要 • アルコールの問題がある場合は介入が必要 • 患者背景に応じて社会資源(訪問看護、自立支援医療など)の導入も行う プライマリケアで治療まで行うことはお勧めしない 双極性障害を疑う場合は精神科への紹介が無難

双極性障害患者への外来対応

#16.

双極性障害の治療でよく使われる薬剤 • 気分安定薬 炭酸リチウム(リーマス®) バルプロ酸ナトリウム(デパケン®、セレニカ®) カルバマゼピン(テグレトール®) ラモトリギン(ラミクタール®) • 抗精神病薬 アリピプラゾール(エビリファイ®) オランザピン(ジプレキサ®) クエチアピン(セロクエル®、ビプレッソ®) ※適応は徐放剤であるビプレッソ®のみ ルラシドン(ラツーダ®) 添付文書上は細かい適応の違いが あるが、統合失調症にしか適応が ない他の抗精神病薬も気分安定 目的に使用されることがある 処方薬に抗精神病薬があっても、 必ずしも統合失調症とは限らない その他睡眠薬や抗不安薬も使用 されていることがある

#17.

双極性障害の患者への対応(外来) • 内服薬の相互作用に注意 特に炭酸リチウムはロキソプロフェンを始めとしたNSAIDsとの相互作用で血中濃度が 上がり、リチウム中毒になるリスクがある 利尿剤(サイアザイド系、ループ利尿薬)、アンジオテンシン変換酵素阻害薬、 アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬なども血中濃度に影響を与えるため、特に新規で 投与する場合は注意が必要 • 自殺企図後で救急外来に搬送されてきた場合 過量服薬(OD)をしており、気分安定薬(炭酸リチウム、バルプロ酸ナトリウム、 カルバマゼピン、ラモトリギン)が含まれていた場合は、中毒に至りやすいため特に注意 →血中濃度測定を ODに限らず、自殺企図後は再企図→既遂することも多いため注意→精神科へつなぐ

#18.

双極性障害の患者への対応(外来) • 妊娠可能年齢の女性が罹患することも多い疾患であり、妊娠をきっかけに 産婦人科を受診することも多い →かかりつけの精神科との連携が重要(妊娠、授乳中の服薬について患者から質問 される可能性もあり) • 胎児に影響がある薬剤もあり、処方変更や計画的な妊娠、出産が必要になる • 一方、妊娠中~産後は症状悪化リスクが高い時期であり、処方薬は リスク・ベネフィットを考慮して検討される • 周産期を通して助産師、保健師などと連携したサポートが重要 • 小児科も産後の児の状態によっては対応が必要になることもある

リチウム中毒のリスクと対応

#19.

リチウム中毒について • 炭酸リチウムは双極性障害治療において重要な薬剤であるが、 治療域(0.5 ~ 1.0 mEq/L)と中毒域(1.5 mEq/L)が近い • 主に過量服薬で起こる急性中毒と、炭酸リチウムの増量や薬物相互作用など で起こる慢性中毒がある • 特に急性中毒では低い血中濃度でも中毒症状が出ることもあるため注意 • 過量服薬、薬物相互作用だけでなく、脱水、腎障害などでも血中濃度が上昇 するため注意が必要

#20.

リチウム中毒について • 症状 重症度 急性中毒 慢性中毒 軽度 消化器症状(悪心、嘔吐、下痢) 粗大な振戦、めまい、脱水など 急性中毒の症状に加え、発語の鈍化、 軽度の傾眠などが見られる 中等度 中枢神経症状(傾眠、錯乱、興奮) 心電図異常(T波の平坦化、QTc延長) 徐脈 傾眠の増悪、ミオクローヌス 重度 けいれん、腎不全、昏睡 急性中毒の症状に加え、不可逆的な小 脳失調、錐体外路症状 • 対応 炭酸リチウムの減量・中止、輸液、相互作用のある薬剤の中止 重症例は血液浄化療法も検討

#21.

双極性障害の患者への対応(入院) • 基本的に処方薬は継続が無難 特に病歴が長い患者ほど何らかの理由があって現在の処方に落ち着いていることが 多く、リチウム中毒などの特別な理由がなければ継続が無難 • 患者さんに自身の病気の理解をあらかじめ聞いておく 診断の難しさもあり、処方薬は双極性障害の処方でも、患者自身は「うつ病」だと 思っているケースもある(初診時診断がうつ病で、経過中に双極性障害が疑われ、 処方が変更された場合など) (本来精神科側できちんと説明しておくべきだが)こちらから双極性障害の薬だと 話を進めていくと、知らなかったとショックを受ける患者もいるので、 最初に「何の病気で飲んでいる薬ですか」と尋ねるのもよい

入院中の双極性障害患者への対応

#22.

双極性障害の患者への対応(入院) • 精神症状の安定性の確認(ほとんど安定している、割と不安定、など) →入院中に精神症状の変化があった場合、その人にとって珍しいことで対応した方が よいのか、よくあることで経過観察でよいのか慌てずに済む 本人に直接聞いても基本的に問題ないが、かかりつけに照会することも検討 • 気分安定薬(特に炭酸リチウム)の血中濃度を確認 元々服薬コンプライアンスが悪い場合、入院管理下で内服がきちんとできるように なり、血中濃度が上がり過ぎるケースも 逆に身体疾患の治療により脱水などが改善→気分安定薬の血中濃度が低下→躁状態が 出現といったケースも

#23.

双極性障害の患者さんへの対応(入院) • 入院中に精神症状が悪化した場合 入院継続に支障が出るのは躁状態となった場合が多いと思われる 本来は精神科が対応するべき事象だが、精神科がない病院、すぐには転院できない 事情がある場合、やむを得ず対応しなければならないかもしれない 躁状態では睡眠時間が短くなるため、まず睡眠の確保を目標に薬剤調整する 躁状態を落ち着けるには既に内服している気分安定薬や抗精神病薬の増量が無難

#24.

Take Home Message • 双極性障害はうつ病との鑑別が難しく、プライマリケア領域でも出会う 可能性がある • 経過を見ないと診断をつけるのは難しいため、プライマリの対応としては うつ病に思えても若年発症、過食、過眠などの双極性らしさ (bipolarity)がある場合は安易な抗うつ薬投与は控える • 他科疾患の治療の際は処方継続が基本だが、気分安定薬の血中濃度の チェックは大事(特に炭酸リチウムは中毒になりやすい)

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