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パーソナリティ障害のまとめ~境界性パーソナリティ障害を中心に~

投稿者プロフィール
Dr.fax@精神科専門医

精神科単科病院

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概要

パーソナリティ障害全体の基本的な知識をまとめたスライドです。臨床上、比較的出会う可能性が高い境界性パーソナリティ障害の診断や対応について解説します。

国家試験へ向けて勉強中の医学生、パーソナリティ障害について知りたい研修医や他科の医師、精神科に進んだばかりの若手精神科医を対象としています。

◎目次

・本スライドの対象者

・前提・注意点

・パーソナリティ障害とは何か?

・パーソナリティ障害の分類(DSM-5)

・パーソナリティ障害の分類:A群

・パーソナリティ障害の分類:B群

・パーソナリティ障害の分類:C群

・パーソナリティ障害の難しさ

・鑑別、合併を念頭に置くべき他の精神疾患(一例)

・境界性パーソナリティ障害について

・境界性パーソナリティ障害の診断(DSM-5より要約)

・医師国家試験で実際に出題された問題(第115回D28より)

・国試対策(+精神科専門医試験対策)として

・境界性パーソナリティ障害の患者さんへの対応

・境界性パーソナリティ障害の治療

・最後にICD-11について

・Take Home Message 

本スライドの対象者

医学生/研修医/専攻医/専門医

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テキスト全文

パーソナリティ障害の概要と対象者

#1.

パーソナリティ障害のまとめ ~境界性パーソナリティ障害を中心に~ (学生~研修医向け) Dr.fax@精神科専門医

#2.

本スライドの対象者 • 国家試験へ向けて勉強中の医学生 • パーソナリティ障害について知りたい研修医、他科の医師 • 精神科に進んだばかりの若手精神科医 • 境界性パーソナリティ障害の方への対応を知りたい方 このスライドではパーソナリティ障害全体の基本的な知識をまとめ、 臨床上、比較的出会う可能性が高い 境界性パーソナリティ障害の診断や対応について解説します

#3.

前提・注意点 • 本スライドはアメリカ精神医学会が出している診断基準である、DSM5 に基づき作成しています • 国際診断基準であるICDは、現在 ICD-10→ ICD-11と新しくなっており、 パーソナリティ障害の部分も大きく変更になっていますが、まだ実臨床 に浸透していないため、ICD-10に沿って説明します 最後にICD-11での変更点について分かっている範囲で少し解説しますが、 精神科の医師以外は飛ばして大丈夫です

パーソナリティ障害の定義と特徴

#4.

目次 • パーソナリティ障害とは何か? • パーソナリティ障害の分類 • 鑑別、合併を念頭に置くべき他の精神疾患 • 境界性パーソナリティ障害の診断 • 境界性パーソナリティ障害の患者さんへの対応 • 境界性パーソナリティ障害の治療

#5.

パーソナリティ障害とは何か? • 認知、感情、対人関係などの領域において認める、著しく偏った内的体験 及び行動の持続的様式 • 小児後期、青年期辺りから見られ始め、成人期には明らかになり、持続的 小児期 青年期 成人期 その人にとって性格(パーソナリティ)と言えるほど、長く続いていて、 場面(状況)によって変わらない自己や対人関係における考え方や行動の パターンの異常(なおかつ他の精神疾患の影響によるものではない)

#6.

パーソナリティ障害とは何か?(作者が考えるイメージ) 幻覚妄想や抑うつ気分 などの症状 薬物療法で治療される ことが多い 精神障害のエピソード ここの障害! 治らない訳では ないが治しにくい パーソナリティ 持って生まれたもの ここの障害は治るこ とはない 知能 発達特性 「性格の障害」ということで勘違いされやすいが、単に「性格が悪い」という訳ではない

パーソナリティ障害の分類(DSM-5)

#7.

パーソナリティ障害の分類(DSM-5) A群 B群 C群 猜疑性/妄想性 反社会性 回避性 シゾイド 境界性 依存性 統合失調型 演技性 強迫性 自己愛性 ICD-10と微妙に異なるが大筋は同じ 多すぎて分かり辛いため、3群(A群、B群、C群)に分けて考える

#8.

パーソナリティ障害の分類:A群 パーソナリティ障害 特徴 猜疑性/妄想性 他人の動機を悪意あるものとして解釈するといった、不信と疑い深さを示す シゾイド 家族含めて他人と親密な関係をもちたいと思わない、楽しいと思わない 他人の称賛や批判に対して無関心に思える 統合失調型 認知または知覚的歪曲、風変わりな行動・外見 奇妙な信念、魔術的な思考(第6感、ジンクスなどにこだわる) 自分も周囲も(表面上)困らない→受診に至ることは珍しい

#9.

パーソナリティ障害の分類:B群 疾患 ポイント 反社会性 他人の権利を無視・侵害する、虚偽性、衝動性、一貫した無責任 良心の呵責の欠如、繰り返し噓をつく 境界性 対人関係、自己像、感情の不安定性、著しい衝動性 理想化とこき下ろし、慢性的な空虚感 演技性 過度な情動性で自分が注目の的になろうとする、芝居がかった態度 性的に誘惑的・挑発的な行動、被暗示的(影響を受けやすい) 自己愛性 誇大性、賛美されたい欲求、特権意識、共感の欠如 振り回されて周囲が困るパターンが多い

#10.

パーソナリティ障害の分類:C群 •パーソナリティ障害 回避性 特徴 • 批判を極度に恐れる、好かれている確信が持てなければ人との関係を持ちたがらない •回避性 依存性 否定的評価を極度に恐れる 好かれている確信が持てなければ人との関係を持ちたがらない • 日常的なことも助言がなければ決められない、他人のために不快なことも進んで行う •依存性 強迫性 世話をされたいという過剰な欲求に関連する従属的でしがみつく行動 日常的なことも助言がなければ決められない • 完璧主義、自分のやり方通りにできなければ他人に任せられない、物を捨てられない 強迫性 秩序・完璧主義・統制にとらわれる 自分のやり方通りにできなければ他人に任せられない、物を捨てられない 自身が困るパターンが多い

パーソナリティ障害の鑑別と合併疾患

#11.

パーソナリティ障害の難しさ • 本人・周囲が(表面上であれ)困っていなかったり、性格の問題として 片付けられたりして受診に至らない • 受診に至っても治療が難しい(医療機関でさえ、性格だから治療できない、 と言われることも)、薬物療法では難しい、カウンセリングできる治療者、 施設が少ない • 他の精神疾患との鑑別や合併が考えられるが、判断が難しい 「性格の問題」と片付けずにパーソナリティ障害について考えること、 他の精神疾患の鑑別、合併を念頭に置くことが大事

#12.

鑑別、合併を念頭に置くべき他の精神疾患(一例) 疾患 ポイント 統合失調症、 妄想性障害 特にA群(猜疑性、シゾイド、統合失調型)パーソナリティ障害との鑑別 持続的な幻覚や妄想がある点で鑑別 双極性感情障害、 躁状態でもうつ状態でも自傷や衝動性などが見られ得る うつ病 発達障害 ASD(自閉症スペクトラム障害):シゾイドパーソナリティ障害との鑑別 ADHD(注意欠陥多動性障害):衝動性などパーソナリティ障害と共通する症状 てんかん てんかんによる性格変化(粘着性、爆発性) 物質使用障害 パーソナリティ障害に限らず、精神疾患において違法薬物等の使用の鑑別は重要 パーソナリティ障害は幼児期後期、青年期辺りから一貫している →それ以外の時期の発症や、発症が急な場合は別の精神疾患の可能性を疑う

境界性パーソナリティ障害の特徴と診断

#13.

境界性パーソナリティ障害について • 対人関係、自己像、感情などの不安定および著しい衝動性が特徴 • 症状が派手であり、救急外来で出会う可能性が高い (他のパーソナリティ障害と比較して) →それを反映してか国家試験でも出題された(第115回、割れ問として話題に) • 障害の特徴として周囲を振り回したり、自傷を繰り返したりすることがあり、 対応する医療者が陰性感情※を持ちやすい ※その患者に対するネガティブな感情 以降は境界性パーソナリティ障害に焦点を当てて解説

#14.

境界性パーソナリティ障害の診断(DSM-5より要約) • 見捨てられ不安からのなりふりかまわない努力 • 理想化とこき下ろしの両極端を揺れ動く、不安定で激しい対人関係 • 同一性の混乱:不安定な自己像、自己意識 • 自己を傷つける可能性のある衝動性(浪費、性行為、物質乱用、過食、無謀な運転など) • 自殺の行動、そぶり、脅し、または自傷行為の繰り返し • 顕著な気分反応性による感情の不安定性(2,3日以上続くことはまれなエピソード的に起 こる強い不快気分、いらだたしさ、不安) • 慢性的な空虚感 • 不適切で激しい怒り、または怒りの制御の困難 • 一過性のストレス関連性の妄想様観念または重篤な解離症状

#15.

医師国家試験で実際に出題された問題(第115回D28より) 25 歳の女性。異性関係や職場の人間関係のトラブルがあるたびにリストカットを繰り返すため、母親に 伴われて精神科を受診した。本人はイライラ感と不眠の治療のために来院したという。最近まで勤めて いた職場は、複数の男性同僚と性的関係をもっていたことが明らかとなり、居づらくなって退職した。 親しい友人や元上司に深夜に何度も電話をかけるなどの行動があり、それを注意されると、怒鳴り散ら す、相手を罵倒するなどの過激な反応がみられた。相手があきれて疎遠になると、SNS で自殺をほのめ かし、自ら救急車を呼ぶなどした。一方、機嫌がよいと好意を持っている相手にプレゼントしたり、親 密なメールを何度も出したりするなど感情の起伏が激しい。 この患者にみられることが予想される特徴はどれか。 a 繰り返し嘘をつく。 b 第六感やジンクスにこだわる。 c 慢性的な空虚感を抱えている。 d 完全癖のため物事を終了できない。 e 自分が注目の的になっていることを求める。

国試対策と境界性パーソナリティ障害

#16.

医師国家試験で実際に出題された問題(第115回D28より) 25 歳の女性。異性関係や職場の人間関係のトラブルがあるたびにリストカットを繰り返すため、母親に 伴われて精神科を受診した。本人はイライラ感と不眠の治療のために来院したという。最近まで勤めて いた職場は、複数の男性同僚と性的関係をもっていたことが明らかとなり、居づらくなって退職した。 親しい友人や元上司に深夜に何度も電話をかけるなどの行動があり、それを注意されると、怒鳴り散ら す、相手を罵倒するなどの過激な反応がみられた。相手があきれて疎遠になると、SNS で自殺をほのめ かし、自ら救急車を呼ぶなどした。一方、機嫌がよいと好意を持っている相手にプレゼントしたり、親 密なメールを何度も出したりするなど感情の起伏が激しい。 この患者にみられることが予想される特徴はどれか。 a 繰り返し嘘をつく。 →反社会性パーソナリティ障害 b 第六感やジンクスにこだわる。 →統合失調型パーソナリティ障害 c 慢性的な空虚感を抱えている。 →境界性パーソナリティ障害 d 完全癖のため物事を終了できない。 →強迫性パーソナリティ障害 e 自分が注目の的になっていることを求める。 →演技性パーソナリティ障害

#17.

国試対策(+精神科専門医試験対策)として • ○○パーソナリティ障害の○○だけのイメージで解こうとすると間違えやすい (ように問題がつくられている) • 選択肢に診断基準そのものが記載されていることが多いため、 ある程度診断基準の文言を頭に入れておくと解きやすい • とはいえ、精神科専門医でも出題されるような問題なので、国試対策としては 余裕があれば勉強しておく程度で良いかと思います • (できれば本スライドで境界性パーソナリティ障害だけでもおさえておくと良い)

境界性パーソナリティ障害の患者対応

#18.

境界性パーソナリティ障害の患者さんへの対応 研修医、他科版 • 叱らない 𠮟っても自傷や過量服薬はとまらない • 自殺企図をパフォーマンスと思わない 既遂することも多いため注意→精神科へつなぐ意識 • 「何となく」で返答しない 分からない時は「分からないので確認します」と答えた方が無難 難しいかもしれないが淡々と身体的な問題に対応

#19.

境界性パーソナリティ障害の患者さんへの対応 精神科版 • 治療枠の設定 限界設定をあらかじめ話し合っておかないと、際限なく要求が続き、 断るとこき下ろしが始まる ただし、「誰のための枠か」を意識することは重要(自分のためになっていないか注意) • 多職種、複数人で情報を共有する 本人から「あの人はこう言った」といった話が出た時には、うのみにせずに、 当事者と確認 経過中、治療枠や人を動かそうとする言動、行動が出てくるため注意

境界性パーソナリティ障害の治療法

#20.

境界性パーソナリティ障害の治療 • 薬物療法は適応ではないが、症状を抑えるために現実的には対症療法的に行 われることが少なくない • 抗うつ薬も使用されているが衝動性が悪化するリスクに注意 • 双極性感情障害との鑑別も難しいことから実際には気分安定薬や抗精神病薬 が使われることがある • 弁証法的行動療法(Dialectical Behavior Therapy : DBT) 境界性パーソナリティ障害の治療に特化した認知行動療法 個人療法とグループスキルトレーニングを行いながら、感情のコントロールや 危機対処スキルなどを身に着ける

ICD-11におけるパーソナリティ障害

#21.

最後にICD-11について • ○○性パーソナリティ障害といった分類からパーソナリティ特性がそれぞれどの 程度あるかといった評価軸に変わる • 5つのパーソナリティ特性として否定的感情、離隔、非社会性、脱抑制、制縛性が 規定されている • 「パーソナリティ症」として診断され、重症度(軽度、中等度、重度)を評価 • 境界性パーソナリティ障害に関しては、ボーダーラインパターンとして残っている 作者がイメージした一例 制縛性 脱抑制 否定的感情 離隔 非社会性

パーソナリティ障害の重要なメッセージ

#22.

Take Home Message • パーソナリティ障害はそれのみで受診につながるケースは少ないが、 境界性パーソナリティ障害の自傷による救急外来受診で出会う可能性が 比較的高い • 双極性障害や発達障害など他の精神疾患との鑑別、合併を考える必要が あり、自傷=ボーダー(境界性)といった考えは危険 • 対応は否定的にならず、かつ限界設定が大事で、医療者の陰性感情から 診断されることもあるため、注意が必要

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