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救急現場でのcTn、BNP、D-dimerの使い方

投稿者プロフィール
Dainty1964

社団医療法人養生会かしま病院

783

11

投稿した先生からのメッセージ

知って測るのと、知らずに測るのは大きな違いがあります

概要

救急の現場でうっかり計ってしまったcTn、BNP、D-dimerの異常高値に関する考察です

本スライドの対象者

研修医

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テキスト全文

救急外来におけるBNPの意義とガイドライン

#1.

救急外来SettingにおけるBNP, cTn, D-dimer, PCT測定の意義

#2.

BNPの臨床的意義 BNP は、①心室負荷に対して鋭敏に反応 ②左心室拡張末期圧や心室容量と正相関 ③左室駆出率と負相関 期待された臨床的意義 心負荷の把握 急性及び慢性心不全の重症度及びその臨床経過の把握・予後の判定 心肥大による心不全に対する薬物の治療効果の判定

#3.

ガイドライン上のBNP測定の位置付け スクリーニング目的 Class II b 治療効果判定 Class II a 心不全の診断、重症度、予後判定 Class I 注意すべき点 一般集団を対象にした健診におけるBNPの有用性については未だ結論が出ていない BNPの有用性はその“陰性的中率”が大変に高いということ

心不全診断におけるBNPの役割と考え方

#4.

心不全診断(除外)に有用な診察所見 JAMA 294(15):1944-1956 2005 心不全らしくない項目   尤度比 心不全の既往(-)    0.45 労作性呼吸困難(-) 0.48 肺野のラ音    0.51 胸部X線写真での心拡大(-) 0.33 心電図異常(-)    0.64 BNP<100pg/ml    0.11

#5.

心不全進展のステージ

#6.

Stage B心不全抽出におけるBNPの考え方

トロポニン測定の重要性と臨床的意義

#7.

まとめ 救急外来におけるBNP測定の意義は、「除外」である 他のモダリティ等で心不全であることが明確な場合は、診断確認に過ぎない 退院前の測定値は、外来Follow時において有益である可能性がある 外来SettingでStage B心不全の抽出に用いられるようになった その際のCut-off値はBNP < 35 pg/mlである

#8.

BNP 値に影響を与える要因 <過大評価> 分泌の増加 心房細動の存在 炎症 <過小評価> 分泌の低下 肥満 心嚢液貯留 分解・代謝の低下 腎機能障害 年齢 分解・代謝の亢進 肥満

#9.

専門医療機関で機能・質的検査

#10.

トロポニンを測定したら意外な結果でしたどうしてますか? かしまComFaM

急性冠症候群におけるcTnの測定手順

#11.

CLINICAL SETTING 心電図もACSっぽくないけど 救急だし 念のためトロポニンも調べておくか…

#12.

RESULT: cTnI 477.0pg/mL (<31.4)  専門医に相談する 無視する その他

#13.

そもそもなぜ測定するのか日本循環器学会 急性冠症候群ガイドライン(2018年改訂版) ACS の診断におけるバイオマーカーの推奨とエビデンスレベル ACS が疑われる胸部症状を示す患者の早期リスクの層別化に, 心筋トロポニンを測定する 推奨クラス Ⅰ エビデンスレベル C

#14.

「ACSを疑う」場合の検査手順 標準12誘導心電図 ST上昇あり ST上昇なし cTn測定 適応あれば結果を待たずに再灌流療法の手配 cTn上昇なし 症状出現から6時間以内の場合 cTn再検 1~3時間後 cTn上昇あり 時間推移を評価*

トロポニン上昇の病因と心筋損傷の評価

#15.

An Emergency Medicine Approach to Troponin Elevation due to Causes other than Occlusion Myocardial Infarction The American Journal of Emergency Medicine 38;5,2020. 998-1006 トロポニン(cTn)は急性冠症候群(ACS)や閉塞性心筋梗塞(OMI)の評価に不可欠な要素です しかしcTnはOMI以外の病態でも上昇することがあります OMI以外の病態による心筋損傷を有する患者におけるcTn上昇について、救急臨床に焦点を絞った評価を行いました

#16.

Mechanism of cardiac troponin release Ischemia Direct trauma Inflammatory cytokines Toxic Increase wall stress Oxidative stress Strenuous exercise Infection Reversible injury Myocyte necrosis Apoptosis Degeneration cTn Release

#17.

トロポニン上昇の病因 急性冠動脈血栓形成症 急性および慢性心不全 急性炎症性心筋炎 急性肺水腫 急性肺塞栓症 大動脈解離 大動脈弁疾患 たこつぼ心筋症 徐脈性不整脈 心内膜炎/心膜 肥大型心筋症 外傷による心臓挫傷 心臓手術/PCI後/心毒性薬剤投与 慢性腎不全 慢性閉塞性肺疾患 浸潤性疾患(アミロイドーシス) 心内膜生検 横紋筋融解症 敗血症 重症肺高血圧症 激しい運動/過労 脳卒中 くも膜下出血 頻脈/頻脈性不整脈 熱中症、消化管出血、熱傷 など

#18.

Myocardial injury vs myocardial infarction Chronic Myocardial injury cTn > 99th %ile Upper reference limit Acute Myocardial injury cTn > 99th %ile Upper reference limit Rise and/or fall Acute Myocardial infarction cTn > 99th %ile Upper reference limit Rise and/or fall Clinical information of ischemia (infarction) Myocardial injury Myocardial infarction

心筋障害の鑑別とcTnの再検査の重要性

#19.

A model for interpreting myocardial injury Elevated cTn > 99th %ile Upper reference limit cTn rise and/or fall cTn level stable* With acute ischemia Acute myocardial infraction Atherosclerosis thrombosis Oxygen supply demand imbalance Without acute ischemia Type 1 MI OMI Type 2 MI NOMI Acute myocardial injury Examples Acute heart failure Myocarditis Chronic myocardial injury Examples Structure heart disease Renal failure

#20.

OMIをあまり疑わない患者にcTn検査を行う意義 cTn上昇の可能性の評価は、心臓危険因 子、虚血症状、心電図の評価と同時に(またはそれに 続いて)行うべき cTnが上昇しても、OMIの他の臨床所見がなく、病歴、検査、その他の検査から他の危険な病態が疑われる場合は、OMIの診断にこだわらず基礎疾患を管理すべき 病歴と検査に重点を置き、他の心筋傷害をきたし得る疾患を考慮する 心筋障害がある場合に不適切な冠動脈造影や侵襲的血行再建術を行うと、患者に害を及ぼし、cTn上昇の原因となる他の基礎疾患の治療が遅延する

#21.

Take Home Message cTnは、筋細胞の傷害や壊死、筋細胞のアポトーシス、細胞のターンオーバー、酸素需給のミスマッチがあると放出される心筋損傷のマーカーです cTnはMIの評価や診断に重要な役割を果たす心臓バイオマーカーですが、MIの診断には先ず臨床所見、心電図、心エコーを十分に活用すべきです 一方で、重症患者多くは心疾患・非心疾患を含め、cTnの上昇を示し、死亡率と入院期間の延長と関連します ACSでなくとも、検査結果に対するアセスメントは必要です 必要な鑑別のためには1-3時間後に再検すべきです(倍化/減少の有無)

深部静脈血栓症の診断と発見のポイント

#22.

深部静脈血栓症のエコースクリーニング (社医)養生会かしま病院  訪問診療部

#23.

■ 深部静脈血栓症(DVT) 長期臥床者のほとんどが危険因子を有している 深部静脈血栓症(DVT)は、四肢(通常は下肢)の深部静脈(筋膜下静脈)に血栓が形成される病態 この血栓が遊離して静脈血流にのって肺に移動し、肺動脈を閉塞すると肺血栓塞栓症(PTE)になる 肺血栓塞栓症は無症状の場合もありますが、呼吸困難やショック状態などに陥り心停止にいたることもある 急激に発症する重症の急性肺塞栓症(APE)では致死率が32%(死亡例のうち43%が発症後1時間以内の突然死!) APEは急性期診断が難しいため初期治療が遅れ、死亡率が高い 前兆的な症状や症候を見逃さないこと、発症を予防することが不可欠

#24.

■ 発見のポイント ちょっとした「むくみ」のサインを見逃さない 無症候性が多い深部静脈血栓症ですが、患者さんも気づかない、ちょっとしたサインを見逃さないことが大切 症状を訴えない場合でも、視診や触診をすると、なんとなくむくんでいる、左右差があると気づきやすい 左右差は重要なポイントで、両下肢に病変があったとしても、どちらかに強く症状が現れることが多い

D-dimer検査の意義と陽性結果の解釈

#25.

■ Two-Point Strategy JAMA. 2008 Oct 8;300(14):1653-9. doi: 10.1001/jama.300.14.1653. 鼠径部で大腿静脈、膝窩で膝窩静脈から腓腹静脈分岐部までの横断面で評価 カラードップラーを用いると描出が容易 1回目のエコーで正常だった場合、D-dimer迅速検査を行う 陽性だった場合は別のモダリティー(造影CTなど)で再検

#26.

■ D-dimer陽性って? 通常のUpper Limitを用いると偽陽性が増える 「年齢以上」を推奨する研究者が存在する

プロカルシトニンの上昇原因と非感染性疾患

#30.

プロカルシトニン(PCT:Procalcitonin)が上昇する病態エトセトラ

#31.

主な上昇原因:細菌感染症 特に重症細菌感染症や全身性炎症反応(SIRS)を伴う敗血症で高値 敗血症(Sepsis) 重症細菌性肺炎(特に市中肺炎、院内肺炎) 髄膜炎(細菌性) 腹膜炎急性膵炎(感染合併時) 尿路感染症(腎盂腎炎など) 骨髄炎、関節炎(細菌性) ウイルス感染症ではPCTは通常上昇しないため、鑑別の一助になる)

#32.

一部の非感染性疾患でも上昇 以下のような場合にもPCTが上昇することがある 急激な上昇や高値(>2〜10 ng/mL)は感染を強く疑う所見 重度の外傷、熱傷大手術の直後(術後炎症反応) 多臓器不全(MODS) 心原性ショックや重症虚血性イベント 腫瘍(特に髄様甲状腺癌:プロカルシトニンの産生源) 一部の自己免疫疾患の急性増悪(例:SLE、Still病など)

#33.

特殊な上昇要因 透析患者(慢性的に軽度上昇することがある) 新生児(生後48時間まで生理的に高値)

PCTと他の炎症マーカーの比較と推奨

#34.

PCTと他の炎症マーカーの比較

#35.

PCT値に基づく抗菌薬使用の推奨(成人呼吸器感染症)

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