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救急診療の「案内図」-研修医が救急外来で自信を持つために必要なこと- Part1

投稿者プロフィール
千々和可怜

沖縄協同病院

22,442

38

投稿した先生からのメッセージ

救急診療に苦手意識を感じている先生に寄り添い続ける救急医に私はなりたいです。

Part2も作成中なので、引き続き見ていただけると嬉しいです!

概要

「自分は救急向いてない」と思っている研修医へ。そう決めつける前にこのスライドを見てください!

研修医が救急診療でなぜ困るのか?どうしたら成長を感じられるのか?

それをテーマに作ってみました!

救急診療にあたる上級医の思考回路をなるべく言語化できるように頑張ってみました。

・救急診療における研修医の「成長」とは?

・救急診療の「型」を身につけよう

・重症患者を見逃さないためのルーチン

・救急診療を「効率的」に行うには?

・患者のDispositionを予測するための方程式

上記の内容でまとめてみました。

ぜひご覧ください!

本スライドの対象者

医学生/研修医/専攻医

投稿された先生へ質問や勉強になったポイントをコメントしてみましょう!

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テキスト全文

救急診療の案内図と研修医の役割

#1.

救急診療の「案内図」 -研修医が救急外来で⾃信を持つために必要なこと- *Part 1*

#2.

三次救急病院での勤務を経て、 初期研修を過ごした 地元沖縄の⼆次救急病院で働いています 救急外来から沖縄・地域を⽀えられる このスライドを 作った⼈ 「⽇本⼀優しい救急医」を⽬指して頑張ります ⼆次救急病院だからこその充実した研修を 初期研修医に提供したいです 千々和 可怜(ちぢわ かれん) @沖縄協同病院/救急集中治療科 追記︓⽝とランニングが好きです

#3.

本スライドの対象 ●下記に当てはまる研修医 ・これから救急当直に⼊る ・救急診療に苦⼿意識がある ・救急⾞+ウォークイン対応をどちらもする救急外来で研修している ・効率よく救急診療をしたい ●救急診療に興味がある⼈なら誰でも

研修医の成長を促す方法

#4.

今回のテーマ ● 救急外来で研修医が 成⻑を感じられるためには︖ ● First Touchでまず何をする︖

#5.

どうやったら救急ができるって⾔えるの︖ <上級医や先輩は⾔う…> 「成⻑」あるのみ︕

#6.

「成⻑」とは︖

救急診療における成長の方程式

#7.

本Lectureは、救急診療における研修医の 「成⻑」を⾔語化する するチャレンジです︕

#8.

「成⻑」を 考察してみる

#9.

救急診療における研修医の成⻑を表す「⽅程式」 「基本」 ができる + 「経験値」 を積む =「成⻑」

#10.

救急診療における研修医の成⻑を表す「⽅程式」 「基本」 ができる 【理想】研修医を開始して 半年〜1年で到達したい + 「経験値」 を積む 研修医期間中ずっと 重ねていくもの

成長スピードを上げるためのポイント

#11.

研修医の救急外来での成⻑は指数関数曲線的 なかなか伸びない この時期が⾟い

#12.

研修医の救急外来での成⻑は指数関数的 この期間を短くしたい︕

#13.

時間をx軸、成⻑をy軸とすると 「経験値」 「基本」 ここまでは「基本」 ここからは「経験値」 「基本」の⼟台の上に「経験値」が積み上がっていくことで 成⻑が進んでいく

#14.

成⻑スピードが遅い期間を早く抜け出すには︖ 「基本」 ができる ▶ ここに早く到達する ことが必要︕

SOAP思考プロセスの重要性

#15.

具体的には 何を頑張る︖

#16.

「成⻑」のために必要なプロセス S O A P SOAPに基づいた思考プロセスを何度⾏ったか ▶それが「成⻑」につながる

#17.

❸いつか考えた SOAPを取り出して S O A ▶ ❶診療に悩むとき P ▶ ❷頭の中の引き出しから ❹今回も 適⽤できそう︕

#18.

S O A P この流れがスムーズにできるようになったときに 「成⻑」を感じられるはず

SOAPの実践と重症患者の評価

#19.

S O A この思考プロセスの中で ●「基本」としてできること ●「経験値」を積むことでできること を分けて考えてみる P

#20.

救急診療も芸術やスポーツと⼀緒で 「型」を⾝につけることが⼤事︕

#21.

救急診療における 「型」とは︖

#22.

【ご提案】 1回の診療で SOAPを 3回 繰り返す︕ 1 2 3

ぱっと見SOAPの手順と実践

#23.

SOAPの 3 step 1. ぱっと⾒ SOAP 2. じっくり SOAP 3. ふりかえり SOAP ぱっと⾒ じっくり ふりかえり

#24.

今回のテーマとして、 ぱっと⾒ SOAP/じっくり SOAP の 「基本」 ができる、 そんな研修医になりましょう

#25.

ぱっと⾒SOAP <⽬的> 重症患者を⾒逃さない

#26.

重症患者を⾒逃さないためには ぱっと⾒ SOAP 「第⼀印象」で ささっと重症度評価を⾏う

#27.

⾔語化すると ぱっと⾒ SOAP ・ABCDEの評価 ・トリアージ を頭の中で1分以内に⾏う

#28.

ぱっと⾒SOAPの⼿順 <最初の30秒で︓S/Oをチェック> ・「わかりますか︖」「お名前は︖」(話しかけてAとDを評価) ・胸部/腹部に⽬をやり異常呼吸、⼝唇チアノーゼも観察(B) ・⽪膚と橈⾻動脈に触れ、循環(C)と体温(E)を観察 ・顔⾯蒼⽩、冷や汗をチェック▶重症疾患が背景にあるかも *救急⾞搬⼊、診察室⼊室してから30秒以内に評価できるように。

#29.

ぱっと⾒SOAPの⼿順 <次の30秒で︓A/Pの決定> ・S/OでひとつでもABCD(E)の異常を確認したら ※Eの異常︓著明な⾼体温(発熱ではない)、低体温には注意 単なる発熱だけならトリアージの優先順位は低い A︓重症患者の可能性があると判断 P︓救急⾞搬⼊なら優先的に診察 ウォークインなら救急外来に移動させる ▶ABCDEへの必要な介⼊を(これについてはまた今後学びましょう)

#30.

ぱっと⾒SOAPを何度も繰り返すことで 頭の中の引き出しに 重症患者の特徴が蓄積 S 今回もその特徴と ⼀致する︕ O 救急診療で重症患者を ▶ すばやく⾒抜く 「第六感」が養われる

じっくりSOAPの目的と考え方

#31.

ぱっと⾒SOAPで重症と判断したら ●基本的には上級医と診療を⾏う *研修医のうちは重症患者を 研修医だけで抱えない⽅が安全 「応援を呼ぶ」こともスキルのうち

#32.

ぱっと⾒SOAPで重症じゃないと判断したら ●研修医が⽇常診療で悩むのはきっと 上級医との診察が必ずしも必要ではない 「軽症〜中等症」の患者 ▶Second stepのじっくりSOAPで

#33.

じっくりSOAP <⽬的> 軽症〜中等症の 患者の⽅針決定を⽬指す

#34.

まずはSOAPの概念をくつがえそう SOAP → S POA にシフトチェンジ︕

#35.

P を先に考える理由 「⼊院になりそうかどうか」を 最初から考えておくことが⼤事だから

#36.

なぜ「⼊院になりそうか」を先に考えると良いのか ① ERでは、より多くの 救急患者を診療するために、 常に「効率」を考えているから

入院の可能性を考慮した診療の流れ

#37.

●「⼊院になりそうな患者」に対するERの動き⽅がある 例)・診療の優先順位を上げる →「マンパワーを多く配置」「検査を早めに施⾏する」など ・⼊院ベッドの確保を前もって⾏う →⼊院決定時に「ベッドがない」ことで⽣じるタイムロスを防ぐ *最終的に⽅針が変わっても良いので、 ⼊院になりそうならその「⾒込み⽅針」を周りに共有しておく

#38.

なぜ「⼊院になりそうか」を先に考えると良いのか ② ⾃分の有限のキャパシティの中で どの患者にどの程度の時間を割くか 配分を考えながら診療する必要があるから

#39.

救急外来にはたくさんの患者がくる

#40.

*⼊院になりそうな患者 *帰宅可能そうな患者 ・詳細な問診聴取 ・必要最低限の問診 ・複数の検査の施⾏ ・簡便な検査の施⾏ ▶⽅針決定までの時間が⻑い ▶⽅針決定までの時間が短い

#41.

救急診療の時間軸(例) S O A P S O A P S O 始業 A P 終業 「⼊院になりそうな患者」の診療の合間(例えば検査待ち時間など)に 「帰宅になりそうな患者」を診察を⾏う ▶ 診療の効率化

#42.

効率よく診療するには「経験値」が必要 まずはその第⼀歩となる 「⼊院」or「帰宅」(P)の予測をできるようになりたい

#43.

P の予測に必要ことは︖ <P の予測の簡易⽅程式> 患者背景 × 主訴 =⼊院 or 帰宅(P)の予測

#44.

P の予測簡易⽅程式の覚え⽅ 患者背景 主訴 ▶ この患者が ▶ この主訴で 帰れるんだろうか︖

患者背景の聴取とチーム医療の重要性

#45.

だから、S の聴取でまずルーチンにしてほしいこと P の予測簡易⽅程式のはじめの 患者背景 をしっかり聞いてほしい

#46.

どのように患者背景を聞いていくのか 患者の1⽇の⽣活⾵景を 具体的にイメージできることを⽬指していく

#47.

「患者背景のイメージ」構築のために最低限必要な情報 どこに住んでいる︖ 移動はどうしてる︖ 誰と住んでいる︖

#48.

どこに住んでいる︖ Q︓「⾃宅︖ or 施設︖」 ・⾃宅 → ⼾建て︖ or 集合住宅︖ (エレベーターは︖階段は使う︖) ・施設 → 特養︖⽼健︖サ⾼住︖など (施設によって機能がさまざま)

#49.

移動はどうしてる︖ Q︓「⾃⼒歩⾏できる︖ or できない︖」 ・できる → 伝い歩き、杖や歩⾏器使⽤の有無 ・できない → ⾞椅⼦︖ベッド上から動かない︖

#50.

移動はどうしてる︖ *詳しい移動の状況を聞くときに効果的な⾔葉 Q︓「トイレまではどうやって⾏っている︖」 ▶ベッドからトイレまでの移動の様⼦をすべて聞くと、 移乗・移動の状況が細かくわかる

#51.

誰と住んでいる︖ Q︓「⼀⼈暮らし or 誰かと住んでいる︖」 ・独居 Q︓「最寄りの家族は『誰』で『どこ』にいる︖」 「どのくらいの頻度で家族が会いにくる︖」 →患者が普段どれくらい「⼀⼈」なのかを聞いておく

#52.

誰と住んでいる︖ ・同居家族がいる Q「家族構成は︖」 →同居家族がご⾼齢なら、その家族のADLも簡単に聞く *同居家族の介護⼒の確認のため

#53.

誰と住んでいる︖ ・同居家族がいる Q「家族とどれくらい顔を合わせる︖」 →「1⽇中⾯倒を⾒ている」「⽇中は会わない」など ここでもやはり、 患者が普段どれくらい「⼀⼈」なのかを聞いておく

#54.

この最低限の情報を押さえると どこに住んでいる︖ 移動はどうしてる︖ 誰と住んでいる︖ 物理的・マンパワー的に帰宅可能かを検討できる

#55.

P の予測簡易⽅程式を⽴てるための「主訴」のポイント 主訴 患者の⽣活が この「主訴」のせいで どう変わって しまったか︖

#56.

P の予測簡易⽅程式を⽴てるための「主訴」のポイント 特に、 主訴 この主訴のせいで 「何かできなくなったことはある︖」

#57.

「主訴」+α(できなくなったこと)の聴取例 主訴︓腰痛 主訴︓感冒症状 ▶ 歩けなくなった ▶ 全く起き上がれなくなった ▶ 仕事に⾏けなくなった ▶ ぐったりして動けなくなった

#58.

P の予測簡易⽅程式の例 80代⼥性、⾃宅 患者背景 トイレまでは伝い歩き 独居で家族は県外 主訴︓腰痛 転倒後の腰痛で 起き上がれなくなっている ⼊院になりそう

#59.

P の予測簡易⽅程式の例 50代男性、⾃宅 患者背景 何も使わず⾃⼒歩⾏可能 妻と⼆⼈暮らし 主訴︓腰痛 転倒後の腰痛で 起き上がるときに助けが必要 起き上がれたらなんとか歩ける (痛みが取れたら)帰れそう

#60.

P の予測簡易⽅程式の例 患者背景 80代男性、⽼健 ⾞椅⼦、移乗には介助が必要 ・トイレに⾏けずオムツ使⽤に 主訴︓発熱 ・発熱で⽔分もご飯も 摂れなくなっている (施設とも相談しつつ)⼊院になる可能性はありそう

#61.

<P の予測の簡易⽅程式> 患者背景 × 主訴 =⼊院 or 帰宅(P)の予測 最初から⼀⼈で解を出すのは難しいけど、 “あとで変わっても良い”ので⾃分で考えてみることが⼤事︕

#62.

患者背景 × 主訴 そして、このふたつをしっかり聞けていたら ⾃分よりも経験のある周りのスタッフが アドバイスをくれるはず

#63.

救急診療はきっと最も「チーム医療」が求められます ⾃分の考えをこまめに周りに共有することで 診療がスムーズになり、⾃分も成⻑できます

#64.

Take Home Message ● 救急診療にも「型」がある 「型」が⾝に付くまでは「向いてない」と決めつけない︕ ● 重症患者を⾒逃さないためのぱっと⾒SOAPを ● 患者のDispositionを予測するために、 詳細な⽣活背景と主訴に伴う⽣活の変化をまず聴取︕

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