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利尿薬抵抗性(クロールの逆襲)

投稿者プロフィール
佐々木貴充
Award 2024 受賞者

高洲透析クリニック

26,113

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投稿した先生からのメッセージ

個人の主観と偏見が大いに入っているので、話半分に見てください。

エビデンスレベルC(とても低い、専門家の意見)です。

概要

適当にフロセミドを使うと低クロール性代謝性アルカローシスになってマクラデンサが逆襲してくるぞという話を書きました。

本スライドの対象者

医学生/研修医/専攻医/専門医

参考文献

  • いらすとや

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利尿薬抵抗性の基礎知識

#1.

MACULA DENSA クロールの逆襲利尿薬抵抗性あさり@腎臓内科

#2.

症例:70歳男性 ● ・うっ血性心不全で入院。浮腫著明。 ● 初日はフロセミド 40 mg ivで尿量 3000 mL/day出た。体重も減少。数日後、血液検査 Na 138 mEq/L, Cl88mEq/L 尿>量 1000 mL/day、体重横ばい浮腫まだある。・あれ?まだ心不全が治ってないんだけど・・・・・・ なんか利尿薬が > > 効かなくなってきたぞ 3

#3.

利尿薬 ≠ 尿を増やす薬利尿剤 ≠ 尿量を増やす薬利尿剤 = 尿細管の再吸収を抑制する薬 3 ・・・何が違うの?

#4.

腎臓は水を99%再吸収できる再吸収 (99%) 142.6 L/day 原尿: 144L/day =GFR 100mL/min 排尿:1.4 L/day

#5.

腎臓の再吸収を98%にすると・・・ 再吸収 (98%) 141.1 L/day 尿量2倍! 原尿: 144L/day 排尿 : 2.9 L/day =GFR 100mL/min

利尿薬の作用機序と種類

#6.

利尿薬の種類輸入/出細動脈:ハンプ近位尿細管:アセタゾラミド、 SGLT2-i ループ:フロセミド、アゾセミド遠位尿細管:トリクロルメチアジド皮質集合管:スピロノラクトン集>合管 :トルバプタンなど

#7.

近位水尿細管 Na CI 遠位尿細管水 Na 水 Na 11 K マクラデンサ Ca 300 皮質グルコース集合管アミノ酸など 500 Na K 水 CI CI ppy@ 700 髄質集合管 900 水ヘンレループ 1200

#8.

ループ利尿薬・一般的に「利尿薬」と言えば、「フロセミド」を指すことが多い。・ヘンレループ太い上行脚でNKCC2を阻害・Na再吸収を強力に抑制・最も効果的な利尿薬とし>て活躍

#9.

ループ利尿薬の作用近位尿細管水遠位 Na CI 尿細管水 Na Na 1111 マクラ K デンサ皮質 300 グルコース集合管アミノ酸など 500 Na 700 髄質 K 水集合管 CI CI 900 水 1200 ヘンレループ

#10.

腎臓の警報装置: マクラデンサ (緻密斑) •マクラデンサは遠位尿細管の CI濃度を監視している。 CI濃度の減少=体液喪失の危機! ・レニン分泌によるNa再吸収亢進↑↑↑

利尿薬抵抗性の原因とメカニズム

#11.

近位尿細管フロセミド作用中水遠位 Na CI 尿細管水 Na Na 1111 マクラ K デンサ皮質 300 グルコース集合管アミノ酸 CI など [C] 500 Na 700 髄質 K 水集合管 CI CI 900 >水 1200 ヘンレループ

#12.

NKCC2阻害したら、遠位尿細管のCI 増えるのでは? ・たしかに、フロセミド作用中は、遠位尿細管のCI濃度は上昇する! ・しかし、フロセミドが、マクラデンサ「細胞内」のNKCC2も阻害。 → マクラデンサのCFセンサーが誤作動 → レニン分泌が亢進!

#13.

フロセミドによるNKCC2阻害 K グルコース CI アミノ酸など [C] 近位水遠位尿細管 Na CI 尿細管 Na 水 Na クラ 1111 Na+ K 皮質 300 集合管 500 Na 700 髄質 K 水集合管 CI CI 900 水 1200 ヘンレループ

#14.

第1段階: マクラデンサに対する直接作用フロセミド → マクラデンサ (緻密斑) のNKCC2阻害 > 緻密斑「Cl濃度が分からない!ピンチ!」 →レニン分泌スイッチON Na再吸収亢進↑

#15.

第2段階 : より遠位での尿細管再吸収の亢進フロセミド → ループ NKCC2抑制↓ Na再吸収抑制↓ ↑ 遠位尿細管 NCC ↑ 皮質集合管 ENaC↑ Na再吸収亢進 ↑ Na再吸収亢進 ↑

臨床における利尿薬の使用法

#16.

第3段階: 効果減弱後のループ再吸収亢進フロセミドの効果終了 → Postdiuretic sodium retention ↑ NKCC2復活! → Na再吸収↑↑ 遠位尿細管のCF↓↓↓ → マクラデンサ「急激なCI-不足だ! J →レニン分泌スイッチON Na再吸収亢進↑

#17.

RAA系の覚醒輸出細動脈の収縮近位尿細管でNa再吸収↑ →遠位尿細管に届くCI↓緻密斑の反応持続 →レニン分泌持続遠位尿細管・集合管の適応 → NCC ↑ ENaC ↑ 結果:フロセミドを

投与すればするほどようこそダークサイドへ Na再吸収が亢進する悪循環利尿薬抵抗性

#18.

G G 低クロール性代謝性アルカローシス ● NKCC2=Na、K、CI、CI ・ナトリウム1個に対して、クロール2個。 →ループ阻害で、低クロールになる。 ☆有効循環血症量の減少によ>る HCO3 再吸収亢進 ☆クロール欠乏による皮質集合管でのHCO3分泌低下 → 代謝性アルカローシスぬ

#19.

低クロール性アルカローシスによる利尿薬抵抗性 Na↑-CI↓>40 (目安) 遠位尿細管に到達するCI濃度は Na+と比べて低くなる。実際の循環血症量よりも少なく見積もってしまう>。 Na再吸収が亢進↑↑↑ CFが薄いから脱水かな?

#20.

難治性浮腫に対するアセタゾラミド Fallahzadeh MA, et al. Am J Kidney Dis. 2017;69(3):420-427. 対象:腎機能・血圧正常な成人のネフローゼ症候群患者で、フロセミド80 mg使用しても改善に乏しい浮腫がある20名試験:アセタゾラミド250mg + ヒドロクロロチアジド 50mg群 VS. フロセミド 40mg+ ヒドロクロロチアジド 50mg群結果:アセタゾラミド群で体重減少、尿量増加が有意に良好 → フロセミド抵抗性の難治性浮腫の場合、アセタゾラミド+サイアザイド系を短期間併用すると効果あるかも。

利尿薬抵抗性への対策と治療法

#21.

利尿剤抵抗性の解消・サイアザイド併用(遠位尿細管のNCC阻害) ・MRA併用 (皮質集合管のENaC阻害) ・ACE-I/ARBでRAA系を抑制・アセタゾラミド併用

#22.

治療戦略 Step 1: 利尿薬抵抗性と判断 Step 2: フロセミド増量 Step 3: 低クロール性アルカローシスの確認 Step 4: 少量サイアザイド併用 Step 5: 短期間アセタゾラミド>併用を考慮 (250 mg/日、3-7日間) ※ 低K注意 Step 6: MRA、 ACE-I/ARBの併用

#23.

まとめ 1. 利尿薬抵抗性の原因として低CI性アルカローシスを必ずチェック →血清CI、HCO3を測定 2. 低CI性アルカローシスがあれば - ループ利尿薬単独の増量は無効サイア>ザイド/MRA/アセタゾラミド併用を考慮必要に応じてCI補充も検討 3. それでも改善しなければ、その他の原因精査 (NSAIDs、低Alb血症など)

#24.

May the Force (of diuresis) be with you!

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