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利尿薬抵抗性の基礎知識
#1. MACULA DENSA クロールの逆襲利尿薬抵抗性あさり@腎臓内科
#2. 症例:70歳男性 ● ・うっ血性心不全で入院。浮腫著明。 ● 初日はフロセミド 40 mg ivで尿量 3000 mL/day出た。体重も減少。数日後、血液検査 Na 138 mEq/L, Cl88mEq/L 尿>量 1000 mL/day、体重横ばい浮腫まだある。・あれ?まだ心不全が治ってないんだけど・・・・・・ なんか利尿薬が > > 効かなくなってきたぞ 3
#3. 利尿薬 ≠ 尿を増やす薬利尿剤 ≠ 尿量を増やす薬利尿剤 = 尿細管の再吸収を抑制する薬 3 ・・・何が違うの?
#4. 腎臓は水を99%再吸収できる再吸収 (99%) 142.6 L/day 原尿: 144L/day =GFR 100mL/min 排尿:1.4 L/day
#5. 腎臓の再吸収を98%にすると・・・ 再吸収 (98%) 141.1 L/day 尿量2倍! 原尿: 144L/day 排尿 : 2.9 L/day =GFR 100mL/min
利尿薬の作用機序と種類
#6. 利尿薬の種類輸入/出細動脈:ハンプ近位尿細管:アセタゾラミド、 SGLT2-i ループ:フロセミド、アゾセミド遠位尿細管:トリクロルメチアジド皮質集合管:スピロノラクトン集>合管 :トルバプタンなど
#7. 近位水尿細管 Na CI 遠位尿細管水 Na 水 Na 11 K マクラデンサ Ca 300 皮質グルコース集合管アミノ酸など 500 Na K 水 CI CI ppy@ 700 髄質集合管 900 水ヘンレループ 1200
#8. ループ利尿薬・一般的に「利尿薬」と言えば、「フロセミド」を指すことが多い。・ヘンレループ太い上行脚でNKCC2を阻害・Na再吸収を強力に抑制・最も効果的な利尿薬とし>て活躍
#9. ループ利尿薬の作用近位尿細管水遠位 Na CI 尿細管水 Na Na 1111 マクラ K デンサ皮質 300 グルコース集合管アミノ酸など 500 Na 700 髄質 K 水集合管 CI CI 900 水 1200 ヘンレループ
#10. 腎臓の警報装置: マクラデンサ (緻密斑) •マクラデンサは遠位尿細管の CI濃度を監視している。 CI濃度の減少=体液喪失の危機! ・レニン分泌によるNa再吸収亢進↑↑↑
利尿薬抵抗性の原因とメカニズム
#11. 近位尿細管フロセミド作用中水遠位 Na CI 尿細管水 Na Na 1111 マクラ K デンサ皮質 300 グルコース集合管アミノ酸 CI など [C] 500 Na 700 髄質 K 水集合管 CI CI 900 >水 1200 ヘンレループ
#12. NKCC2阻害したら、遠位尿細管のCI 増えるのでは? ・たしかに、フロセミド作用中は、遠位尿細管のCI濃度は上昇する! ・しかし、フロセミドが、マクラデンサ「細胞内」のNKCC2も阻害。 → マクラデンサのCFセンサーが誤作動 → レニン分泌が亢進!
#13. フロセミドによるNKCC2阻害 K グルコース CI アミノ酸など [C] 近位水遠位尿細管 Na CI 尿細管 Na 水 Na クラ 1111 Na+ K 皮質 300 集合管 500 Na 700 髄質 K 水集合管 CI CI 900 水 1200 ヘンレループ
#14. 第1段階: マクラデンサに対する直接作用フロセミド → マクラデンサ (緻密斑) のNKCC2阻害 > 緻密斑「Cl濃度が分からない!ピンチ!」 →レニン分泌スイッチON Na再吸収亢進↑
#15. 第2段階 : より遠位での尿細管再吸収の亢進フロセミド → ループ NKCC2抑制↓ Na再吸収抑制↓ ↑ 遠位尿細管 NCC ↑ 皮質集合管 ENaC↑ Na再吸収亢進 ↑ Na再吸収亢進 ↑
臨床における利尿薬の使用法
#16. 第3段階: 効果減弱後のループ再吸収亢進フロセミドの効果終了 → Postdiuretic sodium retention ↑ NKCC2復活! → Na再吸収↑↑ 遠位尿細管のCF↓↓↓ → マクラデンサ「急激なCI-不足だ! J →レニン分泌スイッチON Na再吸収亢進↑
#17. RAA系の覚醒輸出細動脈の収縮近位尿細管でNa再吸収↑ →遠位尿細管に届くCI↓緻密斑の反応持続 →レニン分泌持続遠位尿細管・集合管の適応 → NCC ↑ ENaC ↑ 結果:フロセミドを
投与すればするほどようこそダークサイドへ Na再吸収が亢進する悪循環利尿薬抵抗性
#18. G G 低クロール性代謝性アルカローシス ● NKCC2=Na、K、CI、CI ・ナトリウム1個に対して、クロール2個。 →ループ阻害で、低クロールになる。 ☆有効循環血症量の減少によ>る HCO3 再吸収亢進 ☆クロール欠乏による皮質集合管でのHCO3分泌低下 → 代謝性アルカローシスぬ
#19. 低クロール性アルカローシスによる利尿薬抵抗性 Na↑-CI↓>40 (目安) 遠位尿細管に到達するCI濃度は Na+と比べて低くなる。実際の循環血症量よりも少なく見積もってしまう>。 Na再吸収が亢進↑↑↑ CFが薄いから脱水かな?
#20. 難治性浮腫に対するアセタゾラミド Fallahzadeh MA, et al. Am J Kidney Dis. 2017;69(3):420-427. 対象:腎機能・血圧正常な成人のネフローゼ症候群患者で、フロセミド80 mg使用しても改善に乏しい浮腫がある20名試験:アセタゾラミド250mg + ヒドロクロロチアジド 50mg群 VS. フロセミド 40mg+ ヒドロクロロチアジド 50mg群結果:アセタゾラミド群で体重減少、尿量増加が有意に良好 → フロセミド抵抗性の難治性浮腫の場合、アセタゾラミド+サイアザイド系を短期間併用すると効果あるかも。
利尿薬抵抗性への対策と治療法
#21. 利尿剤抵抗性の解消・サイアザイド併用(遠位尿細管のNCC阻害) ・MRA併用 (皮質集合管のENaC阻害) ・ACE-I/ARBでRAA系を抑制・アセタゾラミド併用
#22. 治療戦略 Step 1: 利尿薬抵抗性と判断 Step 2: フロセミド増量 Step 3: 低クロール性アルカローシスの確認 Step 4: 少量サイアザイド併用 Step 5: 短期間アセタゾラミド>併用を考慮 (250 mg/日、3-7日間) ※ 低K注意 Step 6: MRA、 ACE-I/ARBの併用
#23. まとめ 1. 利尿薬抵抗性の原因として低CI性アルカローシスを必ずチェック →血清CI、HCO3を測定 2. 低CI性アルカローシスがあれば - ループ利尿薬単独の増量は無効サイア>ザイド/MRA/アセタゾラミド併用を考慮必要に応じてCI補充も検討 3. それでも改善しなければ、その他の原因精査 (NSAIDs、低Alb血症など)
#24. May the Force (of diuresis) be with you!