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血液ガスの目的と重要性
#1. “その血液ガスで何を疑う”
- 酸塩基異常の鑑別 当直シリーズ① ② | 糖尿病の救急対応も参照 【当直シリーズ③】糖尿病の救急対応| Dr. Ito 順天堂大学医学部附属静岡病院 糖尿病代謝内分泌内科
伊藤 直顕
#2. スライドの目的 研修医が当直中に血液ガスを見た瞬間、「何を疑うべきか」を迷わず整理できるようにすることを目指します。 単なる暗記ではない 「なぜその値になるのか」まで直感的に理解できる構成 整理のキーワード AG・代償・混合性の3軸で体系的に考える
代謝性アシドーシスの原因
#3. まず覚えること ① 血ガスの本質 「異常値を見つける」検査ではなく、「なぜそうなったか」を考えるための検査です。 ② 3つの整理軸 AG・代償・混合性(複数の酸塩基障害)で常に整理します。 ③ Alb補正は必須 AGは必ずアルブミン補正をして評価します。補正なしでは見落としが生じます。 血ガスを見たら:pH → AGの方向 → 代償を確認 → 混合性を疑う、
の順で考えましょう。 当直シリーズ① ② | 糖尿病の救急対応も参照
#4. AG開大アシドーシスの原因を整理する 代謝性アシドーシスとは、呼吸以外の原因で体内にH+が過剰となる、またはHCO3-が喪失して血液pHが低下した状態
→細胞内H+が増加
→細胞内pH低下
→ATP産生酵素がうまく働かない(特にPFK、PDH、TCA回路酵素群):
→NADH/FADH2、ATP産生低下、電子伝達系への電子供給低下
→アシドーシス是正のためにNa/K ATPaseを過剰稼働させようとする
→余っているATPが消費
→嫌気性代謝に依存、Mt機能障害も進行
→細胞死
→心血管系に対して致死的影響:
①心収縮力が低下
②血管拡張による血圧低下
③カテコラミン抵抗性 高Cl性アシドーシス:
代謝性アルカローシスの評価
#5. 代謝性アルカローシス:尿Clで整理する 尿Clを見る理由:循環血漿量の評価。尿Cl低値は塩類応答性(補液で改善)、高値は塩類抵抗性 アシドーシスに比して
アルカローシスにはなりにくい
代謝性アルカローシス(pH>7.6で顕著)
→低換気、低血圧、意識障害(アルカローシス自体が症状惹起すうことは稀)
代償の落とし穴と次回予告
#7. 代償の落とし穴 ─ 嘔吐でCO₂が高い時 嘔吐によるH⁺喪失 胃内容の喪失で体内H⁺減少 HCO₃過剰と代償 HCO₃上昇でCO₂が上がる Ⅱ型呼吸不全や低Kを除外 嘔吐によるH⁺喪失 → HCO₃過剰 → 代償性CO₂上昇(低換気)は正常な代償反応。 ①低K血症による呼吸筋麻痺 ②Ⅱ型呼吸不全(CO₂貯留)
のうち、意識障害なければ代償性 CO₂を無理に下げると アルカレミアが悪化する!!!
#8. 当直シリーズ:次回予告 1 当直シリーズ① 糖尿病の救急対応 2 当直シリーズ② 血ガス基礎編
3ステップで読む 3 当直シリーズ③ その数値、なぜそうなる? 4 「なぜそうなるのか」まで含めて後日noteでまとめ予定です