見逃すな!バイタルサイン

1/30

田中 公孝

田中 公孝

東京西部保健生活協同組合上井草診療所

3579views

2016年7月コメディカル向けの勉強会でレクチャーした在宅医療に役立つバイタルサイン+αの内容です。研修医や在宅医療の現場に出て間もないDr.に是非見てもらいたいです。

見逃すな!バイタルサイン

1.   見逃すな!      バイタルサイン 〜あなたの気づきが患者を救う〜 東京西部保健生活協同組合 上井草診療所 家庭医 田中 公孝
2. 在宅診療のコツ 伝授します!! 今回のテーマは「急変に気づく」です!
3. 急に食欲がなくなった 体が動かなくなった いつもと様子が違う 「全身の見た目・印象」が1番大事!  大前提
4. バイタルサインとは? 生命の状態を数値で表したもの   「意識の状態」   「体温」   「血圧」   「脈拍」   「酸素飽和度」   「呼吸数」
5. バイタルサインがなぜ重要か? 生きている証という意味合い 患者生命の最も基本的な評価 ★ 血液など検査をしなくても数値評価ができる ★ 異常値すぎれば、危ない状況だとわかる ★ 救急病院でもまず!バイタルを計測する
6.  「意識の状態」   「体温」  「血圧」  「脈拍」  「酸素飽和度」  「呼吸数」 バイタルサインの基準値目安 会話できる 36.5± 0.5℃ 140未満/90未満 mmHg 60〜80回/分 SpO2 90後半 12-16回/分
7. 今日持ち帰ってもらいたい重要ポイント その① バイタルサインの パニック値
8. ただし普段から血圧が低い人、脈拍が速い人、酸素が低い人 は既にこの数値のことがあります  収縮期血圧 : 90mmHg未満  心拍数 :50/分未満 or 120/分以上  呼吸数 :20回/分以上、8回/分未満  酸素飽和度 :SpO2 90%前半 パニック値について
9. http://igs-kankan.com/article/2012/02/000565/改変 ① パニック値はただちにDr.コールを ② 呼吸数には敏感になること!!   高齢者のショック初期症状は、不穏+呼吸数↑   重症疾患の多くの場合に呼吸数↑あり ③ バイタルサインは組み合わせで評価    血圧&脈拍 脈拍&体温 SpO2&呼吸数    普段のバイタルサイン測定も大切 高齢者救急によれば…
10. 今日持ち帰ってもらいたい重要なポイント その② 呼吸数の増加 運動後の息切れのよう ハーハーしている 呼吸がおかしい
11. → 正直、どんな病気でもあります! 重症疾患の多くの場合に呼吸数↑あり 肺炎 心不全悪化 尿路感染症 胆嚢炎 大動脈解離  など 呼吸数が増加する病気
12. 普通は、1分間で12~16回  (呼吸1回で約4秒と考えましょう!) 数え方:15秒×4 or 30秒×2 喉・胸の動きを見て数える 注)呼吸数を診ていると        覚(さと)られないように! 呼吸数の数え方
13. お互い測ってみましょう! http://riha.tsuzuki-edu.ac.jp/images/material/19/CIMG3969.JPG
14. http://igs-kankan.com/article/2012/02/000565/改変 ① パニック値はただちにDr.コールを ② 呼吸数には敏感になること!!   高齢者のショック初期症状は、不穏+呼吸数↑   重症疾患の多くの場合に呼吸数↑あり ③ バイタルサインは組み合わせで評価    血圧&脈拍 脈拍&体温 SpO2&呼吸数    普段のバイタルサイン測定も大切 高齢者救急によれば…
15. 今日持ち帰ってもらいたい重要なポイント その③ 急なADL低下
16. 正直どんな病気でもあります 本格的な病気かも!?と判断する指標にします 急なADL低下が起こるとき…  Ex.) バイタルが少し異常+ここ数日ADL低下気味    → わかりにくい高齢者の肺炎だった!!
17. 今日持ち帰ってもらいたい重要なポイント その④ 家族のいつもと違う
18. 家族のおかしいは、神の声 こ れ は 病   気   で    す
19. 高齢者の発熱 で知っ得Tips 今日持ち帰ってもらいたい重要なポイント その⑤
20. 高齢者がなりやすい発熱の病気 肺炎 尿路感染症 蜂窩織炎(ほうかしきえん) 胆嚢炎(たんのうえん) 偽痛風(ぎつうふう) 頻度の高い3大疾患の ポイントをおさえましょう!
21. 食欲低下 ひどい咳、痰 熱が長引いている 脈がとても速い 呼吸の数が多い   (1分間で20回以上) 高齢者の肺炎のポイント 見た目 バイタルサインの異常
22. 普通の風邪との違いは、  「食欲低下」「ひどい咳、痰」が目立つところ 更に「熱が長引いている」「脈がとても速い」「呼吸の数が多い」と芳しくない状態が揃ってくるようであれば、バイタルサインの異常  → 肺炎の可能性が高くなる 高齢者の肺炎のポイント
23. 尿の異臭・濁りが強い 咳や鼻水といった風邪症状がない熱 腎盂腎炎になると悪寒、震えを認める 腎盂腎炎になると脈が早くなり、   血圧が低下するなどバイタル  サインの乱れが顕著になる 高齢者の尿路感染症のポイント 血液をろ過して尿にする腎臓は、 細菌が逆流しやすい
24. 膀胱炎は排尿時痛、残尿感などの不快な症状があるものの、命に関わることはありません。 しかし腎盂腎炎は、血液に細菌がまわる敗血症の状態に進展しやすく、重篤化のおそれがある病気です。 →急な高熱で風邪症状がなく、ガタガタしはじめ   たら尿路感染症を思い浮かべる! ★女性・寝たきりに多い 高齢者の尿路感染症のポイント
25. 皮膚の傷から細菌が入り、炎症を起こした状態。高齢者は若い人に比べて皮膚のバリアが弱いため、傷をつくりやすく、そこからの感染が多い。 高齢者の蜂窩織炎のポイント 特に手足の腫れを観察する  (衣服をめくって確認を!) 寝たきりで褥瘡がある場合、  褥瘡に感染することがある 菌が侵入する傷がないか観察
26. 体温 38℃ 血圧 100/60 脈拍 120 SpO2 93  呼吸数 24 80歳女性 3日前から37-38℃の発熱を推移 咳、痰ひどい 徐々に食欲不振、ADL低下  家族も元気ないと言う 演習 在宅遭遇事例① 肺炎
27. 体温 39℃ 血圧 80/50 脈拍 130 SpO2 96  呼吸数 28 尿路感染症 92歳女性 認知症寝たきり 今朝から悪寒の後、39℃の発熱 呼びかけてもうなされている  今日は食事・水分を全然とっていない 演習 在宅遭遇事例②
28. まとめ ・バイタルサインのパニック値を覚える! ・ 呼吸数は、すごく有用!測れるように ・ 「急なADL低下」「家族のおかしい」は、   病気の知らせ ・ 在宅高齢者の発熱で頻度が高い  肺炎、尿路感染症、蜂窩織炎の特徴  をおさえよう
29. これからお勧めしたいこと 職場で急変事例の共有しましょう! →1人1人の在宅での遭遇率は低いです →お互い経験を共有する   ことで色々な事態に対応   できるようにしましょう!
30. 今日の話は、「たすケア」の記事にもあります