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最終更新:2022年4月27日
検尿のススメ 〜たんぱく尿、アルブミン尿は腎予後、生命予後に大事! 非専門医はここを押さえて治療して欲しい!〜
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慢性腎臓病(CKD)と抗菌薬・抗ウイルス薬の使い方
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CKDの合併症抑制におけるXOR(キサンチン酸化還元酵素)阻害の可能性
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健康診断で要精査 尿潜血の対応方法
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最終更新:2022年5月22日
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もう悩まない!血尿診療の3Rules!
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慢性腎臓病(CKD)の生活指導〜運動療法、飲水の考え方〜
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Crの捉え⽅ 〜腎機能評価の使い分けのTips〜 ⻑澤@腎臓内科 1
腎機能評価の主な⽅法 これらを上⼿く使い分けられていますか︖ ü ゴールドスタンダードは Cr ü 隠れ CKD をみつける eGFR ü 薬剤投与は Cockcroft-Gault の CCr ü 海外では主流の CKD-EPI ü 24時間クレアチニンクリアランス (24hCCr) ü シスタチンC ü 最も正確なイヌリンクリアランス ü シンチの使いどころ 2
ゴールドスタンダードは Cr どの施設でもとれる(はず) 簡便、安価、すぐ測定結果が出るピットフォール 筋⾁量に依存 → 若い男性↑、⾼齢、⼩柄↓ Cr が上がっている場合はいいが、Cr が良いときに過⼩評価する → eGFR でみる 薬の投与量設計ではまず使わない︕(添付⽂書を確認) バクタⓇなどで偽性に上がる ※ シメチジン、スピロノラクトン、プロベネシドでも報告あり 妊娠で↓などはある 3
4.
隠れ CKD をみつける eGFR ⾼齢者の隠れ CKD を⾒つける為の⼿段 ※ ただし75%の症例が実測±30%に⼊る程度なので万能ではない 40歳⼥性 Cr=0.9mg/dl eGFR=55.8mL/min/1.73m2 75歳⼥性 Cr=0.9mg/dl eGFR=46.6mL/min/1.73m2 腎機能が悪い場合には Cr で⼗分(eGFRはCKDステージ分類に必要) Cr が計算式に⼊っているので、Cr が極端な症例ではダメ 計算式は憶える必要はない(⾃動計算がついていることが多い) 薬の投与量設計ではまず使わない︕(添付⽂書確認) 体格補正してあるので、⼩柄な⼈は過⼤評価 eGFR = 194 × Cr-1.094 × 年齢-0.287 (⼥性は ×0.739) 4
5.
体格極端な⼈の eGFR eGFRをさらに体表⾯積で補正する 体表⾯積を補正しない eGFR(mL/min) ・eGFR(mL/min/1.73m2) × BSA / 1.73 ・BSA(m2) = (体重 kg)0.425×(⾝⻑ cm)0.725×0.007184 ただし、上記を使う場⾯は中々思いつかない 5
6.
薬剤投与は Cockcroft-Gault の CCr Cockcroft-Gaultの式が使われている事が多い CCr(mL/min) = (140-年齢) × 体重 / (72×Cr) (⼥性は×0.85) 体重、年齢、Cr がはいっている。 ⼤半の薬はこの計算式の腎機能だが、たまにeGFR、年齢、体重の組み合わせの薬がある ※添付⽂書を確認 MDRD※式は⽶国⼈向けに作られた、⽇本では最近はあまり使われない印象 eGFR(mL/min/1.73m2) = 175× (Cr) -1.154 × (年齢) -0.203 × (⼥性は×0.742) × (⽇本⼈は×0.808) ⽇腎会誌 2006;48:703-10. ※MDRD:Modification of Diet in Renal Disease (Ann Intern Med. 1999 Mar 16;130(6):461-70.) 6
7.
海外では主流の CKD-EPI※ ※CKD-EPI:Chronic Kidney Disease Epidemiology Collaboration (N Engl J Med. 2012; 367: 20-9) CKD-EPI MDRDの変法と捉えている(⽇本⼈では×0.813を⽤いる) 腎機能がいい場合(GFR>60)には有⽤だと考えられている 男性 シスタチンCを使ったCKD-EPI式もあります ・Cr <0.9 mg/dL の場合 eGFR(mL/min/1.73m2)=141× (Cr/0.9)-0.411 ×0.993(年齢) ・Cr ≧0.9 mg/dL の場合 さらに海外では⾼齢者⽤にBIS式と⾔う式もあります (ただし、⽇本で使われているのは⾒たたことがない) 研究向けと思って良いでしょう eGFR(mL/min/1.73m2)=141× (Cr/0.99)-1.209 ×0.993(年齢) ⼥性 ・Cr <0.7 mg/dL の場合 eGFR(mL/min/1.73m2)=144× (Cr/0.7)-0.329 ×0.993(年齢) ・Cr ≧0.7 mg/dL の場合 eGFR(mL/min/1.73m2)=144× (Cr/0.7)-1.209 ×0.993(年齢) 7
8.
抗がん剤にはご注意︕ 何も考えずに抗がん剤を⼊れることはないだろうが、、、 ü 極端な肥満やるいそうでは蓄尿などで GFR を測定する ü 固定⽤量の薬剤は体表⾯積補正をしない CCr や GFR で⽤量調整を⾏う ü 体表⾯積で⽤量を決める薬剤に対しては体表⾯積補正を⾏った CCr や GFR で調整する ü Cockcroft-Gault 法はヤッフェ法※での Cr が採⽤されているの(ここ20年⾒たことがない)で、 現在主流の酵素法での Cr に+0.2して計算する → 院内ルールがあると思うのでしっかり確認が必要 ※1990年台まではヤッフェ法(Jaffe法) での測定が主流で、 その後は酵素法での測定が置き換わっています (⽇内会誌 2007;96:159-165) 8
9.
24時間クレアチニンクリアランス(24hCCr) ⼀世代前のゴールドスタンダード 24時間の正確な蓄尿が必要 24hCCr = [尿Cr (mg/dL) ×尿量(mL/⽇) ] / [⾎清Cr (mg/dL)×1440] 蓄尿がキチンとできればという前提 ※ 蓄尿のチェック → 尿中 Cr 排泄予測値で判定 [体重 (kg) × 14.89] + [⾝⻑ (cm) × 16.14] - (年齢 × 2.043) - 2244.45 → この計算式の Cr 排泄量より明らかに尿中 Cr 排泄量少ないときは蓄尿は失敗 最近では衛⽣⾯から蓄尿ができないケースが増えてきている 9
10.
シスタチンC (Cys C) 筋⾁量が極端な⼈(運動選⼿、神経難病でベッド上⽣活、筋炎などもちいる場合がある) 早期の腎障害を⾒つけやすいかも→腎機能悪い⼈に使う必要はない 男性︓eGFR(cys C)(mL/min/1.73 m2)={104 × CysC -1.019 × 0.996 年齢(歳)} -8 ⼥性︓eGFR(cys C)(mL/min/1.73 m2)={104 × CysC -1.019 × 0.996 年齢(歳)×0.929} -8 甲状腺機能低下で↓ ステロイドで↑、シクロスポリンで↓と⾔う報告あり 保険上は3ヶ⽉に1回 10
11.
eGFR(Cr)とeGFR(cys C)が解離する場合 ü eGFR(Cr) < eGFR(cys C) は問題なし ü eGFR(Cr) > eGFR(cys C) はキチンと精査した⽅がよい N Engl J Med. 2013 Sep 5;369(10):932-43 臨床現場では、eGFR(Cr) と eGFR(cycC) の真ん中くらいを本当の腎機能と捉えておく (患者さんにこう伝えることも多い) CKD-EPI 式の変法や BIS 式の変法がこれにあたる 11
12.
最も正確なイヌリンクリアランス 最近では研究レベルでしか⾏われていない(と思う) 歴史的には、GFR を正確に反映するが、測定⽅法が臨床的には煩雑、 ⽇常的に⾏われていた 24hCCr との解離が問題になっていた (本当は悪い腎機能が過⼤評価されることがあった) そのために、腎臓学会が主体で⽇本⼈のeGFRの推定式はイヌリンクリアランスと 24hCCrなどから推定計算式が決められた Am J Kidney Dis. 2009 Jun;53(6):982-92. 12
13.
シンチの使いどころ 分腎機能が測れる(移植前、腎臓の⼤きさに左右差あるとき、腎動脈狭窄の評価) 蓄尿などに依存しない、状態悪い⼈には向かない(撮像場所が限定、時間かかる) 腎動態シンチグラフィ Ø Ø 99mTc-MAG3 → 有効腎⾎漿流量 99mTc-DTPA → ⽷球体濾過率 → いずれもレノグラムにより、⾎管相、分泌相、排泄相を描出して、腎機能や上部尿路の閉塞の有無を左右別に表⽰する 腎静態シンチグラフィ Ø 99mTc-DMSA → ⽪質の形態把握(腎瘢痕の有無)と機能の定量評価(摂取率をカウント)が可能である 13
14.
腎レノグラム(MAG3)の解釈の⼀例 カウント こういうのは閉塞を⽰唆する POINT ・左右カーブの形を⽐較 ・同じならばGFRの左右差をみる ※10%差がある場合は有意差と⾒なすが、 腎機能が低い場合には注意が必要 ⼭を作れないのは機能低下 ⼭を作って下がるのが正常 時間 14
15.
腎機能評価の実践的な使い⽅ 体格が極端な場合 シスタチンC 腎臓に左右差があるような場合 シンチ スクリーニング Cr (eGFR) 薬物療法をするときいつも 添付⽂書を確認︕ Cockcroft 式 体格極端な場合 抗がん剤などは院内ルール確認 体表⾯積調整いる︖ 24hCCr 15
16.
Cr の捉え⽅の Tips eGFR は隠れ CKD の拾い上げ 薬の⽤量調整は添付⽂書確認 ※ クレアチニンクリアランスが採⽤されていることが多く、体重、年齢が⼊ってくる シスタチンCは体格が極端な例に有効。(筋⾁質な男性、⼩柄な⾼齢⼥性) 16
17.
Q&A 腎外来で⾒かける危険な使い⽅の多い薬 ü メトホルミン → CCr<30 で禁忌、30≦CCr<45 Max 1000mg、45≦CCr<60 2000mg ü SU剤 → CCr<30 で禁忌、<45でも避けた⽅が良い。 ü フェノフィブラート → CCr<40 で禁忌、Cr >2.5mg/dl で禁忌。 ü アロプリノール → CCr<30 50mg、30≦CCr<50 100mg、50≦CCr 100-300mg ü リリカ → CCr<15 25-75mg、15≦CCr<30 25-150mg、30≦CCr<60 75-300mg ü タリージェ → 30≦CCr<60 5-15mg、 CCr<30 2.5-7.5mg じわじわ下がっている腎機能に気付かずに漫然と投与されているのを⾒たら、変更か中⽌を︕ 17
18.
Q&A 腎機能で特に注意するべき薬剤は何ですか01︖ バラシクロビル → 腎障害も起こす、意識障害も起こす 適応症 クレアチニンクリアランス(mL/min) 50≧ 3049 1029 <10 単純疱疹 / 造⾎幹細胞移植における単 純ヘルペスウイルス感染症 (単純疱疹)の発症抑制 500mgを12時間毎 500mgを12時間毎 500mgを24時間毎 500mgを24時間毎 帯状疱疹⽔痘 1000mgを8時間毎 1000mgを12時間毎 1000mgを24時間毎 500mgを24時間毎 500mgを24時間毎 250mgを24時間毎 500mgを24時間毎 性器ヘルペスの再発抑制 250mgを24時間毎 HIV感染症の患者には、 HIV感染症の患者には、 HIV感染症の患者には、 HIV感染症の患者には、 500mgを12時間毎 500mgを12時間毎 500mgを24時間毎 500mgを24時間毎 ※HIV感染症の患者︓CD4陽性リンパ球数 100/mm3以上 移植外来などではきちんとみられているが、⼀般外来の帯状疱疹の治療でトラブルが多い︕ アシクロビル、ガンシクロビルも注意︕ 18
19.
Q&A 腎機能で特に注意するべき薬剤は何ですか02︖ DOAC 薬 クレアチニンクリアランス(mL/min) その他 50≧ 3049 1029 <10 プラザキサ 150mg or 110mg 1⽇2回 110mg 1⽇2回 禁忌 禁忌 - イグザレルト 15mg 10mg 10mg 禁忌 - エリキュース 5mg or 2.5mg Crベース Crベース 禁忌 60kg未満、80歳以上、Cr>1.5mg/dl は 2.5mg リクシアナ 60mg or 30mg 30mg 30mg 禁忌 60kg未満、80歳以上、p-gp※使⽤時は30mgへ減量 出⾎リスク⾼い場合には15mg(⼼房細動) ⾮専⾨医が腎機能測らずに危険なことしていることが多い︕ ※g-gp: P糖タンパク阻害薬 たくさんあるがベラパミル、ジルチアゼム、 シクロスポリン、アミオダロン 19 などは頻⽤されるので注意︕
20.
Q&A 腎機能が境界領域の場合にはどうしますか︖ 例えば、CCr を2回測って29と31だった場合など… リスクとメリットのバランスで考えるしかない → ⾎栓リスクと出⾎リスクどちらが多いか︖ 抗菌薬などでは海外の⽤量などを確認して多めなどはありだと思う。 ※ 過⼩な⽤量の抗菌薬でのデメリットも当然あり得る ※ 保険上は悩ましい 20
21.
Q&A 腎機能をどのくらいチェックしますか︖ そもそもどのくらいの頻度で腎機能をチェックした⽅がいいか︖ →明確な答えはない。以下の頻度で腎機能チェックしていることが多い ü CKD G3︓3ヶ⽉毎 ü CKD G4︓2ヶ⽉毎 ü CKD G5︓1ヶ⽉毎 リスクの⾼い抗がん剤などは⼀週間以内が妥当だと思う(状態が変わらなければ) 状態が不安定な場合には直近(当⽇朝の採⾎結果など)を⾒て決めた⽅が良いと思う ⾎液透析や CHDF 中は全く別物と考えた⽅が良い 21