#4.
高尿酸血症・痛風とは なぜ尿酸値が高くなるのか 1. 体内で尿酸が多く産生されるから a. 細胞の新陳代謝・エネルギー代謝によって、体内の細胞からプリン体が放出さ れる(プリン体全体の7~8割) b. 食事からプリン体が摂取される(プリン体全体の2~3割) c. これらのプリン体が肝臓で代謝されて尿酸となる 2. 尿酸が尿から十分に排泄されないから a. 一般に500mg/日の尿酸が尿から、200mg/日が消化管などから排泄される b. 腎機能低下・脱水、尿酸再吸収の亢進、一部の利尿薬などが原因で、尿からの 尿酸排泄が低下する 尿からの尿酸排泄が低下する機序については、解明されていない部分も多い
#5.
高尿酸血症・痛風とは なぜ尿酸値が高くなるのか 通常の身体活動で、1日700㎎の尿酸が産生される 通常の状態で、1日700㎎の尿酸が排泄される ・プリン体の摂取 ・プリン体の代謝 ・尿酸の尿中排泄 バランスが崩れると高尿酸血症を発症
#6.
高尿酸血症・痛風とは 病型分類 1. 尿酸排泄低下型 2. 腎負荷型 a. 尿酸産生過剰型 b. 腎外排泄低下型 3. 混合型 嶺尾郁夫 「新ガイドラインに基づく高尿酸血症・痛風の診断」診断と治療 107(12) 診断と治療社:1464, 2019 学術的にはこんな風に 分類されていますが、 読み飛ばしてもよいです! 腸管からの尿酸排泄が減少する結果、見かけ上、腎臓からの尿酸排泄が増加しやすくなっている
#7.
治療の目標とポイント 治療の目標 体組織への尿酸塩沈着を解消し、痛風関節炎・ 腎障害・尿路結石などを回避する 肥満、高血圧、糖・脂質代謝異常などの合併症 についても配慮し、生活習慣を改善して生命予 後の改善をはかる (注)高尿酸血症患者さんでは大血管障害リスクが高いことが知られています しかし、高尿酸血症を治療することで大血管障害が減少するか否かは未解明です
#8.
治療の目標とポイント 治療のポイント 痛風関節炎を繰り返す症例や、痛風結節を認める症例は薬物治療の適応 無症候性の場合、血清尿酸値 8mg/dL以上が薬物治療の適応と考えられている 血清尿酸値は6mg/dL以下に維持することが望ましい 尿酸の体液中での溶解限界は6.4mg/dL 溶解度は、温度・pHが低下すると大きく低下する 溶解限界を超えて、結晶 が析出すると発作がおき るんだねぇ~
#9.
食事療法の実際 概要 1. 外因性のプリン体を減らす a. 1日400mg程度になるように b. プリン体は水溶性なので、煮汁とけだす 2. アルコールを減らす a. アルコール自体が、肝臓で代謝される際に、ATPを分解してプリン体を発生させる b. 多くても、1日に i. 日本酒なら1合まで ii. ビール なら350~500ccまで(銘柄によって異なる) iii. ウイスキーなら60ccまで 3. 尿酸の排泄を高める食品を摂取・飲水をする 4. 体重をへらす 体重ね、体重・・・
#10.
食事療法の実際 具体的な食品 上の方の食品をなるべく取らないようにして、 下の方の食品に置き換えるとよい! (言うのは簡単) もともと生き物で、お酒のつまみになりそうな ものは大体プリン体が多い 「これお酒のつまみにいいな」 と思ったらプリン体に注意! 食品100g中のプリン体含有量 高尿酸血症・通風の治療ガイドライン第3版より
#11.
食事療法の実際 具体的な食品 尿をアルカリ化する食品をとると、 尿酸の溶解度が上がるので、尿中に排泄 されやすくなります 水分を多くとり、1日の尿量が2000cc以上 になるようにしましょう 尿酸による尿路結石の予防にもなります
#12.
食事療法の実際 食事療法のギモン ・総カロリーは減らしたほうがいいの? ・塩分は減らしたほうがいいの? ・食物繊維はたくさん取るといいの? ・太らないほうがいいの? よくわからないけど、 やっといた方がよさそうね こういった食事習慣を取り入れることが、直接的に高尿酸血症を抑制 するかどうかについてはよく分かっていませんが、 こういった「丁寧な食事習慣」をしている人では高尿酸血症が少ない ということが分かっています
#13.
運動療法の実際 概要 ・運動は肥満を是正し、メタボリックシンドロームを改善することにより血清尿酸値を 低下させることが期待される ・その反面、①ATP分解による尿酸産生亢進と②腎血流低下および乳酸産生増加による 尿酸排泄低下によって高尿酸血症をきたす場合がある 血清尿酸値を上げやすい運動(激しい運動)よりも 下げやすい運動(有酸素運動)を多く取り入れる
#14.
運動療法の実際 概要 短時間の激しい運動(Borg指数12~13)ではエネルギー生成系が酸素不足になり嫌気性代謝が亢進するた め、一時的に血清尿酸値が上昇する 長時間の有酸素運動では血清尿酸値は上昇しない 普段長距離走をする選手では、血清尿酸値が低い(普段からの運動習慣が大切) ATP 分解 血中のプリン体が増加 ADP ATP ATP 再合成が 間に合わない ADP ADP
#15.
運動療法の実際 具体的な運動方法 ・10分以上の有酸素運動を一日合計30~60分程度行うのがよい ・運動強度は「すこし脈が早くなる程度」(Borg指数10前後) 例えば、歩行・ジョギング・サイクリング・社交ダンスなどの有酸素運動 ・痛風発作の既往がある場合は、急激な尿酸値上昇による 痛風発作がおこらないように、レジスタンス運動は弱めに行う ・尿からの尿酸排泄が低下しないように、運動で発汗した分の 水分を補給する
#16.
Take-home Messages 人間の体は、プリン体をたくさんとると尿酸 値が上がるようにできています アルコールはそれ自体が尿酸値を上げます 「よい食生活」は高尿酸血症を改善します 有酸素運動は高尿酸血症を改善します