テキスト全文
症例報告スライドのデザインと修正案
#2. 今回は症例報告をテーマとして ありがちなデザインと修正案を紹介
#3. 症例提示スライドで 爆死しないために キーメッセージ重視 内容の絞り込み 読みやすくする 整列,文章量,文字の大きさ,色 デザインのノイズをなくす これは本当に必要?
Epstein-Barrウィルス感染症による症例
#4. Epstein‐Barrウィルス感染症により門脈血 栓症をきたした1例 東京北医療センター 総合診療科 ◯◯ ◯◯ 筆頭発表者のCO I 開示 演題発表に関連し、開示すべきCO I 関係にある 企業等はありません。 Before
#5. ウィルス感染症により門脈血 栓症をきたした 例 単語の途中で改行 東京北医療センター 総合診療科 筆頭発表者のCO I 開示 演題発表に関連し、開示すべき 関係にある 企業等はありません。 全体として意図のない中央揃え Before
#6. Epstein-Barrウィルス感染症により 門脈血栓症をきたした1例 東京北医療センター 総合診療科 ◯◯ ◯◯ 筆頭発表者のCO I 開示 演題発表に関連し、開示すべきCO I 関係にある 企業等は ありません。 After
右上下肢麻痺を伴う脳梗塞の症例
#7. 48歳男性 【主訴】右上下肢麻痺 【現病歴】X年5月16日に右上肢の動かしにくさ を自覚したが,同日中に症状は消失した.翌朝 起床時から右上下肢麻痺が出現した.夕方に嘔 気が出現し,胃液様の嘔吐が2回あり救急要請し 当院に搬送された.右顔面神経麻痺もあり,緊 急で施行した頭部単純CTにて脳梗塞があり.急 性期脳梗塞として当科に入院となった. Before
#8. 時系列が ごちゃごちゃ見づらい 単語途中切れ 「入院となった」 【現病歴】から左がはみ出てる Before
#9. 症 例 【症例】 生来健康な48歳男性 【主訴】 右上下肢麻痺 【現病歴】 受診前日に一過性の右上肢の筋力低下を自覚. 受診同日,起床時に右上下肢麻痺を自覚し, その後嘔気・嘔吐が出現したため,当院に搬送. 来院時,顔面を含む右不全麻痺があり,頭部CT所見 から左レンズ核,尾状核の急性脳梗塞と診断され入院. After
#10. 身体所見 【Vital】 BT 36.6℃ 意識清明,BP 104/75mmHg、PR 82bpm,SpO2 98%(Room air), 【頭頚部】 結膜貧血・黄染なし、咽頭発赤なし 扁桃腫脹なし,頸部リンパ節腫脹なし 【胸部】 心雑音・肺雑音なし 【腹部】 平坦、軟、腸蠕動音正常,圧痛なし 【四肢】 皮疹,下腿浮腫なし 【その他】 腋窩・鼠径リンパ節腫脹なし Before
身体所見と検査所見の整理
#11. 【 】 意識清明, 、 , , 【頭頚部】 結膜貧血・黄染なし、咽頭発赤なし 扁桃腫脹なし,頸部リンパ節腫脹なし 【胸部】 心雑音・肺雑音なし 【腹部】 平坦、軟、腸蠕動音正常,圧痛なし 【四肢】 皮疹,下腿浮腫なし 【その他】 腋窩・鼠径リンパ節腫脹なし なぜ揃えない Before
#12. 身体所見 【Vital】 意識清明,BP 104/75mmHg、PR 82bpm SpO2 98%(Room air),BT 36.6℃ 【頭頚部】 結膜貧血・黄染なし、咽頭発赤なし 扁桃腫脹なし,頸部リンパ節腫脹なし 【胸部】 心雑音・肺雑音なし 【腹部】 平坦、軟、腸蠕動音正常,圧痛なし 【四肢】 皮疹,下腿浮腫なし 【その他】 腋窩・鼠径リンパ節腫脹なし After
#13. <生化> TP 7.8 g/dl Alb 4.2 g/dl LDH 473 IU/l AST 55 IU/l ALT 73 IU/l ALP 323 IU/l Γ-GTP 39 IU/l T-Bil 0.4 mg/dl D-Bil 0.1 mg/dl BUN 10.7 mg/dl UA 5.1 mg/dl Cr 0.91 mg/dl Na 136 mEq/L K 4.2 mEq/L Cl 92 mEq/L Ca 9.4㎎/dl P 2.2 ㎎/dl CRP 1.2 mg/dl 血糖値 83 mg/dl HbA1c 5.4% 検査所見 <血算> WBC 9280 Lymp 49.0 % Mono 4.9 % Neut 35.3 % Eosino 1.0 % Baso 2.0% Hb 15.1g/dl RBC 454☓104/μ MCV 84.3 MCH 28 MCHC 34 Plt 17.0万/ml <凝固> PT-INR APTT Fib D-dimer <動脈血ガス(room)> /ml pH 7.42 pO2 92.3 Torr pCO2 HCO3 AG fL pg g/dl 1.05 37.4 230 mg/dl 2.4 μ /ml 43 Torr 24.8 mmol/L 8 mmol/L <随時尿検査> 蛋白 (±) 糖 (-) ケトン (-) 潜血 (-) URO (-) BIL (-) 亜硝酸塩 (-) WBC (-) Before
#14. データの取捨選択がなく タレ流し状態のためカオス データが多すぎた結果 文字が小さく読めない 多すぎるデータをパズルのように 埋め込んだ結果,整列できていない 数値や単位が揃っていない Before
画像診断とその解釈の改善
#15. 検査所見 <生化> <血算> WBC <血液ガス分析> TP 7.8 g/dL CK 135 U/L Lymp 49.0 % LDH 473 IU/L Mono AST 55 IU/L Neut ALT 73 IU/L Eosino 1.0 % ALP 323 IU/L Baso 2.0 % γ-GTP 39 IU/L Hb T-Bil 0.4 mg/dL Plt BUN 10.7 mg/dL Cre 0.91 mg/dL Na 136 mmol/L PT-INR K 4.2 mmol/L APTT CRP 1.2 mg/dL D-dimer Glu 83 mg/dL (大気下) 9280 /μL PH 7.42 4.9 % PCO2 43.0 Torr 35.3 % PO2 92.3 Torr HCO3- 24.8 mmol/L 15.1 g/dL <尿検査> 蛋白 (±) 潜血 (ー) 糖 (ー) 1.05 /μL ケトン (ー) 37.4 sec 亜硝酸塩 (ー) WBC (ー) 17 104/μL <凝固> 2.4 μg/mL After
#16. 隙間がなくて,チャンクで きておらず,切れ目がわか りづらい ■血算 ・ WBC RBC Hb Ht Plt ■生化 TP Alb LDH AST ALT T-Bil 2247 0 567 18.2 52.8 30.3 8.7 5.5 364 32 34 0.6 /μL 万/μL g/dL % 万/μL g/dL g/dL U/L U/L U/L mg/dL UA BUN Cre CRP Na K Cl Ca P CRP HbA1 c BS 血液検査 10.8 28.2 2.08 0.857 131 6.6 92 9.4 7.7 0.8 7.0 mg/dL mg/dL mg/dL mg/dL mmol/L mmol/L mmol/L ㎎/dl ㎎/dl ㎎/dl % 470 mg/dL 小さい.絞れ,なぜかカタ カナ半角 ■動脈血 ガス (room) pH 7.04 pO2 58.3 mmHg pCO2 17.4 mmHg HCO3 BE AG 4.8 mmol/L -23.8 mmol/L 33 mmol/L ■尿検査 pH 比重 ケトン 糖 5.5 1.019 (4+) (4+)
#17. <画像> Before 胸部単純X線写真(立位)では左中肺野に浸潤影を認める
#18. 画像なんて見ればわかる どこが異常か わかりづらい 今回のプレゼンに 横隔膜下の情報は いらない Before
経過観察と治療法の比較
#19. 胸部単純X線写真(立位) 左中肺野に 浸潤影 After
#20. 経過 ヘパリ ン ワルファリン ALT CMV IgG AST 抗カルジオリピン抗 CMV IgM 血栓消失 00 11 22 33 44 24 24 48 (週)
#21. ごちゃつきすぎだろう 経過 ヘパリ ン ワルファリン 抗カルジオリピン抗 血栓消失 (週) Before
#22. 経過 After ヘパリン ワルファリン ALT CMV IgG CMV IgM 血栓消失 0 1 2 3 4 24 48 (週)
鑑別疾患の考察とデザインの改善
#23. 経過 After ヘパリン ワルファリン 抗カルジオリピン抗体 血栓消失 0 1 2 3 4 24 48 (週)
#24. 考察:鑑別疾患 結節性紅斑から 薬剤性,サルコイドーシス,溶連菌感染症,伝染 性単核球症,細菌性腸炎,Sweet病,炎症性腸疾患, 強皮症,PM/DM,SLE,Behçet病 右下腹部痛から 急性虫垂炎,細菌性腸炎,憩室炎,回盲部 炎,尿管結石,PID,異所性妊娠,炎症性 腸疾患,卵巣出血,卵巣茎捻転,Behçet病 Before
#25. 文字の大きさが 違う 疾患のカテゴリが混在しており理解しづらい 共通点を探るという点でデザインに検討の余地あり Before
#26. 共通点から 鑑別疾患を絞る 結節性紅斑 右下腹部痛 溶連菌感染症 急性虫垂炎 伝染性単核球症 憩室炎 薬剤性 回盲部炎 細菌性腸炎 Sweet病 炎症性腸疾患 サルコイドーシス Behçet病 尿管結石 PID 強皮症 異所性妊娠 PM/DM 卵巣出血 SLE 卵巣茎捻転 After
EBV感染による門脈血栓症の結論
#27. 結語 今回我々はEBV感染による門脈血栓 症を経験した Before
#28. だから何? キーメッセージ不在 Before
#29. 結語 EBV感染による門脈血栓症は 抗凝固療法を短期間で終えられるため 門脈血栓症患者では 伝染性単核球症の可能性を想起する ことが有用 After