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肺がん診療のリアル~診断編(前編)

投稿者プロフィール
野口哲男

市立長浜病院

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143

概要

肺がん疑いの患者さんが来た時、専門医はどう考え、どのように検査、診断、治療していくのかを、患者さん向けのYouTube動画として公開しています。

呼吸器ドクターNチャンネル「肺がん診療のリアル」https://www.youtube.com/channel/UCD0Wpzva_AdPJsRbFAXlCrQ

ここでは、診断編の前半部分をアップします。

研修医や非専門医の先生方の参考になれば幸いです。

他にも呼吸器情報発信しています。

呼吸器情報総合サイト:呼吸器ドクターNのHP

https://resdoctorn.jimdofree.com/

呼吸器の最新論文の紹介:呼吸器ドクターNのブログ(アメブロ)

https://ameblo.jp/resdoctorn

本スライドの対象者

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テキスト全文

  • #1.

    肺がん診療のリアル    診断編(前編) 市立長浜病院呼吸器内科 野口 哲男 現役呼吸器専門医 呼吸器ドクターN

  • #2.

    はじめに このスライドは、肺がん疑いで外来を受診する患者さんを対象にしたものです。 私(呼吸器専門医)がどのように考え、検査、診断、治療をしているのかをわかりやすく説明したものです。 YouTube動画「肺がん診療のリアル」シリーズをまとめたものになります。 今回は診断編 前編になります。 研修医や非専門医の先生の参考になれば幸いです。

  • #3.

    外来に「肺がん疑い」で受診 健診で「異常陰影」のため受診。 症状(血痰、咳、呼吸困難、体重減少、だるさなど)で自己受診、あるいは紹介。 健診オプションで「腫瘍マーカー高値」のため受診。

  • #4.

    私が考えること 健診のフィルムはあるのか(持参)? 結果報告書のみ持参の場合? 本当にがんを疑う陰影なのか、 確認したい!!

  • #5.

    私が考えること 健診のフィルムはあるのか(持参)? 結果報告書のみ持参の場合? 本当にがんを疑う陰影なのか、 確認したい!! どちらでも、 とりあえず胸部CT!

  • #6.

    胸部X線と胸部CT 胸部X線で「肺がん疑い」と判定されても、  胸部CT(精密検査)では「問題なし」と  なることも多い。 胸部X線は、いろいろな正常構造物を1枚の写真に おさめているので、「重なり合い」ができる。 胸部CTは断面写真のため、重なり合いがない。 ↓ はっきり判断をつけることができる。

  • #7.

    胸部X線 肺の他にも 肋骨 心臓 血管陰影 横隔膜  等 重なり合い

  • #8.

    胸部CT(単純)

  • #9.

    小括1 健診で「胸部異常陰影」、「肺がんの疑い」で呼吸器内科を受診した場合、 医師はまず胸部CT(単純)を撮影する。 胸部X線では重なり合いで腫瘍のように見えても、CTを撮ってみると異常がないことも多い。 肺がんの疑いというCT所見があれば、肺がんの診断をつける検査を考えていく。

  • #10.

    外来に「肺がん疑い」で受診 健診で「異常陰影」のため受診。 症状(血痰、咳、呼吸困難、体重減少、だるさなど)で受診。 健診オプションで「腫瘍マーカー高値」のため受診。

  • #11.

    私が考えること 本当に肺がんの症状なのか? もしそうなら、 進行している可能性がある。

  • #12.

    血痰(けったん:血の混じったたん) 肺がんの症状の可能性はある。 が、他の病気の症状かもしれない。 結核 気管支拡張症 鼻血のたれこみ のどの奥の血管が一時的に出血(激しい咳などで)  などなど まず鑑別すべきは、肺がんと結核。

  • #13.

    血痰(けったん:血の混じったたん) まずは血痰の程度を確認。 受診時には止まっていることも多い。 喀血(大量の血液を吐く)の場合は緊急処置が必要。 バイタルサイン(意識、血圧、酸素飽和度など)が問題ないか確認。血をさらさらにする薬の服用の確認。 少量の血痰であれば、喀痰(かくたん)検査(血痰を容器にとってもらって、悪性細胞の有無、結核菌の有無を検査する)。 一般採血。胸部X線およびCTも必要に応じて撮影。

  • #14.

    咳(せき) 肺がんの症状の可能性はある。 が、他の病気の症状かもしれない。 喘息 COPD(慢性閉塞性肺疾患;いわゆる肺気腫) 風邪 心因性  などなど 咳だけの場合、まずは喘息やCOPDを念頭に検査をすすめる。たばこ歴、アレルギー疾患の有無の確認。肺機能検査、採血。 胸部X線で異常がないか確認。必要に応じてCT。

  • #15.

    呼吸困難 肺がんの症状の可能性はある。 が、他の病気の症状かもしれない。 喘息 COPD(慢性閉塞性肺疾患;いわゆる肺気腫) 風邪 心臓疾患  などなど 酸素飽和度(実際に血液が低酸素になっているか?)、聴診、胸部X線、採血、心電図など。

  • #16.

    体重減少、だるさ 肺がんの症状の可能性はある。 が、他の病気の可能性もある。 他のがんでも体重減少、だるさはある。 食欲不振、だるさをきたす疾患は数多い。 肺がんを心配してこられたのであれば、 胸部CT、腫瘍マーカーのチェックを行う。 問題なければ呼吸器的には終了。

  • #17.

    小括2 症状(血痰、咳、呼吸困難、体重減少、だるさなど)で自己受診、あるいは紹介された場合、 血痰であれば、肺がんを積極的に否定する 咳や呼吸困難は他の呼吸器疾患の可能性が高いが、肺がんは一応否定する必要がある。 体重減少やだるさは他のがん、病気の可能性が高いが、肺がんが心配で受診された場合は胸部CTで確認する。

  • #18.

    外来に「肺がん疑い」で受診 健診で「異常陰影」のため受診。 症状(血痰、咳、呼吸困難、体重減少、だるさなど)で受診。 健診オプションで「腫瘍マーカー高値」のため受診。

  • #19.

    私が考えること 健診の腫瘍マーカーが 高いからって 肺がんとは限らないからなあ。。

  • #20.

    腫瘍マーカー(しゅようマーカー)とは? 簡単に言うと、「がんが作っている物質」 がんの種類ごとに多くの種類がある。 通常は、がんと診断されている場合に 治療効果をみる 再発の有無をみる   ことに利用。 診断に役立つことは少ない(PSAは別)。

  • #21.

    腫瘍マーカーの種類 (肺がん) CEA SLX SCC シフラ(サイトケラチン) NSE proGRP 腺がん 扁平上皮がん 小細胞がん

  • #22.

    腫瘍マーカーの異常の程度 腫瘍マーカーは、正常人でも少量作られている。 特にタバコを吸っている人は高めに出る。 例えばCEA(基準値5以下)が7の場合、  体質やタバコの影響も十分ありえる。 CEAが(桁違いの)50などであれば、がんの可能性が高い。

  • #23.

    腫瘍マーカーの異常が起こる原因 CEAの場合、がんで上昇するのは 大腸癌、膵癌、胆管癌、肺癌、食道癌、胃癌、乳癌、子宮癌、卵巣癌、泌尿器癌 がん以外で上昇するのは 肝炎、肝硬変症、閉塞性黄疸、膵炎、潰瘍性大腸炎、胃潰瘍、糖尿病、膠原病、慢性肺疾患、甲状腺機能低下症、腎不全、加齢、喫煙 http://www.crc-group.co.jp/crc/q_and_a/03.html

  • #24.

    実際の対応 腫瘍マーカーの異常の程度を確認。 桁違いに高い場合は、胸部CTなど精密検査。 わずかに高い場合で胸部X線が異常なしという健診結果の場合、腫瘍マーカーの再検査。同じくらいのレベルであれば、「体質の可能性」と説明。心配なら、3か月後にフォロー。

  • #25.

    小括3 腫瘍マーカーのみが異常で胸部X線の結果が異常ない場合は、腫瘍マーカーの異常の程度を確認。 わずかに高い程度なら再検査を行い、経過観察とする。 基準値より桁違いに高い場合は、がんの可能性が高いため、CTなど精密検査を行う。 数値が高い場合、同じ腫瘍マーカーでも複数のがんの可能性があるので、肺がんが否定されても他科受診を勧める。

  • #26.

    肺がんの診断 胸部x線、CTで肺がんが疑われる場合、その時点では あくまで「肺がんの疑い」です。 確定診断には、「がん細胞」を証明する必要があります。 診断をつけるためには、 組織、細胞を採取してくる 必要があります。

  • #27.

    組織を採取してくる方法 気管支鏡(生検) CTガイド下生検 手術(診断をつけるための手術)

  • #28.

    細胞を採取してくる方法 喀痰検査 胸水(胸腔穿刺) 気管支鏡(ブラシ、洗浄)

  • #29.

    気管支鏡(BFS) 簡単に言うと、「胃カメラを細くしたもの」。 胃カメラは食道~胃~十二指腸を観察するのに対し、気管支鏡は気管支を観察する。 気管支は枝分かれしていくため、肺の奥の方までは観察できない。 透視下でサンプルを取ってくることが多い。

  • #31.

    気管支鏡(BFS)のイメージ

  • #32.

    気管支鏡(BFS)のイメージ

  • #33.

    気管支鏡で得られる検体 経気管支肺生検(TBLB) 組織診 細胞診 気管支ブラシ(擦過) 生理食塩水による洗浄液

  • #34.

    気管支鏡の実際(当院) 呼吸するところにファイバーが進入してくることで、咳がでます。 静脈麻酔で少し眠ってもらって、できるだけ苦しくないようにします。 (検査が終わったら、覚醒する薬剤を投与します) 通常、1泊2日の検査になります。 検査では組織をひきちぎってきたり、ブラシでこすったりするので、  出血する確率は100%です。通常は経過観察で止血しますが、  出血が持続する場合は止血剤を投与します。 鉗子が肺をつかみとってくることで、肺の一部に穴があき、  ちぢんでしまう(気胸)ことが稀にあります。

  • #35.

    小括4 肺がんと確定診断するためには、がん細胞を証明する必要がある。 そのために組織採取、細胞採取が必要である。 気管支鏡検査は気管支にスコープ(胃カメラを細くしたようなもの)を入れる検査である。 肺内の病変は直接見えないことも多く、X線透視で病変到達を目指す。 得られる検体は、鉗子生検(組織診)、ブラシや生理食塩水による洗浄液(細胞診)がある。 治療の参考になる遺伝子変異、PD-L1発現を調べるためにはできるだけ多くの検体採取が必要である。

  • #36.

    組織をとってくる方法 気管支鏡(生検) CTガイド下肺生検 手術(診断をつけるための手術)

  • #37.

    CTガイド下肺生検 簡単に言うと、「CTで場所を確認しながら皮膚から針を刺して肺組織をとってくる」検査。 気管支鏡では到達が難しい肺の表面近く(皮膚から近い)場合がよい適応。

  • #38.

    CTガイド下肺生検のイメージ どの部位を針で刺すかは 皮膚にマーカーを 置いて確認します。

  • #39.

    CTガイド下肺生検のイメージ この場合、 針先が肋骨に当たって しまっているので、 やり直しです。

  • #40.

    CTガイド下肺生検のイメージ この場合、 針先がターゲット病変 に当たっているので ここから採取します。

  • #41.

    CTガイド下肺生検の実際(当院) CTの撮影室で行います。 皮膚に場所決めのマーカーを置き、 あとは範囲を絞ってCT画像を確認しながら、 局所麻酔を十分に行い、針先がターゲット病変に  到達していることを確認したら 針を操作して一瞬で病変をえぐり取ってきます(針の中に)。 気胸の有無を確認して終了。 範囲を絞るので、被ばく量は多くない。

  • #42.

    小括5 肺がんが疑われる陰影が気管支鏡で  到達しずらい場所(特に皮膚の近く)の場合、 CTでその場所を確認して、皮膚から針を刺して  病変を採取するCTガイド下肺生検が行われます。 肺を通過するので、気胸のリスクがあります。

  • #43.

    おまけ 呼吸器ドクターNとして情報発信しています! 呼吸器の総合サイト「呼吸器ドクターNのHP」  https://resdoctorn.jimdofree.com/ 呼吸器の最新論文の紹介「呼吸器ドクターNのブログ」  https://ameblo.jp/resdoctorn YouTube動画「呼吸器ドクターN」チャンネル  https://www.youtube.com/channel/UCD0Wpzva_AdPJsRbFAXlCrQ 呼吸器ドクターN 🔍検索

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