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乳がん検診のすゝめ

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8

2022/3/10
すりぃぴ

某がん診療連携拠点病院

乳腺外科医が、乳がん検診に関する疑問点についてまとめました。検診の種類、受診のメリットデメリットなど、乳がん検診についての質問の対応に役立てていただければと思います。

◎目次

・こんなことありませんか?

・はじめに

・日本の乳がん検診受診率

・乳がん検診のメリットとデメリット

・乳がん検診のデメリット

・乳がん検診を受けることが推奨される人

・検診はMMGと超音波(US)どっちがいいの?

・MMG・US以外の検査は検診にならないの?

・Take Home Message


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乳がん検診のすゝめ

  1. 乳がん検診のすゝめ すりぃぴ医@乳腺外科

  2. こんなことありませんか? 患者さんや知り合いに ・乳がん検診って何歳から受けた方がいいの? ・もう自分は年だから乳がん検診は不要かね? ・乳がん検診はマンモグラフィだけでいいの? ・そもそも乳がん検診って受けた方がいいの? なんて聞かれて困ったことはないですか? こんな疑問に乳腺外科医が答えます

  3. はじめに 乳がん検診には2種類あるってご存じですか? ① 対策型がん検診 国益を目的とする国政の癌対策の一環として施行される検診 対象集団において公平・平等を前提に死亡率低減を目的とする 利益が不利益を上回ることが基本条件のもと、公的資金で行う 日本では「40歳以上」に「2年に1度」「マンモグラフィ」で行う ② 任意型がん検診 対策型がん検診以外のすべての検診 >>Ex. 人間ドック、健診センター 死亡率低減を目標とするが、受診・施行は自由であり費用は自己負担

  4. 日本の乳がん検診受診率 検診大好きの日本人の乳がん検診受診率は・・・ 2019年各国の乳がん検診受診率(50~69歳女性) 95 81 77 70 55 スウェーデン スペイン アメリカ 韓国 オーストラリア 45 日本 ※OECD Health Statistics 2021.より作成 主要先進国の中では最低レベルです (ただし日本人は人間ドックなどの任意型検診を受けている率が海外より多いの で実際はもう少し差が詰まると言われています)

  5. 乳癌検診のメリットとデメリット 乳がん検診のメリット 乳がん死を減らすこと ⇒ 乳がんを早期発見する ⇒ 検診で発見した乳がんを治療することで 検診をしなかった場合と比較して乳がんで 死亡する人数を減らす 乳がんには悪性度が低く予後に影響しない ものがある 高齢者では他の疾患が予後規定因子になる 可能性も高い よく検診のメリットとして “早期発見・早期治療” が強調されますが 正確には少し違うので覚えておいてください

  6. 乳がん検診のデメリット 乳がん検診のデメリット ① 被曝 ・マンモグラフィ(MMG)撮影による被曝は2方向撮影で約6mGy ・100mGyであれば急性・繰り返す被曝は問題ない by国際放射線防護委員会(ICRP) ・2方向撮影の被曝による発癌の生涯リスク(死亡率)は0.0018%と推計されるが根拠は弱い ・BRCA1/2 遺伝子変異の保持者に限っては被曝による乳がん罹患リスク上昇の可能性が 指摘されている ・少なくとも40歳以上であれば“利益>不利益”である可能性が高い ② 過剰診断 ・機器の進歩によって昔なら見つけられなかった超早期の乳がんが発見されることが増えている ・予後に影響しない乳がんを見つけてしまうことで、不要な加療を行ってしまうリスクがある ⇒Ex. Low-grade DCISに対する非手術群と手術群の10年生存率は、98.8%、98.6%と差がないという報告もある)3 ・治療によるによる身体・精神的・経済的負担や、抗がん剤や放射線等による二次発癌のリスクもある 3) Sagara Y et al. JAMA Surg. 2015; 150(8): 739-45.

  7. 乳がん検診のデメリット ➋ 乳がん検診のデメリット ③ 偽陽性 ・マンモグラフィ検診で要精査になる人で、実際に乳がんがある人は全国平均で5%前後とい われている)1 ・偽陽性で要精査になると時間的・経済的な負担だけでなく、不要な生検につながり身体的 負担を強いる可能性がある ④ 偽陰性 ・マンモグラフィの感度は8割程度といわれており2)、放射線透過性の高い乳がんや高濃度乳腺症例、 マンモグラフィで挟めない部位に存在する乳がんなどは検知できない ・検診で“異常なし”の結果を受け取ると“自分は大丈夫”という認識になり、乳頭分泌やしこりを触知 するなどの異常を自覚しても次回の検診まで様子をみてしまうケースが認められる 1) 令和元年度地域保健・健康増進事業報告より 2) Narumi Harada-Shoji et al. JAMA Network Open.2021;4(8):e2121505.

  8. 乳がん検診を受けることが推奨される人 年齢 ⇒対策型検診では40歳以上、75歳未満の実施が推奨されている その根拠として・・・ ・40代は単一研究では検診による有意性が示されていないが メタアナライシスで死亡率の19%低下が示されている ・50~74歳までは複数の研究で死亡率低減が示されている ・75歳以上はデータがないことと、そもそも 「75歳以上の人の10年生存率<乳がんの平均10年生存率」 となるため、検診での乳がん発見に強い意義はないとされている

  9. 乳がん検診を受けることが推奨される人 リスク因子を有する人 乳がん学会のガイドライン上は次のリスク因子が示されている 確実~ほぼ確実 飲酒、喫煙(受動喫煙)、肥満、家族歴、良性乳腺疾患、 糖尿病の既往、閉経後の女性ホルモン補充療法施行歴 可能性あり 夜間勤務、 低用量経口避妊薬(OC)や低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬(LEP)の使用 高リスク者の積極的な検診受診が乳がん死の低減につながるエビデンスはありません 該当する人で対策型検診を受けていない人がいたら検診受診を勧めてください 少しでも検診受診の動機付けになるかもしれません

  10. 検診はMMGと超音波(US)どっちがいいの? ポイントは3つ ① 死亡率の低減が証明されているのはMMGのみ ⇒これが日本において対策型検診としてMMGが採用されている理由 ② MMGにUSを併用すると感度は上昇するが特異度は低下する ⇒40歳以上の72,998人の日本人女性を対象とした研究で感度/特異度はMMG単独群で 77.0%/91.4%に対してUS併用群では91.1%/87.7%であった ※ Narumi Harada-Shoji et al. JAMA Network Open.2021;4(8):e2121505. ③ 日本人は高濃度乳腺が多くMMGの精度が低下する人がいる ⇒これについても死亡率低下のエビデンスはないが、高濃度乳腺ではMMGの 精度が低くなるので、乳腺濃度の高い若年者などはUSを追加する意義が高いと考えられる 基本はMMGでOKですが、一部にUSを受けた方が有益な可能性がある人もいます MMGが痛くて検診から足が遠のいてしまうならUSでも受けた方がよいです 自分にUSが必要かわからない方は、乳腺クリニック等へ相談ください

  11. MMG・US以外の検査は検診にならないか? ◆ CT/造影CT ・偶発的に乳がんが見つかることはあるが、感度は非常に低くスクリーニングには不適 ・実臨床では腫瘍本体の評価に使うことはなく、転移検索としての位置づけ ・被曝も考慮するとMMGに勝る点はない ◆ PET/PEM(Positron Emission Mammography) ・FDGによる被曝が2mSv程度、CTで撮影する場合は更に2~12mSvの被曝となる ・MRIで撮像することで被曝は抑えることができるが、一般にCTよりも高価格になる ・PETの相対感度(83.9%)はMMGより高く、USと同程度である ・PEMは1.5~2.5mmの空間分解能があり、乳がん疑い症例では感度85%/特異度79%の性能が 報告されている ・費用が非常に高額となる(5~10万円、それ以上の施設もある)

  12. MMG・US以外の検査は検診にならないか? ◆ 乳房トモシンセシス(3Dマンモグラフィ) ・乳房の断層撮影したような画像が得られるため、乳腺の重なりを排除した読影が可能 ・通常の2Dマンモグラフィと比べて癌検出率の上昇と要精検率の低下が期待できる ・比較的新しい検査のため死亡率低減につながるエビデンスはまだない ◆ 造影MRI ・欧米ではBRCA遺伝子変異保持者をはじめとするハイリスク女性での検診で活用されている ・MMGやUSでは読み取れない乳がんを拾えることはある ・造影剤アレルギーや、費用が高いこと、撮影できる施設が限られることがデメリット CTは明らかに不適ですが、その他検査は通常のMMGでは検出できない乳がんを 検出できたり、不要な精検を避けられる可能性が示唆されています 現時点では高費用や過剰診断の可能性などのデメリットを認識したうえでの選択が重要です 今後エビデンスの蓄積と費用の低下があれば検診に盛り込まれる可能性もあります

  13. Take Home Message ・乳がん検診は40歳以上75歳未満での死亡率低減効果が証明されている ・40歳未満でも高リスクの人は任意型検診を受けるメリットがあるかも ・対策型検診としてエビデンスがあるのはマンモグラフィのみ ・USは安価で被曝なく受けられるので若年者にはおすすめ ・トモシンセシス、PET、造影MRIなどのモダリティはマンモグラフィを補完 する効果が期待できるが、費用対効果・過剰診断・被曝などのデメリットも あるので、十分に理解したうえで実施を検討する必要がある 40~75歳で乳がん検診を受けていない人がいたら、受診を勧めてください 信頼する主治医からのアドバイスは、ポスターやCMの何倍も患者さんの 心に届きます

  14. 参考文献一覧 ・日本乳癌学会 乳癌診療ガイドライン1 治療編 2018年度版 ・日本乳癌学会 乳癌診療ガイドライン2 疫学・診断編 2018年度版 ・ OECD Health Statistics 2021. ・令和元年度地域保健・健康増進事業報告より ・ Narumi Harada-Shoji et al. JAMA NetworkOpen.2021;4(8):e2121505. ・ Sagara Y et al. JAMA Surg. 2015; 150(8): 739-45.

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