#4.
背景 3.本論文での領域の問題点
多くの国で FUO に対する診療報酬がないため、PET/CT の利用は依然として限られており 、胸部腹部骨盤部 CT(CAPCT)スキャンなどの代替モダリティを探すことが重要となっている。
CAPCTスキャンは、その使いやすさとコストのためにPET / CTよりも使用ことが多く、非典型的症状を示す場合にPET / CTの3倍利用される。
4.本論文で解明すべきこと
Primary outcome :CAPCT または/および PET/CT により診断が示唆された患者の割合を明らかにすること
secondary outcome :すべての患者群に対する2つの画像診断法の診断の感度と特異度を評価すること。
#5.
方法 P Patients
FUO、IUO、EFUOの基準を満たした患者に
I Intervention
18F-FDG PET/CT を行う
C control
胸部腹部骨盤部 CT(CAPCT)行う
O Outcome
Primary endpoint :CAPCT または/および PET/CT により診断が示唆された患者の割合を明らかにすること
Secondary endpoint :すべての患者群に対する2つの画像診断法の診断の感度と特異度を評価すること
#6.
Methods Trial Design:前向き、多施設共同、比較非盲検試験を実施した。
期間と患者:2008年5月~2013年2月にかけて実施。患者は、フランスの大学病院7施設から募集した。FUO基準、IUO基準、EFUO基準を満たすすべての成人患者を対象とした。
除外:免疫不全患者、院内感染FUO患者、HIV関連FUO患者、実施期間前2週間以内に10 mg/日以上のプレドニゾンを使用している患者
#7.
診断手順 <figure1>
#8.
18F-FDG PET/CT および胸部-腹部-骨盤 CT について ・PET検査は、患者の症例報告書とCAPCTの画像データを知らない放射線科医によって評価された。PET/CT検査は、生理的取り込み領域に加えて、中程度から高い局所的な取り込みが検出された場合に病変と判断された。
PET/CTは、放射線科医によって盲検的に再評価された。1回目と2回目のPET/CT解釈の間に不一致がある場合、今回は患者の病歴と臨床カルテの解釈のみで、放射線科医と内科医の間でPET/CT結果に関する最終見解が合意された。
・CAPCT(胸部、腹部、骨盤の造影CT)が全患者に対して実施され、患者の病歴とPET/CTの結果について知らない放射線科医によって評価された。
#9.
結果 要点①患者の背景など
平均年齢は58.2歳、平均症状期間は16.8カ月で、103名の患者を対象とした。
FUO n = 35、EFUO n = 33、IUO n = 35
FUOとEFUOの患者における組み入れ前の発熱期間の平均は39.9週であった。
最も一般的な臨床症状は、関節痛(49.5%)、発汗(46.1%)、悪寒(45.1%)および筋肉痛(34.0%)であった。
#10.
結果(results) 要点②
診断がついたのは58人でNIID(血管炎,リウマチ疾患,成人still病,自己免疫疾患)は35例(60.3%)の診断を占めた.
主な原因は全身性血管炎で,全診断の25.9%を占めた。FUO群とIUO群では,全身性血管炎が優勢であり,IUO群ではリウマチ性疾患が多く,EFUO群ではいろいろな疾患(miscellaneous diseases)が最も多い疾患であった.
診断のつかない患者は45人(n = 45/103,43.7%)で主に
EFUO19例(n=19/45,42.2%),IUO(n=15/45,33.3%)は15例,FUO(n=11/45,24.4%)は11例であった.
#11.
Diagnostic Orientation (DO) and Contribution (DC) of PET/CT and CAPCT Scan
#12.
Primary endpoint :CAPCT または/および PET/CT により診断が示唆された患者の割合を明らかにすること診断の寄与割合はPET/CTで19.4%(20人)対CAPCTで5.8%(6人)だった(p<0.0001)Secondary endpoint :すべての患者群に対する2つの画像診断法の診断の感度と特異度を評価することPET/CTは感度36.4%、特異度81.2%で診断に寄与した。CAPCTは感度10.5%、特異度95.6%で診断に寄与した。
EFUO を除いた FUO と IUO のグループで考えると,PET/CT は感度 45.2%,特異度 75.0%。CT は感度 9.3%,特異度 92.6%。 結果(results)
#13.
考察(discussion) EFUO患者はFUOおよびIUO患者と、臨床的・生物学的症状、診断所見、PET/CTのDCなどいくつかの点で異なっており、PET/CTが診断方向性を与える割合 および 診断寄与率 は 10.0%未満だった。
PET/CT の 診断寄与率 は、過去の研究に比べ、本研究では低値(19.4%)であった。
FUO、IUO、EFUOの患者にPET/CTを使用する場合、CTによる放射線量が大きな懸念材料となる。
#14.
考察(discussion) 先行の研究では対象基準が異なり、診断つかない患者とNIIDと診断された患者の割合が高いため、この環境におけるPET/CTの有用性を正しく評価することはできなかった。
悪寒、関節痛、PET/CT による診断、CRP>30mg/L が診断の予測因子であることを示した。これは、50歳以上と CRP>30㎎/L が PET/CT が診断に寄与する予測因子であるというSchönau らの報告と一致するものであった。
PET/CT が診断に大きく貢献する患者像を明らかにできれば、患者の診断プロセスにおいて PET/CT がより重要な役割を果たすことを示唆することができる。
#15.
研究の限界(limitations) ・EFUO群を含めたことで研究デザインが複雑になり、結果を制限した可能性がある。
・各群のサンプルサイズが小さいので、結果の正確性を低下させた可能性がある。
#16.
結論(conclusions)
PET/CT は、(特に FUO および IUO 患者において)診断の確立と診断時間の短縮に有用であることが示された。
FUO の診断work upに FDG-PET を日常的に使用し、不必要で費用のかかる処置や介入を避けるために、保険制度を確保する努力が必要である。
#17.
FINER F:実行可能性
総合診療部は不明熱患者が集まる科であり、患者の確保はしやすいと考える。他病院総合診療科との多施設研究もしやすい。しかし、PET‐CTがある施設は限定され、費用が患者負担となる点で限界がある。
I:科学的興味深さ
本当に診断がつくのであれば興味深いと思う
N:新規性
診断がつかないときには行われている模様
E:倫理性
放射線被ばくの問題と金銭的問題がある
R:必要性
原因不明の発熱診断の解明の一助にはなると考える