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片桐欧

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ERでの効果的なコミュニケーション

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片桐欧

飯塚病院

内容

ERでの効果的なコミュニケーションに関してまとめました。ERでのコミュニケーションの問題点や、死亡告知、チーム内でのコミュニケーションに関して書いています。

本スライドの対象者

研修医

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内容

ERでの効果的なコミュニケーションに関してまとめました。ERでのコミュニケーションの問題点や、死亡告知、チーム内でのコミュニケーションに関して書いています。

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研修医

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#内科 #創処置 #縫合 #治療 #スタンダード #エビデンス

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147,375

最終更新:2021年6月17日




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ERでの効果的なコミュニケーション

  • 1.

    -

  • 2.

    自己紹介 片桐 欧 帝京大学出身 2014-2015年 初期研修:湘南鎌倉総合病院 2016-2018年 後期研修:飯塚病院総合診療科        5年目にチーフレジデント 2019年- 現在は飯塚病院救急科所属 PGY6

  • 3.

    本日学ぶ3つのポイント ERでのコミュニケーションの特徴と制約を知る 自分の価値観を押しつけず、死亡告知スキルの向上を図る 医療チーム内でのコミュニケーションを取り、円滑に診療を行う

  • 5.

    Silver Tsunami 2025年問題 2025年には、1947年から1949年生まれの「団塊の世代」約800万人が75歳以上の後期高齢者となり、現在の後期高齢者1,500万人と合わせると2,200万人を超えると予想されている 国民の4人に1人が後期高齢者の、超高齢社会が到来する

  • 6.

    Silver Tsunamiの医療への影響 病院や医師数の相対的減少 現在よりも医師6~7万人、看護師40〜74万人 介護士100〜140万人の増員が必要 介護や医療ニーズの高まり - 介護・医療費は現在の約1.7倍に 年金問題 →多死社会がやってくる

  • 7.

    Silver Tsunamiの医療への影響 病院や医師数の相対的減少 - 現在よりも医師6~7万人、看護師40〜74万人、介護士100 〜140万人の増員が必要 介護や医療ニーズの高まり - 介護・医療費は現在の約1.7倍に 年金問題 →多死社会がやってくる 高齢者のERへの搬送増加 終末期医療のニーズ増加 死との関わり合いが増える

  • 8.

    -

  • 9.

    ACP(Advance Care Planning) 生命倫理 VOL.25 NO.1 2015.9

  • 10.

    ACP(Advance Care Planning) 日本循環器学会 急性・慢心不全診療ガイドライン(2017年改訂版)

  • 11.

    ACP(Advance Care Planning) 意思決定能力低下に備えての対応 プロセス全体を指す 患者の価値観を確認し、個々の治療の選択だけでなく、全体的なゴールを明確にさせることを目標としたケア全体のことである ACPのツールとしては代理意思決定者、リビングウィル、事前指示、価値観、これらの組み合わせである

  • 12.

    ACPはいつ始めるべきか? Question 1 A B C D

  • 13.

    ACPはいつ始めるべきか? Question 1 B Advance care planning 残された時間もありタイミングは最適! Ann Emerg Med. 2019 Aug;74(2):276-284. 

  • 14.

    Ann Emerg Med. 2019 Aug;74(2):276-284.  時間は少なくなってきており、タイミングは少し遅い Serious illness conversation Serious illness conversation

  • 15.

    Ann Emerg Med. 2019 Aug;74(2):276-284.  時間は全くなく、タイミングは悪い Crisis communication Crisis communication

  • 16.

    Ann Emerg Med. 2019 Aug;74(2):276-284.  ERでのコミュニケーション 患者が外来へ通院中にACPをするのが一番良いが、予後予測が困難なことや、患者への不安、時間的制約のためACPが少なくなる 実際は入院を契機に終末期ケアの話をすることが多いが、危機的状態で搬送されると、時間が短く、患者と医師の関係を築く時間も少ない 臨床的不安定性のためにコミュニケーションがうまく図れず、重症患者でのコミュニケーションは非常に困難であるとされている

  • 17.

    Ann Emerg Med. 2019 Aug;74(2):276-284.  ERでのコミュニケーション

  • 18.

    Ann Emerg Med. 2019 Aug;74(2):276-284.  ERでのコミュニケーション Trajectoriesにより、予後への意識や苦痛が異なる →ERではTrajectoriesを意識し、対応を変える必要

  • 19.

    救急外来での病状説明の特徴と制約 1.時間的制約 2.意識障害患者 3.同意取得困難 4.未熟な医師・患者関係 5.患者家族・関係者の不在 改訂第5版 救急診療指針 へるす出版, ⅩⅤ章 医療倫理 2.インフォームドコンセント, p778-780

  • 20.

    1.時間的制約 ショック状態や緊急手術を要する状態では治療開始までの時間が限られており,説明や選択のための時間が十分にない。 2.意識障害患者 3.同意取得困難 4.未熟な医師・患者関係 5.患者家族・関係者の不在 改訂第5版 救急診療指針 へるす出版, ⅩⅤ章 医療倫理 2.インフォームドコンセント, p778-780 救急外来での病状説明の特徴と制約

  • 21.

    1.時間的制約 2.意識障害患者 患者本人の情報が得られず,患者が自己決定を行うことができない。さらに家族・親族や関係者などの代諾者もいない場合は,「緊急避難的行為」(刑法37条)として患者にとって最善の選択と信じる医療行為を開始することになる。 3.同意取得困難 4.未熟な医師・患者関係 5.患者家族・関係者の不在 改訂第5版 救急診療指針 へるす出版, ⅩⅤ章 医療倫理 2.インフォームドコンセント, p778-780 救急外来での病状説明の特徴と制約

  • 22.

    1.時間的制約 2.意識障害患者 3.同意取得困難 患者本人に意識障害がなくても,自殺企図者,精神疾患を有する患者,DNAR 患者などの場合は,患者本人 に説明を行って治療の同意を得ることが困難ないしは不可能である。小児や言葉の通じない外国人の場合にも同様の問題が生じる。 4.未熟な医師・患者関係 5.患者家族・関係者の不在 改訂第5版 救急診療指針 へるす出版, ⅩⅤ章 医療倫理 2.インフォームドコンセント, p778-780 救急外来での病状説明の特徴と制約

  • 23.

    1.時間的制約 2.意識障害患者 3.同意取得困難 4.未熟な医師・患者関係 救急患者では,そもそもICの基礎となる医師・患者間の良好な関係が築かれていない状態から始めなければならない。さらに,急な病気や事故のため,患者本人のみならず患者家族も混乱状態にあり,医師の説明を理解して考える余裕のないことも少なくない。 5.患者家族・関係者の不在 改訂第5版 救急診療指針 へるす出版, ⅩⅤ章 医療倫理 2.インフォームドコンセント, p778-780 救急外来での病状説明の特徴と制約

  • 24.

    1.時間的制約 2.意識障害患者 3.同意取得困難 4.未熟な医師・患者関係 5.患者家族・関係者の不在 独身者,独居老人,ホームレスなど,患者家族や親族,関係者がみつからない,あるいは遠隔地にしかいない場合がまれではない。 改訂第5版 救急診療指針 へるす出版, ⅩⅤ章 医療倫理 2.インフォームドコンセント, p778-780 救急外来での病状説明の特徴と制約

  • 25.

    Question 2 ERでの病状説明に戸惑ったことがあるか? ERで看取ることはどう思うか? D A B C 病棟に移してから看取る方が良い ERで看取るのが良い ERには搬送をせず、在宅で看取るべき もっと良い看取る場所を知っている

  • 26.

    看取りの場所 多くの研究により、患者やスタッフもERでの死が最適ではないという思いがあることがわかっている Australas Emerg Nurs J 18:68-74, 2015 Palliat Med. 2018 Jun 1, Epub ahead of print しかし、一定数は病院での死を希望する患者もおり、人によって希望は異なる 看取りの場所がどこが良いか、よりも患者や家族毎に対応を変化させ、どのように看取るかが重要である

  • 27.

    死の告知は、特に予期せずに発生した場合に精神的苦痛が強く、家族にとって苦痛であるだけでなく、臨床医にとってもしばしばストレスとなる。 死の告知に対する構造化されたアプローチは、家族と救外スタッフの両方に対する死亡告知によるトラウマを減らすのに役立つ。 Adamowski K, Dickinson G, Weitzman B, Roessler C, Carter-Snell C. Sudden unexpected death in the emergency department: caring for the survivors. CMAJ. 1993;149(10):1445–1451. 死の告知

  • 28.

    事前準備は、死亡告知の最も重要なものの1つである。死別後の家族のガイドラインでは、家族の喪失のプロセスを理解し、家族を支援するよう記載されている。 ティッシュ等用意し、社会資源(MSW、牧師などの医療専門家)の提供を行う。遺体との対面は重要であるが、対面前に清潔性、患者情報の確認をする。 家族の罪責感を傾聴し、客観的に家族に責任がないことを伝え、家族間で支え合えるように調整をするのが望ましい。 Well, Paula J. (1993) Preparing for Sudden Death: Social Work in the Emergency Room, National Association of Social Work, 38(3), 339-342. Palliative-Aspects-of-Emergency-Care p79-80 死の告知

  • 29.

    緩和と終末期ケアの教育-救急医学カリキュラム1)は、患者の死を患者の家族や友人に告知する救急臨床医向けのGRIEV_INGニーモニックの使用を提唱してる。 救急外来での死亡告知を対象としており、このニーモニックは救急医により、救急医のために開発された。 これは、救急の研修医の死亡告知スキルを向上させることがわかっている2)。 1)Emanuel LL QT, ed. The Education for Physicians on End-of-Life Care-Emergency Medicine (EPEC-EM) Curriculum. The EPEC Project. Princeton, NJ: Robert Wood Johnson Foundation; 2008. 2)Hobgood C, Harward D, Newton K, Davis W. The educational intervention “GRIEV_ING” improves the death notification skills of residents. Acad Emerg Med. 2005;12(4):296–301. 死の告知

  • 30.

    GRIEV_INGニーモニック Hobgood C, Harward D, Newton K, Davis W. The educational intervention “GRIEV_ING” improves the death notification skills of residents. Acad Emerg Med. 2005;12(4):296–301.

  • 31.

    普段より死亡した方を担当した 医療チームのケアをしているか? Question 3 A B はい いいえ

  • 32.

    蘇生でのストレス 医師が患者の死に直面し、最大を10とした場合、中等度(4.7)のストレスを感じているとされている 医師経験年数とストレスの感じ方は差がないが、 女性医師や患者とのつきあいが長い場合にストレスが強くなる また、スタッフ医師に比べると研修医では精神的サポートが必要と感じている BMJ,327: 185-190,2003 林 寛之: 改訂版Step Beyond Resident 1 救急診療のキホン編. 羊土社, 2018, 362-385.

  • 33.

    蘇生でのストレスへの対応 ストレスへはデブリーフィングが有効と言われている デブリーフィングにはhot debriefing(蘇生直後に集まってデブリーフィングを行う)とcold debriefing(事後に改めて時間をとって関係者を集めてデブリーフィングを行う)の2種類がある デブリーフイングでは技術的なもののみならず自分のストレスを吐潟しあい精神的心理的影響もお互い共有する 林 寛之: 改訂版Step Beyond Resident 1 救急診療のキホン編. 羊土社, 2018, 362-385.

  • 34.

    デブリーフィングの手法 林 寛之: 改訂版Step Beyond Resident 1 救急診療のキホン編. 羊土社, 2018, 362-385.

  • 35.

    デブリーフィングのメリット 林 寛之: 改訂版Step Beyond Resident 1 救急診療のキホン編. 羊土社, 2018, 362-385.

  • 36.

    Take Home Message ERでのコミュニケーションは難易度が高く、特徴と制約を理解した上で対応を行う 患者家族と価値観を共有し、死亡告知は事前準備や型を活用する 医療チーム内でのデブリーフィングを行い、蘇生でのチーム内のストレス軽減に努める

  • 37.

    飯塚病院 救急科紹介 36

  • 38.

    福岡県内の救命救急センター 37

  • 39.

    なぜ飯塚ERでは救急のスキルが身につくの? On the Job Trainingの 量が多く、質が高い 38

  • 40.

    量 ~全国トップクラスの症例数~ 年間受入救急車搬送人員 7179人 全国289ヶ所の救命救急センター中61位 年間に受入れた重篤患者数 2297人 全国289ヶ所の救命救急センター中4位 厚生労働省 救命救急センターの評価結果(平成30年)について https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000188907_00001.html 39

  • 41.

    量 ~重篤患者を診療するチャンス~ 高齢かつ重篤患者を主に診療した医師 40

  • 42.

    量 ~重篤患者を診療するチャンス~ 高齢かつ重篤患者を主に診療した医師 患者を任せられて伸びる 41

  • 43.

    質 ~フィードバックが充実~ 上級医と症例毎の振り返り 総合診療科や集中治療部、呼吸器内科など他科とのカンファレンスを開催 他科医師も若手が多く、教育的な医師が多い 42

  • 44.

    質 ~フィードバックが充実~ 上級医と症例毎の振り返り 総合診療科や集中治療部、呼吸器内科など他科とのカンファレンスを開催 他科医師も若手が多く、教育的な医師が多い 明日の自分の診療が変わる 43

  • 45.

    ぜひ一度、飯塚ERに見学に来てください! 44

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