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上原拓樹

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#2 心不全患者の肝機能が悪くなったら【心不全診療ワンポイントレッスン】

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上原拓樹

勤医協中央病院

内容

心不全に併発する疾患について、その基礎から実際の診療での流れまでを解説するシリーズ。

今回は「心不全患者の肝障害」をテーマに解説します。

<本スライドの目次>

心不全加療でよくある一例

一般的な肝障害の原因

肝障害の分類

循環器患者で多い肝障害の原因

肝機能悪化時の実際の流れ(検査、フローチャートなど)

原発性胆汁性胆管炎(PBC)~心不全に隠れて結構います!

忘れてはいけない減薬のこと~まとめ

音声つきの解説動画は、以下のYouTubeで視聴できます

https://youtu.be/NKKNbn3xsdE

「心不全診療ワンポイントシリーズ」のスライド一覧

https://slide.antaa.jp/tagsearch/710

「循環器疾患解説シリーズ」のスライドもぜひご覧ください

https://slide.antaa.jp/tagsearch/688

本スライドの対象者

専攻医

テキスト全文

  • 1.

    肝障害の基礎から循環器医が解説します! 心不全患者の 肝機能が悪くなったら 循環器内科医 “うし先生”の 心不全診療ワインポイントレッスン

  • 2.

    注釈 【自己紹介】 某市中病院勤務の循環器内科医師のうしです。 だいたい中堅くらいです。 【動画のモットー】 細かいデータ<わかりやすさ 【ペット】 オカメインコ いいねやチャンネル登録お願いします!

  • 3.

    今回は研修医・内科医師だけでなく 全職種向けに 肝機能が悪化したときの考え方を 説明します! 特に心不全加療中の

  • 4.

    ・心不全で臨時入院してきた80歳代男性 ・ラシックス(ループ利尿薬)静注で治療開始 ・元々呼吸状態は悪くはない ・2日後の採血でAST、ALT 3桁の肝障害が悪化 こんな症例よくありますよね 心不全入院中によくある一例

  • 5.

    一般的な肝障害の原因 ・ウイルス性(A,B,C,E型肝炎など) ・アルコール性(脂肪肝含む) ・NAFLD(非アルコール性脂肪肝) ・薬物性(全ての薬剤で起こりうる) ・自己免疫性(自己免疫性肝炎、原発性胆汁性胆管炎) アルコール+薬物歴+採血しないとわからない 症状は出にくい (せいぜい黄疸、倦怠感) +劇症肝炎 PT時間40%以下 ±肝性脳症 必要あれば肝生検

  • 6.

    肝障害の分類 ・肝細胞型  AST、ALT(GOT、GPT)などが上昇  ウイルス性肝炎、薬剤性など  ・胆道系型  ALP、γ-GTP、(直接)ビリルビンが上昇  アルコール性肝障害、うっ血肝、原発性胆汁性胆管炎など 肝酵素上昇していたら肝障害はある 肝酵素陰性でも 肝硬変は否定できず

  • 7.

    ・薬剤性(利尿薬、抗血栓薬、β阻害薬) ・いっ水(うっ血肝、循環不全) -------------------------------------------------- ・アルコール性(アルコール性心筋症、塩分過多での心不全) ・自己免疫性>ウイルス性(原発性胆汁性胆管炎など?) 心不全治療に伴うものか、心不全悪化に伴うものか、別件か、それが重要 医原性 元々だ IVCがパンパン 💦 循環器患者で多い肝障害の原因 = 併発多数!

  • 8.

    肝機能悪化時の実際の流れ ①うっ血肝か(入院後乏尿、IVC腫大) → 大至急利尿(急変徴候)  ②肝障害パターン(肝細胞or胆道系) → 鑑別に必要 ③劇症肝炎?(肝性脳症、PT低値) → 直ちに消化器医+血漿交換 ④新規薬剤は?(既存薬剤も)    → 可能であれば中止(変更) ①-④で改善 ①-④で改善なしor悪化傾向 アルコール性も 改善するはず 長期Af心不全パターンはわかりにくい 抗凝固薬注意 少し経過観察 炎症と肝臓採血(CRP、赤沈、フェリチン)            (A-E肝炎ウイルス抗体、抗核抗体、抗平滑筋抗体、抗ミトコンドリア抗体) 可能な範疇で薬剤減量 肝生検適応含めて消化器医に相談(心精査や心加療にも影響) 心不全に隠れた原発性胆汁性胆管炎に注意

  • 9.

    原発性胆汁性胆管炎(PBC) ・中年女性に好発する慢性進行性の胆汁うっ滞性肝疾患 ・病理組織学的に慢性非化膿性破壊性胆管炎 ・疫学的には本邦の有病率は人口10万に33人 ・抗ミトコンドリア抗体は感度 90%、特異度95%  抗ミトコンドリアM2抗体は特異度 ほぼ100% Hepatobiliary Pancreat Dis Int. 2003 May; 2 (2) : 290-4 胆道系酵素上昇+抗体陽性でほぼ確定診断

  • 10.

    拡張型心筋症(DCM)と原発性胆汁性胆管炎(PBC) ・本邦では3例のDCMとPBCの合併の報告あり  DCMとPBC関連が予想   →関連因子は不明だが自己抗体の関与が示唆         ↓  PBCを合併したDCMに対して免疫抑制剤治療の可能性 (報告では自己免疫性原疾患は奏功したが心病変は進行)  DCMとPBCの全身管理…βblocker, ACE-I/ARB + ウルソ (DCMとPBCの進行時期の一致の報告あり) 原発性胆汁性肝硬変、多発性筋炎に心不全を併発し、血清中に抗annexin A6自己抗体を認めた拡張型心筋症の1例(久保田奈実ら) 拡張型心筋症を合併した原発性胆汁性肝硬変の一例(芝祐信ら) OKT4抗原欠損症と拡張型心筋症(DCM)を合併した原発性胆汁性肝硬変(PBC)の一例(迎慎二ら) ウルソが心筋症にも効きそう 自分だけで4-5人診断してます

  • 11.

    忘れてはいけない減薬のこと ・新規薬剤は一旦中止  (既存薬剤も否定はできず。循環器必須薬は病態みて相談) ・肝排泄の薬剤は減量が必要  (特に抗凝固薬のNOACは肝硬変には相対禁忌) いつも以上に投薬をシンプルにする

  • 12.

    まとめ ・心不全患者は特に肝障害を経験する! ・おかしいなと思ったら薬剤中止・変更! ・同時にアルコールなどの問診と採血での精密検査! ・もっと怪しければ消化器内科に相談(劇症肝炎注意) ・質問あればコメント欄にお願いします! いいねやチャンネル登録も…

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