#4.
導⼊ 症例 解説 RSV感染症, 急性細気管⽀炎について Respiratory Syncytial Virus 急性細気管⽀炎 RSVはパラミクソウイルス科ニューモウイルス属に分 ウイルスが細気管⽀に感染し, 類される, エンベロープを持つRNAウイルスである. 閉塞性換気障害が⽣じる. ⽣涯にわたり急性呼吸器感染を起こし, 乳幼児期(特に RSVで発症することが多く, 低出 ⽣後6ヵ⽉まで)に罹患すると重症化することがある. ⽣体重児や基礎疾患がある児, 免 本邦では重症化しやすい児を対象にモノクローナル抗 体が利⽤可能である. 現在⾼齢者や妊婦対象にワクチン 疫不全のある児などには重症化 のリスクが⾼い. 開発が進んでおり, 近い将来本邦でも利⽤可能になる可 ⾼齢者での施設内集団感染も 能性が⾼い. 問題になっている. 小児RSウイルス呼吸器感染症診療ガイドライン2021.協和企画.2022.
#5.
導⼊ 症例 症例:4カ⽉ 男性 確定診断名(主な病名および副病名) 1. RSV細気管⽀炎 【主訴】 発熱, 咳嗽, ⿐汁, 哺乳不良 【現病歴】 4⽇前から⿐汁あり. 3⽇前に発熱がみられたため近医⼩児科を受診したが, 哺乳良好であり, 急性上気道炎として対症療法となった. 徐々に咳嗽‧⿐汁 が増悪し, 1⽇前から咳嗽による咳き込み嘔吐がみられるようになった. 本⽇朝から哺乳不良と活気不良がみられたため再度近医⼩児科を受診した ところ, ⼊院加療が必要と判断され同⽇当科紹介⼊院となった. 【既往歴】 ⽣後2カ⽉の頃にSARS-CoV-2に罹患, 対症療法のみで改善 【内服歴】 カルボシステイン, ムコサール 【家族歴】 同胞(3歳)が2週間前に発熱‧感冒症状, ⺟が1週間前に感冒症状あり 【⽣活歴】 在宅児 解説
#6.
導⼊ 主な⼊院時現症 意識 ⾝⻑・体重 体温 ⾎圧・脈拍 SpO2・呼吸数 視線合うが, 活気乏しい. 不機嫌 65.0 cm, 6 kg 38.2 ℃ 85/50 mmHg, 188 /分 (整) 94% (room air), 60 /分, 肋間の陥没呼吸と軽度呼気延⻑あり 湿性咳嗽あり, ⽔様性⿐汁多量 結膜 眼瞼結膜に貧⾎なし, 眼球結膜に⻩疸なし 胸部 呼吸⾳ 呼気全周性にhigh pitched-wheezesあり, ⼼雑⾳なし 腹部 軟・平坦, 腸蠕動⾳ ⽣理的, 肝脾腫を触知しない 体表 明らかなチアノーゼなし 吐物 ⾷物残渣様 症例 解説
#7.
導⼊ 症例 解説 各種検査所⾒ 血算・凝固 WBC: 生化学 胸部レントゲン 12,400 /μL TP: 7.0 g/dL Neut: 33.5 % Alb: 4.2 g/dL Lym: 64.5 % AST: 27 IU/L Hb: 10.2 g/dL ALT: 14 IU/L Ht: 39.7 % LDH: 271 IU/L Plt: 28.3万 /μL BUN 18.2 mg/dL Cr 0.44 mg/dL CPK 127 IU/L Na 133 mEq/L K 4.5 mEq/L Cl 105 mEq/L CRP 1.5 mg/dL 血液ガス分析(静脈血) pH: 7.345 pCO2: 48.5 mmHg BE: -2.5 mmol/L HCO3-: 20.5 mmol/L 右上肺野の気管支周囲浸潤影増強 横隔膜平坦化あり 呼吸器 multiplex PCR RSV, SARS-CoV-2 陽性 ウイルス迅速検査 RSV:陽性 hMPV:陰性 SARS-CoV-2 抗原定量検査 0.62 pg/mL
#8.
導⼊ 症例 治療経過 1 #1. RSV細気管支炎 • 症状および⿐咽頭ぬぐい液によるウイルス迅速検査の結果から, RSV感染症と診断した. 呼吸器 multiplex PCRでは, RSVと同時にSARS-CoV-2も陽性となったが, 2カ⽉前に罹患歴があること, 抗原定量検査で感度未満であることから, 再感染ではなく既感染パターンと判断した. • 哺乳量低下と呼吸障害を認めたため, ⼊院の上補液と経⿐酸素投与を開始した. 酸素化は改善したが, 努⼒呼吸 は残存したままであり, 夜にかけて呼吸障害が増悪し, 頻回な⼝⿐吸引を要し, 哺乳もほとんどできない状態と なった. • ⼊院2⽇⽬朝には呼吸数 70/minを超え, 聴診で吸呼気喘鳴と右肺野でair⼊り不良がみられたため, 静脈⾎の ⾎液ガス分析を再検したところ, CO2貯留と呼吸性アシドーシスの進⾏がみられ, 胸部Xpでは新たに右上葉の 無気肺がみられた. 更なる呼吸サポートが必要と判断し, High Flow Nasal Canula(HFNC)に変更した. • 当初10L/minで開始したが, 1時間経っても呼吸状態が改善しないため徐々に流量を増量し, 最終的に 20L(3.3L/kg)/min, FiO2 50%で努⼒呼吸の改善がみられた. また, 挿管‧⼈⼯呼吸器管理が必要となる可能性もあるため, 絶飲⾷管理に変更した. 解説
#9.
導⼊ 症例 治療経過 2 #1. RSV細気管支炎 • ⼊院3⽇⽬まではHFNCの設定を下げられない状態が続いたが, ⼊院4⽇⽬の昼頃から徐々に呼吸障害が改善し HFNCの設定を減量できるようになった. ⼊院6⽇⽬に経⿐酸素に変更し, 哺乳を再開した. 徐々に哺乳量が増加し, 酸素が不要になったことを確認して⼊院10⽇⽬に退院となった. • 以降⼤きく体調を崩すことなく過ごしていたが, ⽣後7カ⽉に感冒症状で再診した際, 咳嗽が強く呼気終末に high-pitched wheezesがみられた. β吸⼊でwheezesは消失したが, 詳しく話を聞くと退院後から咳き込む頻度 が増えているとのことだったので, ロイコトリエン受容体拮抗薬(LTRA)の内服を開始した. 解説
#10.
導⼊ 症例 解説 急性細気管⽀炎 症状 咳嗽 多量の水様性鼻汁 発症2〜3日 喘鳴, 呼気延長 多呼吸・努力呼吸 発症4〜7日 呼吸不全となり 集中治療が 必要になることも 小児RSウイルス呼吸器感染症診療ガイドライン2021.協和企画.2022. 日本小児呼吸器学会・日本小児感染症学会,小児呼吸器感染症診療ガイドライン2022.協和企画.2022.
#11.
導⼊ 急性細気管⽀炎 診察所見 症例 解説 よくある所⾒ 細気管支での炎症, 分泌物亢進 →呼気終末のhigh-pitched wheezes, 呼気延長 ※β吸入でもwheezesが改善しない時は疑わしいかもしれない →増悪で断続的ラ音, 無気肺まで至ると呼吸音低下 新生児では無呼吸発作(未熟児に多い)がみられることも 乳児のALTE, BRUEやSIDSに要注意! 中耳炎, 結膜炎を合併することがある 非常に稀だが脳炎・脳症も起こり得る 小児RSウイルス呼吸器感染症診療ガイドライン2021.協和企画.2022. 日本小児呼吸器学会・日本小児感染症学会,小児呼吸器感染症診療ガイドライン2022.協和企画.2022.
#12.
導⼊ 急性細気管⽀炎 胸部Xp 血液検査 症例 解説 よくある所⾒ 無気肺, 過膨張, 気管支周囲浸潤陰影, 網状陰影が混在 特徴的な所見はない 重症化すると低酸素血症, 高CO2血症 胸腔内圧上昇→静脈還流量減少→ADH分泌亢進→SIADH ※気づかないうちに低Na血症を呈するため, 輸液療法には注意! 小児RSウイルス呼吸器感染症診療ガイドライン2021.協和企画.2022. 日本小児呼吸器学会・日本小児感染症学会,小児呼吸器感染症診療ガイドライン2022.協和企画.2022.
#13.
導⼊ 症例 解説 急性細気管⽀炎の原因微⽣物は多彩! 原因微⽣物 ⽐率(%) RSウイルス 50-80 ライノウイルス 5-25 ヒトメタニューモウイルス 5-10 パラインフルエンザ 5-25 アデノウイルス 5-10 インフルエンザウイルス 1-5 エンテロウイルス 1-5 コロナウイルス 5-10 小児RSウイルス呼吸器感染症診療ガイドライン2021.協和企画.2022. 日本小児呼吸器学会・日本小児感染症学会,小児呼吸器感染症診療ガイドライン2022.協和企画.2022.
#14.
導⼊ 症例 解説 RSV感染症 疫学 生後1歳までに半数以上, 2歳までにほぼ100%が初感染を経験する. ※SARS-CoV-2流行に伴い, 2023年は3歳以上の初感染も少なからず経験. 初感染は常に顕性感染. 頻回に再感染を起こすが, 感染のたびに軽症化する. 以前は秋〜冬に流行することが多かったが, 2023年は夏に流行した地域も →地域の感染状況を確認する必要あり! 感染経路 接触感染が中心. 家族内では効率的に感染が伝播しやすい. 「兄弟が少し前から鼻を垂らしているけど元気」は要注意! レジデントのための小児感染症診療マニュアル.医学書院.2022. 小児RSウイルス呼吸器感染症診療ガイドライン2021.協和企画.2022. 日本小児呼吸器学会・日本小児感染症学会,小児呼吸器感染症診療ガイドライン2022.協和企画.2022.
#15.
導⼊ 症例 解説 RSV検査 あれこれ 迅速検査 感度‧特異度70-90% 他のウイルスとの組み合わせで数種類存在 ⽔様性⿐汁が多いタイミングで陽性になりやすい 保険適応に制限あり ‧⼊院中の患者 ‧1歳未満の乳児 ‧パリビズマブ製剤の適応となる患者(後述) ⼊院‧外来問わず⽉1回のみ判断料を算定可能 小児RSウイルス呼吸器感染症診療ガイドライン2021.協和企画.2022. 日本小児呼吸器学会・日本小児感染症学会,小児呼吸器感染症診療ガイドライン2022.協和企画.2022.
#16.
導⼊ 症例 RSV検査 迅速検査キットの組み合わせ 組み合わせ 利点/⽋点 (私⾒, 他の組み合わせもあれば教えてください) RSV+hMPV 臨床症状が似ている2つを同時に検査可能 hMPVも保険適応制限あり(6歳未満の肺炎疑い) RSV+flu 流⾏期が被った際に1検体で同時に検査可能 fluは発症後48時間以内で算定可能 RSV+SARS-CoV-2 流⾏期が被った際に1検体で同時に検査可能 SARS-CoV-2は有症状者に保険適応あり RSV+adeno 配置するキット数を減らせる? (adenoは全年齢で保険適応があることも関係?) 解説
#17.
導⼊ 症例 解説 呼吸器 multiplex PCR(FilmArray®呼吸器パネル2.1)について① ‧呼吸器感染症に対するウイルス‧細菌の核酸多項⽬同時検出 ‧保険適応: 重症呼吸不全やその疑い症例 またはSARS-CoV-2感染が疑われる患者 ‧検出可能なウイルス‧細菌: インフルエンザウイルス, コロナウイルス, アデノウイルス, パラインフルエンザウイルス, ヒトメタニューモウイルス, RSウイルス, ヒトライノウイルス/エンテロウイルス, SARS-CoV-2, マイコプラズマ‧ニューモニエ, クラミジア‧ニューモニエ, 百⽇咳菌, パラ百⽇咳菌 小児RSウイルス呼吸器感染症診療ガイドライン2021.協和企画.2022. 日本小児呼吸器学会・日本小児感染症学会,小児呼吸器感染症診療ガイドライン2022.協和企画.2022.
#18.
導⼊ 症例 解説 呼吸器 multiplex PCR(FilmArray®呼吸器パネル2.1)について② ‧メリット 1検体で複数のウイルス‧細菌を同時に確認可能 迅速に結果が判明;院内に測定機器があれば1時間前後(外注だと2〜3⽇) 感度‧特異度が⾼い;迅速抗原検査が陰性となる病初期でも陽性になる 陰性的中率はほぼ100% ‧デメリット 感度が⾼すぎて偽陽性が⼀定数あり(過去の感染の名残, 交差反応の報告も) 複数のウイルス‧菌が同時に陽性となるケースも(同時感染?偽陽性?) 病歴, 臨床所⾒, その他の検査結果を踏まえて総合的な判断が必要 小児RSウイルス呼吸器感染症診療ガイドライン2021.協和企画.2022. 日本小児呼吸器学会・日本小児感染症学会,小児呼吸器感染症診療ガイドライン2022.協和企画.2022.
#19.
導⼊ 症例 解説 RSV細気管⽀炎の呼吸状態評価① ‧1歳未満の重症度判定 短時間で重症かどうかを把握しやすい 哺乳⼒ 呼吸数(回/分) 軽度 中等度 重度 正常 いつもより少ない >通常の半分 興味を⽰さない <通常の半分 >60/分 >70/分 <2か⽉ >2か⽉ >60/分 >50/分 陥没呼吸 軽度 中等度 ⾼度 ⿐翼呼吸 なし なし あり SpO2 >92% 88-92% <88% 全⾝状態 正常 過敏 無気⼒ レジデントのための小児感染症診療マニュアル.医学書院.2022. 小児RSウイルス呼吸器感染症診療ガイドライン2021.協和企画.2022. 日本小児呼吸器学会・日本小児感染症学会,小児呼吸器感染症診療ガイドライン2022.協和企画.2022.
#20.
導⼊ 症例 解説 RSV細気管⽀炎の呼吸状態評価② ‧修正Pulmonary Indexスコア(MPIS) 客観的に呼吸状態の経時的評価が可能 0点 1点 2点 3点 ⼼拍数(回/分) 3歳未満 ∕ 3歳以上 <120 / <100 120-140 ∕ 100-120 141-160 ∕ 121-140 160< ∕ 140< 呼吸数(回/分) 6歳未満 ∕ 6歳以上 ≦30 / ≦20 31-45 ∕ 21-35 46-60 ∕ 36-50 60< ∕ 50< 呼吸補助筋の使⽤ なし 軽度 中等度 ⾼度 吸気:呼気 2:1 1:1 1:2 1:3 喘鳴 聴取せず 呼気終末 吸呼気 エア⼊り良好 吸呼気 エア⼊り減弱 室内気でのSpO2(%) 95< 93-95 90-92 <90 レジデントのための小児感染症診療マニュアル.医学書院.2022. 小児RSウイルス呼吸器感染症診療ガイドライン2021.協和企画.2022. 日本小児呼吸器学会・日本小児感染症学会,小児呼吸器感染症診療ガイドライン2022.協和企画.2022.
#21.
導⼊ 症例 解説 RSV細気管⽀炎の治療 基本的には対症療法 ‧呼吸サポート(酸素療法, HFNC, ⼈⼯呼吸器管理, CNEPなど) ※成書を参照してください ‧ステロイド, β刺激薬吸⼊, 抗菌薬 いずれもルーチン使⽤が有効というエビデンスはない ‧RSV感染後のLTRAは反復性喘鳴を減らすかも ガイドラインの記載では「提案される」(推奨2C) いずれも症例毎、施設毎の判断による レジデントのための小児感染症診療マニュアル.医学書院.2022. 小児RSウイルス呼吸器感染症診療ガイドライン2021.協和企画.2022. 日本小児呼吸器学会・日本小児感染症学会,小児呼吸器感染症診療ガイドライン2022.協和企画.2022.
#22.
導⼊ RSV細気管⽀炎の治療 症例 解説 私⾒ ‧呼吸サポートの開始は躊躇しない! ⼊院翌朝に呼吸不全になっていることも ‧HFNCは3L/kg/min前後までは試してみる価値がある 1-2時間で必ず効果判定し, 不⼗分と判断したらすぐに治療強化! ‧ステロイド, β刺激薬吸⼊, 抗菌薬は⼀度試してもいいが 明確な効果が得られなければすぐに中⽌する ‧内服コンプライアンスが保てるなら, LTRAはとりあえず開始してみる レジデントのための小児感染症診療マニュアル.医学書院.2022. 小児RSウイルス呼吸器感染症診療ガイドライン2021.協和企画.2022. 日本小児呼吸器学会・日本小児感染症学会,小児呼吸器感染症診療ガイドライン2022.協和企画.2022.
#23.
導⼊ 症例 解説 RSVによる下気道感染を発症するリスク因⼦ 1. 生後6か月未満の乳児:特に託児所や保育所の利用, 年上の同胞がいる場合 2. 慢性肺疾患(CLD), 気管支肺異形成症(BPD)のような呼吸器疾患のある乳児 3. 早産児(35週未満) 4. 先天性心疾患を有する小児 5. 受動喫煙に曝露される乳児 6. 21トリソミーの小児 7. 免疫不全患者; 白血病, 重症複合免疫不全症(SCID), 造血細胞移植, 肺移植患者 8. 重症の気管支喘息患者 9. 2,500m以上の高度で生活している レジデントのための小児感染症診療マニュアル.医学書院.2022. 小児RSウイルス呼吸器感染症診療ガイドライン2021.協和企画.2022. 日本小児呼吸器学会・日本小児感染症学会,小児呼吸器感染症診療ガイドライン2022.協和企画.2022.
#24.
導⼊ 症例 解説 抗RSVヒト化モノクローナル抗体(パリビズマブ)① ‧RSVのFタンパク質に結合し, ウイルスの粘膜上⽪細胞内への侵⼊を阻⽌ →下気道感染による重症化を予防 感染⾃体は防げないため, 感染予防について⼗分な説明が必要 ‧半減期が約25⽇であり、定期的な接種が必要 ‧投与⽅法:RSVの流⾏シーズンに筋⾁注射を1回/⽉ RSVに感染した後も, 流⾏シーズン中は必ず接種を継続する 小児RSウイルス呼吸器感染症診療ガイドライン2021.協和企画.2022. 日本小児呼吸器学会・日本小児感染症学会,小児呼吸器感染症診療ガイドライン2022.協和企画.2022.
#25.
導⼊ 症例 解説 抗RSVヒト化モノクローナル抗体(パリビズマブ)② ‧投与対象(本邦での保険適応)が決まっている(2024年3⽉から拡⼤) 在胎期間28週以下の早産で, 12ヵ⽉齢以下の新⽣児および乳児 在胎期間29週~35週の早産で, 6ヵ⽉齢以下の新⽣児および乳児 過去6ヵ⽉以内に気管⽀肺異形成症(BPD)の治療を受けた24ヵ⽉齢以下の新⽣児, 乳児および幼児 24ヵ⽉齢以下の⾎⾏動態に異常のある先天性⼼疾患(CHD)の新⽣児, 乳児および幼児 24ヵ⽉齢以下の免疫不全を伴う新⽣児, 乳児および幼児 24ヵ⽉齢以下のダウン症候群の新⽣児, 乳児および幼児 24ヵ⽉齢以下の肺低形成を伴う新⽣児, 乳児および幼児 24ヵ⽉齢以下の気道狭窄を伴う新⽣児, 乳児および幼児 24ヵ⽉齢以下の先天性⾷道閉鎖症の新⽣児, 乳児および幼児 24ヵ⽉齢以下の先天代謝異常症の新⽣児, 乳児および幼児 24ヵ⽉齢以下の神経筋疾患の新⽣児, 乳児および幼児 (下線部が新規追加適応症) 基礎疾患のない正期産児に使⽤できない! 本邦における肺低形成、気道狭窄、先天性食道閉鎖症、先天代謝異常症 および神経筋疾患に対するパリビズマブ使用の手引き
#26.
導⼊ 症例 解説 新規抗RSVヒト化モノクローナル抗体(ニルセビマブ)① ‧半減期延⻑技術で作成された⻑時間作⽤型のモノクローナル抗体 単回投与で1シーズン効果が持続する ※パリビズマブとの併⽤はできないため、 どちらを投与するか最初に決定する必要あり ‧接種対象:⽣後初回のRSウイルス感染流⾏期の すべての新⽣児及び乳児 ※⽣後2回⽬のシーズンは重篤な RSV感染症のリスクを有する児のみ ‧2024年3⽉26⽇に製造販売承認 薬価‧販売開始時期は未定(2024年4⽉時点) サノフィ e-MR ベイフォータス製品情報 https://www.e-mr.sanofi.co.jp/products/beyfortus
#27.
導⼊ 症例 解説 妊婦への組換えRSウイルスワクチンについて ‧妊婦に接種することにより⺟体のRSVに対する中和抗体価を⾼め, 胎盤を通じて⺟体から胎児へ中和抗体が移⾏することで, 乳児におけるRSVを原因とする下気道疾患を予防 ‧妊娠24〜36週の妊婦に、1回0.5mLを筋⾁内に接種 2024年6⽉頃より発売予定 ‧60歳以上の⾼齢者は2種類適応あり 妊婦は1種類のみ適応承認(アブリズボ®) https://www.jpeds.or.jp/modules/activity/index.php?content_id=559 日本小児科学会HP RSウイルス母子免疫ワクチンに関する考え方
#28.
導⼊ 症例 本症例のポイント • 本症例は, RSV細気管支炎の症例である. 呼吸器 multiplex PCRではSARS-CoV-2も陽性と なったが, 病歴や他の検査所見から重複感染ではないと判断した. • 客観的かつ経時的に呼吸状態を評価することで, 呼吸サポートを遅滞なく開始・強化することができ た. • 本症例は基礎疾患がなくパリビズマブの接種対象ではなかったが, RSV細気管支炎として 重症例であった. 今後は基礎疾患を有さない児を対象としたRSVワクチンや, 妊婦を対象としたRSVワクチンが接種可 能となるため, 同様の症例でも重症化を抑えられる可能性がある. 解説
#29.
導⼊ Take Home Message 呼吸器感染症に対するウイルス検査は 感度・特異度と症状などを総合的に意識して判断する必要がある RSV細気管支炎へのステロイド、β2刺激薬、抗菌薬投与は いずれもルーチンの使用は推奨されていない 抗RSVヒト化モノクローナル抗体の適応が拡大された 今後, 全ての児を対象とした新規抗RSVヒト化モノクローナル抗体や 妊婦へのRSVワクチンが接種開始予定である 症例 解説