#4.
潜伏期間は? 435症例の分析 潜伏期間 平均5.2日間(4.1-7.0日) 95%が12.5日以内に発症 N Eng J Med. 2020 Jan 29. DOI: 10.1056/NEJMoa2001316
#5.
発熱について • 発熱のみのスクリーニングは危険である 入院時の発熱 人数(%) 入院中の発熱 人数(%) <37.5℃ 608/1081(56.2%) <37.5℃ 92/926(9.9%) 37.5-38.0℃ 238/1081(22.0%) 37.5-38.0℃ 286/926(30.9%) 38.1-39.0℃ 197/1081(18.2%) 38.1-39.0℃ 434/926(46.9%) >39.0℃ 38/1081(3.5%) >39.0℃ 114/926(12.3%) 入院時(発症初期)には37.5℃以上の発熱が無い患者が半 数以上いる。一方で39.0℃を超える発熱はCOVID-19らしくな い可能性がある 入院経過中に肺炎があれば経過中の9割が発熱あり N Engl J Med 2020;382:1708-20. DOI: 10.1056 より作成
#6.
多様な症状 入院中の症状 人数(%) 咳 745(67.8) 倦怠感 419(38.1) 喀痰 370(33.7) 息切れ 205(18.7) 筋肉痛/関節痛 164(14.9) 咽頭痛 151(13.9) 頭痛 150(13.6) 悪寒 126(11.5) 嘔気または嘔吐 55(5.0) 鼻閉 53(4.8) 下痢 42(3.8) 喀血 10(0.9) 充血 9(0.8) 呼吸器症状が主体であるが、特異 的な症状は無い 一時期話題になっていた消化器症 状は頻度は低いが報告されている (文献によって10%以上) 呼吸器症状のあるなしに関わらず 標準予防策の徹底が重要である N Engl J Med 2020;382:1708-20. DOI: 10.1056
#7.
嗅覚・味覚障害 • COVID-19で入院した患者59名中、嗅覚また は味覚障害を33.9%に認めた • 18.6%は両方の症状を認めた Clin Infect Dis. 2020 Mar 26. PMID:32215618 感度は高くないが、特異度は高い印象がある(無くても否定はできないが、 あると陽性になる割合が高い) ただし、他のウイルスでも味覚、嗅覚障害が認められる
#8.
感染リスク 二方向を 換気する • 密閉 – 換気の悪い空間 • 密集 – 人混み 人混みを 避ける • 密接 – 近距離 近距離での 接触を避ける 3密と呼ばれる条件が重なった時に感染リスクが高くなる それぞれを避けることでリスクを下げることが可能である
#9.
感染リスク 大声を出す 歌う > 話をする > 換気の良い空間での会話の感染リスクは低い ライブハウスやカラオケボックスなどの換気の悪い空間で大声を出す、歌 うなどの行為は感染リスクを高める BMJ 2020;370:m3223 | doi: 10.1136/bmj.m3223
#10.
PCRの功罪 誰でもいつでも何度でも? 検査費用は? 健康保険? 検査前確率が 低いことによる 偽陽性のリスクは? 偽陰性のリスクは? どこで検体を取る? 誰が検体を取る? 個人防護具は? 検体採取、検体操作 の精度は? 無鉄砲にPCR検査を増やしても医療現場は疲弊するだけである 本当に必要な人が確実に検査を受ける事が出来る体制作りが肝心!
#11.
PCR検査 • 感度70%程度 – 100人の陽性者に検査をしても30人は陰性になる 結果が陰性であっても実際は陽性の人が安心して旅行に行ったり、 会食に参加することで周囲の人に感染させるリスクがある – 陰性証明はできない 今日陰性であっても、明日検査をすれば陽性になることもある 100%正確な検査は存在しない! 検査結果だけで感染対策を中止することは危険である 身体所見を含め、疑いがあれば感染対策を継続して再検査を検討する
#12.
検体採取部位 • 咽頭ぬぐい液よりも“鼻咽頭ぬぐい液”のほう がウイルス量が多い – 換気の良い場所でエアロゾル対策を十分に行う N Engl J Med 2020;382;1177-9. PMID:32074444 • 唾液検体は感染リスクを下げるが、精度は 鼻咽頭ぬぐい液に劣る J Clin Microbiol. 2020 Apr 21.;PMID:32317257 気管支肺胞洗浄液(BAL)が最も優れるが、感染防止の観点で推奨できない 同様の理由で喀痰の誘発も行わない
#13.
根強いPCR推奨論 • 感染者が一部コミュニティに限定的であれば 早期発見、隔離に有効 • 現在は世界的に蔓延しており、無症状者に PCR検査をする意義は乏しい – PCR検査に必要な経済的、物的、人的リソースの確保は 困難である – 重症者、死亡者を減らすため、早期治療開始に繋がる検 査を最優先にすべきである 検査は方法であって目的ではない! 検査に依存した感染対策は危険!
#14.
抗原検査キット・抗体検査キット • 抗原検査キット – 迅速に結果が判明するが、精度は低い – 陽性の結果は信頼できるが、陰性でも疑いがあ ればPCRによる再検査が必要 • 抗体検査キット – もともと存在しているコロナウイルスとの交差反 応の可能性がある – 疫学調査以外に実施する意義は無い
#15.
手指衛生 • 石鹸による手洗い、アルコール手指消毒のど ちらも有効である – きれいな手を維持すること – すぐに手を洗えない状況にある時、鼻や眼、口に 触れないように注意する
#16.
ユニバーサルマスキング • 咳エチケット – 咳、鼻汁等の呼吸器症状がある者がマスクを着 用し、周囲への飛散を防止する ↓ 業務中は常にマスクを着用する COVID-19は症状出現2-3日前に出現し 発症前後がピークである 感染伝播の44%は発症前に起こっている Nature Medicine volume 26, pages672–675(2020) 発症前から他者へ感染させるため 常にマスクを着用することで感染拡大を防ぐ
#17.
ユニバーサルマスキング • COVID-19陽性者がマスクを着用することで感染拡大を防止 できる – アメリカミズーリ州のヘアサロンでマスクを着用したCOVID-19陽性の 美容師2名が1週間にわたり139人のカットをしたが、感染者はいな かった(客も全員マスクを着用していた) MMWR. 2020 Jul 17;69(28);930-932. doi: 10.15585 CDCは布マスクの使用を呼び掛けているが、これは医療用マスクを一般 市民が使用せず、医療機関に行き渡るようにする意図が含まれている
#18.
マスクだけでは完全に感染 を防ぐ効果は無いが、リスク を低下させることはできる
#19.
眼の防護 • 新型コロナウイルスは眼や鼻の粘膜からも 細胞内に侵入する ※インフルエンザ等の呼吸器系の感染症も同様である – マスクにゴーグル、アイシールドなどの防護具を 追加することが必要である 2020年1月27日~3月13日に中国随州市の随州曾都医院に おいて行われたコホート研究 COVID-19患者276人中、近視で8時間以上眼鏡をかけている 人の割合は5.8%(95%信頼区間3.04-8.55%)であった JAMA Ophthalmol. Published online September 16, 2020. doi:10.1001/jamaophthalmol.2020.3906 消毒のしやすさやカバーできる面積などを考慮して 医療現場では眼鏡よりもゴーグル、アイシールドを選択
#20.
ゾーニング • 清潔区域と汚染区域を明確にする – 個人防護具を着用する場所と不要な場所を明確 にする – 清潔と不潔が交差する場所を作らない
#21.
環境、器材の消毒 • 環境中にウイルスが生存している – – – – – エアロゾル内(空気中):3時間 プラスチック上:72-96時間以内 ステンレス上:48-72時間以内 紙・ティッシュペーパー:3時間以内 サージカルマスク上:14日以内 N Engl J Med 2020; 382:1564-1567.DOI: 10.1056/NEJMc2004973 Lancet Microbe 2020; published online April 2.https://doi.org/10.1016/S2666-5247(20)30003-3. 消毒用エタノール、0.02%以上の次亜塩素酸ナトリウムで消毒が有効 ・消毒する時は手袋を着用して、消毒後に手指衛生を必ずおこなう ・体温計、血圧計などの器材は専用のものを準備する
#22.
フィジカルディスタンス • 密接を避けるため、普段の生活で身体的距 離の確保を意識する
#23.
体調不良時 • 発熱、咳、鼻汁などの症状がある時は必ず休む – 家庭内でもマスクを着用し、できる限り家族との接触を避 ける – タオルなどの共有は避ける – 触れた箇所はその都度消毒する
#24.
Take Home Message • • • • PCR検査結果の解釈には注意が必要 感染対策の基本は標準予防策 マスクは常時着用し、眼もしっかり防護する 病院外でも3密を避ける生活を維持する 組織全体で感染対策に取り組むことが大切! 引き続き感染対策にご協力お願いします!