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人工呼吸器について Part 2:トラブルシューティング編

投稿者プロフィール
えびけん

医療法人社団三喜会横浜新緑総合病院

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投稿した先生からのメッセージ

大雑把ではありますが、人工呼吸器のトラブルシューティングについて、症例ベースでまとめたスライドです。

概要

 当院内で実施した看護師向けの人工呼吸器に関するレクチャーの第二部です。トラブルシューティングについて大まかにレクチャーしています。

本スライドの対象者

研修医/専攻医

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テキスト全文

  • #1.

    【救急症例検討会】症例で学ぶ人工呼吸器管理Part 2 トラブルシューティングを中心に

  • #2.

    はじめに:Part 1のおさらい 其の壱 人工呼吸器管理中の患者さんの肺を損傷させない為には, 過剰な一回換気量は避ける 理想体重 x 6[mL/kg]程度が指標です (注)実測体重ではありません 過剰な気道内圧は避ける PEEPが高すぎると静脈還流が低下して低血圧になります プラトー圧の指標は30 cmH2O以下です 過剰な酸素化(≒FiO2設定)は避ける 低酸素だけでなく,酸素毒性にも注意! ことが必要です。 高CO2血症が問題になる場合,「患者の呼気時間を確保  出来ているのか」に注意しながら呼吸回数を増やします。

  • #3.

    Part 1のおさらい 其の仁PaO2/FiO2比は呼吸不全の重症度評価に必要な指標です ベルリン定義:ARDSの診断基準・重症度分類

  • #4.

    挿管・人工呼吸器管理中のトラブル − まず“DOPE”を意識しよう − Displacement of the tube from trachea: 気管チューブ位置の異常 e.g., 食道挿管, 事故抜管, 位置が浅 or 深すぎる, カフが虚脱 Obstruction of the tube: 気管チューブの閉塞 e.g., 気管チューブ屈曲, 分泌物による閉塞 Pneumothorax: 気胸 急な血圧低下, バッグ換気で硬い, 気道内圧上昇, 呼吸音の左右差 etc.で疑う Equipment failure: 機器の問題(異常) e.g., 電源 or 酸素の途絶, 呼吸器の故障, 回路の異常, 呼吸器と患者の不同調 etc. 『救急診療指針 改訂第5版』(日本救急医学会) 『病態で考える人工呼吸器管理』(田中竜馬) より

  • #5.

    症例提示① ※一部fakeあり 【症例】70歳代男性 ※身長:165 cm 【経過】某年1月X-13日にCOVID-19と診断された。X日に救急搬送され,心原性 脳塞栓症(左中大脳動脈閉塞による)と診断。機械的血栓回収術を実施したが 再開通に難渋した。術中の誤嚥と意識障害のため気管挿管し,人工呼吸器管理を 開始した。COVID-19抗原陽性だったので感染重点病棟に入院し, X+3日に脳外科 病棟へ転棟した。 【転棟後の所見】HR 120, BP 142/87 mmHg, RR 42/min., SpO2 96%  人工呼吸器設定:SIMV(PC)+PSモード, 呼吸回数 12/min., PC 10 cmH2O, PS 8 cmH2O, PEEP 6 cmH2O, FiO2 0.25  頭部CT:左中大脳動脈領域で広範囲に皮髄境界不明瞭化を認める。 『呼吸回数(上限は30に設定)』に関するアラームが頻回に鳴っている。 Q1. まず何を確認しますか?

  • #6.

    その時の所見  【 その他の身体所見】 JCS III-100/GCS E1VTM3(閉眼, 挿管中, 左上肢で除皮質硬直); 右片麻痺あり; 瞳孔径 2.5 mm/2.5 mm; 対光反射両側正常; 左共同偏視あり  胸部:両側でrhonchiを聴取; X線:両側肺野の透過性低下あり, チューブ位置問題なし  気道内ピーク圧:20 cmH2O, 一回換気量:600 mL程度, 分時換気量:25 L/min.程度 【同日朝時点の血液検査所見】 P/F比:75/0.25=300 Anion Gap: 136-106-17=13

  • #7.

    やってみたこと 人工呼吸器設定の変更 PCモードへ変更 FiO2, PEEPはそのまま PCは7 cmH2Oに, 呼吸回数は15/min.に変更 ※一回換気量が「理想体重 x 6 mL/kg(=369 mL)」となるようにした。 代謝性アシドーシスの補正 炭酸水素ナトリウム(『メイロン』 ®︎ )をIV 暫く経過観察していたが,同様のトラブルを繰り返した。 →痙攣重積を疑い,レベチラセタム(『イーケプラ ®︎ 』)点滴投与 →除皮質硬直や共同偏視, 頻呼吸, 頻脈は消失し,アラームも鳴らなくなった。 その後,①イーケプラ点滴継続→②元々処方されていたゾニサミド内服 の増量により痙攣再発はなく経過した。

  • #8.

    症例提示②  ※一部fakeあり 【症例】50歳代女性 ※身長:157 cm 【経過】某年X月Y-4日に他院からJCS 300(GCS E1V1M1)の意識障害を伴う右脳出血のため転院搬送 され,同日神経内視鏡下血腫除去術を施行。術後人工呼吸器管理となっていたが,自発呼吸が出現 していたため,Y-1日午後に人工呼吸器を離脱してTピース(FiO2 0.35; 流量6L)に変更していた。 Y日朝にSpO2 87%へ低下あり,酸素を流量10L; FiO2 0.5に増量したが90~91%と改善に乏しい。 【バイタル】HR 100, BP 125/101, RR 30/min., SpO2 91%, JCS 200/GCS E1VTM4 状態急変と判断しDr callした。 Q1. Dr到着までに何を疑い, 何を確認しますか? Q2. Dr到着までに準備した方が良い物は何でしょうか?

  • #9.

    その時の所見 【その他の身体所見】瞳孔径:3.5 mm/2.5 mm, 対光反射は両側とも緩慢, ICP -4 cmH2O, 共同偏視なし, 痙攣は認めず。  頸部:頸静脈怒張なし, 気管は正中, 皮下気腫なし  気管チューブ吸引にて黄白色粘稠痰が引ける。カフ圧は20 cmH2Oで,口腔内からの リーク音もない。  胸部:聴診にて両側ronchiあり・左右差なし, 下肺野で肺胞音低下あり。皮下気腫なし 約1時間前の採血 P/F比:65/0.35≒186

  • #10.

    やってみたこと 人工呼吸器装着(教科書的にはまずバッグ換気だけど…) PCモードのFiO2 0.5, PC 8, 呼吸回数 12, PEEP 5に設定。 ※一回換気量が「理想体重 x 6 mL/kg(=298 mL)」となるように設定した。 SpO2は徐々に改善。 胸部所見や, 呼吸数・血圧等のバイタルも装着前と比較して著変なし。 気道内圧上昇等の異常も認めず。 胸部X線を撮影 前日撮影分と比較して両側下肺野透過性低下あり。 縦隔偏位や肺野透過性亢進(気胸を疑う)はなし。 原因検索のため,気管支鏡検査を実施。 ドルミカムによる鎮静・フェンタニルによる鎮痛を行い,筋弛緩薬(エスラックス)  も投与した上で実施。 両側の主気管支〜末梢側にかけて,粘稠な痰を多量に認めた。 気管支鏡で吸引しなんとか除去。→その後、呼吸状態は安定。

  • #11.

    当院で採用している使い捨て式気管支鏡’Ambu aScopeTM4 Broncho’

  • #12.

    その後の経過 Y+2日:自発呼吸が安定していたのでPS/CPAPモード(FiO2 0.5, PEEP 5, PS 5)に。 Y+3日 呼吸器設定は同上でSpO2 97%, PaO2 125 mmHg; P/F比:250 FiO2を下げるとすぐにSpO2 90~91%に下がる。 Y+4日 PS/CPAPモード, FiO2 0.4, PEEP 5, PS 0でPaO2 69 mmHg(P/F比:172.5) 胸部X線:両側下肺野透過性低下が進行。 気管支鏡再検:両側気管支から白色粘稠痰が多量に引けた。 →ARDSと診断。 血ガス結果判明時点でPCモードに変更。FiO2 0.65, PEEP 7, PC 8,  吸気時間 0.7秒, 呼吸回数 15 ステロイド(『ソルメドロール ®︎ 』: メチルプレドニゾロン)1mg/kg/day  投与開始。 体位ドレナージ等で肺理学療法を強化(伏臥位は無理ンゴ…)

  • #13.

    Take Home Message 1 挿管・人工呼吸器管理中の患者のトラブルは“DOPE”  だけじゃない! まず患者状態を評価しよう 危険な状態ではないですか? 気道・呼吸の問題ですか? 人工呼吸器・回路の問題ですか? それ以外の問題ですか? ※ 系統立ったアプローチが必要です 原因をみんな(≒看護師, 医師, ME etc.)で考えてみよう

  • #14.

    症例③ ※一部fakeあり 【症例】80歳代女性 【経過】某年1月Y-6日に脳梗塞(右MCA閉塞)に対して機械的血栓回収術を実施され完全再開通したが, Y-5日にSAH, 水頭症と診断され,全身麻酔下で脳室ドレナージ術を実施。術後は挿管したまま帰室して 人工呼吸器管理を継続。その後意識レベルは改善し,Y日朝の時点でJCS I-3/GCS E4VTM6(開眼, 挿管中, 従命可能)となっていた。 【身体所見】HR 90, BP 135/88 mmHg, RR 20 /min., SpO2 98%  (Tピース, 酸素流量 3L; FiO2 0.32)  意識レベル:同上; 瞳孔径 4 mm/4 mm; 左片麻痺あり  気管内から少量の黄色痰が引ける  胸部:両側下肺野でcoarse crackle聴取, 四肢浮腫あり  尿量:1,130 mL/24時間; バランス:+320 mL/24時間 Y日午前中に吸引抜管を施行したが,暫くして喘鳴が 出現し, 聴診にて気道狭窄音を聴取。再挿管された。 Q3. 考え得る原因は何ですか? P/F比: 95/0.32≒297 Anion Gap: 14

  • #15.

    まず,人工呼吸離脱の話から① 第一段階:『自発覚醒トライアル』(SAT: spontaneous awakening trial) 鎮静薬を中止して覚醒するか評価する試験です。 鎮静薬中止後,30分〜4時間経過観察を行います。 気管チューブによる疼痛が懸念される場合,鎮痛薬投与は継続を考慮します。 『人工呼吸器離脱に関する3学会合同プロトコル』(日本集中治療医学会,  日本呼吸療法医学会, 日本クリティカルケア看護学会) ≒鎮静薬が切れない状態, CとDの 異常あり ≒B, C, Dが安定かつ 疼痛コントロール良好

  • #16.

    まず,人工呼吸器離脱の話から② 第二段階:『自発呼吸トライアル』(SBT: spontaneous breathing trial) 人工呼吸器が無い状態に患者が耐えられるのか確認する試験です。 CPAPモード 或いは Tピース接続で30分〜2時間経過観察を行います。 成功基準を満たせば抜管を考慮します。 『人工呼吸器離脱に関する3学会合同プロトコル』 =B, Cが安定

  • #17.

    ⚠︎注意 「人工呼吸器離脱可能」≠「抜管可能」 仮に自発呼吸が安定したとしても, 気道が安全とは限りません。

  • #18.

    抜管前に − 本当に大丈夫か評価しよう− 『人工呼吸器離脱に関する3学会合同プロトコル』

  • #19.

    カフリークテストの手順 注:文献によって記述に差があります 1. まず,口腔や気管内を十分に吸引します 2. 呼吸器モードをA/Cにします 3. そのまま呼気吸気の一回換気量(Vt1)を測定します(=カフは入ったまま) 4. 気管チューブカフを抜きます 5. 呼吸が安定した段階で,連続6回の呼吸サイクルの呼気一回換気量を測定し, 6. 5で計測した6つ数値のうち,低い方の3つの測定値の平均値(Vt2)を求める Vt1-Vt2≦110 mL {(Vt1-Vt2)/Vt1}x100≦10% の場合は陽性:つまり抜管後に上気道が狭窄するリスクあり。 『人工呼吸器離脱に関する3学会合同プロトコル』

  • #20.

    気道狭窄リスクの高い患者の抜管前に 数日前くらいから準備すること ファイバースコープ等による喉頭周囲の観察 浮腫(+)なら利尿薬投与 理学療法:排痰促進のため 呼吸器リハ 頭部挙上 前日に準備すること ステロイド投与:12時間前からメチルプレドニゾロン 20 mgを4時間ごと 前日〜当日の間に準備すること 再挿管の準備:当然ながら,輪状甲状靱帯切開キット等も準備 抜管時にチューブエクスチェンジャーを使用 麻酔科医に相談/連絡 NIVの準備 『人工呼吸器離脱に関する3学会合同プロトコル』 『ICU/CCUの薬の考え方, 使い方 ver.2』大野博司 著, 中外医学社 より

  • #21.

    Take Home Message 2 ←初心者向けの良本です。  今回の講義でカバーし切れなかった トラブルシューティング等が詳細かつ 明快に書いてあります。  いきなりガイドラインとか読むより, まずこっちを読んでみましょう。

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