テキスト全文
離床の定義と流れについての解説
#2. スライド画像)広島大学病院 演者作成 離床とは…? 手術や,疾病の罹患によって起こる臥床状態から
座位・立位・歩行を行い,
日常生活動作の自立へ導く一連のコンセプト ★患者さんを回復させるコンセプト全体を示す言葉
★離床は「させる」ものではなく,患者さんが「する」もの 内容参照)日本離床学会 実践!離床完全マニュアル2(学会長より特別に許可)
#3. 離床の流れ 画像引用)日本離床学会 実践!離床完全マニュアル2(学会長より特別に許可)
離床が必須の治療である理由と影響
#4. 離床はおすすめではなく、必須の治療 画像引用)日本離床学会 実践!離床完全マニュアル2(学会長より特別に許可) 浅鎮静が可能な鎮静薬の出現
浅鎮静での早期離床の証明
▶早期離床の実践による
エビデンスの蓄積
#5. スライド画像)広島大学病院 演者作成 寝たきりが体に与える影響 画像引用)日本離床学会 実践!離床完全マニュアル2(学会長より特別に許可) 両者の共通点
重力に対抗して活動していない
2,3日であっても影響は甚大
▼
この影響による変調を
デコンディショニング
と呼ぶ
寝たきりが呼吸器に与える影響の詳細
#6. 寝たきりが与える呼吸器への影響
座位と臥位の比較 画像引用)日本離床学会 実践!離床完全マニュアル2(学会長より特別に許可) ●横隔膜は呼吸の筋活動の
7割を担う器官
▶座位の場合は重力の影響で
腹部臓器は下へ
横隔膜を圧迫しない 座位の場合
#7. 画像引用)日本離床学会 実践!離床完全マニュアル2(学会長より特別に許可) 寝たきりが与える呼吸器への影響
座位と臥位の比較 臥位の場合 ●横隔膜は呼吸の筋活動の
7割を担う器官
▶臥位の場合は腹部臓器の
圧迫を受ける
横隔膜の活動が不十分に
#8. 画像引用)日本離床学会 実践!離床完全マニュアル2(学会長より特別に許可) 無気肺はなぜ肺炎の原因に?
無気肺が肺炎を引き起こす機序は未解明なことも多い… ・生理学的な推論からマクロファージやサイトカインの関連が指摘
①無気肺になり換気が無くなると肺胞内が不衛生になり細菌が繁殖
②マクロファージが動員
③対応しきれない時には好中球の出番
④サイトカインが炎症を引き起こし
好中球を誘導しやすい環境に
▶この炎症が肺炎
起立性低血圧のメカニズムと影響
#9. 起立性低血圧が寝たきりで発生する理由 内容引用)日本離床学会 実践!離床完全マニュアル2(学会長より特別に許可) 座位・立位から臥位になると、体内血液の約2Lが下肢から
上半身に移動
▶中心静脈・頚動脈・大動脈弓の圧受容体は体液過剰と
判断し利尿を促進
▶実際は体液過剰ではないため、利尿の促進に伴う脱水傾向に
#10. 起立性低血圧が寝たきりで発生する理由 内容・画像引用)日本離床学会 実践!離床完全マニュアル2(学会長より特別に許可) 血圧を保つ反射も寝たきりで衰える
▶めまいや失神の原因に
エコノミークラス症候群のリスクと対策
#11. 寝たきりでエコノミークラス症候群? 内容・画像引用)日本離床学会 実践!離床完全マニュアル2(学会長より特別に許可) エコノミークラス症候群
▶深部静脈血栓症(DVT: Deep Vein Thrombosis)
●下肢の血流がうっ滞し,血が固まって血管を塞いでしまう
●どれだけじっとしているかより、その時間の長さが関連
●長いこと動かないでいる入院環境がDVTを作る一因
#12. 寝たきりでエコノミークラス症候群? 内容・画像引用)日本離床学会 実践!離床完全マニュアル2(学会長より特別に許可) エコノミークラス症候群
▶深部静脈血栓症(DVT: Deep Vein Thrombosis)
●下肢の血流がうっ滞し,血が固まって血管を塞いでしまう
●どれだけじっとしているかより、その時間の長さが関連
●長いこと動かないでいる入院環境がDVTを作る一因
寝たきりによる筋力低下の原因と影響
#13. 寝ていれば誰でもDVTになる? 内容・画像引用)日本離床学会 実践!離床完全マニュアル2(学会長より特別に許可) 入院中の寝たきり患者さんにDVTができやすい理由5つ
①下肢筋力の低下
②高齢
③血管内皮機能の低下
④循環血液量の低下
⑤タニケットの使用
#14. どうして寝たきりになると筋力が落ちる? 内容・画像引用)日本離床学会 実践!離床完全マニュアル2(学会長より特別に許可) ①タンパク質から筋肉を作ることができない
②筋肉の使い方を忘れてしまう
③筋肉を増やす細胞が生まれなくなる
#15. 高齢者は注意!
寝たきりと筋力低下のエビデンス 内容・画像引用)日本離床学会 実践!離床完全マニュアル2(学会長より特別に許可) ●60歳以上の高齢者が10日間ベッド上で過ごすと
下肢の筋力は10%以上低下
●最大酸素摂取量も12%減少
●高齢者は回復が難しいため
筋力低下予防が重要
ICU-AWの特徴と予防策について
#16. 重症患者に特有の筋力低下ICU-AWとは? 内容・画像引用)日本離床学会 実践!離床完全マニュアル2(学会長より特別に許可) ICU-Acquired Weakness(ICU-AW)
▶重症疾患に合併する神経筋障害
・短期間の臥床で四肢不全麻痺のような状態になる可能性が高い
・左右の筋力の急激な低下と筋緊張の低下が特徴
・回復に時間がかかり、1年以内の死亡リスクが増加
#17. スライド画像)広島大学病院 演者作成 ICU-AW発症のメカニズムは? ●神経繊維への圧迫やイオンチャンネルの障害など諸説あり
●短期間でのタンパク質合成機能の低下が主要因とされる
●ICU-AWは長期の臥床状態で高頻度に発症 早期離床と鎮静剤の過剰投与を避けるのが予防の鍵! 内容参照)日本離床学会 実践!離床完全マニュアル2(学会長より特別に許可)
寝たきりと認知機能・血糖コントロールの関連
#18. 寝たきりと認知機能低下の関連 内容・画像引用)日本離床学会 実践!離床完全マニュアル2(学会長より特別に許可) 認知機能が低下し始めるのは3週間以上の長期臥床からと言われるが…
ワーキングメモリと臥床をテーマにした研究
▶10日余りでワーキングメモリーに関連した能力は低下
臥床していると脳の神経細胞が減る可能性あり
#19. 寝たきりで血糖コントロールが悪くなる? 内容・画像引用)日本離床学会 実践!離床完全マニュアル2(学会長より特別に許可) 一週間の臥床でインスリン抵抗性増大
インスリンコントロール不良の原因
▶タンパク質を接種しても筋肉にできない(サルコペニア)
#20. 寝たきりで傷や褥瘡も治りにくくなる? 内容・画像引用)日本離床学会 実践!離床完全マニュアル2(学会長より特別に許可) 3週間以上の長期臥床では
亜鉛と銅の尿・便への排出量↑
褥瘡でもしっかり保護しつつ
早期離床を促す!
リハビリ・離床に関する学びのリソース
#21. リハビリ・離床についてより学びたい方へ…!
日本離床学会のHPで書籍・セミナー情報をチェック! 内容・画像引用)日本離床学会 実践!離床完全マニュアル2(学会長より特別に許可)