#4.
1. カーボカウントってなんですか? カーボカウントとは、食事に含まれる糖質量を把握す ることで、食後の血糖管理を行う治療法です。 食事の中で食後の血糖値に最も影響を与えるのは炭水 化物です。炭水化物=食物繊維+糖質ですが、食物繊 維は基本的に消化吸収されないので、実際に血糖値に 直接反映されるのは糖質の量です。 血糖値 糖質 タンパク質 脂質
#5.
1. カーボカウントってなんですか? カーボカウントには2種類あります。 ① 基礎カーボカウント…1食あたりで摂取する糖質の量 を一定にすることで、食事に必要なインスリン量を固定 する。 糖質 60g 米飯150g 6枚切り食パン2枚 うどん1.5玉
#6.
1. カーボカウントってなんですか? カーボカウントには2種類あります。 ② 応用カーボカウント…1食あたりの糖質摂取量は固定 せず、その時食べる食事中の糖質量を計算し、投与イン スリン量を決定する。 副菜 ≒糖質5g 米飯150g ≒糖質60g 焼き魚 ≒糖質0g 味噌汁 ≒糖質5g 合計70g
#7.
1. カーボカウントってなんですか? カーボカウントには2種類あります。 基礎カーボカウントは、1型糖尿病だけでなく、固定 のインスリン注射や内服治療を受けている2型糖尿病、 妊娠糖尿病など、幅広い症例が対象になる。 応用カーボカウントは、インスリン頻回注射法やイン スリンポンプ療法を行っている、主に1型糖尿病が対象 となる。 本スライドでは応用カーボカウントを 中心にお話しします
#8.
2. カーボカウントを始めよう 応用カーボカウントの計算式 食事を摂る際に必要なインスリン量は①と②の合計 ①食事に対するインスリン量<食事インスリン> 摂取糖質量÷カーボインスリン比(CIR) もしくは (摂取糖質量÷10)×インスリンカーボ比(ICR) ②血糖値を目標値にするためのインスリン<補正インスリン> (食前血糖値ー目標血糖値)÷インスリン効果値(ISF)
#9.
2. カーボカウントを始めよう 食事インスリン • 摂取糖質量÷カーボインスリン比 • (摂取糖質量÷10)×インスリンカーボ比 カーボインスリン比 (Carbohydrate insulin ratio: CIR) …超速効型インスリン1単位で消費できる糖質の量。 <例> ①CIR10の場合、 米飯150g(=糖質60g)に必要なインスリンの量は 60÷10=6 ⇒6単位 ②CIR12の場合 60÷12=5 ⇒5単位
#10.
2. カーボカウントを始めよう 食事インスリン • 摂取糖質量÷カーボインスリン比 • (摂取糖質量÷10)×インスリンカーボ比 カーボインスリン比(CIR)の決め方 ・300/400ルール*) 500ルール(朝昼夕のCIRす べて500÷総インスリン量 で計算)もあります。 300÷(1日当たりの総インスリン量)=朝のCIR 400÷(1日当たりの総インスリン量)=昼・夕のCIR <例> 基礎インスリン9単位 追加インスリン朝9単位、昼6単位、夕6単位の場合 300÷(9+9+6+6)=300÷30=10 ⇒朝のCIRは10 400÷30=13.33…≒13 ⇒昼・夕のCIRは13 *) A Kuroda. Diabetes Technol Ther 2012
#11.
2. カーボカウントを始めよう 食事インスリン • 摂取糖質量÷カーボインスリン比 • (摂取糖質量÷10)×インスリンカーボ比 インスリンカーボ比 (Insulin carbohydrate ratio: ICR) …糖質10g(1カーボ)に必要な超速効型インスリンの量。 <例> ①ICR1.0の場合、 米飯150g(=糖質60g)に必要なインスリンの量は (60÷10)×1.0=6 ⇒6単位 ②ICR1.5の場合、 (60÷10)×1.5=9 ⇒9単位
#12.
2. カーボカウントを始めよう 食事インスリン • 摂取糖質量÷カーボインスリン比 • (摂取糖質量÷10)×インスリンカーボ比 インスリンカーボ比(ICR)の決め方 ・50ルール (1日当たりの総インスリン量)÷50=ICR <例> 基礎インスリン9単位 追加インスリン朝9単位、昼6単位、夕6単位の場合 (9+9+6+6)÷50=30÷50=0.6 ⇒ICRは0.6
#13.
2. カーボカウントを始めよう 食事インスリン • 摂取糖質量÷カーボインスリン比 • (摂取糖質量÷10)×インスリンカーボ比 もっと簡単に カーボインスリン比(CIR):毎食10 インスリンカーボ比(ICR):毎食1.0 で始めてOKです。 300/400/50ルールはあくまで目安です。 「とりあえずCIRなら10, ICRなら1.0で始める」 が簡便で、大きな間違いは少ないです。
#14.
2. カーボカウントを始めよう 補正インスリン (食前血糖値ー目標血糖値)÷インスリン効果値 カーボカウントを行う上では、目標血糖値の設定が大事 です。カーボカウント導入当初は、低血糖を避けるため に、目標血糖値を高め(例えば150mg/dl)に設定する のが安全です。 状況に応じて目標血糖値を設定する必要があります。 <例> ・妊娠中だから厳しく管理 ・運動前だから血糖を高めにしておく ・糖尿病網膜症が不安定だから低血糖にならないこ とを最優先に、血糖を高めにする
#15.
2. カーボカウントを始めよう 補正インスリン (食前血糖値ー目標血糖値)÷インスリン効果値 インスリン効果値 (Insulin Sensitivity Factor: ISF) …1単位の超速効型インスリンで低下する血糖値のこと。 <例>ISFが50なら、超速効型インスリンを投与して から約4時間(インスリンの作用持続時間)後に血糖値 が50mg/dl低下する。 血糖値(mg/dl) 200 150 0 4 時間
#16.
2. カーボカウントを始めよう 補正インスリン (食前血糖値ー目標血糖値)÷インスリン効果値 インスリン効果値(ISF)の決め方 • 1800ルール 1800÷(1日当たりの総インスリン量)=ISF <例> 基礎インスリン12単位 追加インスリン朝10単位、昼6単位、夕8単位の場合 1800÷(12+10+6+8)=1800÷36=50 ⇒ISF 50mg/dl ※1700÷総インスリン量(1700ルール)でも良い
#17.
2. カーボカウントを始めよう 補正インスリン (食前血糖値ー目標血糖値)÷インスリン効果値 インスリン効果値(ISF)の決め方 • 実際にインスリンを投与して血糖値がどれくらい下が るか見る <例> 血糖値が300mg/dlの時に超速効型インスリン3単位 を投与し、4時間後の血糖が150mg/dl ⇒(300-150)÷3=50 ⇒ISF:50mg/dl ※注意※ ・運動や食事の影響を受けない時間帯に実施する。 ・低血糖にならない様に注意する。
#18.
2. カーボカウントを始めよう 補正インスリン (食前血糖値ー目標血糖値)÷インスリン効果値 インスリン効果値(ISF)の決め方 • もっと簡単に 普通の体格:50mg/dl やせ(脂肪が少ない=インスリン抵抗性が低い):100mg/dl 肥満(脂肪が多い=インスリン抵抗性が高い):30mg/dl 1800ルールはあくまで目安であり、インスリンを 投与してどれくらい下がるか見るのは現実的に難し い場合も多いので、「とりあえずISF50で始める」 が簡便で、大きな間違いは少ないです。
#19.
2. カーボカウントを始めよう 補正インスリン (食前血糖値ー目標血糖値)÷インスリン効果値 ・ISFの考え方を知っておけば、インスリンスライディ ングスケールを作るときにも活かせます。 インスリン1単位で血糖値 が50mg/dl下がります。 標準体型 +50mg/dl +50mg/dl +50mg/dl 食前血糖値 (mg/dl) 超速効型 インスリン 69以下 低血糖対応 70-100 3単位 101-150 4単位 151-200 5単位 201-250 6単位 251- 7単位
#20.
2. カーボカウントを始めよう 補正インスリン (食前血糖値ー目標血糖値)÷インスリン効果値 ・ISFの考え方を知っておけば、インスリンスライディ ングスケールを作るときにも活かせます。 インスリン1単位で血糖値 が100mg/dl下がります。 やせ +100mg/dl +100mg/dl +100mg/dl 食前血糖値 (mg/dl) 超速効型 インスリン 69以下 低血糖対応 70-100 3単位 101-200 4単位 201-300 5単位 301-400 6単位 401- 7単位
#21.
2. カーボカウントを始めよう まとめ ①食事インスリンの計算 摂取糖質量÷カーボインスリン比(CIR) <300/400ルール> 300÷(1日当たりの総インスリン量)=朝のCIR 400÷(1日当たりの総インスリン量)=昼・夕のCIR <500ルール> 500÷(1日当たりの総インスリン量)=CIR <ざっくり> 10 (摂取糖質量÷10)×インスリンカーボ比(ICR) <50ルール> (1日当たりの総インスリン量)÷50=ICR <ざっくり> 1
#22.
2. カーボカウントを始めよう まとめ ②補正インスリンの計算 (食前血糖値ー目標血糖値)÷インスリン効果値(ISF) <1800ルール> 1800÷(1日当たりの総インスリン量)=ISF <ざっくり> 普通体型:50 やせ:100 肥満:30
#23.
Take Home Message 食後の血糖値に最も影響するのは摂取した糖質量である。 必要インスリン量=食事インスリン+補正インスリン インスリン1単位で血糖値がいくら下がるかを意識して インスリン量を調整しよう。 実際のインスリン投与量の調整、糖質量の計算方法 については実践編でお話しします!