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よくあるきずの質問 Part 1 きずあと

投稿者プロフィール
shun@形成外科
Award 2023 受賞者

総合病院

48,476

315

概要

今回は、【きずあとのことでよく聞かれること】【創傷治癒の基本的事項】を解説しています。理論が難しい場合は、結果だけ覚えても役立ちます。外傷を診るすべての 医学生・研修医・専攻医、キズアトや創傷治癒のことが知りたい人が対象です。これで、あなたも外傷が診たくなるはずです!

◎目次

・本スライドの対象者

・よくある質問① 傷あとは残るか

・再生と修復

・再生と修復:皮膚の場合

・表皮は再生で治癒

・傷あとは残るか:真皮や皮下脂肪の場合

・創傷治癒の過程(ざっくり)

・創傷治癒の過程 (詳しく)

・傷あとは残るか:真皮や皮下脂肪の場合 まとめ

・よくある質問② 縫合した方がいいか?

・縫合した傷と縫合しない傷の比較

・創傷治癒の分類 一次治癒と二次治癒

・縫合した方がいいか?

・実際はどうしているか?

・よくある質問③ どのくらいで傷は治るか

・真皮の浅いキズの場合

・深いキズ(真皮や皮下脂肪)の場合

・熱傷の浅達性(SDB)・深達性Ⅱ度(DDB)

・どのくらいで傷は治るか? まとめ

・Take home message

本スライドの対象者

医学生/研修医/専攻医

参考文献

  • 荒牧典子. 形成外科医に学ぶ手術手技 消化器・一般外科医が知りたいコツと工夫 Ⅰ. 形成外科の基本知識 1)創傷治癒の基礎知識.手術. 2022, vol.76, no.12.

  • 清水宏. 新しい皮膚科学 第3版. 中山書店. 2018.

  • 日本皮膚科学会ガイドライン. 創傷・褥瘡・熱傷ガイドライン6:熱傷診療ガイドライン.日皮会誌. 2017, vol.127, no.10.

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テキスト全文

  • #1.

    よくあるきずの質問 Part 1 きずあと Q1 このキズアトは残りますか? Q2 縫合した方がいいですか? Q3 どのくらいで傷は治るの? shun@形成外科

  • #2.

    本スライドの対象者 ・外傷を診るすべての 医学生・研修医・専攻医 ・キズアトや創傷治癒のことが知りたい人 ・こんにちは! shun@形成外科 です ・形成外科は、体表のキズや熱傷、難治性潰瘍を扱います ・今回は、【きずあとのことでよく聞かれること】 【創傷治癒の基本的事項】を解説しています 理論が難しい場合は、結果だけ覚えても役立ちます ・これで、あなたも外傷が診たくなるはずです! Twitter ID @shun46618111

  • #3.

    目 次 <Contents> Q1 きずあとは残りますか?~表皮までと真皮以上の傷の違い~ ・再生と修復 ・表皮のターンオーバー ・創傷治癒の過程 Q2 縫合した方がいいか? ・縫合した傷としない傷の違い ・一次治癒と二次治癒 ・縫合のメリット、デメリット ・テープ固定の注意点 Q3 どのくらいで傷は治るか ・真皮の浅いキズと真皮の深いキズの創傷治癒 ・熱傷の浅達性(SDB)と深達性(DDB)Ⅱ度のはなし

  • #4.

    よくある質問① 傷あとは残るか Q 患者さんに「このキズアトは残りますか?」と 良く聞かれます。どう答えたらいいですか? A ・キズアトに 【残る】 or 【残らない】の考え方は 傷の 深さ で決まります ・これを理解するために ① 再生と修復:キズアト=瘢痕とは何か ② 皮膚の構造 に関して紹介します

  • #5.

    再生 と 修復 創傷治癒には 再 再生 と 修復 の 2 種類があります 生 修 復 ・再生とは、組織欠損時に組織欠損前と同じ細胞 ・修復とは、組織欠損部が、元の組織ではなく コラーゲンなどの瘢痕に置き換わること が増殖し、元通りに治ること ・トカゲのしっぽは切っても、しっぽがまた生える つまり、同じ細胞で元通り=再生 ・ヒトの指は切断しても、元通りの指は生えてこない 切断した創部が閉じる(塞がる)のみ つまり、違う細胞(瘢痕)に置き換わる=修復 ・ヒトでは、表皮、胎児期の損傷、肝臓などで 再生がみられる ・ヒトの創傷治癒はほとんどが瘢痕に置き換わる 修復である

  • #6.

    再生と修復:皮膚の場合 えーと……!? それで、再生と修復とキズアトの話はどう関係あるの? 皮膚のキズアトの場合で考えてみましょう 再生=元の皮膚と同じ細胞で治る→キズアトは残らない 修復=皮膚と別の細胞で治る=瘢痕(コラーゲン)に置き換わる→キズアトは残る → つまり、キズアトとは皮膚が瘢痕組織(コラーゲン)に入れ替わったもの を見ています ふーん……. で、再生か修復のどっちで治るかはどう決まるの? 再生か修復になるかは、傷の 深さ によって決まります ・表皮まで→再生=理論上は残らない ・真皮や皮下脂肪に達する→修復=残る 次で詳しく見てみましょう

  • #7.

    表皮は再生で治癒 皮膚の構造 ・皮膚は ① 浅い表皮 と ② 深い真皮 の2層で構成されている ・表皮の基底層では、角化細胞の幹細胞がいる 角化細胞の幹細胞は、分裂して新たな角化細胞をを生み出す ・表皮の最下層の角化細胞(基底細胞層)は どんどん分裂して成熟しながら徐々に上へ押し出され 最終的に垢となって約45日で脱落します(ターンオーバー) 表 皮 基底細胞 真 皮 ・表皮は損傷を受けても、同じ細胞である角化細胞がどんどん複製される再生 にあたります。元通りになるので、表皮だけの浅い傷ではキズアトが残りません ・でも、表皮の厚さは平均約 0.2 mmで、出血する傷は真皮まで達しています ・実際は、病院を受診される場合、表皮だけの浅い傷(キズアトにならない)は あまりないかもしれません 参考文献:清水宏. 新しい皮膚科学 第3版. 中山書店. 2018 角化細胞は 分裂し 垢で脱落

  • #8.

    傷あとは残るか:真皮や皮下脂肪の場合 表皮の場合は分かったわ。じゃあ、真皮や皮下脂肪まで達する創傷 の場合はどうなるの? ・今度は修復の話になります ・キズアト=瘢痕組織(コラーゲン)でしたが、もう少し深掘り していきましょう ・次は、どのように 瘢痕組織が変化していくのか 創傷治癒の過程を紹介します ・これが、分かれば、キズアト=瘢痕がより理解できます でも、難しいので始めは何となく読み流す程度でも構いません

  • #9.

    創傷治癒の過程(ざっくり) ・まずは、ざっくりと創傷治癒の過程を確認しましょう ※無理に覚えなくてもいいです ・創傷治癒の過程には ①出血 ②炎症期 ③増殖期 ④再構築期 の4つがあります ・創傷治癒=車が突っ込んできて壊れたコンビニを直すイメージで解説します ・それぞれの期間は独立ではなく重なって進行します 出血・凝固期 炎症期 増殖期 再構築期 • 出血後に血小板が止血する • まず、壊れた壁のガラスを簡易的にふさぐ • 白血球が汚染された創部を浄化 • 散らかって、汚れた店内を掃除 • 欠損部を線維芽細胞が充填し、表皮形成され傷が閉じる • ガラスや店内の棚などを交換して大枠を修理する • 応急処置で作った瘢痕組織が、再構築されて成熟瘢痕になる • 店内の色を塗ったり、商品を揃え、細かい所を整えていく 参考文献:荒牧典子. 形成外科医に学ぶ手術手技 消化器・一般外科医が知りたいコツと工夫 Ⅰ. 形成外科の基本知識 1)創傷治癒の基礎知識.手術. 2022, vol.76, no.12.

  • #10.

    創傷治癒の過程 (詳しく) ・もっと細かく知りたい人はこちらを、創傷治癒の過程を確認します ・この考え方が形成外科の土台になります 各過程をスムーズに進めていくことが大事です 炎症期 数時間~3・4日 出血・凝固期 受傷直後~数時間 • 止血するまで期間 • 出血で、血管外にで た血小板が活性化 • 血小板は凝集し止血 • PDGFなどのケミカ ルメディエーター (CM)を放出 • 血液凝固因子の連鎖 反応により、凝血塊 ができる • • 炎症は、治す前に壊れ た組織を掃除する CMにより炎症反応が生 じ、血管の拡張・透過 性亢進により、炎症細 胞が創部に出ていく • 白血球が創部を浄化 • 白血球とは好中球・単球・ マクロファージ、リンパ球 などのこと 血小板由来増殖因子(PDGF) 増殖期 傷が閉じるまで • 欠損部の組織を修復 • 血管新生:血流が必要 • 線維芽細胞の増殖: 再構築期 数週~年 • 過剰な修復を、再構築し、 安定した瘢痕組織へ変化 • 応急処置で欠損を充填し たが、実は細胞が過剰で 無秩序な状態 • 時間をかけて細胞は変化 していく 肉芽組織を作る中心的な役割 筋線維芽細胞は創を収縮させる • • 表皮形成 肉芽の表層で、表皮細胞が コラーゲンは3型→1型へ 増殖・遊走し、上皮化が進行 また、架橋して強度が増す 傷が閉じる ケミカルメディエーター(CM) 参考文献:荒牧典子. 形成外科医に学ぶ手術手技 消化器・一般外科医が知りたいコツと工夫 Ⅰ. 形成外科の基本知識 1)創傷治癒の基礎知識.手術. 2022, vol.76, no.12.

  • #11.

    傷あとは残るか:真皮や皮下脂肪の場合 まとめ つまり、真皮や皮下脂肪に達する創傷は……最終的に瘢痕組織で治るのね 瘢痕(コラーゲン) 組織欠損部 皮膚 表皮 真皮 創傷治癒 (修復) 瘢痕 この後、瘢痕 の上を表皮が 覆います 皮下脂肪 ・とりあえず理解して欲しい事。創傷治癒の過程で真皮や皮下脂肪などの多くの組織では 組織欠損部が治癒する時に肉芽=瘢痕=コラーゲンで修復されます ・言い換えると、深いキズでは、皮膚が損傷して治る時は瘢痕という違う組織に置き換わる つまり、もとの皮膚ではなく瘢痕=キズアトになるということです ・「キズアトは残るか?」ときかれたら、 「真皮に達していれば(出血あり)キズアトは残る」と答えます ※ただ、キズアトが目立つかどうかは、別の話でキズの状態によります

  • #12.

    よくある質問② 縫合した方がいいか? Q「縫合した方がいいか?」って患者さんに良く聞かれます どう答えたらいいですか? 縫合の目的 ・きずあとをキレイにする(元の位置へ戻す) ・止血 ・重要なものを覆う(腱・神経・血管などが露出) A ・私は縫合した方がキズがきれいになる場合は縫合をすすめます ・顔面などの露出部では、なるべくキレイにしたいですよね ・傷ができた時点で、キズアトになることは防げませんが キズアトを目立ちにくくすることはできます ・では、縫合した傷としない傷の違いをみていきましょう

  • #13.

    縫合した傷と縫合しない傷の比較 縫合した創傷と縫合しない創傷の違いを確認しましょう 縫合しない創 縫合した傷 整容面 瘢痕が細くて目立たない 治癒の期間 短期間で治る(1~2週で抜糸) 多い 滲出液 少ない 多い(縫合した傷と比べると) 痛み 少ない 大変(滲出液多い・痛み強い・長期間) 処置 楽(滲出液少量・痛み少ない・短期間) 瘢痕が太くて目立つ 長期間かかる

  • #14.

    創傷治癒の分類 一次治癒と二次治癒 ・縫合した傷を1次治癒、縫合しない傷を2次治癒、汚い傷を開放創とした後に きれいになってから縫合した傷のことを3次治癒(遷延一次治癒)といいます ・瘢痕が少なく、炎症期間が短い方が、後で問題となることが少ないです 2次治癒=縫合しない創 ・肉芽組織が欠損部に充填され、筋線維芽細胞の 働きで収縮しながら、周囲から上皮化して治癒 ・欠損部があるため、瘢痕の量が多い ・治癒まで時間がかかる(炎症期間も長い) ・治癒後も瘢痕(整容面)や拘縮が問題となる。 ・上皮がないため滲出液がでる 1次治癒=縫合した傷 ・傷が密着しているため、最小限の肉芽(瘢痕)で治癒 ・炎症も軽度、短期間で治る ※数日以内に、出血~炎症期→増殖期に移行 ※表皮や粘膜などの上皮は接していれば48h以内に 癒合するといわれる

  • #15.

    縫合した方がいいか? さっきのみると縫合した方がいい感じだけど、デメリットはあるの? メリット ・縫合した方がキレイな傷痕になる ・処置が楽 ・早く治る デメリット ・痛み(局所麻酔や縫合の痛み) ・押さえつける(子供) ・費用が高くなる ・通院が必要(抜糸時など) なら、デメリットの痛みがなくて、縫合と同じことできないの? ・テープで縫合の代わりに寄せながら固定という選択肢もあります ※ステリストリップという名前のテープを使用することが多くステリ固定ともいいます ・テープのメリットは痛くない。デメリットは緩む可能性(不確実性)があります 例:子供がとってしまう / 眉毛・眼瞼・口唇などテープの糊白をとれない部位 出血・汗・唾液などで塗れる部位 / 良く動いてしまい剥がれる部位 ・テープも緩まなければ縫合と同等にキレイになります! ※ただし、テープ固定後に、翌日受診すると緩んでいることもあります ・縫合、テープ、軟膏治療(創傷被覆材)の特徴を踏まえて選択しましょう!

  • #16.

    実際はどうしているか? 私の場合はこんな感じで選択しています ※ただし、縫合が必要な場合は説得をしています 私は確実にキレイになる 方法がいいわ! 痛いのは絶対嫌! でも、目立つのもやだ ワシは年だし見た目なんか どうなってもいいんじゃ! ・確実な縫合を選択 ※局所麻酔だけ我慢すれば、あとは 痛くないと説得することが多い ・緩む場合(不確実性)もあると説明して テープ(ステリ)固定を選択 ・無理に縫合しないこともあり

  • #17.

    よくある質問③ Q どのくらいで傷は治るか 患者さんに「どのくらいで傷は治りますか?」と 良く聞かれます。どう答えたらいいですか? A ・キズアトの治癒する期間は傷の深さと、 大きさによって変わります。 ・傷が治るとは、表皮のみの場合は再生。真皮や皮下脂肪は修復でしたね ・真皮以上の深さの傷が治るには 2つが必要です 表皮層の形成 + 瘢痕治癒の 瘢痕治癒はさっき聞いたけど、無くなった表皮はどこから来るの? 表皮細胞の主な供給源は ①創辺縁の残存している表皮 ②毛包 ※上皮幹細胞(毛隆起領域にいる)から表皮細胞へ分化する ※他の皮膚付属器からもくるようですが、理解しやすくするため省略します

  • #18.

    真皮の浅いキズの場合 ・真皮の浅い傷では、傷の底に毛包(皮膚付属器)が残っています ・上皮化は ①創辺縁の残存している表皮が外から内へ広がります ②毛包から同心円状(内から外へ)に表皮が広がります ・傷が浅ければ、真皮内の皮膚付属器からの供給も多くなり早く治ります ・一般的には、2週間以内に治る傷はあまりキズアトが残らないと考えられています 真皮の浅いキズ 横から見た図 皮膚の図 真皮の浅いキズ 上から見た図 ※上皮化は①創辺縁と②毛包から広がる 表皮 真皮 ①創辺縁 ②毛 ① ①創辺縁 毛 ② ② 毛 ① 毛 皮下脂肪 ② ① ①

  • #19.

    深いキズ(真皮や皮下脂肪)の場合 ・真皮の深いキズ(以上)の場合、傷の底に毛包(皮膚付属器)が残っていません ・まずは、欠損した部分を瘢痕(肉芽)が埋めていきます ・次に、上皮化は ①創辺縁から外から内へ表皮が広がっていくのみです ・肉芽形成は、欠損が深い、または大きいほど長期間かかります ・毛包からの上皮化がないため、上皮化も欠損が大きいほど時間がかかります ・一般的に2週間以上かかって治る傷は、キズアトが目立って残ります 皮膚の図 深いキズ 表皮 真皮 皮下脂肪 欠損部が瘢痕で充填 ① 真皮の深いキズ 上から見た図 ① ① 瘢痕 ① ① ①

  • #20.

    熱傷の浅達性(SDB)・深達性Ⅱ度(DDB) 熱傷の深度の話でも似た話がでてくるよね? 熱傷の深さによる分類 EB:Epidermal burn SDB:Superficial dermal burn DDB:Deep dermal burn DB:Deep burn Ⅰ度 (EB) 浅達性Ⅱ度 (SDB) 深達性Ⅱ度 (DDB) Ⅲ度 (DB) 損傷の深さ 表皮 浅い真皮 深い真皮 皮下脂肪 キズアト 残らない 肥厚性瘢痕を残さない 治癒期間 数日 1~2週 上皮化 毛包からあり 治療 保存 熱傷の深さ EB SDB DDB DB 表皮 肥厚性瘢痕・ケロイド・拘縮になりやすい 3~4週 1~3か月以上 真皮 毛包からなし ※厳密にいうとありますが簡略化しています 手術が多い 皮下脂肪 ・熱傷でも、毛包からの上皮化があるSDBまでと、無いDDB・DBは分けて考えます ・ポイントは深達性Ⅱ度から、治療期間が長くなり、キズアトも拘縮や肥厚性瘢痕が 問題となるため 手術を検討します ・熱傷も基本的には、外傷の創傷治癒と同じ考え方です 参考文献:日本皮膚科学会ガイドライン. 創傷・褥瘡・熱傷ガイドライン6:熱傷診療ガイドライン.日皮会誌. 2017, vol.127, no.10.

  • #21.

    どのくらいで傷は治るか? まとめ それで結局、どのくらいで傷は治るの? ・傷が治る期間は、傷の深さ・大きさの他にも創傷治癒がスムーズに進むか (血流、壊死組織、感染など)にも影響されるため一概には言えません ・目安は、浅いキズ(浅い真皮まで)は2週間以内に治り、キズアトも目立ちにくい 深いキズ(深い真皮以上)は3週間以上と治療期間が長くなる ・私は「浅いキズは2週間以内、深いキズは1か月以上かかることもあるよ」 「500円玉の大きさで1か月以上かかるよ」 などと説明しています ・外傷のキズとは若干違いますが、熱傷の治癒期間も参考になります 損傷(熱傷)の深さ 表皮 (Ⅰ度) 浅い真皮(浅達性Ⅱ度 ) キズアト 残らない 残りにくい 治癒期間 数日 1~2週 上皮化 毛包からあり 深い真皮 (深達性Ⅱ度) 皮下脂肪 (Ⅲ度) 残りやすい(肥厚性瘢痕・ケロイド・拘縮) 3~4週 毛包からなし 1~3か月以上

  • #22.

    Take home message • キズアトは表皮までは残らず、真皮以上で残る • 縫合の有無やテープはメリットとデメリットで判断する • 真皮の浅いキズは2週間以内、真皮の深いキズは2週間以 上治癒に時間がかかる 今回の内容は、難しい内容で、一回で理解できなくても当然です 実際の症例を診ながら、知識を確認していくと徐々に内容が 理解できると思います まずは、こんなことが書いてあったなくらいの理解で十分です

  • #23.

    参考文献 ・形成外科診療ガイドライン 2021年版. ・田嶋定夫. 形成外科手術手技シリーズ 顔面骨骨折の治療. 形成外科医に学ぶ手術手技 消化器・一般外科医が知り • 荒牧典子. たいコツと工夫 Ⅰ. 形成外科の基本知識 1)創傷治癒の基礎知識. 改訂第2版. 克誠堂出版, 1999. 手術. 2022, vol.76, no.12. ・平野明喜. 形成外科診療プラクティス 顔面骨骨折の治療の実際. 文光堂, 2010. • 清水宏. 新しい皮膚科学 第3版. 中山書店. 2018. ・医学大辞典 第2版. 医学書院, 2009. • 日本皮膚科学会ガイドライン. 創傷・褥瘡・熱傷ガイドライン6: 熱傷診療ガイドライン.日皮会誌. 2017, vol.127, no.10.

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