医師・医学生のためのスライド共有

Antaa Slide
診療科
特集

お知らせ

ログイン
入院中の転倒予防について、ガイドライン概説とQI事例紹介 L001.png

関連テーマから出会おう。

閲覧履歴からのおすすめ

Antaa Slide
肺アスペルギルス症 IPA・CPA【治療編】

肺アスペルギルス症 IPA・CPA【治療編】

番場祐基

続けて閲覧
全ての内科医に知って欲しい内科診療の基本

全ての内科医に知って欲しい内科診療の基本

わかやま

続けて閲覧

1/39

関連するスライド

肺アスペルギルス症 IPA・CPA【治療編】

肺アスペルギルス症 IPA・CPA【治療編】

番場祐基

6891

31

入院中の転倒予防について、ガイドライン概説とQI事例紹介

投稿者プロフィール
びりー
Award 2024 受賞者

公益財団法人復光会垂水病院

1,631

3

投稿した先生からのメッセージ

入院患者の転倒予防に興味がある初学者(研修医・専攻医)

転倒予防について多職種向けの資料作成の参考に

概要

当院(精神病床のみ300床)の認知症病棟で転倒が多発改めて転倒予防について勉強し、院内スタッフ(主にNS)へ向けて作成したレクチャースライド

入院患者の転倒予防に関するガイドラインのまとめ

精神科病院での転倒予防QI論文の紹介

が主な内容です。

本スライドの対象者

医学生/研修医/専攻医

投稿された先生へ質問や勉強になったポイントをコメントしてみましょう!

0 件のコメント

コメントするにはログインしてください

関連するスライド

肺アスペルギルス症 IPA・CPA【治療編】

肺アスペルギルス症 IPA・CPA【治療編】

番場祐基

番場祐基

6,891

31

全ての内科医に知って欲しい内科診療の基本

全ての内科医に知って欲しい内科診療の基本

わかやま

わかやま

178,320

613

骨形成促進薬の使い方 2025

骨形成促進薬の使い方 2025

小澤廣記

小澤廣記

26,185

198

ジェリトーーク! 高齢者の転倒と尿失禁対策

ジェリトーーク! 高齢者の転倒と尿失禁対策

原田洸

原田洸

10,373

56


びりーさんの他の投稿スライド



テキスト全文

転倒予防に関する国際ガイドラインの概要

#1.

転倒予防について 国際ガイドラインのまとめと QI事例紹介

#2.

この資料について 作成経緯: 当院(精神病床のみ300床)の認知症病棟で転倒が多発 改めて転倒予防について勉強し、院内スタッフ(主にNS) へ向けてのレクチャーを作成した。 この資料のターゲット: 入院患者の転倒予防に興味がある初学者(研修医・専攻医) 転倒予防について多職種向けの資料作成の参考に

#3.

転倒予防のガイドライン 国際的な高齢者の転倒に関するガイドライン World guidelines for falls prevention and management for older adults: a global initiative Montero-Odasso M, et al., Age Ageing. 2023 Oct 2;52(10) 入院患者の転倒に関するガイドラインの最新のまとめ Hospital falls clinical practice guidelines: a global analysis and systematic review McKercher JP, et al., Age Ageing. 2024 Jul 2;53(7) 日本発のものはない 転倒予防学会の資料や書籍など https://www.tentouyobou.jp/aboutus/kyoikushizai.html

入院患者の転倒予防の基本的アプローチ

#4.

入院患者の転倒予防の骨子 スクリーニング? 包括的アセスメント 包括的介入 McKercher JP, et al., Age Ageing. 2024 Jul 2;53(7)

#5.

スクリーニング? FRAT scoring などが推奨されていたが、 あまり感度特異度が高くないことが判明し そもそも入院患者はリスク高いんだから スクリーニングとか時間のムダ! と最近は言われているよう。。。 McKercher JP, et al., Age Ageing. 2024 Jul 2;53(7)

#6.

包括的アセスメント包括的介入 入院時や状態が変化した際に転倒リスクを 総合的に再評価することが推奨されている ただ、ものすごく時間がかかる。 各国のガイドラインは「全例やるんだ!」 とか、「高リスクだけやろう」とか記載されており 統一見解はない。 Montero-Odasso M, et al., Age Ageing. 2023 Oct 2;52(10)

転倒リスク評価のための各種ツールと方法

#8.

膨大な項目。。。。 これ全部やるの?

#9.

それぞれざっと各論 歩容と平衡感覚 ポリファーマシー 認知症 転倒への不安 循環器病 感覚器 せん妄 排尿・痛み 抑うつ 環境調整 栄養 骨粗しょう症

#10.

歩容、平衡覚 代表的評価ツール:POMA Tinetti ME, et al., JAGS 1986; 34: 119-126. 平衡感覚 起床・離床自立性、座りの安定性、座位保持 立ち上がりの安定性、立位保持(つかまる、足を広げる) 歩容 反応速度(歩いて、と言われてすぐ歩けるか) 足が床から離れるか、反対側の足を超えるか 足の動きは左右対称か、なめらかか 体幹は動揺しているか、かかとは離れるか 筋力・平衡覚トレーニング、装具・歩行具の使用、環境調整

認知症患者における転倒リスクとその対策

#11.

ポリファーマシー 代表的評価ツール:Stop FALL Seppala LJ, et al., Age Ageing. 2021 Jun 28;50(4):1189-1199. 第一に不要な薬剤を中止  ⇒処方理由不明薬はなきよう 第二に転倒の原因となる薬剤を可能な限り減量・中止  ⇒ベンゾジアゼピン、抗精神病薬、オピオイド、   抗ヒスタミン薬、抗うつ薬、抗痙攣薬   利尿薬、α遮断薬(降圧、前立腺肥大)   血管拡張薬(降圧)、過活動性膀胱治療薬 なかなか現実的には難しいですが。。。

#12.

認知症と転倒 海外のデータ 米国地域在住の60歳以上の高齢者の1年間の転倒率30% 認知症ありだと5倍 Ganz DA et al., NEJM 2020 70歳以上の高齢者を収容する英国の精神科病院 転倒率は1000 bed-daysで9.5回(1年で1人3.5回) Oyeneyin et al., BMJ 2024 スコットランドの58床の認知症高齢者の病棟で 転倒は月18.6件、骨折相当の転倒は5.6件 McNamara CS, et al., Nurs Older People. 2023 Jan 30;35(1):18-23.

#13.

認知症と転倒 日本のデータ 日本の外来軽-中等症アルツハイマー患者の 1年間の転倒率42%、6.8%で骨折あり Horikawa E, et al., Internal Medicine Vol. 44, No. 7 (July 2005) 日本の浅香山病院20:1認知症病棟での転倒率は 1.24-3.24/1000 bed-days Higami Y, et al., Perspect Psychiatr Care. 2013 Oct;49(4):255-61 日本のデータはちゃんとしたものがあまりない ちなみに当院認知症病棟2024.4-2024.9の半年間の統計では 10.2/1000 bed-days, 骨折は0.12 /1000 bed-days

#14.

転倒への不安 代表的評価ツール:FES 不安が高い人への教育介入は転倒予防効果がある Yardley L, et al., Age Ageing, 2005, 34(6): 614-619.

循環器系リスクと転倒の関連性の評価

#15.

循環器系リスクの評価 心疾患の病歴聴取、聴診、起立性低血圧の評価、12誘導心電図 ⇒何も異常なく、失神らしい転倒既往がなければ  失神による転倒リスクは低いだろう 安静臥床5分⇒立位直後⇒1,2,3,5分の血圧測定 ➡収縮期20以上の低下や自覚症状があれば陽性 (厳密には不十分ではあるが。。。) *起立性低血圧の評価 起立性低血圧⇒薬剤の最適化、弾性ストッキング、体液量調整 心原性失神⇒不整脈への対応

#16.

めまいの評価 めまいの症状の有無を必ず聞いて、ある場合は必要に応じて 耳鼻科・神経・循環器系の評価を行うべき (ただ現実的に高齢者では原因がはっきりしないことも多い) ⇒起こる条件がはっきりしていれば、その条件に気を付ける 視力・聴力の評価 どちらも独立した転倒リスク。半側空間無視など特殊な視力 障害がないか、介入できる視力・聴力低下がないか評価すべき ⇒聞こえていない・見えていないのに生返事をしている可能性  に気づくこと、必要時装具の検討や専門医療機関への紹介

#17.

せん妄 せん妄は評価するというより、 あるものとして基本的なケアに対応が盛り込まれるべき 一般的な対応: 認知活性化、昼夜の区別をつける、早期離床 視覚・聴覚への配慮、体液量の適正化 便秘対応、食事摂取への配慮、不眠対応 家族教育

#18.

排尿と痛み どちらも大きくはないが転倒リスクを上げる因子 ⇒排尿トラブルと痛みを評価し、薬剤・ケア・環境の  最適化をする必要がある。 抑うつ 抑うつは転倒リスクを4割弱上げる因子 一方で抗うつ剤は転倒リスク薬剤である ⇒身体的精神的な能力低下を起こす転倒リスクである  ことを理解しておく

脆弱性骨折と骨粗しょう症の関係性

#19.

環境調整 ベッド柵、ベッドの高さ・配置、 手すりや床などの移動の動線、 装具や歩行具の適正使用とメンテナンス 生活環境中の様々なハザードを 本人の認知・身体能力に合わせて評価するべき

#20.

栄養 ビタミンD摂取低下、25(OH)ビタミンDの低値(20以下)で ビタミンDの摂取増加や薬剤投与が検討される。 (ただしVD投与で転倒や骨折が予防できるエビデンスはない) MNAなどの低栄養のスクリーニングを行い、低栄養at riskの 状態から介入してサルコペニアを防ぐべき *MNA 17-23.5 ptでその後のAlbや筋肉量低下、骨折のリスク

#21.

脆弱性骨折 大腿骨近位部、椎体、下腿骨、橈骨遠位端、上腕骨近位部など 通常は十分な強度がある骨が 立位からの転倒程度の弱い外力で骨折すること https://www.kohjin.ne.jp/liaison/liaison_02/contents_0202.html

#22.

脆弱性骨折と骨粗しょう症 脆弱性骨折あり=原発性骨粗しょう症=薬物治療適応 骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015年版

転倒予防における推奨されていない介入

#23.

骨粗しょう症の治療 ビスホスホネート製剤(内服、点滴) 重度の腎不全では使えない 内服は消化管の問題がある人には使えない 効果は骨折を半減させる ビタミンD製剤、カルシウム製剤 ビスホスホネート製剤内服中に併せて内服する 単独での骨折予防効果はない その他の薬 デノスマブ、テリパラチドなど 点滴や自己注射、適応条件あり、価格が高い

#24.

推奨されていないもの①ベッドアラーム 2010年代に急性期病棟での数千、数万単位での ランダム化比較試験が行われ、いずれも 離床アラームの使用は転倒防止効果が認められなかった。 理由としては 鳴りすぎてスタッフが疲弊する 結局なってから行っても遅い 結局全員ハイリスクに近いので数が足りない などの考察がされている Shorr RI, et al., Ann Intern Med. 2012 Nov 20;157(10):692-9. Sahota O, et al., Age Ageing. 2014 Mar;43(2):247-53.

#25.

推奨されていないもの②身体拘束 1990年代まで身体拘束は転倒予防になると考えられてきた。 一方で、身体拘束自体が患者の生来的な 転倒を避ける認知・身体機能を抑制し、転倒を誘発している、 という理論で批判を受けるようになった。 身体拘束を緩和する指導を受けた施設とそうでない施設で、 身体拘束を外した患者の方が転倒率が低かったし、 身体拘束をしている割合が低くなった施設程転倒率が低下した などの報告から、身体拘束は転倒予防として推奨されていない Capezuti E, et al., J Gerontol A Biol Sci Med Sci. 1998 Jan;53(1):M47-52.

#26.

推奨されていないもの②身体拘束 身体拘束の研究は直接介入研究が倫理的に難しいので、 サバイバルバイアス(転倒リスクが低いから拘束を外せる) を回避できない。ただ、現実的に今後それを補正できる研究 が生まれることは難しいので、現時点でのエビデンスで 考える必要がある。 *1998年の報告ではバンド固定と車いすベルト、  車いすをオーバーテーブルで固定することを拘束と定義 現時点では転倒予防のみを目的とした身体拘束が 転倒を予防するエビデンスは乏しく推奨されない、となっている

転倒予防ガイドラインのまとめとQI事例

#27.

転倒予防ガイドライン まとめ 転倒予防には包括的なアセスメントと介入が重要 ただ範囲が広く、実際の効果的介入も難しい部分も多い アラームと拘束は意外と効果がないかもしれない

#28.

QI事例紹介① 2023年に発表されたスコットランドの質改善プロジェクト 高齢認知症病棟の転倒率を20%減少させた McNamara CS and Toner A, Murray L. Nurs Older People. 2023 Jan 30;35(1):18-23.

#29.

セッティング 2021.4-2021.9 認知症メインの高齢者精神病棟 58床 1回3時間22回の転倒予防レクチャー(ビデオ会議形式) 74%のスタッフが1回以上聴講 さらに、55%のスタッフが追加で1-2時間の個別レクチャー を受けた

#30.

レクチャーの内容 高齢精神科病棟での転倒事故に関するリスク 転倒がもたらす悪影響 内的(起立性低血圧、失神)、外的(濡れた床)リスク因子 包括的リスク評価と介入 患者中心の転倒予防ケアの重要性 転倒後の振り返りの方法 など

質改善プロジェクトの事例紹介と結果

#31.

結果 元々10-15 falls/ 1000bed-days (当院と同じくらい) ⇒20%くらい減った

#32.

事例紹介② 2024年に発表された英国の質改善プロジェクト 高齢者精神科病棟(非認知症)の転倒件数を50%減 Oyeneyin B et al., BMJ Open Qual. 2024 Dec 27;13(4) . 2024 Dec 27;13(4) . 2024 Dec 27;13(4)

#33.

セッティング 2022.5-2023.4 高齢者精神急性期病棟 20床 実施前に2人のスタッフが2021年の転倒事故を再評価した 高齢者、フレイル、4剤以上内服の患者が多く、 ほとんどの事故は目撃されず寝室やトイレで起こっていた。 また、聞き取り調査で転倒歴の聴取不足や ナースコールや歩行器の配備不全が多かった。 この調査をもとに、スタッフ全体でワークショップを開催 プロジェクトのアイディアを出し合った

精神科病棟における転倒予防の重要性

#35.

実施したアイディアのサマリ 20%減を目標! リスク評価を改善 ハイリスク患者の 層別化 転倒後の ふりかえり の質向上 24時間以内の多職種での 再発防止策アップデート 毎週転倒事例全例を 多職種カンファレンス ハイリスク者用 リストバンドの作成 薬剤変更後48時間の 見守り強化申し送り ハイリスク者への 対応をまとめたマニュアル 包括的アセスメントの実施 PTからの運動指導 運動機能別の部屋割

#36.

結果 元々10-15 falls/ 1000bed-days (当院と同じくらい) ⇒50%くらい減った

#37.

医中誌から:国内のQI活動 KYTの実施 病棟内の安全ラウンドの実施 独自の転倒アセスメントツール 誰が誰を見守っているかの連携強化 フットケアの強化

#38.

QI事例紹介 まとめ 包括的アセスメントの実施とそのための教育 他職種カンファレンスで速やかに事故を振り返る あたりが重要そう 精神科病棟で転倒件数を減らすことは不可能ではない

Antaa Slide

医師・医学生のためのスライド共有

Antaa QA

医師同士の質問解決プラットフォーム

App StoreからダウンロードGoogle Play Storeからダウンロード

会社概要

Antaa, Inc. All rights reserved.

Follow us on Facebook
Follow us on Twitter