#4.
医師の燃え尽き症候群
Well-being
医療従事者のためのセルフケア
連携医療・緩和ケア科でのWell-beingの実現に向けた取り組み 目次
#5.
医師の燃え尽き症候群
Well-being
医療従事者のためのセルフケア
連携医療・緩和ケア科でのWell-beingの実現に向けた取り組み 目次
#6.
400人
#7.
医療従事者の燃え尽きが止まらない。。 燃え尽き症候群とは、
「職場の慢性的なストレスがうまく解消されないために生じる症候群」
とWHOにより、定義されている。
近年、全世界で社会的な問題となっており、
ICD-11で2023年1月に初めて定義された。
#8.
燃え尽き症候群は他人事ではない 6586人の医師が回答したアメリカの調査では、
54.3%の医師が燃え尽き症状を感じたことがあった
と解答した。
燃え尽き症状を有する医療従事者が
質の低い医療を提供した結果、
患者の満足度スコアの低下、医療ミスの増加につながる。
Williams E, Manwell L, Conrad T, et al. The relationship of organizational culture, stress, satisfaction, and burnout with physician-reported error and suboptimal patient care: results from the MEMO Study. Health Care Manage Rev 2007;32:203–212.
#9.
医師の自殺率 米国の医師は、
年間推定300〜400人が自ら命を絶っている
と報告されている。
男性医師は一般の人と比較して自殺率は 約40% 高い。
さらに女性医師は一般の人と比較して自殺率は 約130% 高い。 ミクスonline 「米国発 医師の自殺」
https://www.mixonline.jp/tabid55.html?artid=43950
#10.
#11.
Well-being
#12.
医師の燃え尽き症候群
Well-being
医療従事者のためのセルフケア
連携医療・緩和ケア科でのWell-beingの実現に向けた取り組み 目次
#13.
そもそも幸せってなに? 幸せを得るために必要なものはなんでしょうか。
どしどしコメント待ってます!
#14.
2種類の幸せ Happiness は
「単一的で持続しない瞬間的な幸せ」 Well-being は
「肉体的、精神的、そして社会的な関わりが
満たされている状態」
#15.
地位財と非地位財について お金
財産
権力 結婚 健康
自由
愛情 地位財
(人と比べるもの) 非地位財
(人と比べないもの) 幸せの持続性 Happiness に関わる Well-being に関わる
#16.
医療従事者の Well-being の重要性 病院は Chief Wellness Officer(CWO) を設置すべき
https://catalyst.nejm.org/doi/full/10.1056/CAT.20.0612 It is also recognized that, to provide optimal patient care, physicians must take responsibility for their own health and well-being and that of their colleagues.
良いケアを提供するためには医療従事者が Well-being であることが前提となる
#17.
では、どうしたら我々に Well-being を実装できるのか
#18.
ウェルビーイングと関わりが深いポジティブ心理学
ポジティブ心理学は良い生き方を追求した学問
Well-being を高める5つの柱が提唱されている
マーティン・セリグマン教授
#19.
Well-being を高める5つの柱(PERMA理論) ポジティブな感情
目の前のことに熱中できること
人を愛し、誰からも愛されること
人生の意味や意義に肯定的な意味を見つけること
物ごとをやり遂げること
#20.
日本人版!Well-being を高める要因 自己実現と成長 つながりと感謝 前向きと楽観 独立と自分らしさ 前野隆司著『幸せのメカニズム 実践・幸福学入門』(講談社現代新書)
#21.
Well-being を高めるトレーニングの一例 3行ポジティブ日記(Three Good Things)
1日の終わりにポジティブなことを3つ書く
こころの持ちようのトレーニング!
寝る前15分以内に書くことが重要!
必死に絞り出すこともポジティブ思考のトレーニングになる! 1) 今日は職場の看護師さんがお菓子をくれた。
2) 残業していたら、同僚が手伝ってくれた。
3) 帰り道の夕焼けが綺麗だった。
#22.
松本の想い 持続可能で質の高い医療の提供のために
医療従事者がウェルビーイングを実装して、幸福になってほしい。
そのために大事なことは
私達がウェルビーイングがどんな因子によって成り立つかを理解し
それに向けた、適切な努力を行うこと。
#23.
医師の燃え尽き症候群
Well-being
医療従事者のためのセルフケア
連携医療・緩和ケア科でのWell-beingの実現に向けた取り組み 目次
#24.
ふとこれまでの仕事や生活を振り返って 私たちは他人のケアに関してはプロフェッショナルです。
一方、自分自身のケアに関してはいかがでしょうか。
#25.
セルフケアの3つのアプローチ 身体へのアプローチ
十分な睡眠、適度な運動、規則正しい食事、リラクゼーション
認知や行動を変えるアプローチ
ストレスの構図を理解する
あるがままを自覚し、受容するアプローチ
マインドフルネス
GRACE
#26.
セルフケアの3つのアプローチ 身体へのアプローチ
十分な睡眠、適度な運動、規則正しい食事、リラクゼーション
認知や行動を変えるアプローチ
ストレスの構図を理解する
あるがままを自覚し、受容するアプローチ
マインドフルネス
GRACE
#27.
身体へのアプローチ 十分な睡眠、適度な運動、規則正しい食事 まず、セルフケアの土台として
#28.
身体へのアプローチ 十分な睡眠
質の良い睡眠を7時間以上!
適度な運動
毎朝15分間の散歩(幸せホルモンのセロトニン↑)
中等度以上の運動(1回45〜60分以上、週に2〜4回以上)
有酸素運動と筋トレを組み合わせる!
規則正しい食事
魚、野菜と果物、茶色い炭水化物、オリーブオイル、ナッツ
#29.
セルフケアの3つのアプローチ 身体へのアプローチ
十分な睡眠、適度な運動、規則正しい食事、リラクゼーション
認知や行動を変えるアプローチ
ストレスの構図を理解する
あるがままを自覚し、受容するアプローチ
マインドフルネス
GRACE
#30.
せっかくの休日に雨が降ると、、
#31.
ストレスの構造について理解する ストレッサー ストレス反応 認知
#32.
対処1:ストレッサーを紙に書き出す ストレッサー ストレス反応 認知 プレゼンの資料ができていない
妻が最近、機嫌が悪い
朝の満員電車で疲れる
#33.
対処2:ストレス反応の構図を観察者として俯瞰する ストレッサー ストレス反応 認知 脱フュージョン:一連の構造を分けて観察する
#34.
対処3:認知のゆがみをほぐす ストレッサー ストレス反応 認知のゆがみ
#35.
対処3:認知のゆがみをほぐす マイナス思考 論理の飛躍 自己関連づけ 認知のゆがみ
#36.
対処4:ストレスコーピング(ストレッサーへの対処法) 情動解決 気晴らし 十分な睡眠
#37.
セルフケアの3つのアプローチ 身体へのアプローチ
十分な睡眠、適度な運動、規則正しい食事、リラクゼーション
認知や行動を変えるアプローチ
ストレスの構図を理解する
あるがままを自覚し、受容するアプローチ
マインドフルネス
GRACE
#38.
あるがままを自覚し、受容するアプローチ 今、この瞬間を過ごしているのはどっち?
(散歩をしている人間と犬)
#39.
マインドフルネスとは 今、この瞬間に対し、気付き、目覚めている力(Awareness)
#40.
仏教とマインドフルネス もともとは仏教、禅に由来する瞑想法。
宗教的な要素を排除し、瞑想の核の部分を抽出したもの。
色んな考えが頭に浮かんで、心ここにあらずの状態を
仏教的に「無知」と呼ぶ。
一方、目の前の現実に対して
注意や気づきという認知機能が働いている状態を
仏教的に「目覚めの状態(念)」と呼ぶ。
#41.
いま、この瞬間に気づき、生きているか これから自分の将来は
どうなるのだろうか。。 あの時にああしとけば。。
自分はどうせダメだ。。 過去は抑うつ 未来は不安 過去や未来に対する自分の思考の世界から、今、現実に“気づき”を向ける
#42.
実際の医療現場の状況は あんまり話を聞いてもらって
いる感じがしないなぁ。 今日は予約が多いぞ
この患者さん話が長いなぁ。
いまから急患もくるから、
準備しておかないと。 医師の仕事はマルチタスクであるが、実際はシングルタスクの切り替えにすぎない
常に目の前の仕事に気づきを向けるマインドフルネスのトレーニングを積む必要がある
#43.
マインドフルネス瞑想の種類 呼吸瞑想 食べる瞑想 歩行瞑想 ボディスキャン
#44.
実際にやってみましょう(呼吸瞑想)
背筋を伸ばして座る
目は軽く閉じるか、薄く開ける
息を吸った時の胸の膨らみを感じる
息を吐いた時の胸のしぼみを感じる
雑念が浮かんだときは、「雑念、雑念」「戻ります」と心の中で唱える
#45.
マインドフルネスのトレーニングプログラム Search Inside Yourself
(Google発)
マインドフルネスストレス低減法(MBSR)
など、さまざまなプログラムがある。
#46.
セルフケアの3つのアプローチ 身体へのアプローチ
十分な睡眠、適度な運動、規則正しい食事、リラクゼーション
認知や行動を変えるアプローチ
ストレスの構図を理解する
あるがままを自覚し、受容するアプローチ
マインドフルネス
GRACE
#47.
医療現場での自分の感情や身体感覚への気づき 患者の強い感情にさらされて
もやもや 緩和できない症状を前にして落ち込む 多くの死別体験の中で感じる疲労感 生か死の意思決定に関わる苦悩 私たちはこのような医療従事者特有の苦悩にどう関わっていけば良いのだろう
#48.
ジョアン・ハリファックス ハーバード大学名誉研究員、
仏教指導者、禅僧。
医療従事者が自分を犠牲にせずに、
人の役に立つ方法を教えてくれる。
#49.
5つの資質 医療や対人援助に関わる者が満ち足りた人生を歩み、
他者に役立つために必要な5つの資質がある。
5つの資質とは、
利他性、共感、誠実、敬意、関与。
しかし、この5つの資質には負の側面がある。
#50.
5つの資質の正の側面と負の側面 利他性
共感
誠実
敬意
関与 病的利他主義
共感疲労
道徳的痛み
軽蔑
燃え尽き
#51.
コンパッション 人が生まれつきもつ
「自分や相手を深く理解し、役に立ちたい」という純粋な思い、
また自分自身や相手と寄り添い「共にいる」力 (Halifax. 2018)
5つの資質を健全に発揮させ、
負の側面に陥ったとしても
健全な状態に戻れるように導いてくれるもの
#52.
コンパッションの育み方 コンパッション
#53.
医師の燃え尽き症候群
Well-being
医療従事者のためのセルフケア
連携医療・緩和ケア科でのWell-beingの実現に向けた取り組み 目次
#54.
医療従事者の Well-being を高めるための連ケア科での取り組み 職場内の Well-being を高めるための取り組みとして、
“Well-being カンファレンス”を開催している。
臨床現場で感じた「もやもや」に焦点をあてた、
“人を中心とした”カンファレンス。
カンファレンスの中では感じた「もやもや」の解像度を上げ、
実際にどんな感情が湧いていたのか、自己開示を行い、
その背景にある隠れた価値観や医師-患者関係について
内省を行っていく。
#55.
①もやもやの原因を探っていく もやもや
もやもや
もやもや 実はもやもやの正体は
○○だった! ○○の背景にある
自分の価値観は?
#56.
①もやもやの原因を探っていく もやもや
もやもや
もやもや 実はもやもやの正体は
罪悪感だった! 実は、
終末期の患者を前にして無力感を感じていた。
#57.
②それぞれの価値観のメガネからみた世界に触れる 美味しそう! 赤いな!
#58.
②それぞれの価値観のメガネからみた世界に触れる 「自分が担当医になったが、最期まで症状を
うまく緩和することができずに患者さんが
亡くなってしまい、もやもやしています。
他の先生が担当していたら
もっと違った結果になったのではないかと
ついつい考えてしまいます。」 「僕は、患者さんはそもそも病気で辛い状態からスタートするんだから、何か一つでも自分が関わることで良くなってくれることがあればいいなっていう気持ちで取り組んでいます。」
「自分は100%を目指しすぎていた!」
#59.
③メタ認知の促進 自分がこの医師だったらどのような感情を抱くか?
一方、この患者はこの医師に対してどのような感情を抱くか?
この症例の医師-患者関係は?
⇨このようなプロセスを通じて、メタ認知が進んでいく。
#60.
セルフスチュアードシップの促進 セルフスチュアードシップとは
「自分の力で自分をウェルビーイングに導くこと。」
医療現場では、常に道徳的苦悩にさらされ、
さまざま感情が生じる。
そういった中でも、
自らの傷つきやすさを開示し、向き合って、成長していくことで、
他者とのつながり方や世界観に変化が生じ、レジリエンスが育まれる。
#61.
レジリエンスを育もう! 成長 落ち込み 成長 落ち込み 成長 落ち込み 成長 何度落ち込んでも、しなやかさをもって、復元する力
→これからの医師人生で人間的に成長する力となる!
#62.
医師の燃え尽き症候群
Well-being
医療従事者のためのセルフケア
連携医療・緩和ケア科でのWell-beingの実現に向けた取り組み 目次
#63.
TAKE HOME MESSAGE 本日のレクチャーが
みなさん自身のケアに役立ちますように。