#4.
初回の疼痛緩和科受診時 患者さんへの説明で心がけていること 最大限取り組むことは約束しつつ、段階的な目標があることを まず共有しています 最低限また最優先で達成すべきは ①「就寝時の痛みの改善・消失」 次に②「日中安静時の痛みの改善・消失」 もっとも残りがちな症状は③「労作時/運動時の痛みの改善・消失」 上記を説明しつつ、患者さんと一緒に達成したい目標を決めましょう 薬剤調整以外の部分でアドバイスができる周辺知識があると尚よいです
#5.
A 症状の程度、随伴症状によります 汎用されている薬剤は処方しやすいです Q 初回の内服オピオイドに どのオピオイドを使う? 特にこだわって選択する理由がなければ 無難な処方選択にするのが良いでしょう 理由は次ページで後述します 初回基本処方例 MSコンチン®+頓用オプソ® オキシコドン®+頓用オキノーム®
#6.
初回処方時は調整/調剤しやすい薬を選ぶ 初回で至適オピオイド量がわからないのに、合剤、貼付剤、長時間作用型、 または慎重な調整が必要なオピオイドを出すことはあまりしません (長時間作用型薬剤 フェントステープ®、ナルサス®、メサペイン®) (合剤 トラムセット®) 初回処方時は、処方病院の門前薬局でもらって帰ってもらいましょう MSコンチン®やオキシコドン®がない薬局はあまり聞きませんが、 ナルサス®やメサペイン®、タペンタ®などは、大病院の門前薬局には あっても、患者さんの地元の薬局には入荷していないことがあります
#7.
少しこだわりたいときの処方例 タペンタ®分2 +頓用オキノーム® 薬剤相互作用が少ないため、抗がん療法中・多剤併用中の患者さん 痛みに神経障害性疼痛の関与を疑う患者さん サインバルタR などが他院で処方されていない患者さん(セロトニン症候群注意) 大粒錠剤のため嚥下に難のない患者さんに適していると思います ナルサス®2㎎ ±ナルラピド®1㎎ 薬剤相互作用が少ないため、抗がん療法中・多剤併用中の患者さん オピオイドの副作用を怖がる患者さん (他オピオイド開始量よりも少ない量で開始=副作用も強くないと説明できる) これら速放錠と徐放錠の両方の処方は、飲み間違えをしない患者さんに限定
#8.
A 頻度が高いものは、 便秘・嘔気嘔吐・眠気 気を付けるべきは傾眠・呼吸抑制 Q 初回オピオイド処方、 特に注意する副作用は何? 眠気には通常1週間ほどで耐性ができます しかし、翌日昼になっても全く起きてこな いなどの傾眠症状が出ることもあります 傾眠症状出現時は、以降の内服は中止して もらい、オピオイドの減量および種類変更 を検討しましょう 呼吸抑制は傾眠のあとに起こります まずは傾眠に注意しましょう
#9.
オピオイド副作用の頻度と臨床的重要度 がん治療医が本当に知りたかった緩和ケアのレシピ 64Pより引用
#10.
初回オピオイド処方時には必ず副作用の説明を オピオイド内服拒否につながりかねないため、頻度の高い副作用に関し ては必ず説明しましょう。症状の出やすさなどの既往に応じて、予防的 に対症療法薬の処方も行っておきましょう 副作用予防薬の処方例(初回処方時にオピオイドとセットで) ・便秘薬 酸化マグネシウム錠330㎎1日3回×処方日数 複数の便秘薬を使用している方にはスインプロイク®追加 ・吐き気止め プリンペラン®やノバミン®1日3回×3-7日分
#11.
A-1 出ている処方量から考えてみる A-2 レスキューを2倍量内服してもらう Q ベースアップを迷う… 何を目安にする?? 単純なオピオイド増量では対応しきれない ときは、オピオイドの種類変更、鎮痛補助 薬の追加、神経ブロック、緩和放射線治療 などを検討しましょう この段階に来たら、緩和ケアチームへの 紹介を提案します
#12.
A-1 出ている処方量から考える まず、十分な処方量が出ているか、を確認します 症状に対して内服量が少なすぎても効果を示さないことがあります。 まずは就寝時の痛みの消失を目標に、それまでの1.3倍を目安にベース増量し ましょう 経口モルヒネ換算30㎎-40㎎を超えてきたあたりからは、 頓用薬(レスキュー薬)使用時効果を確認してからベースアップします 「レスキュー内服したら痛みはスケール上どの程度改善しますか?」と訊きましょう 著効していればベースを増量します。あまり効果がない、などの返答であれば、 その時点の総オピオイド内服量を確認し、経験的に経口モルヒネ換算50-60㎎ 以上なら、同種類の増量のみで鎮痛に十分な効果があるとは考えにくいです
#13.
A-2 レスキューを2倍量内服してもらってみる 2倍量レスキュー内服時に十分な鎮痛効果があった時 →ベースとなるオピオイド量、一回のレスキュー内服量が単純に足りないだけと いう予測が立ちます。ベース量や1回のレスキュー量を増やすのが適切でしょう 2倍量レスキュー内服時に強めの副作用が出た時 →ベース量の増量は控えた方がよいかもしれません。使用中のオピオイド総使用量 の増量は、確実に副作用を増強させる一方で、十分な症状緩和効果を発揮しない可 能性が高いという予測がつくということでもあります 副作用は出るがレスキューによる疼痛効果も同時に示すような場合には、オピオイ ドの種類を変更するなどで対応します
#14.
初めてのオピオイド処方 tips 鎮痛の目標を患者さんと共有しつつ、段階的に行う レスキュー内服時に吐き気があるようならスイッチング レスキュー内服時の症状緩和効果を確認してベースアップ
#15.
参考文献 専門家を目指す人のための緩和医療学 改訂第2版 編集 日本緩和医療学会、南江堂 がん治療医が本当に知りたかった緩和ケアのレシピ 編集 蓮尾英明、メジカルビュー社 編集 がん疼痛の薬物療法に関するガイドライン 日本緩和医療学会 緩和医療ガイドライン作成委員会、金原出版