高齢化の進行により、心不全患者における緩和ケアの重要性が高まっている。本講演では、従来がん領域中心とされてきた緩和ケアが、循環器領域にも不可欠であることが強調されました。
特に、治療と並行して行うアドバンス・ケア・プランニング(ACP)や、IPOS・NAT:PD-HFといったニーズ評価ツールの活用を通じて、心不全患者のQOL向上を図るアプローチが紹介されています。
北海道大学病院では多職種チームによる定期的なカンファレンスについても紹介され、在宅での強心薬持続投与など、制度面の整備も進められていることにも触れられています。
講演を通じて、循環器治療と緩和ケアは対立するものではなく、患者の価値観を尊重しながら併存させるべき医療であるとしています。