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リウマチ性疾患エマージェンシー

投稿者プロフィール
中村海人

手稲渓仁会病院

82,267

310

概要

リウマチ・膠原病の緊急性が高い病態について、症例を用いて解説しました。

本スライドの対象者

研修医/専攻医

投稿された先生へ質問や勉強になったポイントをコメントしてみましょう!

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テキスト全文

  • #1.

    リウマチ性疾患エマージェンシー -Rheumatological EmergenciesKaito Nakamura

  • #2.

    はじめに 本スライドの目標 • 膠原病の緊急病態を理解し、早期に専門医へ紹介できるようになる 本スライドの対象 • 初期研修医、内科専攻医、一般内科医 本スライドの内容 • 症例を通じて膠原病の緊急病態を解説しています • 記載した症例はフィクションです

  • #3.

    目次 1. 抗菌薬が効かない肺炎? 2. 急に見えなくなりました 3. 急に歩けなくなりました 4. リウマチの悪化ですか? 5. 膠原病科医が飛び起きる瞬間

  • #4.

    目次 1. 抗菌薬が効かない肺炎? 2. 急に見えなくなりました 3. 急に歩けなくなりました 4. リウマチの悪化ですか? 5. 膠原病科医が飛び起きる瞬間

  • #5.

    63歳 男性 近隣のクリニックより紹介 1ヶ月前に38℃の発熱が4日間続き、その後も間欠的に発熱あり。 2週間前より呼吸困難と筋肉痛を訴えて来院され、SpO2 92%、レボフロ キサシン処方。 1週間後に呼吸困難の増悪を訴えて来院、胸部レントゲンで透過性低下あ り、SARS-COV-2核酸検査は陰性でした。 ご高診ご加療のほどよろしくお願い申し上げます。 当院初診時 体温37.4℃、SpO2 90% (室内気)

  • #6.

    血液検査 胸部レントゲン WBC 8620 /μL Hb 13.5 g/dL Plt 28.0 x104/μL Alb 2.3 g/dL T-bil 1.0 mg/dL AST 156 U/L ALT 65 U/L LDH 733 U/L γGTP 90 U/L CPK 895 U/L BUN 17.2 mg/dL Cre 0.83 mg/dL CRP 4.64 mg/dL 両肺野に下肺野優位のすりガラス影あり 抗菌薬が効かない肺炎? 原因はなんだろう?

  • #7.

    本症例の手に認めた所見(イメージ) ゴットロン丘疹 逆ゴットロン徴候

  • #8.

    #ゴットロン丘疹・逆ゴットロン徴候 #筋原性酵素の上昇 #発熱・CRP上昇 #間質性肺炎 後日、外注採血が戻ってきて判明 #抗MDA5抗体陽性 抗MDA5抗体陽性 皮膚筋炎・間質性肺炎

  • #9.

    経過 速やかにステロイド・タクロリムス・シクロホスファミドによる 三剤併用療法を開始するも、呼吸不全が進行した。 入院後1週間で挿管・人工呼吸管理となり、血漿交換を追加する も改善なく、最終的に人工呼吸器関連肺炎を合併して死亡した。

  • #10.

    抗MDA5抗体 陽性 皮膚筋炎の特徴 • Clinically amyopathic dermatomyositis (CADM) 多くはCADM(筋症状の乏しい皮膚筋炎)を呈する • 特徴的な皮疹 手掌の有痛性紅斑(逆ゴットロン徴候)や皮膚潰瘍・壊疽 • 急速進行性の間質性肺炎 約半数に合併、ステロイド治療に抵抗性で予後不良 救命するためには早期から多剤併用療法を行う

  • #11.

    抗MDA5抗体陽性皮膚筋炎でみられる 逆ゴットロン徴候(手掌の有痛性紅斑) J Gen Intern Med. 2021;36(6):1784-5.

  • #12.

    抗MDA5抗体陽性皮膚筋炎・間質性肺炎の生命予後 FVC% ≧ 50% 早期に治療開始できれば 救命できる確率が高まる! FVC% < 50% or 検査不能 Clinical reviews in allergy & immunology. 2021;60(2):293-304.

  • #13.

    抗MDA5抗体陽性皮膚筋炎は早期治療が救命の鍵! 筋症状が乏しい皮膚筋炎や、逆ゴットロン徴候 をみたら、すみやかにリウマチ科に相談しよう!

  • #14.

    目次 1. 抗菌薬が効かない肺炎? 2. 急に見えなくなりました 3. 急に歩けなくなりました 4. リウマチの悪化ですか? 5. 膠原病科医が飛び起きる瞬間

  • #15.

    72歳 男性 近隣の眼科クリニックより紹介 1週間前の起床時より左眼の視力低下が出現し、夕方にはほとんど見えな くなったとの事です。 本日起床時より右眼の視力低下も出現し来院されました。 発熱はありませんがCRP上昇あり、ご高診ご加療のほどよろしくお願い申 し上げます。 急に見えなくなってしまったのか… 目以外の症状や身体所見はどうだったのかな?

  • #17.

    血液検査 • CRP 8.55 mg/dL • 赤沈 65 mm/時間 側頭動脈エコー • 両側頭動脈にHalo Signあり

  • #18.

    #頭痛 #両側の視力低下 #両側頭動脈の硬結・圧痛 #CRP・赤沈上昇 #側頭動脈エコーでHalo sign 巨細胞性動脈炎 (GCA)

  • #19.

    経過 入院後すみやかにステロイド・トシリズマブでの治療を開始する も、両眼は完全失明に至ってしまった。 その後、治療により頭痛や炎症反応は改善するも、視力は両側と も完全失明のまま改善せず。

  • #20.

    巨細胞性動脈炎 • 大型~中型の動脈を侵す血管炎 • しばしば側頭動脈を侵すので、かつては側頭動脈炎と呼ばれた • 発熱や倦怠感などの全身症状に加えて、頭痛、頭皮痛、視力障害、 顎跛行などを呈する • 診察では側頭動脈の圧痛や索状硬結を認めることがある • 失明に至ることも稀ではない • 治療が遅れると失明のリスクが高まるので、疑ったら速やかにリウ マチ科にコンサルトする

  • #21.

    巨細胞性動脈炎の分類基準 (2022 ACR/EULAR) 基準適用時の条件 この分類基準は、中型または大型血管炎の診断がなされている場合に適用すべきである 基準を適用する前に、血管炎をmimickする病態の除外をすべきである 絶対条件 診断時に50歳以上 臨床基準 検査、画像、生検基準 肩・首の朝のこわばり 突然の視力喪失 顎または舌の跛行 新規の側頭部痛 頭皮の圧痛 側頭動脈の異常所見 +2 +3 +2 +2 +2 +2 赤沈≧50mm/hまたはCRP≧1mg/dL +2 側頭動脈生検陽性または側頭動脈エコー上Halo sign +5 両側腋窩動脈の病変 +2 大動脈全域のFDG-PET活動性 +2 巨細胞性動脈炎と分類するためには合計6点以上が必要 Annals of the Rheumatic Diseases. 2022;81(12):1647-53.

  • #22.

    巨細胞性動脈炎の分類基準 (2022 ACR/EULAR) 基準適用時の条件 この分類基準は、中型または大型血管炎の診断がなされている場合に適用すべきである 基準を適用する前に、血管炎をmimickする病態の除外をすべきである 絶対条件 診断時に50歳以上 臨床基準 検査、画像、生検基準 肩・首の朝のこわばり 突然の視力喪失 顎または舌の跛行 新規の側頭部痛 頭皮の圧痛 側頭動脈の異常所見 +2 +3 +2 +2 +2 +2 赤沈≧50mm/hまたはCRP≧1mg/dL +2 側頭動脈生検陽性または側頭動脈エコー上Halo sign+5 両側腋窩動脈の病変 +2 大動脈全域のFDG-PET活動性 +2 巨細胞性動脈炎と分類するためには合計6点以上が必要 Annals of the Rheumatic Diseases. 2022;81(12):1647-53.

  • #23.

    側頭動脈エコーでのHalo sign 側頭動脈壁の浮腫性変化を検出 巨細胞性動脈炎の診断に有用 Kirby C, Flood R, Mullan R, Murphy G, Kane D. Evolution of ultrasound in giant cell arteritis. Front Med (Lausanne). 2022;9.

  • #24.

    巨細胞性動脈炎では失明のリスクあり! 急激な視力低下では、頭痛の有無と 側頭動脈をCheckしよう!

  • #25.

    目次 1. 抗菌薬が効かない肺炎? 2. 急に見えなくなりました 3. 急に歩けなくなりました 4. リウマチの悪化ですか? 5. 膠原病科医が飛び起きる瞬間

  • #26.

    79歳 男性 近隣のクリニックより紹介 1ヶ月前より食思不振が出現し、最近は歩けなくなったとの事です。 ご高診のほどよろしくお願い申し上げます。 既往歴:気管支喘息 1ヶ月の経過で歩けなくなった… どうして歩けなくなったんだろう?

  • #27.

    身体所見 両足関節 背屈不可 両下腿以遠の温痛覚低下あり 右下腿には浸潤を触れる紫斑を認めた。 血液検査 • 白血球 26400 (好酸球 65%) • CRP 5.4 mg/dL • MPO-ANCA 陰性 • PR3-ANCA 陰性

  • #28.

    #気管支喘息の既往 #末梢神経障害 #浸潤を触れる紫斑 ⇒ 皮膚生検で好酸球浸潤を伴うフィブリノイド壊死性血管炎 #好酸球増多 #CRP・赤沈上昇 好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)

  • #29.

    経過 皮膚生検、骨髄生検施行後にステロイドパルス療法開始。 その後、シクロホスファミドや大量ガンマグロブリン静注療法を 追加するも、両下腿の高度の筋力低下は改善しなかった。 ADLは車椅子レベルのまま、転院となった。

  • #30.

    好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA) • 気管支喘息やアレルギー性鼻炎が先行し、末梢血の好酸球増多 を伴う小~中型血管を侵す血管炎 • 発熱、体重減少などの全身症状に加えて、末梢神経障害による 知覚や運動の障害、紫斑などの皮膚症状を呈することが多い • 末梢神経障害は不可逆となる恐れがあり、可及的すみやかな治 療が望ましい

  • #31.

    本邦のEGPAの後ろ向き研究では 9割弱で神経病変あり! 好酸球増多+末梢神経障害の組み合わせ ではEGPAを想起する! The Journal of rheumatology. 2018;45(8):1159-66.

  • #32.

    EGPAの分類基準 (2022 ACR/EULAR) 基準適用時の条件 この分類基準は、小型または中型血管炎の診断がなされている場合に適用するべきである 基準を適用する前に、血管炎をmimickする病態の除外をするべきである 臨床基準 検査、画像、生検基準 閉塞性気道疾患 +3 鼻ポリープ +3 多発単神経炎 +1 血中好酸球数≧1000 /μL + 生検で血管外の好酸球優位の炎症 cANCAまたはPR3-ANCA陽性 血尿 EGPAと分類するためには合計6点以上が必要 Ann Rheum Dis. 2022;81(3):309-314. +5 +5 -3 -1

  • #33.

    EGPAの末梢神経障害は不可逆になりやすい! 好酸球増多と末梢神経障害の組み合わせでは EGPAを鑑別にあげよう!

  • #34.

    目次 1. 抗菌薬が効かない肺炎? 2. 急に見えなくなりました 3. 急に歩けなくなりました 4. リウマチの悪化ですか? 5. 膠原病科医が飛び起きる瞬間

  • #35.

    87歳 女性 近隣のクリニックより紹介 20年以上前に関節リウマチを発症した方です。メトトレキサート 6mg/週 内服で寛解を維持できていました。 1週間前に両肩痛の訴えがあり、リウマチ再燃と考えてプレドニン 10mg/ 日を処方しましたが、症状は悪化の一途で左股関節痛も出現しました。 ご高診のほどよろしくお願い申し上げます。 ステロイドが効かなかったのか… 本当にリウマチの悪化かな?

  • #36.

    経過 診察では両肩関節の腫脹を認め、右肩関節の穿刺を行った。 関節液検査 • 膿性混濁 • 細胞数 65,000 /μL(多核球 95%) • グラム染色:グラム陽性球菌あり 培養 • 血液培養:黄色ブドウ球菌 • 関節液培養:黄色ブドウ球菌 化膿性関節炎

  • #37.

    経過 抗菌薬治療を行いながら、両肩・左股関節の切開洗浄も行った。 しかし、経過中に黄色ブドウ球菌による糸球体腎炎を合併。 最終的には腎不全が進行し死亡した。

  • #38.

    化膿性関節炎 • 多くは急性の単関節炎で発症するが、少数関節炎(2~4関 節)で発症する事も稀ではない • 適切な抗菌薬治療のみならず、関節ドレナージを要する • 不可逆的な関節破壊を招く事が多く、機能的な予後は不良 • 敗血症を合併し致死的な経過となることもある • 関節リウマチ患者は化膿性関節炎発症のリスクが高く、単~少 数関節炎では安易にリウマチの再燃と決めつけない

  • #39.

    急性単/少数関節炎では 『感染症が否定できるまで』 化膿性関節炎として扱う

  • #40.

    目次 1. 抗菌薬が効かない肺炎? 2. 急に見えなくなりました 3. 急に歩けなくなりました 4. リウマチの悪化ですか? 5. 膠原病科医が飛び起きる瞬間

  • #41.

    75歳 男性 半年前に腎機能障害が出現し、 MPO-ANCA陽性および腎生検で半月体形成 性糸球体腎炎を認め、顕微鏡的多発血管炎の診断となった。 外来でステロイド治療を行っていたが、肺野にスリガラス陰影の出現あり、 治療強化のため入院となった。 プレドニン30mg/日に増量した5日後の夜、病棟より少量の喀血があったと の連絡があった。 喀血って言っても少量だったみたいだし… たぶん大丈夫なんじゃないかな?

  • #42.

    経過 その数分後に病棟より再度連絡があり、心肺停止状態になったと のこと。 挿管したところ、気管チューブより多量の血液を吸引した。 その後、心拍再開は得られず死亡した。 診断:顕微鏡的多発血管炎に伴う肺胞出血

  • #43.

    肺胞出血 • びまん性肺胞出血症候群(以下肺胞出血と略す)は肺胞腔内に出血 をきたす病態である • 肺毛細血管の炎症による出血が多く、その原因としては全身性血管 炎、SLE、抗GBM病が代表的 • 喀血を呈する事が多いが、喀血がない場合も稀ではない • 画像ではびまん性、両側性のスリガラス影や浸潤影を呈する • 気管支鏡での気管支肺胞洗浄が診断に有用 • 重篤な呼吸不全により人工呼吸器管理を要する事も多く、致死的な 病態である

  • #44.

    肺胞出血は超緊急事態 膠原病科医も飛び起きる!

  • #45.

    まとめ 1. 抗菌薬が効かない肺炎? ⇒抗MDA5抗体陽性皮膚筋炎 2. 急に見えなくなりました ⇒巨細胞性動脈炎 3. 急に歩けなくなりました ⇒EGPA 4. リウマチの悪化ですか? ⇒化膿性関節炎 5. 膠原病科医が飛び起きる瞬間 ⇒MPAによる肺胞出血 膠原病の緊急病態は本スライドで扱った病態以外にも様々なものがあります。 是非、本スライドをきっかけに、学びを深めていただけますと幸いです。

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