#4.
まず考えるべきこと 「なにが陽性なのか」
#5.
皆さんが目にする想定外の「陽性」のほとんどは
HIV-1/2スクリーニング検査のものだと思われます
#6.
HIV感染症の診断アルゴリズム(2020) 診療におけるHIV-1/2感染症の診断ガイドライン2020版(日本エイズ学会・日本臨床検査医学会 標準推奨法)に基づき作成 HIV-1/2スクリーニング検査
(抗原抗体同時スクリーニング検査法) 陽性・判定保留 陰性 HIV確認検査
新規のHIV-1/2抗体確認検査法(IC法)
および 核酸増幅検査法(NAT法) HIV非感染 or ウィンドウ期 HIV非感染 適切な期間をあけて
再度スクリーニングを実施 なし あり/不明 結果判定
#7.
HIV検査は2段構え ① スクリーニング検査=「見逃さないための検査」 ② 確認検査=「偽陽性をふるい落とすための検査」
#8.
日本の一般人口におけるHIV感染症の有病率は低い 特段のリスクのない集団を対象に行われた
HIVスクリーニング陽性のほとんどは偽陽性
#9.
HIV-1/2スクリーニング検査:検査前確率と陽性適中率 ① 有病率10%の場合 ② 有病率0.01%の場合 感度100%,特異度99.5%*を想定した計算値(* Abott社のCLIA法キットの添付文書データ)これほど優れた特性を有する検査を用いても,有病率の低い集団では偽陽性が多くなる
既に診断されている者を除いた日本の一般人口の有病率は②に近いと思われる
#10.
「HIV検査陽性」の解釈と対応
#11.
スクリーニング検査陽性の「次にやること」 確認検査
#12.
確認検査 2020年のガイドラインでは「両方を同時に実施する」ことが推奨されています.
#13.
確認検査追加時の同意取得について スクリーニング検査の際に同意は得ているはずなので,追加同意取得は本来は不要
実臨床においては,確認検査に進む前にスクリーニング陽性を伝えざるを得ないかもしれない
スクリーニング陰性であれば結果を伝えられているはずの日に伝えられない
追加の費用負担
スクリーニング陽性の段階で本人に説明する場合には「偽陽性も多い検査である(確定診断ではなく要精検)」ことを正しく伝える
スクリーニング検査の同意取得の段階で偽陽性について説明しておくと混乱が少ないかもしれない
#14.
一般医療機関で確認検査まで行うべきか?
#15.
どのタイミングで専門医療機関に紹介するか 原則は「確認検査陽性」を確認してから
確認検査を行わず専門医療機関に紹介するデメリット
結果的に偽陽性であれば「本来は必要のなかった負担」を負わせてしまう
新たな医療機関を受診する本人の物理的負担(時間・手間・金銭面)
「HIV専門」の医療機関に紹介されたことに関連する本人の心理的負担
転院の場合,偽陽性と確定したら再度の転院・転科が必要となる場合がある
確認検査結果を待たず紹介してもよい臨床場面はあるか?
(次のスライドで例示)
#16.
確認検査結果を待たず紹介を検討すべき臨床場面(例) 全身状態が不良のとき
日和見疾患が疑われ(PcP疑いの呼吸不全など),自施設でなにもできないとき
急性HIV感染症が疑われ,全身状態が不良のとき(全身衰弱・脳炎症状など)
緊急対応が必要となる可能性があるとき
針刺し事故の曝露源のスクリーニング陽性(曝露後予防内服のため事故者を紹介)
陣痛発来後に判明したスクリーニング陽性(母子感染予防のため)
その他
確認検査を提出できないとき/時間や手間がかかりすぎるとき
常勤先ではなく,確認検査結果判明後の対応に不安が残るとき
検査前確率が高く,本人が早期の紹介を希望するとき
スクリーニング陽性を知った本人の精神的動揺が非常に強いとき
#17.
HIV感染症の検査前確率を上げる臨床状況(参考) 性感染症の現症・既往 細胞性免疫不全を示唆する現症・既往 性交渉歴(不特定・多数のパートナー/男性同性間) 急性HIV感染症に合致する症状・直近のリスクイベント
#18.
どこに相談するか? (稼働している)診療拠点病院
(よくわからなければ各都道府県の「中核拠点病院」)
#19.
#20.
どうするか迷ったら「決める」前に「電話」しましょう 電話1本で解決することは案外多い 言葉を交わすだけで落ち着くことも多い
#21.
診療情報提供書に記載してほしいこと 行った検査の「項目」「結果」「実施日」 本人への説明内容(と反応) 誰がどこまで知っているか
#22.
HIV感染症の専門家は怖くありません。
困ったら遠慮なくご相談下さい。