#4.
【漢方の便秘薬の構成で考えよう】 生薬の効果でそれぞれの特徴を考えてみよう。 黄 水色 緑 瀉下作用 水分調整作用(便を柔らかくする) 鎮痛作用 青 桃 薄緑 灰色 利水剤(利尿作用) 駆瘀血剤 胃腸薬 清熱(熱を冷ます) 漢方の成分に よりどんな特徴が あるか違いを知ると わかりやすいです 主要成分
#5.
【基本の便秘薬】 調胃蒸気湯 ① 大黄甘草湯 大黄 甘草 4 2 効かない時に 体力がある人には 基本の便秘薬 筋攣縮抑制作用のある 甘草が入り痛みが出にくい 大黄 甘草 芒硝 4 1 1 大黄甘草湯に水分を 増やす芒硝を追加したもの ※大黄は西洋医学でも下剤として用いられるセンノサイドを主成分とした生薬。 西洋薬はセンノシドの成分のみ取り出しているのに対し、大黄には収斂作用 のあるタンニン類も含まれ、下痢を抑える働きがあり、過剰な下痢症状を 抑えることができると考えられます。 ※芒硝(硫酸ナトリウム)は、酸化マグネシウムと同様に塩類下剤として作用する。
#6.
【体力のない人の便秘薬】 ② 麻子仁丸 麻子仁 杏仁 大黄 芍薬 枳実 厚朴 黄 瀉下作用 青 水分調整作用 緑 鎮痛作用 5 2 4 2 2 2 理気剤 体力のない人で、便が コロコロしているような 兎の便に有効。 水分を調節する生薬が多く 含まれる。大黄が多めのため、 これでも下痢になったり、 強すぎるときには量を減らし て使用するか潤腸湯を検討。 気うつに効く理気剤も配合。 ※ 1/2包で使用することも ※甘草を含まないため、偽性アルドステロン症の心配なく、安全に使用できる。
#7.
さらに体力がない人の便秘に・・・ ③ 潤腸湯 地黄 6 杏仁 2 当帰 3 桃仁 2 麻子仁 2 大黄 2 甘草 1.5 黄芩 2---- 清熱 枳実 2 厚朴 2 麻子仁丸よりさらに体力の ない人に適応。大黄が少な目 で水分の調整する生薬が多く 含まれている。 麻子仁丸と同じく、気の滞り に効く理気剤が含まれている。 理気剤 黄 瀉下作用 青 水分調整作用 緑 鎮痛作用 灰色 清熱
#8.
【比較的体力のある人に使用する便秘薬】 ④ 防風通聖散 黄 瀉下作用 甘草2 芍薬 1.2 青 水分調整作用 緑 鎮痛作用 白朮2-----利水剤 桃 駆瘀血剤 大黄1.5 薄緑 胃腸薬 灰色 清熱 川芎1.2 当帰1.2 芒硝0.7 薄荷1.2 連翹1.2 滑石3 山梔子1.2 黄芩2 桔梗2 荊芥1.2 石膏2 防風1.2 麻黄1.2-----体表の熱をとる 生姜0.3 18種類の生薬からなる。 冷やす薬を多く含み、 肥満でのぼせ、むくみの ある人の便秘に適応とな る 最近は、メタボの方に 処方されることがあるが、 冷えが強い人、体力のな い人には体調が悪化する こともあり注意が必要。 ※山梔子含むため長期服用で腸間膜静脈硬化症の発症に注意が必要!!
#9.
⑤ 桃核承気湯 桃仁5 桂皮4 大黄3 甘草1.5 芒硝2 比較的体力があり、 のぼせ、ほてりなどの症状を伴う人に適応。 瘀血を伴う人に適応となる。 ※瘀血・・血の滞り。舌下静脈の怒張や 下記のような下腹部の圧痛を伴う。 大黄も芒硝も多いため かなり強い便秘薬です。 黄 青 緑 桃 瀉下作用 水分調整作用 鎮痛作用 駆瘀血剤
#10.
⑥ 大建中湯 す べ て 温 め る 作 用 山椒2 乾姜5 人参3 膠飴10 補気剤 おなかが冷えていたみ、腹部膨満感が ある人。おなかを温める生薬が多く、 腹部の冷えを改善させて治す。 また、山椒には腸管の運動増進作用がある。 腹部の腸管の蠕動が蝕知あるいは望見できる ような状態で使用する。 サブイレウスに用いることも多い。 青 水分調整作用 緑 鎮痛作用 薄緑 胃腸薬
#11.
【漢方に対してのエビデンス】 ・これまでに術後イレウスに対する大建中湯の効果は、臨床試験が実施され 有効性が証明されてきています。腸管蠕動促進作用、腸管血流の増加作用、 抗炎症作用などがあることがわかっています。 大腸癌開腹手術に対しての術後イレウスの発症率の減少など、 消化器外科領域における大建中湯の有用性が報告されています。1) ・慢性便秘に対する漢方の報告はまだ少ない。 1)Katsuno H, et al: Clinical efficacy of Daikenchuto for gastrointestinal dysfunction following colon surgery: a randomized, double-blind, multicenter, placebo-controlled study(JFMC39-0902). Jpn J Clin Oncol 45: 650-656, 2015
#12.
⑦ 桂枝加芍薬湯(桂枝加芍薬大黄湯(大黄を加えたもの)) 芍薬6 甘草2 桂皮4 (大黄2) 生姜1 大棗4 胃腸薬 黄 瀉下作用 青 水分調整作用 緑 鎮痛作用 赤 温める作用 桃 駆瘀血剤 薄緑 胃腸薬 灰色 清熱 腹痛を伴い、腹直筋が張っている ような人に使用。芍薬、甘草が 入っており、腹痛に効果あり。 腹痛ある過敏性腸症候群にも適応。 便秘が強ければ桂枝加芍薬大黄湯を使用。 腹痛が強い人によく使用します。 便秘も伴うのであれば大黄を加えた 桂枝加芍薬大黄湯がお勧め
#13.
【便秘薬は漢方薬なら安心?漢方の副作用について】 甘草:偽性アルドステロン症が引き起こされることがあります。 長期の甘草の使用で報告があり、量が多くなるほど発症率は高いです。 6g以上の使用で約11%発症するとの報告もあります。 甘草を含む方剤を使用するときには、血圧、むくみなど注意し、 カリウム値もチェックしましょう。 山梔子:長期の服用で腸間膜静脈硬化症が発症することがあります。 大腸壁内から腸間膜の静脈に石灰化が生じ、静脈還流障害によって 腸管の慢性虚血性変化をきたす疾患です。 腹痛、下痢、腹満など繰り返し現れたり、便潜血陽性となった 場合には中止し、CT・大腸内視鏡検査を考慮します。 腸管切除術に至った症例もあり要注意です。 大黄:長期の使用で大腸メラノーシス(大腸黒皮症)が起こる。 漢方以外でもセンナを含む便秘薬が原因となるため長期の処方処方 は避け大黄、センナを含まない便秘薬の併用を考慮する必要があります。
#14.
【まとめ】 体力あり 便が固め 基本の処方 大黄甘草湯 調胃承気湯 体力 あり + 瘀血 なし - - 麻子仁丸 防風通聖散 + 桃核承気湯 さらに体力 のない人 腹痛伴う時 桂枝加芍薬湯 潤腸湯 便秘 桂枝加芍薬大黄湯 サブイレウス・膨満感強い時 大建中湯