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輸入感染症の正しいアプローチ 感染症専門医Lemonの渡航医学

  • 感染症科

  • 蚊媒介感染症
  • ハマダラカ
  • 熱帯熱マラリア
  • 三日熱マラリア

3,891

28

2022/9/24
2022/9/24 更新

本スライドの対象者

研修医/専攻医

内容

正しい輸入感染症の問診・鑑別診断を学ぶこと、マラリアを正しくマネージメントできるようになることをゴールとしたスライドです。輸入感染症のアプローチに自信をもてない、感染症を学ぶ専攻医の方のお役に立ちましたら幸いです。

◎目次

・Take Home Messages

・本スライドのゴール、本スライドの対象者

・目次

・輸入感染症ってどんなイメージ?

・海外旅行保険からみた渡航者のリスク

・開発途上国への渡航に伴うリスク

・正しく問診できていますか?

・輸入感染症における正しい問診

・輸入感染症は「疑う」ことが重要である

・下痢を起こす輸入感染症

・①潜伏期間からのアプローチ

・②渡航地域からのアプローチ

・③曝露歴からのアプローチ

・代表的な輸入感染症

・レアだけれども警戒すべき輸入感染症

・マラリアは5種類

・マラリアの症状は非特異的

・マラリアの潜伏期間は約14日間

・マラリアを疑ったら否定するまで検査を行う

・マラリアの治療薬の基本はリアメット

・マラリアに感染するリスク

・マラリア予防内服

・よく聞かれるQ&A

Lemon@感染症

急性期総合病院


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輸入感染症の正しいアプローチ 感染症専門医Lemonの渡航医学

  1. 感染症専門医Lemonの渡航医学 輸入感染症の正しいアプローチ Lemon@感染症 日本感染症学会専門医・指導医・評議員 twitter: @Dr_lemon_infect

  2. Take Home Messages 1. 輸入感染症は「疑う」ところから始まる 発熱、下痢、皮膚症状があれば海外渡航歴を確認する 系統だった正しい問診を行う 2. 輸入感染症は、潜伏期間、②渡航地域、③曝 露歴などから総合的に考える 3. 最重症となる熱帯熱マラリアを見逃さない! マラリアの非特異的な症状に注意する 疑ったら否定できるまで検査を行う

  3. 本スライドのゴール • 正しい輸入感染症の問診・鑑別診断を学ぶ • マラリアを正しくマネージメントする 本スライドの対象 • 輸入感染症のアプローチに自信をもてない感染症を学 ぶ専攻医

  4. 目次 1. 輸入感染症のリスクと、正しい問診内容 2. 輸入感染症の正しい鑑別診断の考え方 3. 輸入感染症ではマラリアを見逃さない!

  5. 目次 1. 輸入感染症のリスクと正しい問診内容 2. 尿路感染症における抗菌薬の選択方法 3. 輸入感染症ではマラリアを見逃さない!

  6. 輸入感染症ってどんなイメージ? 輸入感染症は発熱する マラリアだけでしょ? 輸入感染症は奥が深い 系統だった問診と身体所見が大切である 輸入感染症を制する者は感染症診療を制する

  7. 海外旅行保険からみた渡航者のリスク 海外旅行保険に加入した100,000人 の渡航者のうち • 8000 人 (8%) • 2000 人 (2%) • 400 人 (0.4%) • 200 人 (0.2%) • 50 人 (0.05%) 保険請求 緊急支援要請 救急外来や受診支援 入院 飛行機での緊急移送 Leggat et al. Travel Med Inf Dis. 2005

  8. 開発途上国への渡航に伴うリスク 1ヶ月の渡航で渡航者100人あたり • 何らかの健康問題50-60人 • 何らかの症状20-30人 • 医療機関受診・帰国8人 • ベッド上安静6人 • 帰国後の勤務継続困難0.3人 • 緊急搬送0.05人 • 海外での死亡0.001人 Steffen R, et al. Int J Antimicrob Agents. 2003

  9. 開発途上国への渡航に伴うリスク  1ヶ月の渡航で渡航者100人あたり • 下痢症20-60人 • マラリア2-3人(予防なし) • インフルエンザ1人 • デング熱1人 • 動物咬傷0.5人 • A型肝炎0.03人 • 腸チフス0.02人 • ダニ脳炎0.001人 • B型肝炎0.004人 • 日本脳炎0.0001人 Steffen R, et al. J Travel Med. 2008

  10. 正しく問診できていますか? 海外に行ってましたか? どの国・地域に 行きましたか? このような問診のみになっていませんか? 鑑別診断を意識して問診できていますか? 系統だった詳細な問診をできていますか?

  11. 輸入感染症における正しい問診  渡航期間 : 現地到着から帰国日まで  国・地域 :なるべく詳細に。都市部?田舎?  旅行目的 :仕事、観光、親族・友人訪問 [VFR*]  現地での生活内容 服装、食事 [生水、氷、生肉/魚、カットフルーツ、生野菜] 宿泊環境、行動・時間帯、バックパック? トレッキング? 河川・海?  同行者、接触者 sexual contact, sick contact, animal contact, 虫さされ  予防:ワクチン、予防内服、渡航前の健康知識  帰国後の生活・体調など: 予防内服の継続、帰国後の問診  現地の季節、天候:雨季・乾季、自然災害 ・VFR(Visiting friends and relatives) 親族・友人の訪問も確認しよう!

  12. 目次 1. 輸入感染症のリスクと正しい問診内容 2. 輸入感染症の正しい鑑別診断の考え方 3. マラリアの正しいアプローチ

  13. 輸入感染症は「疑う」ことが重要である  輸入感染症は「疑う」ところがスタートとなる  輸入感染症はフォーカス不明な感染症だが、 ①発熱、②下痢、③皮膚症状に注意する 熱帯・亜熱帯から帰国後に病院を受診する患者の主訴 症状 発熱 下痢 皮膚症状 受診者: N=17353 226 222 170  ①潜伏期間、②渡航地域、③曝露歴などから総合的に考 える N Engl J Med. 2006 Jan 12;354(2):119-30.

  14. 下痢を起こす輸入感染症 感染症 頻度(%) 熱帯熱マラリア 5-38 デング熱 レプトスピラ症 リケッチア症 37 58 19-45 重症急性呼吸器症候群(SARS) 38-74 エボラ出血熱 86-96 ・旅行者下痢症以外でも、下痢を起こす輸入感 染症は多い! Nat Clin Pract Gastroenterol Hepatol. 2005 May;2(5):216-22.

  15. ①潜伏期間からのアプローチ 潜伏期 疾患 10日以内 デング熱、チクングニア熱、細菌性腸炎、ウイ ルス性腸炎、黄熱、ウイルス性出血熱、リケッ チア感染症、インフルエンザなど 11-21日 マラリア(特に熱帯熱マラリア)、腸チフス・ パラチフス、レプトスピラ症、リケッチア感染 症、ウイルス性肝炎(A、E型)など 30日以上 マラリア(熱帯熱を含む)、結核、ウイルス性 肝炎(A、E型)、腸管寄生虫感染症、HIV感染 症、アメーバ肝膿瘍など Spira AM. Lancet. 2003

  16. ②渡航地域からのアプローチ 渡航地域 頻度の高い輸入感染症 可能性のある感染症 東南アジア デング熱、マラリア (主に熱帯熱以外) チクングニア、レプトスピラ 南アジア・ 中央アジア サハラ砂漠 周辺 のアフリカ 中米 デング熱、腸チフス、 マラリア(主に熱帯熱以外) チクングニア、ツツガムシ病 マラリア(主に熱帯熱)、 リケッチア、住血吸虫症、デン グ熱 トリパノソーマ、チクングニ ア、腸チフス、髄膜炎菌性髄 膜炎 チクングニア、デング熱、マラ リア(主に三日熱)、ジカ熱、 腸チフス、 レプトスピラ、ヒストプラズ マ、コクシディオマイコーシ ス、リーシュマニア 南米 チクングニア、デング熱、マラ リア(主に三日熱)、ジカ熱 バルトネラ、レプトスピラ、 腸チフス、ヒストプラズマ CDC Yellow book

  17. ③曝露歴からのアプローチ 曝露歴 頻度の高い輸入感染症 食事(生もの) 腸チフス・パラチフス、A型肝炎 蚊 デング熱、チクングニア熱、ジカ熱、 マラリア レプトスピラ、住血吸虫症 淡水 性行為 ダニ アメーバ症、A型肝炎、B型肝炎 淋菌、クラミジア、梅毒、HIV感染症 リケッチア症

  18. 代表的な輸入感染症 マラリア デング熱 腸チフス リケッチア症 流行地域 東南アジア アフリカ 東南アジア 東南アジア (特に、イン ド、ネパール など) アフリカ 潜伏期間 14日~21日 7日以内 約14日 約14日 曝露歴 蚊 蚊 食べ物 ダニ 治療 抗マラリア薬 対症療法 セフトリアキ ソン、アジス ロマイシン ドキシサイク リン ・代表的な輸入感染症を覚えよう!

  19. レアだけれども警戒すべき輸入感染症 エボラウ 中東呼吸器症 H5N1鳥イン H7N9鳥イン イルス病 候群 フルエンザ フルエンザ (MERS) 流行地域 西アフリカ アラビア諸国 東南アジア、エ 中国 ジプトなど 潜伏期間 21日以内 10日以内 10日以内 14日以内 曝露歴 患者、コウ 患者、ヒトコブ モリ ラクダ 野鳥・家禽 野鳥・家禽 治療法 対症療法 対症療法 抗ウイルス薬 抗ウイルス薬 致命率 50-90% 約40% 約53% 約20% ・疑わしい場合は、保健所に相談しよう!

  20. 目次 1. 輸入感染症のリスクと、正しい問診内容 2. 輸入感染症の正しい鑑別診断の考え方 3. 輸入感染症ではマラリアを見逃さない!

  21. マラリアは5種類  蚊(主にハマダラカ)媒介感染症  語源:Mal(悪い)+ aria(空気)  熱帯熱マラリア  三日熱マラリア (P. falciparum) (P. vivax) 世界中 アジア、南米、オセアニア、エチオピア、ソマリア、エジプトなど  卵形マラリア (P. ovale) 西アフリカ(少ない)  四日熱マラリア (P. malariae) 世界中 (少ない)  サルマラリア (P. knowlesi) 東南アジア:マレーシア、インドネシア、フィリピン • 最重症は熱帯熱マラリア • 発症後5日以内に治療が必要

  22. マラリアの症状は非特異的 症状 発熱 頻度(%) 100 頭痛 衰弱 寝汗 100 94 91 不眠 69 関節痛 筋肉痛 下痢 腹痛 59 56 13 8 • 古典的には、発熱、脾腫、貧血 • 非特定的な症状を見落とさない

  23. マラリアの潜伏期間は約14日間 熱帯熱マラリア:9-14日 (平均12日) 三日熱マラリア:12‐17日 (平均15日) 卵形マラリア :16-18日 (平均17日) 休眠原虫の形態をとるので、いつでも症状出現はあり得る 四日熱マラリア:18‐40日 (平均28日) • 予防内服をした場合はこの限りではない

  24. マラリアを疑ったら 否定するまで検査を行う 血液塗抹標本:ギムザ染色 迅速キット:日本では未認可 PCR:研究室レベル • 発熱があれば、マラリア・マラリア・マラリア • 連日、3回の検査を行い、確実に否定しよう!

  25. マラリアの治療薬の基本はリアメット 三日熱 卵形 卵形 サル 非重症熱帯熱 ・リアメット 1回4錠1日2回(食後が望ましい)3日間 重症熱帯熱 ・キニーネ静注 国内未承認 熱帯病治療薬研究班 薬剤使用機関に紹介 三日熱と卵形マラリア • リアメットで治療後にプリマキン(1回2錠、1日1 回:食後が望ましい)14日間を用いて、休眠原虫 ※重症の主な徴候 ・意識障害 の治療を行う • 薬剤投与前にG6PD活性を測定することが望ましい ・急性腎不全 ・代謝性アシドーシス G6PD活性があるとプリマキン投与により溶血発作 ・肺水腫 の可能性がある ・貧血(Hb<8g/dL) ・低血糖 日本人では0.1% ・ショック サハラ以南アフリカでは20% ・DIC • 抗マラリア薬投与後に、1日1回以上、原虫寄生率の評価を繰り返す • 抗マラリア薬投与後48時間以内に減少していなければならない • 日本人患者(免疫のない旅行者)では寄生率>2%は重症

  26. マラリアに感染するリスク 高い 田舎 長期 雨季の後半 帰省 (現地に家族・友人) 低い(水辺) 屋外 夜間 窓を開ける安宿 マラリアに 感染するリスク 滞在地 渡航期間 時期 渡航形態 標高 活動場所 活動時間帯 宿泊場所 低い 都市部 短期 乾季の後半 パックツアー 高い(2000m以上) 屋内 日中 空調のあるホテル • 予防内服なしで、西アフリカへ1ヶ月の滞在で感染率約3%

  27. マラリア予防内服 メフロキン マラロン ビブラマイシン 〇 〇 × 1週間に1回1錠 1日1回1錠 1日1回1錠 服用開始時期 渡航の1-2週間前から 渡航の1-2日前から 渡航の1-2日前から 服用終了時期 帰国から4週間後まで 帰国から1週間後まで 帰国から4週間後まで 827.9円/錠 484.3円/錠 21.9円/錠 主な副反応 消化器症状 精神神経症状 消化器症状 頭痛 消化器症状 日光過敏 副反応の発現率 医療相談11% 中止4% 医療相談7% 中止2% 医療相談6% 中止3% 精神疾患、痙攣、過敏症 腎障害、過敏症 過敏症 妊婦の適応 なし(海外ではOK) なし なし 小児の適応 なし (海外では6ヶ月以上) なし (海外では5kg以上) なし 適応 長期渡航(3ヶ月以上) 短期の渡航 国内での承認 服用方法 薬価 使用禁忌 • 長所・短所があり、渡航期間、渡航内容、金銭的な余裕などを 考慮して選択する

  28. よく聞かれるQ&A① Q. 輸入感染症の診療で最も重要なポイントを教えてください。 • 輸入感染症の診療で最も重要なことは渡航歴の聴取を必ず 行うことです。輸入感染症は疑うことから始まります。特 に輸入感染症で多い症状である発熱、下痢、皮膚症状のい ずれかがあるときは渡航歴を確認しましょう。 Q. 輸入感染症を疑った時の問診内容のポイントを教えてください。 • 渡航期間、渡航地域(なるべく詳細に)、曝露歴(現地で の活動)、渡航目的、などを確認しましょう。これらを系 統だって確認することが大切です。曝露歴では、食事内容、 淡水、蚊、ダニ、性行為などを丁寧に確認しましょう。

  29. よく聞かれるQ&A② Q.輸入感染症はどのように鑑別疾患を考えるとよいですか? • 輸入感染症は、渡航地、潜伏期、曝露歴を軸に鑑別疾患を 考えていきます。渡航地では、東南アジア、南アジア・中 央アジア、サハラ砂漠周辺のアフリカ、中米、南米で分け て考えます。潜伏期では、短期(10日未満)、中期(10- 20日)、長期(21日以上)で考えていきます。曝露歴では、 主に蚊、生もの、淡水の曝露歴が重要です。 Q.主な輸入感染症を教えてください。 • 代表的な輸入感染症は、マラリア、デング熱、腸チフス、 リケッチア症になります。まれですが、致命率の高いエボ ラ出血熱、中東呼吸器症候群、H5N1鳥インフルエンザ、 H7N9鳥インフルエンザなども念頭においておきましょう。

  30. よく聞かれるQ&A③ Q. 輸入感染症の中で見逃してはいけない感染症は何ですか? • 輸入感染症の中で見逃してはいけない感染症は熱帯熱マラ リアになります。治療介入が遅れる(5日以上)と死亡する ことがあります。 Q. 日本でのマラリア治療薬を教えてください。 • 日本でのマラリア治療薬は、基本的にリアメット配合錠に なります。食後内服します。食事がとれないときは、吸収 が悪くなるので、脂肪が含まれているヨーグルトを食べて もらってから内服してもらいます。重症例についてはキ ニーネ静注薬を使用しますが、不整脈などの副作用を認め ることが多いので細かいモニタリングが必要です。

  31. Take Home Messages 1. 輸入感染症は「疑う」ところから始まる 発熱、下痢、皮膚症状があれば海外渡航歴を確認する 系統だった正しい問診を行う 2. 輸入感染症は、潜伏期間、②渡航地域、③曝 露歴などから総合的に考える 3. 最重症となる熱帯熱マラリアを見逃さない! マラリアの非特異的な症状に注意する 疑ったら否定できるまで検査を行う

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