#4.
切除不能進行胃がんに対する1次治療の開発の歴史 ニボルマブ(Nivo)を上乗 せすることで生存期間が延 長 CDDPとオキサリプラチン(L-OHP)は同等で、 臨床で使いやすいL-OHPがベター S-1にシスプラチン(CDDP)を上乗せす ることで生存期間が延長 5-FUとS-1は同等で、外来治療が可 能であるS-1がベター Boku N, et al. Lancet Oncol. 2009. Koizumi W, et al. Lancet Oncol 2008. Yamada Y, et al. Ann Oncol 2015. Janjijan YY, et al. Lancet 2021. Kang YK, et al. Lancet Oncol. 2022.
#5.
標準治療とは? ✔標準治療は、過去の研究で最も優れていることが証明された治療 ✔エビデンスが高い治療とは、今までのトーナメント戦でチャンピオン となったもの 標準治療≠「平凡」、「ありきたり」、「月なみ」
#6.
標準治療の実践 ✔エビデンスの積み重ねを理解することは容易ではない →第1相試験からのエビデンスなど、開発の歴史全ての理解は困難 ✔診療ガイドラインは、エビデンスがまとめられて作成されており、 一般的に標準治療が分かりやすく記載されている 胃癌治療ガイドライン2025年 第7版 一部改変して簡略化
#7.
標準治療の実践 ✔標準治療を実践していれば、それで良いのか? まずは標準治療の実践が基本 ただし、標準治療の実践が困難で標準治療から外れる症例も存在
#8.
標準治療実施が困難であった一例(自験例) 69歳男性 【経過】 進行胃がん(腹膜播種) 紹介する症例は一例であり、全ての症例 が同様の結果を示すわけではありません。 大量腹水を伴い、経口摂取不能の状態で当院紹介となり、精査の結果、腹膜播種を伴 う切除不能進行胃がんと診断。 2021年7月より、1次治療:FOLFOX療法、2次治療:PTX+RAM療法と実施。いずれも 一定の効果を認めたが、その後、不応となり、3次治療としてニボルマブ(Nivo)単独 療法を選択。 急激な腫瘍増悪 (Hyperprogressive disease) 腹部CT ニボルマブ1コース施行後
#9.
標準治療実施が困難であった一例(自験例) 次治療の選択肢は… イリノテカン(IRI)は中等度腹水のためfull doseでの実施は困難、トリフルリジン /チピラシル(FTD/TPI)は経口摂取困難のため内服自体が難しい Best supportive careへの移行も考えられる状況
#10.
標準治療実施が困難であった一例(自験例) ガイドラインに標準治療として記載されていないイリノテカン+シスプラチン療法※ を選択 →シスプラチンが加わる代わりに、イリノテカンが減量となるため実施可能と判断 ※Higuchi K, et al. Eur J Cancer. 2014. 腹部CT 治療前 治療開始1.5か月後 腹水が減少し、腹痛の改善や食事摂取量の増加など、 状態は著明に改善 治療開始5か月後 紹介する症例は一例であり、全ての症例 が同様の結果を示すわけではありません。
#11.
さらなる標準治療の開発 ✔一般的に、がん薬物療法では、標準治療にも課題が多く存在 ✔そもそも標準治療は自然発生するものではなく、新規薬剤の登場、 治療成績向上には臨床試験が必要 WJOGを中心とした臨床試験や治験での治療開発が必要
#12.
さいごに ✔新規治療導入時には、標準治療の実践を第一に考える。 ✔標準治療の成り立ちを理解することが望ましいが、診療ガイドラインで ポイントを押さえることも有効。 ✔標準治療実施が難しい≠治療不可ではなく、診療ガイドラインは絶対的 なものではない。 ✔ただし、標準治療以外のことを行うだけの科学的な裏付けは必要である。