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飯塚病院
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最終更新:2021年11月25日
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最終更新:2022年10月9日
難治性がん疼痛に対する神経ブロック 飯塚病院 連携医療・緩和ケア科 中山 隆弘
自己紹介 中山 隆弘 医師8年目 緩和ケア歴6年目 福岡県久留米市出身 熊本マリスト学園高等学校卒 山梨大学医学部医学科卒 2014年-、山梨大学医学部附属病院 臨床教育センター 2016年-、山梨大学医学部附属病院 麻酔科学講座 2019年-、飯塚病院 連携医療・緩和ケア科 *2020年6月-11月、佐賀県医療センター好生館 日本麻酔科学会専門医(来年度より)
自己紹介 ■麻酔科に入局した理由 ・緩和ケアを志していた。麻酔科、消化器内科、耳鼻科で悩む。 ・麻酔科が主に緩和ケアチームを運営していたため選択。 ■飯塚病院に来た理由 ・緩和ケアチームだけでなく、主治医としての緩和ケアを経験したかった。 ・地元の久留米に近かった。 ■神経ブロックを学び始めたきっかけ ・疼痛が原因で、過ごしたい場所で過ごせない人がいる。 ・そのような人が、神経ブロックを行うことで在宅で過ごせた。
4.
本日のテーマ 難治性がん疼痛に対する神経ブロックの ①理解を深めよう。 ②方法を知ろう。 ③タイミングを知ろう。
5.
難治性がん疼痛に対する神経ブロックの理解を深めよう Q 難治性がん疼痛に対する神経ブロックって知っていますか? ①はい ②いいえ
6.
WHOがん疼痛ガイドライン
7.
難治性がん疼痛とは ■薬物療法や放射線治療などでは、十分な鎮痛が得られない。 ■薬物療法による副作用が強く、QOLが低下する。 ■がんの進行によって、今後痛みが増強してくることが予想される。
8.
難治性がん疼痛に対する神経ブロック ■緩和ケア医が知っておくべき10のインターベンション治療 ・内臓神経ブロック≒腹腔神経叢ブロック ・上下腹神経叢ブロック ・不対神経節ブロック ・硬膜外ブロック ・くも膜下鎮痛法 ・椎体形成術 ・脊髄刺激療法 ・ボツリヌス毒素療法 ・癌患者の非癌性疼痛の評価 ・ケタミン
9.
難治性がん疼痛に対する神経ブロック ■内臓痛に対する神経ブロック ■持続硬膜外 or くも膜下鎮痛法
10.
難治性がん疼痛に対する神経ブロック ■内臓痛に対する神経ブロック 痛みの伝達経路となる交感神経性求心性繊維を破壊する。
11.
内臓痛に対する神経ブロック ■内臓神経ブロック≒腹腔神経叢ブロック 胃、膵臓、十二指腸、副腎などの病変 ■下腸間膜動脈神経節ブロック 横行結腸左半分、下行結腸、S状結腸、直腸などの病変 ■上下腹神経叢ブロック 直腸、子宮、膀胱などの病変 ■不対神経節ブロック 肛門部、会陰部などの病変
12.
持続硬膜外 or くも膜下鎮痛法 ■持続硬膜外 or くも膜下鎮痛法 硬膜外もしくはくも膜下にカテーテルを挿入し、薬剤を脊髄に直接作用させる。
13.
持続脊髄くも膜下鎮痛法
14.
本日のテーマ 難治性がん疼痛に対する神経ブロックの ①理解を深めよう。 ②方法を知ろう。 ③タイミングを知ろう。
15.
難治性がん疼痛に対する神経ブロック ■内臓痛に対する神経ブロック ■持続硬膜外 or くも膜下鎮痛法
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内臓痛に対する神経ブロック ■内臓神経ブロック≒腹腔神経叢ブロック 胃、膵臓、十二指腸、副腎などの病変 ■下腸間膜動脈神経節ブロック 横行結腸左半分、下行結腸、S状結腸、直腸などの病変 ■上下腹神経叢ブロック 直腸、子宮、膀胱などの病変 ■不対神経節ブロック 肛門部、会陰部などの病変
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内臓神経ブロック≒腹腔神経叢ブロック
18.
内臓神経ブロック≒腹腔神経叢ブロック
19.
内臓神経ブロック≒腹腔神経叢ブロック
20.
内臓神経ブロック≒腹腔神経叢ブロック
21.
内臓神経ブロック≒腹腔神経叢ブロック
22.
内臓神経ブロック≒腹腔神経叢ブロック ■経椎間板法 ・主に麻酔科医、ペインクリニック医が実施。 ・透視やCTが必要になる。 ■経内視鏡法 ・主に消化器内科医が実施。 ・超音波内視鏡下穿刺吸引法(EUS-FNA)のようなイメージ。 ■術中 ・主に外科医が実施。 ・膵頭十二指腸切除術(PD)などの際に施行する。
23.
内臓神経ブロック ■経椎間板法 ・実施場所:手術室 or CT室 ・必要機材:透視 or CT ・体位:腹臥位 ・時間:1時間半前後 ・麻酔:局所麻酔 ・入院期間:最短1泊2日
24.
内臓神経ブロック
25.
内臓神経ブロック
26.
内臓神経ブロック
27.
内臓神経ブロック(透視下)
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内臓神経ブロック(CTガイド下)
29.
本日のテーマ 難治性がん疼痛に対する神経ブロックの ①理解を深めよう。 ②方法を知ろう。 ③タイミングを知ろう。
30.
難治性がん疼痛に対する神経ブロックのタイミングを知ろう Q いつ検討すべきと思いますか? ①病気になる前 ⇒さすがに早すぎる。 ②がんの診断直後 ⇒早いかと思うが、有効な可能性あり。 ③薬剤での疼痛コントロールが上手くいかなくなったら ⇒このケースが多いが、手遅れなことも多い。 ④亡くなる直前 ⇒ほとんど困難で、メリットが少ない。
31.
難治性がん疼痛に対する神経ブロックのタイミング ■がん性痛に対するインターベンショナル治療ガイドライン ・癌のいずれの病期の痛みにも適応になる。 ・がん疼痛への薬物治療の効果が明らかでない初期段階でも検討されるべき。 ・様々な神経ブロックで、早期に実施することを薦めている。 『初期段階』、『早期に』とは??? ⇒明確な基準はない。総合的な判断が必要。
32.
実際の症例① 【病名】 膵癌 【現病歴】 2020年3月頃より腹痛を自覚。4月23日に近医を受診、膵体部に腫瘤を指摘。 6月1日に好生館へ紹介、CTで局所進行膵癌の診断。EUS-FNA目的に入院。
33.
実際の症例① 【症状】 心窩部痛。腹部の温めや入浴で疼痛が軽減。 【ブロック前】 オキシコドン徐放cap(10)2cap2X、オキシコドン錠(2.5)1T頓用。1日2-3回。軽度便秘あり。 【実際の経過】 入院 ⇒ EUS-FNA ⇒ ブロック ⇒ ポート作成 ⇒ 化学療法開始 【ブロック後】 オキシコドン徐放cap(10)2cap2Xは継続。レスキューの使用はなくなる。便秘は改善。
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実際の症例② 【病名】 膵癌 【現病歴】 他院で抗癌剤治療を継続中だが、PDであり治療中止も検討されつつあった。 心窩部痛、背部痛が増強し、当科へ緊急入院となった。
35.
実際の症例②
36.
実際の症例② PCA流量【ml/hr】 フェンタニル 5mg/日 0.3 14時 オキシコドン(内服) 162.7mg/日 0.35 0.4 0.45 0.5 254mg 0.55 14時 NRS (6) (2) 14時 205.3mg 117.3mg 14時 11時 (1) 18時 9時 12時 12時 (2) (9) (4) (0) 0.45 0.35 0.25 0.15 0.15 0.2 (0) (0) (0) (0) (4) (9) 64.7mg 7 6 6 5 5 6 6 7 5 4 3 4 3 6 4 眠気 16時 21時 9時 14時 9時 14時 NSAIDs 180mg/日 アセトアミノフェン 400mg/日 66mg (2) 14時 3 4 (フラッシュ回数【回】) 下痢 ブロック ナルデメジン 0.2mg/日 酸化Mg 1980mg/日 6 4 4 64mg デュロキセチン 20mg/日 (8) 14時 14時 (10) 68mg 4 4 5
37.
実際の症例② ■本症例での内臓神経ブロックのメリット ・オピオイドでは軽減できなかった疼痛が軽減した。 ・オピオイドを減量できたことで、副作用が軽減しQOLが改善した。 ・オピオイド以外の薬剤を中止でき、内服の負担が軽減した。 ・疼痛が軽減したことで話す余裕が生まれ、良好な意思決定支援に繋がった。
38.
難治性がん疼痛に対する神経ブロックのタイミング ■実施のためのチェックリスト □疼痛の評価:内臓痛 □交感神経系:温めで軽減 □鎮痛薬:オピオイド、鎮痛補助薬 □麻薬の副作用:眠気、吐気、便秘 □イレウス:蠕動増強 □抗凝固:疾患と休薬 □腹臥位:ストマなど □認知症・不穏:体位保持 □飲酒:エタノール使用 □アレルギー:局麻、アルコール □食事摂取・飲水:脱水 □点滴:22G以上の末梢ルート □予後:月単位以上 □浮腫、胸水、腹水:補液による増悪 □椎体:骨折、変形、転移 □椎間板:厚さ
39.
本日のテーマ、まとめ 難治性がん疼痛に対する神経ブロックの ①理解を深めよう。 ⇒内臓痛に対する神経ブロック、持続硬膜外 or くも膜下鎮痛法。 ②方法を知ろう。 ⇒手技自体は単純。特別な機材は必要ない。 内臓痛に対する神経ブロック:最短1泊2日 ③タイミングを知ろう。 ⇒癌の診断早期から検討。明確な基準はない。チェックリストを参考に。 早期からの緩和ケアの実現、関係性構築・ACPにも有利。
40.
参考文献 ・WHO GUIDELINES FOR THE PHARMACOLOGICAL AND RADIOTHERAPEUTIC MANAGEMENT OF CANCERPAIN IN ADULTS AND ADOLESCENTS ・Zech DF, et al. Pain 1995;63:65-76 ・Chou CZ, et al. J Palliat Med 2020;23:1386-91 ・神経ブロックに必要な画像解剖. 文光堂 ・がん性痛に対するインターベンショナル治療ガイドライン. 日本ペインクリニック学会
41.
最後に ■実施可能な医師が少ない ■適応を知っている医師が少ない
42.
最後に 難治性がん疼痛に対する神経ブロックを ①理解を深めよう。 ②タイミングを知ろう。 ③方法を知ろう。 ④一緒にやろう。
43.
飯塚病院 連携医療・緩和ケア科 ■早期からの緩和ケア 緩和ケア外来で、抗癌剤治療中患者の併診 ■主治医としての緩和ケア 一般病棟、緩和ケア病棟での入院担当 ■他診療科との連携 緩和ケアチームでの介入 ■充実したスタッフ スタッフの半分以上が総合診療科出身 多くのローテーターが研修中
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飯塚病院 連携医療・緩和ケア科