#4.
◆定義 イレウスとは機能性イレウス(腸管麻痺) のみを示し、従来の機械性イレウスはイレ ウスとは呼ばれず腸閉塞と呼称される。 急性腹症ガイドライン2015, p19 特に大腸癌に伴う腸閉塞のことを、 閉塞性大腸癌と言う。
#5.
◆分類と原因 旧定義での分類 代表的原因 血流障害なし 単純性 機械性 血流障害あり 複雑性 (絞扼性) 腸閉塞・ イレウス 麻痺性 機能性 痙攣性 腫瘍 閉塞性大腸癌 癒着性 腹部手術後 食餌性 餅,茸,蒟蒻 異物 胆石、胃石 ヘルニア 内/外ヘルニア 腸重積 腸重積 癒着 癒着(バンド) 結節 腸管結節形成症 術後腸管麻痺、 腸炎など 現在の分類 腸閉塞 イレウス
#6.
◆診断しよう 症状を確認する。 ⇒悪心・嘔吐、腹痛、排ガス・便停止 腹部手術歴を確認する。 外科医の 豆知識 ⇒手術歴のない原因不明の腸閉塞は絞扼性の可能性が高い 画像検査を行う。 2方向(臥位+立位 or 左側臥位) ・腹部造影CT(thin slice、MPR(多断面再構成像)) ・腹部Xp
#7.
◆CT読影のポイント ①すべての拡張腸管の連続性を確認しよう。 ②beak sign、腫瘍、ヘルニアなど原因を探そう。 ③血流障害の所見を見落とさない。 ⇒whirl sign、腸壁の造影不良、腸間膜の浮腫 イレウスだと思う んですけど・・・ beak sign: 鳥の嘴様の 腸管狭窄所見 ○○が原因の 絞扼性腸閉塞と思います。 しっかり読影して「できレジ」を目指してください whirl sign: 腸間膜の 渦巻き様所見
#8.
◆腸閉塞と診断したら・・・ ➢ 細胞外液を用いた脱水の補正 ※腸閉塞では5~10Lの水分、電解質が腸管 内に貯留している。 ➢ 経鼻胃管による減圧 ※嘔吐誘発による誤嚥性肺炎に注意!! 必ず座位で挿入すること。
#9.
◆治療選択①、手術 or 保存? ➢ 腹膜刺激症状、腸管血流障害を認めた場合 や、還納しない・還納できないヘルニアに 対しては緊急手術を選択することが多い。 ➢ 腹腔鏡手術が近年増えているが、視野確保が困 難、腸管が損傷しやすいため、技量が必要。 ➢ 上記以外の場合は保存治療を選択することが多 い。
#10.
◆治療選択② 閉塞性大腸癌 ➢ 閉塞性大腸癌の治療方針、基本的に、 閉塞部位、癌の進行度を基準に考える。 大きく分けて下記の2つの方針となる。 緊急切除術 近年減ってきている。その場で切除してしまう。 BTS (Bridge to Surgery) 某K-POPアイドルのことではない。 腸管減圧をした後に、腫瘍の評価をして最適な 治療を選択する。腹腔鏡手術もできる。 初期治療としては、人工肛門造設術、大腸ステ ント、イレウス管などがある。
#11.
◆今回のまとめ ✓ イレウス=腸管麻痺で腸閉塞ではない。 ✓ 造影CTで原因を確認しよう。 特に血流障害を認めた際は緊急手術。 ✓ 診断したらまずは外液補充と経鼻胃管を挿入。
#12.
◆さいごに 実際の臨床では、いまだに「絞扼性イレウス」や 「大腸癌イレウス」ということも多いです。 私の意見としては、 違いを知っていたうえで使う 医師、レジデントとなっていただきたいです。 参考文献 ・急性腹症ガイドライン2015