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脳波 レジデントが押さえておきたい2つのPOINT

  • 脳神経内科

  • 意識障害
  • けいれん
  • てんかん
  • 脳炎
  • 神経
  • 発作
  • 昏睡
  • spike
  • 重責
  • NCSE

258,593

633

2021/4/17
2022/1/24 更新

内容

脳波を教えてもらったことがない方へ

・これから初めて脳波を判読する方へ、必要最小限のエッセンスをまとめました

・このコンテンツだけで脳波が読めるようになるわけではありませんが

・イントロとして、脳波の敷居が少しでも下がればと思います

脳波、てんかん、意識障害関連のブログ:

http://r6eddish.blog.fc2.com

脳波ウェブセミナー:

http://r6eddish.blog.fc2.com/blog-entry-80.html#comment18

脳波判読の拙著:

脳波判読オープンキャンパス 誰でも学べる7STEP

https://www.google.com/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=&cad=rja&uact=8&ved=2ahUKEwjFjLTk94TwAhWFMN4KHTRfBckQFjADegQIEhAE&url=https%3A%2F%2Fwww.amazon.co.jp%2F%25E8%2584%25B3%25E6%25B3%25A2%25E5%2588%25A4%25E8%25AA%25AD%25E3%2582%25AA%25E3%2583%25BC%25E3%2583%2597%25E3%2583%25B3%25E3%2582%25AD%25E3%2583%25A3%25E3%2583%25B3%25E3%2583%2591%25E3%2582%25B9-%25E8%25AA%25B0%25E3%2581%25A7%25E3%2582%2582%25E5%25AD%25A6%25E3%2581%25B9%25E3%2582%258B7STEP-%25E9%259F%25B3%25E6%2588%2590-%25E7%25A7%2580%25E4%25B8%2580%25E9%2583%258E%2Fdp%2F4787824619&usg=AOvVaw1tpaRK2U5gyuVVk1FjUCMF

音成秀一郎

広島大学病院


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脳波 レジデントが押さえておきたい2つのPOINT

  1. 広島大学病院 脳神経内科 てんかんセンター 音成 秀一郎 脳波 レジデントがおさえておきたい2つのPOINT 対象: 初めて脳波をオーダーした 何をどう見るのかわからない 脳神経内科を研修する(研修しなかった)

  2. この脳波は正常? 異常? 脳波の解説の前に、脳波ではそもそも何が分かるのか? その前提を押さえておきましょう

  3. この脳波は正常? 異常? どこがどう異常なのか?  その解説をする前に、そもそも脳波では何が分かるのでしょうか?  まずはその前提を押さえておきましょう この脳波は異常です (非けいれん性てんかん重積の症例)

  4. 脳波でわかることはたったの2つです (1) てんかんがあるか (2) 意識障害があるか それは

  5. 脳波でわかることはたったの2つです (1) てんかんがあるか (2) 意識障害があるか この2つ以外も判定しようとするから、脳波は難しくなります。むしろ、この2つだけの判定に絞れば脳波判読はとてもシンプルです。

  6. これは気象情報と同じです 気象と同じように脳波にはたくさんの情報(パラメーター)があり ますが、入院症例における治療方針決定といセッティングであれば、 「てんかんがあるか」、「意識障害があるか」の2点に絞った シンプルな判定で必要十分なのです。 降水確率 気温 明日、キャンプに行く予定のばあい 湿度 気圧 日照時間など 絶対に知りたい情報は 知らなくてもなんとかなる情報

  7. 脳波でわかる2つのこと (1) てんかんがあるかどうかは (2) 意識障害があるか spikeが判定できればok ? 具体的には

  8. spike (てんかん性放電)のPOINT CHECK 1 先端が尖った棘波 前後の背景活動と比べて振幅が高い CHECK 2 棘波の直後に徐波が続く(後続徐波:after-slow) 前後の背景活動と比べて振幅が高い CHECK 3 棘波の終わりは基線より下方まで落ち込む 後ほど詳細を説明します 背景活動 背景活動

  9. 脳波でわかる2つのこと (1) てんかんがあるか (2) 意識障害があるかどうかは spikeが判定できればok 背景活動が判定できればok ? 具体的には

  10. これが正常な背景活動                     その脳波で最も豊富にみられる活動=背景活動 10 Hz 詳細は後ほど説明します

  11. 脳波でわかる2つのこと (1) てんかんがあるか:spikeのチェック (2) 意識障害があるか:背景活動のチェック この2つのPOINTを押さえるだけで、次ページのような脳波も読めるようになります!

  12. ちなみに、この脳波の診断ができれば、 救急/ICUでも活躍できること間違いなしです 診断は? 次ページ 脳波のどこを見ればいいのか、これから解説します

  13. 診断:非けいれん性てんかん重積 (NCSE: non-convulsive status epilepticus) 難しいですよね 最初は分からなくて大丈夫です

  14. 診断:非けいれん性てんかん重積 (NCSE: non-convulsive status epilepticus) こういった脳波が分かるようになるにはどうしたらいいか?  その基本の基本から始めます

  15. 本題に入る前に ー 詳しく脳波を勉強したい人へ ー 脳波判読が最も上達する方法は? とにかくまずは自分で読んでみる 脳波を「よく知っている先生」に指導を受ける これを繰り返す

  16. 初学者む向けのウェブセミナーもあります 周りに脳波を指導する先生がいない、だけど脳波を学びたい方へ ウェブセミナーにぜひ参加してみてください http://r6eddish.blog.fc2.com/blog-entry-80.html#comment18 所属施設、卒後年数、地域を問わず、医師と検査技師であれば参加できます 毎週開催なので、時間のあるときにどうぞ 主に初学者(特に卒後3-5年が対象)ですが参加は自由です 悩ましい脳波を一緒に悩みましょう

  17. LINEアプリでの脳波相談チャットもあります LINEアプリでの遠隔脳波判読サポートをはじめました 医師と検査技師の方で限定で脳波の相談ができるオープンチャットです 匿名で参加でき、匿名で相談できます(他の参加者の質問も閲覧できます)

  18. こちらの書籍もオススメです 初学者向けの書籍です

  19. では本題に入ります まずは「形」から!! レントゲン写真で「ここの影が...」とは言わないのと同じで まずは「波」の名前をおさえましょう

  20. まずは「形」から! (spikyな波形) (slowな波形) キョクハ ジョハ 先端が尖っていれば「棘波」 鈍って緩やかなものは「徐波」

  21. 大きな波は「高振幅」 小さな波は「低振幅」 低振幅波 高振幅波 30μV以下など 50μV前後 100μV以上など (中間域) 多くの背景活動はこの領域 アーチファクト または異常波 であることが多い 生理的なものもあれば 異常もある (アーチファクトも多い)

  22. 脳波=脳の活動(Y軸)の時間変化(X軸) 脳波の横軸は「時間」 脳波の縦軸は「振幅」 波の振幅が高い=脳の活動が高い

  23. 振幅と周期の測定・単位 波の高さ=振幅(μV) 波の持続時間=周期 (Hz) マイクロボルト ヘルツ

  24. 周波数(Hz: ヘルツ)とは ー 1秒間に何周期あるか ー 1秒間に10個の「波」があるので、これは10Hz 1秒間           1 2 3 4 5           6 7 8 9 10

  25. 徐波  8-12 Hz 7Hz 以下 基礎律動 生理的にも出るし異常波でも出る アーチファクト であることも多い 生理的なものもあれば 異常の徐波もある             速波 13 Hz以上             アルファ波 波の周期:10Hz を中心に考える 人の脳波の基礎律動は8−12Hz(アルファ波) そのためアルファ波より遅いものを徐波、速いものを速波と呼ぶ

  26. 徐波              速波             アルファ波 周波数を細かく分類する名前もある デルタ波 (<4Hz) シータ波 (4−7Hz) アルファ波 (8−12Hz) ベータ波 (13−24Hz) ガンマ波 (>24Hz) こういう名前があるということだけ知っていればいい 特に遅い やや遅い やや遅い 特に遅い

  27. 徐波  8-12 Hz 7Hz 以下             速波 13 Hz以上             アルファ波 周波数を心電図に例えるなら HR = 60-80 bpm  HR <50 bpm  (徐脈) HR >100 bpm (頻脈) 

  28. 徐波の考え方 徐波:7Hz 以下       HR <50 bpm  生理的なものもあれば 異常の徐波もある ウトウトすれば脳波は正常でも徐波化する (眠れは脈拍は生理的に低下するのと同じ:生理的現象) 覚醒中に出現する徐波化は異常 (活動時のHR低下は異常の可能性があるのと同じ) 周波数を心電図に例えるなら より遅い周波数の方が病的意義が高い

  29. 生理的な速波もある(洞性頻脈など) 誘引なく出現する速波には異常徐波化するのは異常 (活動時のHR低下は異常の可能性があるのと同じ) 周波数を心電図に例えるなら 速波の考え方 13 Hz以上             HR >100 bpm (頻脈) 

  30. 「形」から覚える:波の連続性 単発の出現なら (irregular) 不規則性 同じ波形が連発するなら (rhythmic) 律動性 *多くは5-6秒以上持続するもの 若干の連続性 (形も若干不揃い) (semi-rhythmic) 半律動性 * ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

  31. 「形」から覚える:spike (てんかん性放電) CHECK 1 先端が尖った棘波 前後の背景活動と比べて振幅が高い CHECK 2 棘波の直後に徐波が続く(後続徐波:after-slow) 前後の背景活動と比べて振幅が高い CHECK 3 棘波の終わりは基線より下方まで落ち込む Spikeの条件である3つのPOINT 背景活動 背景活動

  32. 脳波画面のアイコンの説明 1 2 3 4 5 6 7 8

  33. さっそく実践! 実際の波形を見ていきましょう ー POINT 1. spike 探し ー

  34. この脳波の中にあるspikeはわかりますか?

  35. この波形が目立ちますね 拡大図を見るとspikeの3つの特徴が揃っています (spikeが連続で2つ発生している所見です) 背景活動 背景活動 この脳波の中にあるspikeはわかりますか?

  36. ところで、なぜこのspikeに目が止まったのでしょうか?

  37. 背景活動 背景活動 それは、前後で見られる背景活動と比べると このspikeが際立っていたからです ところで、なぜこのspikeに目が止まったのでしょうか?

  38. つまり、背景活動より「振幅」「周波数」「尖り」が 顕著に際立っていることが spike探しのPOINT!! (この感覚が大事です:詳細は次ページ) ところで、なぜこのspikeに目が止まったのでしょうか? それは、前後で見られる背景活動と比べると このspikeが際立っていたからです 背景活動 背景活動

  39. Spike探しのPOINT:背景活動からの「仲間外れ」を探す Spike探し = 背景活動からの「仲間外れ」を探せば良い! 背景活動 背景活動 前後の「背景活動」と比較してspikeは 明らかに「振幅」は高く、先端は「尖って」いて、「周波数」も異なる点で仲間外れ spike 形も大きさも際立って異なっている

  40. 練習問題:この脳波の中にあるspikeはわかりますか?

  41. 先端が尖っている 後続徐波がある 基線より下方へ落ち込みあり 背景活動 背景活動 spike 練習問題:この脳波の中にあるspikeはわかりますか?

  42. 背景活動 背景活動 背景活動 (background activity) spike(突発波:paroxysmal activity) Spike探しのまとめ! POINT 1. 「突発的に出現する」背景活動からの仲間外れを探す POINT 2. それがspikeの3つの特徴形態を認めるかチェックする 背景から突発的に出現するため、spikeのことを 突発波(paroxysmal activity)と総称で呼ぶ

  43. 練習問題:この中にspikeはありますか?

  44. 背景活動から突発的に出現しているので、spikeと言えるか?? 練習問題:この中にspikeはありますか?

  45.  これらはアーチファクトです。  真のspikeと比較して「尖りすぎている」ものは筋電図の  アーチファクトの可能性があり注意します。  また「広範囲の電極に一様に広がりすぎている点」も  アーチファクトの特徴です。  spikeの3つの特徴を満たしていないかも確認すると良いです。 練習問題:この中にspikeはありますか?

  46. 背景活動 背景活動 (background activity) spike(突発波:paroxysmal activity) Spike探しのまとめ!! POINT 1. 突如として背景活動から出現する仲間外れを探す POINT 2. アーチファクトでないことも確認し POINT 3. spikeの3つの特徴形態をチェックする Spikeは背景から突発的に出現するため spikeのことを突発波(paroxysmal activity)と総称で呼ぶ 背景活動 spike

  47. Spikeと間違えやすい「ミミック」 1 2 3 1 2 3 1 2 3 spike成分が背景から際立ってない(振幅は若干高いが尖りがない) 後続徐波は認める spike成分は下方へ落ち込み(ノッチ)がない spike成分にも見えるが、背景のリズムを崩していない(際立っているわけではない) 明確な後続徐波を認めない(背景のリズムは残っている) spike成分は下方へ落ち込み(ノッチ)がない spike成分は振幅は高いだけで、リズムは背景から乱れていない 後続徐波を認めない spike成分は下方へ落ち込み(ノッチ)がない spike    vs.   ミミック 1 2 3 CHECK!! 背景から際立つspike成分 振幅の保たれた後続徐波 spike成分は下方へ落ち込み(ノッチ)あり

  48. 背景活動 spike    vs.   ミミック 1 2 3 CHECK!! 背景から際立つspike成分 振幅の保たれた後続徐波 spike成分は下方へ落ち込み(ノッチ)あり spike成分が背景から突出しているが、尖りすぎている(上行脚と下降脚が接するほど急峻):筋電図のアーチファクト疑い spike成分は尖っているが、後続徐波と比べてあまりにも振幅が小さすぎる 1 2 3 1 2 3 大事なこと: 脳波の原則は「疑わしきは罰せず」です つまり「spikeと確実に断定できるもの」以外は spikeと言わないようにしましょう Spikeと間違えやすい「ミミック」 続き

  49. Spikeと断定できないものはsharp transientと記載 ー spike疑いという表現は避ける ー spikeの特徴が揃っている 再現性も確認できれば spikeと断定できる 1 2 3 1 2 3 spikeの特徴が不揃い Spike疑いとはせず sharp transientと判定する 背景活動から「仲間外れ」の波形がある (spikeか?) Step 2 Step 1 Step 3

  50. Sharp transients (STs:鋭一過波)とは? 1 2 3 1 2 3 STsは正常亜型の扱いである。よってSTsを「spike疑い」と記載してしまうと「てんかんの要素がありえるのでは?」という過剰解釈につながりかねない。つまり、てんかんではない人をてんかんと判断するきっかけとなり得るため、spike疑いという表現は使用しない。脳波では「疑わしい」だけで無責任に判定しない(疑わしきは罰せずの原則)。 STs = spikeに似た「尖った波形」 ・STsは「偶発的に尖った波形」 のことである ・つまりspikeに似た波形(spikeの条件が揃わないもの)であり ・偶発的にspikeに似ているだけ(spikeミミック) ・つまり、正常亜型として解釈される ・sharp transient ≠「spike疑い」

  51. ところで背景活動とは? 背景活動=その脳波の中で最も多くの時間帯を占めている周波数の活動 突発波(spike)

  52. ところで背景活動とは? 背景活動=その脳波の中で最も多くの時間帯を占めている周波数の活動 突発波(spike)                                 1秒間に8つあるので 8Hzのアルファ波が背景活動 背景活動 波形活動の一部を拡大してみると

  53. 脳波判読の2つ目のPOINT ー POINT 2. 背景活動のチェック ー

  54. これが正常な背景活動 なぜ正常??

  55. これが正常な背景活動                     背景活動は10Hz(アルファ波)です そして、アルファ波が主体の背景=意識は正常 この波形がメインだが、周波数は? 10 Hz

  56. R K Garg Postgrad Med J 2002;78:63-70 この脳波の背景活動は?

  57. R K Garg Postgrad Med J 2002;78:63-70 背景活動は抑制されて見えていません まず周期的に spikeがあります 1 2 3 3つの特徴も揃っている この脳波の背景活動は?

  58. R K Garg Postgrad Med J 2002;78:63-70 背景活動は抑制されて見えていません この脳波の背景活動は? 背景活動は?

  59. R K Garg Postgrad Med J 2002;78:63-70 Spike間のインターバルに 背景活動がありません 背景活動は抑制され、見えていません 背景活動がない=意識障害の脳波 周期的に放電がある=重積の脳波の可能性

  60. 背景活動の評価のまとめ POINT 1. もっとも多くの時間帯を締める周波数をチェック POINT 2. それがアルファ波主体ならば正常範囲内 POINT 3. アルファ波がなければ何かしらの意識障害の可能性 POINT 4. spikeが混在しているかもチェック

  61. 非けいれん性てんかん重積の脳波 代表的なサンプル

  62. 非けいれん性てんかん重積の脳波 代表的なサンプル Spike間のインターバルの 背景活動は乏しいです (綺麗なアルファ波はありません) Spikeがあり、背景活動に異常がある = てんかん性の意識障害 (てんかん重積を疑う) 周期的に続くspikeがあります

  63. ではこの脳波は?(冒頭で紹介した脳波)

  64. 周期的な活動あり (spike?) 背景活動はほとんどない (アルファ波がない) ではこの脳波は?(冒頭で紹介した脳波) Spike疑う所見あり 背景活動は異常 てんかん性の意識障害を疑い、専門医へコンサルト!!

  65. ではこの脳波は?(冒頭で紹介した脳波) 注意として、脳波は1ページだけで判断することはしません。 この症例も複数のサンプルチェックを経て「非けいれん性てんかん重積」 と最終診断しました。ですが、それは専門医に任せてokです。 Spike疑いあり 背景活動は異常 トリアージPOINT 脳のエマージェンシー の可能性 専門医コンサル

  66. Spike の解釈 Spikeがあることで言えること

  67. Spikeの解釈 ー spikeがあればほぼ「てんかん」? ー Spikeは 正常成人ではほぼ検出されません てんかん に対する特異度が非常に高い所見です よってspikeを認めれば、ほぼ 「てんかんの病態がある」と言えます ただしspikeがあったからと言ってそのまま「てんかん」と臨床診断はしません。 臨床的な「てんかん発作」がなければ、疾患としての「てんかん」とは言えないのです C4−A1 背景活動から逸脱する 一過性の放電 spike

  68. Spikeの解釈 ー spikeがあればほぼ「てんかん」? ー てんかんは「喘息」のような慢性の病態と似ています 喘息と同じように、てんかんも  ・慢性の疾患で  ・体調を崩せば「発作」を繰り返す という性質があります 喘息では治療を必要としない軽症の方もいると思います (軽度の喘息の素因を持っている方) てんかんも同様で、てんかんの素因はあっても(つまりspikeがあっても) 必ずしも「発作(てんかん発作)」を起こすとは限りません。 ただし、てんかんの場合は臨床的な発作を慢性に繰り返すことが診断の基準です。 よって、spikeは認めるが発作がない場合には「てんかん」とはいいません。

  69. Interictal Ictal (発作間欠期) (発作時) 発作間欠期と発作時 発作のない普段の状態を発作間欠期(interictal)と言います。 一方で発作の最中は発作時(ictal)と言います。 てんかんとはinterictalとictalを慢性的に行ったり来たり繰り返している状態

  70. Interictal Ictal (発作間欠期) (発作時) 発作のない無症状の期間 発作の最中の脳波 発作のないbaselineを発作間欠期脳波(interictal EEG)と呼び、 発作が出現すれば発作時脳波(ictal EEG)と呼びます てんかんではinterictalとictalを行ったり来たり、不規則に慢性に繰り返している状態です。 発作間欠期と発作時の脳波

  71. Interictal Ictal 発作間欠期の脳波 C4−A1 突如として始まり 持続的な活動 多くは形が進展していく(evolution) 波形はspikeとは限らない (臨床発作症状と同時か、症状に先行 して出現) Ictal onset 背景活動をベースラインに spikeが不規則に出現する spikeは一過性の放電であり 無症候性の現象 (発作間欠期のspikeは無症状です) Spikeは発作間欠期の所見です 発作時脳波の所見はspikeとは限りません spike EEG seizure pattern 発作時の脳波

  72. Interictal Ictal Ictal onset 発作間欠期と発作時の脳波 ー 心電図に例えるなら ー spike EEG seizure pattern PVC sustained VT 発作間欠期のspikeは心電図でのPVC (無症状の一過性の現象) 発作時脳波は心電図のsustained VT (持続性でバイタル変化を伴う発作)

  73. Interictal Ictal Ictal onset 発作間欠期と発作時の脳波 ー 心電図に例えるなら ー spike EEG seizure pattern 発作時脳波の判読はとても難しいので、ここでは触れませんが 通常の判読は「発作間欠期の背景活動の中からspikeを探す作業」 であるということを理解しておいてください

  74. ここまでの内容は 脳波の「総論」の「入門」です 意識障害、代謝性脳症、けいれん重積、心因性発作など 神経救急の診断と初期判断ができるようになります 脳波の各論では Critical care EEG Time is Brain! European Stroke Org

  75. 例えば、デジタル脳波を駆使すれば、非けいれん性てんかん重積の診断も一瞬でできるようになります DSAは覚醒度や脳波全体の変化を可視化します DSA (Density Spectral Array)

  76. おわりに 脳波は専門性が高く難しいですが、まずは最低限の基本から。 脳波で分かることは2つだけ! POINTは、spike探しと背景活動チェック! 少しでも読めるようになれば、神経救急での判断など、見えてくるものが変わってくると思います。感染症診療でのグラム染色と同じで、判れば診療の幅がぐっと広がります。 ウェブセミナーやLINEコンテンツなどにご興味があればいつでもご連絡ください。 広島大学病院 脳神経内科 音成秀一郎(s-neshige@hiroshima-u.ac.jp)

  77. 謝辞 本スライドの作成者は京都大学脳神経内科学で、てんかんと脳波の臨床研修を受けました 本スライドのコンテンツもその研修で学んだことに基づいて作成しています 高橋良輔教授、池田昭夫教授をはじめ京都大学脳神経内科・てんかん講座の皆様に深謝致します

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