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#1. 新型コロナウィルスワクチンについて-ファイザー編- 東京高輪病院 感染症内科
守山祐樹
#2. ワクチンのスケジュール/打ち方 mRNAワクチンとは ウィルスの設計図の一部(mRNA)を注射し、体内でウィルスの一部のタンパク質を作らせます。
今回は、「スパイク」と呼ばれるウィルスの周りのトゲの様な部分です。
作られたタンパク質は人間の身体にとって異物なので、それに対する抗体が作られます。そうする事で、新型コロナウィルスに対する免疫を獲得します。
このmRNAワクチンのRNAという物質自体は体内で数日から1週間程度残るのみで、速やかに分解されていきます。 下の表に頻度の多い副反応をまとめました。
局所反応としては疼痛が多い様です。発赤や腫脹は頻度が低いです。
全身反応は1回目より、2回目の方が出やすく、お年寄りより若い人の方が出やすいと言われています。2回目の接種後に11%-16%の方に発熱が出ると言われていますが、通常2日以内に改善します。発熱は解熱剤を飲めば大丈夫です。
アナフィラキシー(重度のアレルギー反応)は10万人に1人程度です 接種回数:2回接種です。
接種間隔:21日間 (17日〜42日までは許容)
接種方法:筋肉注射
※1回目と2回目は同じワクチンを打つ事が推奨されています。
予想される副反応 感染予防率は95%と言われています。
ワクチン打った人での罹患者 8人 対
ワクチンを打っていない人での罹患者 160人
重症化予防効果もあると言われています。
効果 「かからない」
わけではない!
#3. Q. ワクチンを打つ事で新型コロナになってしまうことはないか
ワクチンの性質上、ワクチンのせいで新型コロナになってしまうことはありません。ワクチンを打ったことで、PCRや抗原検査で陽性になることもありません。ただし、ワクチンは打って直ぐに効果が出るものではありません。また、ワクチンを打っても100%新型コロナを予防できるわけではありません。感染対策には引き続き注意してください。
Q. mRNAワクチンを打つ事で、長期的な副反応はないか
mRNAは数日〜1週間程度で消失するため、理屈の上では考えにくいです。ただし、新しいワクチンですので、思ってもみない長期的な副反応が今後報告されるかもしれません。
Q. ワクチンは変異株にも有効か
変異株の種類によりますが、今の所、有効〜効果が落ちるものがありますが、全く効果が無くなる変異株は報告がありません。ただし、今後、ワクチンが効かないタイプの変異株が出てくるかもしれません。
Q. アレルギーがあるが打っても大丈夫か
過去に何らかのアレルギーがある方は、このワクチンでもアレルギーが出る可能性があります。接種してはいけないわけではありませんが、医師とよく相談をしてください。ワクチンに含まれる成分(ポリエチレングリコール、ボリソルベート)に対して重度のアレルギーがある方は接種できません。
Q. 免疫を抑える治療をしているがワクチンを打って大丈夫か
A. 免疫を抑える治療をしている方は新型コロナに罹患した際に重症化しやすい事が予想され、接種が推奨されています。ただし、ワクチンの効果が通常と比べて出にくいかもしれません。引き続き感染しない様な行動を心がけてください。
Q. 手術を控えているがワクチンを打っても大丈夫か
A. 打って構わないと考えます。無理に手術の日程もずらす必要もありませんが、打った直後は副反応が出やすいため、手術直前(数日以内)の接種は控えた方が良いかもしれません。
Q. 新型コロナにかかった事があるがワクチンを打ったほうが良いか
米国CDCやWHOでは新型コロナ患者への接種は推奨されています。一度新型コロナウィルスにかかった方でも再感染の報告はあるためです。新型コロナにかかってから90日間は抗体が残っているためワクチンを打つのを延期してもよいかもしれません。もし、新型コロナの治療として回復期血漿やモノクロー
#4. Q. ワクチンはいつまで効果があるか
まだわかっていません。今後、さらに追加接種が必要になるかもしれません。
Q. 他のワクチンを接種した(接種する予定がある)が新型コロナワクチンを打っても大丈夫か
A. CDCはデータが不十分であるため、他のワクチンとは14日間の間隔をあける様に推奨しています。ただし、治療上どうしても必要なワクチン(例:怪我をした時の破傷風ワクチンなど)はその限りではありません。
Q. 妊娠を考えているがワクチンを打って大丈夫か
A. 日本産婦人科学会/日本産婦人科感染症学会の合同の声明では
「 妊娠を希望される⼥性は、可能であれば妊娠する前に接種を受けるようにする。(⽣ワクチンではないので、接種後⻑期の避妊は必要ない。) 」
としています。
Q. 妊娠中だがワクチンを打って大丈夫か
A. 日本産婦人科学会/日本産婦人科感染症学会の合同の声明では
・流⾏拡⼤の現状を踏まえて、妊婦をワクチン接種対象から除外することはしない。接種する場合には、⻑期的な副反応は不明で、胎児および出⽣児への安全性は確⽴していないことを接種前に⼗分に説明する。同意を得た上で接種し、その後 30 分は院内での経過観察が必要である。器官形成期(妊娠 12 週まで)は、ワクチン接種を避ける。⺟児管理のできる産婦⼈科施設等で接種を受け、なるべく接種前と後にエコー検査などで胎児⼼拍を確認する。
・感染リスクが⾼い医療従事者、重症化リスクがある可能性がある肥満や糖尿病など基礎疾患を合併している⽅は、ワクチン接種を考慮する。
としています。個人個人の状態によりますので、かかりつけの産科の医師に確認しましょう。
Q. 授乳をしているが、ワクチンを打っても大丈夫か
A. 理屈の上では接種には問題ないと考えられていますが、データが不十分です。リスクと効果を天秤にかけ、接種前に医師と相談してください。
参考 効果は? 安全性は? 新型コロナワクチンについて知っておきたいこと Q&Aで医師が解説
https://news.yahoo.co.jp/byline/kutsunasatoshi/20210120-00217893/ CDC) Interim Clinical Considerations for Use of mRNA COVID-19 Vaccines Currently