テキスト全文
#1. 医者と英語 群馬県立小児医療センター
アレルギー感染免疫科
清水彰彦 Antaaスライド
#2. このスライドの対象者 日本語を母語とし、主に日本国内で生活し、英語は主に学校・塾などで勉強していた人(純ジャパ)
大学で真面目に英語に取り組まなかった人
でも、英語を習得したいと考えている人
#3. 英語は習得できる 帰国子女じゃなくても、海外留学しなくても、英語は習得できる(と強く信じる)!
が、ある程度の時間と資金を費やす必要あり(留学は、時間と資金を海外で使っているだけだ!と思う)
#4. どうして医学の世界は英語? 共通言語のことをLingua francaという
かつて学問の言語はラテン語だった (ローマ帝国が強かった)
現在は英語 (アメリカとイギリスが強いから)
医学知識という人類共通の普遍的な価値のあるものは、共通言語の英語で記載される
#5. 医師が英語を勉強する意味 ・医者の目標は「シェークスピアを読む」ことでも「NYのスタバでキャラメルマキアートを注文する」 ことでもない→医学情報を収集し発信する手段
#6. 情報収集と発信に英語は必須 ・主要な医学的な知見は、英語で発表される (学会も論文も)
・英語ができない=医学情報へのアクセスが無い
医学情報を集めること、医学情報を発信すること
英語ができない医者はカーナビの無い車と一緒
#7. 論文を読めと言われるが 上司からは、「論文読め」という圧力…
どうやって読めば良いのか分からない
最大の理由は英語力
#8. どうして論文が読めないのか? ・背景知識が無い 日本語でも分からない内容は無理 (まず日本語で書かれたもので理解)・英語力が無い
基礎的な英語力が必須
#9. 日本人の平均的な英語レベルは世界最低クラス
#10. 平均的な医師の英語力(想像) 中学校 高校 医学部 研修医 大学受験
#11. 純ジャパ医師の目標 「英語を(義務的に)読まなければいけない 抄読会などの機会を(無難に)切り抜けながら、 骨太の英語力を身につける」 戦いながら強くならなくてはいけない
#12. 骨太の英語力とは CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)のC1 (上から2番目)
(英検1級、TOEFL 100点、TOEIC 950点以上)
#13. 英語論文を切り抜ける 特定(自分の領域)の専門用語に慣れる論文の構文は比較的簡単
Abstractを5分以内で読めるようになる
原著論文は、Abstract、図表 →おもしろそうなら全部読む
数を読めば、読むスピードはある程度アップする
#15. 将来のため骨太な英語力を培う 1.「明確な目標」を設定する ・海外学会でoral presentationをやる
・臨床・研究留学する
・海外旅行で奥さん・彼女に惚れ直されたい ・TOEICやTOEFL 何点を超えたい
「英語ができるようになる」という目標では
一生できるようにならない
#16. 2.残念ながら語学の学習に近道はない
・「〜するだけで」、「たった●日で」という言葉はウソ
・難しい教材に飛びつかない (大学受験時代の栄光は忘れましょう)
例:CNN、洋画、純文学
では、英語をマスターするにはどれだけの時間が必要か?
#17. 「英語ができるようになる」目安は3000時間
・中学校・高校の勉強時間
週5-7時間✕50週/年✕6年=1500-2100時間・大学の勉強時間 ほぼ0時間!?
あと、1500時間を社会人になってから捻出する! (1日1時間で専門医取得時には英語もできるようになる)
#18. 3.英語の勉強を習慣化する
オススメは、「NHK英語講座」 コスパ最強!
①ラジオ英会話②遠山顕の英会話楽習③高校生からはじめる「現代英語」④実践ビジネス英語 (C1 level)(1年かけて1つずつレベルアップ)
#19. NHK語学講座を始めるのに必要なもの
・教科書:紙でも電子版でも好きな方
・音源:勤務中にラジオの生放送を効くのは難しい
オススメのアプリ
・NHK語学:前の週のレッスンを聞くことができる
・ラジリンガル:前の週のレッスンをダウンロード
#20. NHKだけだと「読む」量が少ない→ Reading教材を併用する ・面白くて読みやすい実用書・児童文学 Fact fulness、Outliers、Holes、Wonderなど
・NEJMのClinical PracticeなどのReview記事
#21. 純ジャパの「発音」矯正 →聞けない音は発音できない 発音レベルを上げる必要がある ・英語耳(松澤喜好): 発音の基本をたたき込むのに最適 発音できない音は聞き取れない ・Mastering the American Accent (Lisa Mojsin)
#22. 4.実際に使ってみて、課題を確認
(悔しい思いをして、モチベーションアップ) ・海外へ行く なるべく日本語が通じないところ ・英会話教室 オンライン英会話
・海外学会へ演題を出す
#27. 英語の習得は、今からでも遅くない
NHK語学講座を主軸に自分の勉強の形を作る
頑張って1,500時間を捻出する
とりあえずDeepLを使って、抄読会を乗り切る