#4.
STEP 1 緊急透析の判断 STEP 2 急性か慢性かの判断 STEP 3 STEP 4 治療 腎臓が悪い患者に出会ったら AKIの診断・原因の推定
#5.
STEP 1 緊急透析の判断 STEP 2 急性か慢性かの判断 STEP 3 STEP 4 治療 腎臓が悪い患者に出会ったら AKIの診断・原因の推定
#6.
緊急透析適応のAIUEO
#7.
Cr値は緊急透析が必要かどうかの判断には関係ない 緊急透析適応のAIUEO
#8.
緊急透析の大部分(だいたい9割)は高Kか溢水 緊急透析適応のAIUEO
#9.
高K血症
#10.
Kの主な排泄経路は腎臓なので、腎機能が悪化すると高K血症を呈しやすくなる。 高K血症の原因 有病率 [/1000] 高カリウム血症の疾患別有病率 CKD stage Naoki Kashihara, et al. Kidney Int Rep. 4(9):1248-1260, 2019. 67.9 108.3 134.0 108.4 511.9 436.5 245.6 132.2 103.3 72.4
#11.
そのほかに急性の高K血症の原因として重要なのものとして細胞内外のK移動異常がある。主に糖尿病性アシドーシスなどの急性の進行するアシドーシスにより、細胞外へのKシフトにより高K血症をきたす。
腎機能が正常かつ薬剤性や細胞内外のK移動障害の要素がない場合、偽性(溶血、血小板増多(60万/μL以上))が多い。本物の場合は消化管出血、横紋筋融解症、腫瘍崩壊症候群などが多い印象。
ただし
偽性が否定されるまでは本物として扱う 高K血症の原因 ※血小板増多によるものを疑う場合はヘパリンLi採血管での検査を行うと真の値が出る。経験的にはPlt 80万くらいで0.5 mEq/L程度上昇する。
#12.
高K 低K 通常 60代男性透析患者。下肢の脱力を主訴に来院し、直後に急変。
血圧 70/40 mmHg、K 9.8 mEq/L! 原因は? 高K血症
#13.
腎不全・透析患者のカリウム制限量は1500mg/日
(K 1500 mg ≒ 40 mEq) 透析3時間後 原因 原因は野菜ジュース・・・ ※他にピーナッツ1袋食べて緊急HDになったCKD患者さんの経験もあります・・・。
#14.
① 再検を提出
② 心電図変化があれば①の結果を待たず以下を開始
・カルチコール5 ml 2A + NS 50 ml を5分でdiv
・5分以内に心電図が改善しない場合 同量を再投与
③ GI療法を開始 ※血糖測定を忘れないこと
・50%Glu2A(40 ml)+5%Glu50 ml + HuR 5 U 10分でdiv 効果は2-3分で現れ30-60分持続 効果は10-20分で現れ、30-60分で効果のピーク、4-6時間持続する。
だいたい0.5-1.2 mEq/L の低下。
BS 300 mg/dl 以上の場合は、インスリンのみで開始でもよい。 ・高血糖ではなく、体液貯留傾向がなければ、その後の低血糖予防のため、
糖加輸液で糖補充を検討する。 高K血症の治療の流れ
#15.
④ K排泄を促す(効果が出るまで数時間)
・フロセミド 20~100 mg + 5%Glu 50 ml div
・メイロン(8.4%) 20 ml メイン混注div※
・ロケルマ5 g 2P内服 1日3回2日間で1.3 mEq/L低下する。
・透析患者の場合は透析するしかない
⑤ 緊急血液透析
・3-5時間の血液透析で40-120 mmolのK+が抜ける。
・1時間の血液透析で1.2-1.5 mEq/L程度の低下が期待できる。
・準備に時間がかかる。
⑥ 原因検索 高K血症の治療の流れ ※アシドーシスであれば行う。pH 0.1低下ごとにK:0.5上昇するイメージ。細胞内へK移動を促すので、正確にはK排泄ではない。Caイオンと一緒で析出するので、Ca freeの溶液に混注。
#16.
高K血症の治療の流れ ④ K排泄を促す(効果が出るまで数時間)
・フロセミド 20~100 mg + 5%Glu 50 ml div
・メイロン(8.4%) 20 ml メイン混注div※
・ロケルマ5 g 2P内服 1日3回2日間で1.3 mEq/L低下する。
・透析患者の場合は透析するしかない
⑤ 緊急血液透析
・3-5時間の血液透析で40-120 mmolのK+が抜ける。
・1時間の血液透析で1.2-1.5 mEq/L程度の低下が期待できる。
・準備に時間がかかる。
⑥ 原因検索 ロケルマの登場により、急性期の高K血症の治療は大きく変わり、緊急透析の必要性がだいぶ減ることになった。理由はそのK低下までの時間が早いことと、低下作用が強いことが挙げられる。 ※添付文書上は緊急の治療を要する高K血症は使用禁止になっているが、実臨床では使用されている。
#17.
2時間後には約0.5 mEq/L低下している! ロケルマによるK低下作用
#18.
ロケルマによるK低下作用 ただ2時間で0.5 mEq/L、24時間で0.8 mEq/L程度なので、これでしのげるかどうかが緊急HDが必要かどうかの判断基準の一つになる。 2時間後には約0.5 mEq/L低下している!
#19.
うっ血性心不全/溢水
#20.
高血圧を呈していることが多く、対応としてはCS1の心不全と似ている。
フロセミド、降圧コントロール、硝酸薬,酸素投与、バルーン留置を行う。
■ 実際の流れ
常用薬で利尿薬使用ない場合は初回20 mg (利尿薬飲んでいる場合は初回40)
60分で尿量<100 mlなら、40 mg追加投与。
それでも反応がないようなら100 mg追加投与、という流れで試すことが多い。
100 mgでだめなら200 mgうつが、ここまでくるとあまり期待できない。
一般的に腎不全患者では高用量が必要になる。
換算は内服 × ½ = 静注 (mg)
内服量相当のivから漸増していく方法もあるが、時間がかかる。
呼吸不全が切迫している状況でだめなら諦めて血液透析に踏み切るほうが早い。
うっ血性心不全/溢水
#21.
STEP 1 緊急透析の判断 STEP 2 急性か慢性かの判断 STEP 3 STEP 4 治療 腎臓が悪い患者に出会ったら AKIの診断・原因の推定
#22.
AKIとCKDの鑑別は可能か? AKIかCKDかの判断に迷うことは多い。
初めて指摘された腎障害のベースラインを推定する確立した方法はない。
かかりつけに電話、自宅捜索、健診センターに電話などとにかく過去データを探す。
腎萎縮がなくてもCKDの否定はできないが、萎縮が明らかな場合CKDと考えてよい。CKDの急性増悪(acute on chronic)かどうかは鑑別できない。
古い腎障害を示唆する尿所見(ロウ様円柱など)があればCKDらしい。
腎障害 + 明らかな原因のない貧血はCKDらしい。(が、例外は多い)
低カルシウム血症,高iPTH血症もCKDらしい。 AKI? CKD? それでもできる限り推定するには?
#23.
CKDの場合 緊急性のデータがなく、前医や前のデータとCrがあまり変化ない場合はかかりつけ受診、もしくは腎内外来受診してなければ、腎臓内科の外来を予約して待機的に受診してもらうでよい。
CKDでも以前のデータから急な増悪を認める場合はAKIに準じて急性の要素を鑑別を進める必要がある。
AKIの場合、もしくはCKDと判断できない場合 まずAKIの診断を行う。
AKI? CKD?
#24.
STEP 1 緊急透析の判断 STEP 2 急性か慢性かの判断 STEP 3 AKIの診断・原因の推定 STEP 4 治療 腎臓が悪い患者に出会ったら
#25.
AKIの診断基準の変遷
#26.
ロンドン大空襲時,4 人の無尿性急性腎不全を伴うcrush injuryの剖検所見において、急性尿細管壊死と考えられる病変がみられたことが報告された。 もともとは1941年のcrush injuryの報告からと考えられている。 時間・日単位で急速に進行する腎機能が障害されている状態 第二次世界大戦中の空襲後のロンドン 急性腎障害の歴史 acute renal failure という言葉は 1951年に米国の腎生理学者のHomer Smithにより用いられ、その概念が確立されていった。 Homer W. Smith (イヌリンでGFRを測定する方法を発見した先生でもあります。)
#27.
疾患概念の確立後、さまざまな臨床研究が行われてきたが、統一した急性腎不全の診断基準は長い間なかった。 原因の一つとして、腎機能評価に使用するクレアチニン(Cr)が腎機能を反映して上昇するには、日単位の時間がかかることが挙げられる。 Ravi Thadhani, et al. N Engl J Med. 334:1448-60, 1996. 1996年のNEJMのReviewでは、30を超える基準があったとされている。 急性腎障害の診断基準
#28.
① GFRがほぼ0になっても、Crが上昇するには時間がかかる。
② GFRが改善傾向に転じても、Cr値はしばらく上昇する。
③ GFR≒0の状態では、Crは約1~2 mg/dl/日のペースで上昇する。 Michael Fahling, et al. Nat Rev Nephrol. 13:169-180, 2017. AKIでのCrの変化 したがってAKI時のeGFRは意味がなく、過小・過大評価につながるため注意が必要! ※ただCrの上昇幅には一定の意味がある。
#29.
2004年に欧米の腎臓内科医と集中治療専門医によるADQI(Acute Dialysis Quality Initiative)からRIFLE分類が提唱された。 2007年に国際腎臓学会、米国腎臓学会、米国腎臓財団、欧州集中治療学会のメンバーが集まりAKIN(Acute Kidney Injury Network)からAKIN分類が提唱された.軽度の急性腎不全も含めAKI (Acute Kidney Injury)という診断名を使用することが提唱された。 これらの分類により、原因によらず軽度の急性腎不全の発症でも、生命予後が悪くなることが示され、早期に急性腎不全を把握する必要性が提唱されている。 RIFLE分類とAKIN分類
#30.
RIFLE分類
#31.
AKIN分類
#32.
2012年に国際的な腎臓病診療ガイドライン作製機関KDIGOによりKDIGO(Kidney Disease:Improving Global Outcomes)からKDIGO診断基準が提唱された.
2016年に日本腎臓学会より公開された「急性腎障害(AKI)診療ガイドライン 2016」で「このKDIGO診断基準を推奨する」とされ、現在この診断基準が使用されている。 KDIGO分類
#33.
今後は尿中のバイオマーカーなども診断基準に入ってくる可能性はある。 KDIGO分類
#34.
AKIの鑑別診断
#35.
伝統的なAKIの鑑別診断 もちろん間違いではないですが、現場の腎不全の鑑別診断の動きとしては分かりにくい。
何を優先して、どの順番で鑑別を進めていけばいいかが次のスライドになります。
#36.
日内会誌 104巻561-566. 2015 実践的なAKI鑑別診断
#37.
救急外来で遭遇する腎障害は(AKIの場合)ほとんど腎前性か腎後性である。
あるいは実は元からCKD であった(またはCKDの急性増悪のことも)。
一方で院内で発生する急性腎障害は腎性が多い。 発生場所による原因頻度の違い
#38.
実践的なAKI鑑別診断 日内会誌 104巻561-566. 2015
#39.
男女比5:1で男が多いが、つまり1/6は女性である。
男性は前立腺肥大+癌で7割、女性は神経因性膀胱が多い。
薬剤性の50%以上は風邪薬(次が抗精神病薬)である。
慢性経過の場合尿意がないことがある。
尿が出ていても否定できない(溢流性尿失禁のことがある)。 下部尿路閉塞 (尿閉) 腎後性腎不全
#40.
消化器癌や婦人科癌による両側尿管閉塞が多い。
後腹膜線維症や悪性リンパ腫でも起こるがまれである。
無症状のことが多い。
泌尿器科コンサルト必須となる。 まず腹部の触診と腹部エコーで確認をする。 ※片側尿路結石では...
腎機能が正常な人は大きな問題にならないが、もともとCKDの人や機能的片腎の人では、高度な腎機能障害を来すことがある。 上部尿路閉塞 腎後性腎不全
#41.
・尿カテを入れる
↓
・尿が出た
↓
・翌日泌尿器科に紹介
腎後性腎不全の治療
#42.
・尿カテを入れる
↓
・尿が出た
↓
・翌日泌尿器科に紹介
腎後性腎不全の治療 これはまちがい!
#43.
尿閉解除後は尿が”出すぎる”。2時間連続で200 mL/時以上の尿量、または24時間で3L以上の尿量と定義される。
頻度は15-78%とされており、リスク因子としては腎機能障害(1.2 mg/dL上昇毎にOR 4.83上昇)、膀胱容量(100 mL増加毎にOR:1.2上昇)であり、、高度腎機能障害を伴う例はハイリスクとと考えられる。
多くは蓄積したNaや溶質の排泄が終わると自然に尿量が正常化するが、一部の症例では重篤な脱水、電解質異常をきたす。
尿量の50~75%のソルデム1を補液。 機序としては, TALに存在するNKCC2のdown regulationやADHへの反応低下などにより、尿濃縮力が低下していることが考えられている. Post-obstructive diuresis (POD) Jonathan S Chávez-Iñiguez,et al. Int J Nephrol. 2020 Nov 29:2020:8846622, 2020. Ursina Rigonalli, et al. Eur Urol Open Sci. 73:68-70, 2025.
#44.
POD症例 76歳 男性 【主訴】
食思不振、下痢
【現病歴】
入院2週間前から下痢・腹痛が出現し、食思不振になった。
入院2日前と1日前に自転車で転倒。
入院日に下痢・腹痛が改善しないため近医受診。下腹部に腫瘤蝕知したため、当院紹介受診した。血液検査でCr:22.36、BUN:170、K:6.7と高度腎機能障害と高K血症を認めた。前立腺肥大、両側水腎症、膀胱拡張著明(推定尿量1080 mL)で急性腎後性腎不全の加療目的に同日入院となる。
【既往歴】
心不全 Cr著明高値で、膀胱容量も多いためPOD超高リスク症例と判断されます。
#45.
PODに対する輸液療法 腎後性解除後の輸液は1号液での補液が基本とされている。
ハイリスク症例の場合、当院では以下のようにしている。 ハイリスクの場合はICU入室し、2時間ごとに尿量測定。
ベースの輸液:ソルデム1 3000 mL/day (125 mL/day) ■2時間尿量Scale 500 mL
1000 mL
1500 mL
2000 mL 750-1250
1250-1750
1750-2250
2750- 2時間尿量 [mL] 輸液量 [mL] ➡
➡
➡
➡ ■4時間尿量Scale 500 mL
1000 mL
1500 mL 1000-1500
1500-2000
2500- 2時間尿量 [mL] 輸液量 [mL] ➡
➡
➡ 上記輸液量を次のスケール時間で投与する。2時間スケールにかからなくなったら、4時間スケールへ変更を検討する。
#46.
入院後経過 ー2時間までー 最初の2時間で2950 mLの排尿があった。
#47.
入院後経過 ー4時間までー スケールに従い、次の2時間で2000 mLの輸液を投与する(この時は脱水も顕著だったので500 mL追加した)。ルート1つだと投与しきれないので、この時はルートを3つ確保した。輸液量が多いので体温が下がらないように注意をした。(暖かい輸液なかったので、体を温めた)
#48.
入院後経過 ー24時間までー
#49.
入院後経過 入院3日目には3500 mL/day程度に落ち着いた。 ■血液データの推移
#50.
POD治療の注意点 スケールは入れ過ぎないように尿量より少なめになるようにしている。足りなくならないように総量を確認して、適宜追加補液を行う。
入院時は高K血症であっても、異常な多尿により急速に血清K濃度は低下していく。
本症例も初期の2時間はソルデム1でK free輸液であったが、6時間後にはK:6.7➡4.1まで低下したため、40 mEq/dayでKの混注をソルデム1に行った。Kの補充は適切に行う必要がある。(リンやMgも下がるがKほどダイナミックではないので適宜チェックでよいが、下がるので低下していたら補充を検討する。)
尿閉解除後に血尿は11-55%の頻度で認められる。けっこう赤くなることもある。輸血が必要になるほどの出血はまれ。しかし、肉眼的血尿の場合は膀胱内で血餅が出来て尿カテが詰まることがあるため、閉塞していないか注意するようにする。
本症例は3日目で尿量は落ち着いたが、平均持続時間は2~5日程度であり、長引くケースもある。 Ursina Rigonalli, et al. Eur Urol Open Sci. 73:68-70, 2025. ※入れてるから出てるのかわからなくなる。
#51.
実践的なAKI鑑別診断 日内会誌 104巻561-566. 2015
#52.
(normotensive ischemic AKI; NT-AKI) 輸出入細動脈における腎血流の自動調節能が破綻している状況で、血圧が正常範囲内でも低めになると、十分な糸球体濾過圧が保てずに腎機能低下をきたすもの。 背景は高齢者、糖尿病などによる動脈硬化、重症感染、NSAIDs使用などで起こりやすい。 正常血圧性虚血性AKI 血圧目標値は個人差があるが、平均血圧を最低80 mmHg以上、可能なら90 mmHg以上に保つことが一つの目安となる。 J Gary Abuelo. N Engl J Med. 357(8):797-805, 2007.
#53.
実践的なAKI鑑別診断 日内会誌 104巻561-566. 2015
#54.
尿所見でのAKI鑑別診断 尿沈査異常のない腎性腎不全は多くないので、尿定性で異常がなく腎後性が否定的ならば、まず腎前性を優先して考えるのがよい。 Current Medical Diagnosis and Treatmentより改変
#55.
血管炎症状は多彩で、発熱などの場合は感染症等との鑑別が難しい (検尿異常+発熱でRPGNだと思ったら感染性心内膜炎だったということも)。
血管炎のマーカー(ANCAなど)が出そろうには数日かかる。
障害臓器が腎臓のみの場合で透析が不要の場合,夜間から治療が必要なケースはないので、翌日任せでよい。
肺胞出血がある場合は治療が必要。
➡急変するので夜間の場合は高度医療機関に転送することも検討する。 腎炎(特に血管炎)の除外
#56.
実践的なAKI鑑別診断 日内会誌 104巻561-566. 2015
#57.
腎前性腎不全 = 脱水 ではない。
腎前性腎不全 = 腎灌流圧の低下による腎障害(hypoperfusion)である。 例えば心不全による腎不全も病態としては腎前性腎不全である。
脱水の評価には、身体所見ではcapillary refilling time延長、眼窩の陥凹、腋窩の乾燥あたりが多少有用だが、決定的なものはない。
腎炎(特に血管炎)の除外
#58.
腎性と腎前性の鑑別には、古典的だがFENaやFEUN(利尿薬使用時)など、尿生化学所見を併用する。 腎前性腎不全
#59.
腎性と腎前性、および利尿薬使用ありなしでFENaとFEUNを調べた。 Kidney Int. 62:2223-9,2002. 腎前性腎不全 腎前性
#60.
J Am Soc Nephrol. 4:1429-37, 1994. 腎前性AKI 腎性AKI 腎性と腎前性、および利尿薬使用ありなしでFENaとFEUAを調べた。 腎前性腎不全 ※Dー;利尿薬なし、D+;利尿薬あり
#61.
腎前性 腎性 FENa [%] J Am Soc Nephrol. 4:1429-37, 1994. ※D+;利尿薬あり、Dー;利尿薬なし 腎前性腎不全 FENa
#62.
腎前性 腎性 FEUA [%] J Am Soc Nephrol. 4:1429-37, 1994. 5 5 FEUAはカットオフ12%とすると感度特異度はそこまで高くないが、5%とすると特異度は上がる。低NaでSIADHかどうかの判定には12%がカットオフとしている。 腎前性腎不全 FEUA
#63.
典型的シナリオからのAKI鑑別
#64.
STEP 1 緊急透析の判断 STEP 2 急性か慢性かの判断 STEP 3 STEP 4 治療 腎臓が悪い患者に出会ったら AKIの診断・原因の推定
#65.
治療 ~AKI診療ガイドライン2016~
#66.
治療 ~AKI診療ガイドライン2016~ AKIに対して特異的な治療は存在しない。
#67.
上記を行いながら、特異的治療を要する病態を検索 基本的な管理 AKI管理の基本は、
hypoにもhyperにもしない(特にhypervolemiaを避ける)。
適正な血圧を維持し腎灌流圧を保つ。
増悪因子となる薬剤の除去。
腎機能に応じて他の薬剤の用量をこまめに調整する。
栄養管理をする。
必要なときは透析を行う(AKIなら離脱できることも多い)。 体液量欠乏があればまず補充を行う。正常でも初期のfluid challenge(細胞外液10~20 ml/kgくらい)は妥当。
入れても乏尿の場合は,challengeは続けない。“入れて出す”はあまり意味がない 最低でも平均血圧80 mmHg以上
#68.
hypoにもhyperにもしない(特にhypervolemiaを避ける)。
適正な血圧を維持し腎灌流圧を保つ。
増悪因子となる薬剤の除去。
腎機能に応じて他の薬剤の用量をこまめに調整する。
栄養管理をする。
必要なときは透析を行う(AKIなら離脱できることも多い)。 上記を行いながら、特異的治療を要する病態を検索 基本的な管理 最低でも平均血圧80 mmHg以上 AKI管理の基本は、 体液量欠乏があればまず補充を行う。正常でも初期のfluid challenge(細胞外液10~20 ml/kgくらい)は妥当。
入れても乏尿の場合は,challengeは続けない。“入れて出す”はあまり意味がない
#69.
薬剤
#70.
糸球体 輸出細動脈 輸入細動脈 したがって、AKIの時はARBとNSAIDsはまず中止をする。 プロスタグランジンにより、輸入細動脈を拡張させる アンギオテンシンIIにより輸出細動脈を収縮させる。 ARBはアンギオテンシンIIを阻害し、 一方NSAIDsはプロスタグランジン生成を抑制するため、糸球体内圧低下を招き、これらの薬剤はAKIの原因となる。 薬剤に関する基本的な管理
#71.
Hypovolemiaと考えられるなら利尿薬も中止する。
SGLT2阻害薬も糸球体内圧低下作用があり、AKIの最中にはいったん中止を検討する。しかし、CKD進展抑制だけでなく、AKI発症予防のデータがあり、AKI離脱後は速やかに再開するべきとされている。
薬剤性腎障害診療ガイドライン2016 薬剤性腎障害の原因薬剤 薬剤に関する基本的な管理 NSAIDs自体による間質性腎炎やネフローゼも経験する.なおCOX-2選択的阻害薬でも腎障害リスクは同等とされている。
薬剤性腎障害の原因は多岐にわたる。抗菌薬ではVCMやGM、抗ウイルス薬ではアシクロビル、抗真菌薬ではアムホテリシンBが多い。
H2 BlockerやPPIもよく問題になる。
Thyago Proença de Moraes. Kidney360. 5(3):333-334, 2024.
#72.
Megan K Luther, et al. Crit Care Med. 46:12-20, 2018. PT; piperacillin-Tazobactam, FPM; cefepime, CAR; carbapenem 15論文を対象としたMeta-Analysis. 患者数は24,799例。
VCM+PT 9,945例中2,212例でAKI発症(22.2%)
その他(下記) 14,854例中1,921例でAKI発症(12.9%) TAZ/PIPCとVCM 現状ではTAZ/PIPCとVCMの併用は避ける方が望ましい。
#73.
1993-2011の期間で単施設で腎生検でAINと診断された133症例を対象として解析。 約70%が薬剤性でPPIは抗生剤に次ぐ第2位。 Angela K Muriithi et al. Am J Kidney Dis. 64:558-66, 2014. PPIと腎障害
#74.
米国退役軍人データベースを使用し、新たにH2 blockerとPPIを使用したそれぞれ144,032人と125,596人を解析。投与期間が長くなるにつれCKD発症のハザード比は上昇した。 Yan Xie, et al. Kidney Int. 91:1482-1494, 2017. <30 31-90 91-180 181-360 361-720 PPI
投与期間[days] Hazard Ratio 1.00 1.50 2.00 2.50 3.00 3.50 4.00 Risk of incident CKD PPIと腎障害 H2 blockerではそのような傾向はなく、PPIの長期使用は避けることが望ましい。
#75.
ヨード造影剤
#76.
定義
ヨード造影剤腎症 CIN; contrast-induced nephropathy ヨード造影剤投与後、72時間以内に血清クレアチニンが0.5 mg/dL以上または25%以上増加した場合をCINと定義する。
(もしくは急性腎障害の診断基準での代用も可能) 腎障害患者におけるヨード造影剤使用に関するガイドライン2018 救急外来や集中治療などの領域では造影剤を使用する頻度も増えるが、薬剤や急性の病態などAKIの原因も増加する。混同するとはっきり病態や発生頻度が不明になるため、2002年ESURによりContrast-associated AKI(CA-AKI)とContrast-induced AKI(CI-AKI)に分けられた。 CA-AKI;造影剤使用後72時間以内で生じたAKI
CI-AKI;CA-AKIの中で造影剤以外の原因が除外されたAKI
#77.
CI-AKIの頻度 CI-AKIの頻度に関しては、従来考えられていたCA-AKIよりも大きく少ないことが報告された。過度に造影剤腎症を心配して検査を嫌厭するのではなく、必要であれば検査を行う方針へと変わってきている。(気にしなくていいというわけではない) Matthew S Davenport, et al. Radiology. 294(3):660-668, 2020.
#78.
造影剤腎症のリスクファクター 造影剤腎症のもっとも大きなリスクファクターは、腎機能障害である。CKDに糖尿病を合併している場合はよりリスクが高いとされているが、糖尿病単独でのリスクに関しては議論のあるところである。
。ほかに高齢(>70)、腎毒性のある薬(NSAIDsなど)への暴露、低血圧、hypovolemia、アルブミン尿、うっ血性心不全などの腎還流障害などがある。
逆にリスクと証明されていないものとしては、RAS阻害薬、経口利尿薬、片腎がある。
ビグアナイドは造影剤腎症のリスクではなく、腎機能低下時に乳酸アシドーシスのリスクになるため、予想される場合は中止するという意味である。
予防目的の利尿薬使用はリスクとなる。
CI-AKIのリスクファクターとして確認されているものは、CKDのみである。 Matthew S Davenport, et al. Radiology. 294(3):660-668, 2020. 腎障害患者におけるヨード造影剤使用に関するガイドライン2018
#79.
造影剤腎症の発症機序 Yanyan Li, et al. BMC Nephrol. 25(1):140, 2024. 造影剤腎症の発症機序を大きく3つに分かれる。 直接効果
造影剤が尿細管を通るときに、尿細管内で水は再吸収されるため管内で造影剤は濃縮される。そのため管内の浸透圧は上昇し粘性も上昇する。腎尿細管細胞や血管内皮細胞を障害し、細胞膨化、空砲変性をきたしアポトーシスを誘導する。
活性酸素ストレス
尿細管細胞の障害によりROS産生が亢進し、ミトコンドリア機能障害をきたしていく。
間接効果
造影剤使用により腎血行動態の変化が起こり、腎髄質の虚血が起こることが観察されている。
#80.
造影剤腎症の発症機序 Yanyan Li, et al. BMC Nephrol. 25(1):140, 2024. 造影剤腎症の発症機序を大きく3つに分かれる。 直接効果
造影剤が尿細管を通るときに、尿細管内で水は再吸収されるため管内で造影剤は濃縮される。そのため管内の浸透圧は上昇し粘性も上昇する。腎尿細管細胞や血管内皮細胞を障害し、細胞膨化、空砲変性をきたしアポトーシスを誘導する。
活性酸素ストレス
尿細管細胞の障害によりROS産生が亢進し、ミトコンドリア機能障害をきたしていく。
間接効果
造影剤使用により腎血行動態の変化が起こり、腎髄質の虚血が起こることが観察されている。
#81.
中田貴史, 他. Medicina. 61(5):753-757, 2024. 造影剤腎症の治療法はないため予防が重要である。
生理食塩水の投与方法は決まった方法はないが、造影剤投与前後6-12時間を1 mL/kg/hrで投与することが多い。 造影剤腎症の予防
#82.
ガドリニウム造影剤
#83.
ガドリニウム造影剤 ガドリニウムは弱い磁性をもつ原子で、その周囲にあるプロトンの緩和を促進してT1値を短縮する働きがあるので、T1強調画像における信号強度が上昇する。
ただし、ガドリニウムは強い毒性があり、体内に投与するにはキレートした化合物として投与する必要がある。キレートされたガドリニウムは尿中から排泄される。ヨード造影剤とほぼ同じ代謝経路で血中濃度は腎機能正常者では1時間程度だが、末期腎不全患者では35時間にも延長する。ただヨード造影剤と異なり原則腎毒性はない。(なので予防点滴の必要なし) 環状キレート化剤 直鎖キレート化剤 安定性の比較
#84.
ガドリニウム造影剤 ※リゾビストは鉄を使用しているので、NSFのリスクはない。 ※
#85.
ガドリニウム造影剤とNSF キレートによるガドリニウムの安定性が悪いと、体内の他の金属イオンと入れ替わる形でガドリニウムイオンが放出される。放出されたガドリニウムイオンはリン酸イオンと反応し、不溶性の塩を形成して組織に沈着してしまう。この沈着により腎性全身性線維症(Nephrogenic Systemic Fibrosis; NSF)が発症する。 患者側の原因 造影剤の原因 eGFR<15 mL/min/1.73m2 透析患者 リスクの高い造影剤の使用(オムニスキャンR、OptiMARK、マグネビストRなど) 造影剤の大量、反復投与 NSF リスク因子 Lowest riskの造影剤を使用する場合において、eGFR<30は注意して使用し、7日以内の反復使用は避ける。ただし、腎機能のチェックは必須ではないとされている。 ESUR guidelines on contrast agents (version 10.0) J Jpn Soc Pediatr Radiol 2017; 33(2): 91–96
#86.
腎性全身性線維症 NSF(Nephrogenic Systemic Fibrosis) ガドリニウム造影剤は1983年に初めて人体に使用されて以降、ヨード造影剤と比べて腎毒性がなく、副作用も少なかったため安全性が高いとされてきた。
腎性全身性線維症は1997年に初めて報告され、2006年にその原因がガドリニウム造影剤にあることが報告された。
数日から2、3か月以内(まれに1年以上空けて)に発症。通常掻痒、痛み、腫脹、紅斑症状が足からはじまる。のちに皮膚の線維性肥厚と体内臓器の線維性肥厚が出現し、重篤な場合致死的となる。その死亡率は20-30%と推測されている。
現在でもなお治療法も予防法もないため発症を避けることが必要である。 https://www.cyberounds.com/cmecontent/art462.html
#87.
2009年日本腎臓学会・日本放射線医学会はガイドライン第2版を発表。腎機能に関してはeGFR<30 mL/min/1.73 m2は原則使用を避けるとある。これ以降更新はされていない。
2018年発表のESUR guideline on contrast media (ver.10.0)ではlowest riskの造影剤使用ではeGFR<15 mL/min/1.73 m2を患者側のNSFリスクファクターとしている。
Woolen SA らは,4,931 例(eGFR<30 ml/ min/1.73 m2)のメタアナリシスにおいて,ACRマニュアルGroupIIのガドリニウム造影剤使用によるNSF 症例は皆無であったと報告しており、Group IIのガドリニウム造影剤使用においてはeGFR<15でよいと考えられる。
こういった情報がある状況でも、依然としてeGFR<30は原則禁忌となっているところが多い。
(日本のガイドラインが変わらない限りは変わらないかも)
肝臓特異的造影剤のプリモビストはintermediate risk GroupIIIとなっているが肝排泄が4割あり、これまでにNSFの報告はなく安全性は高いと考えられる。 ガドリニウム造影剤使用基準
#88.
栄養管理
#89.
AKIの原因疾患は多岐に渡るため、そういった患者背景を抜きに、一概に画一的な栄養管理指標を出すことは難しい。
日本病態栄養学会、日本静脈経腸栄養学会より出されているガイドラインではそれぞれAKIを対象にした項がある。 AKIの栄養管理
#90.
ガイドライン第3版(2013) ARF においては、腎不全自体よりも基礎疾患や併存する臓器障害を考慮して栄養投与量 を決定する。 合併症のない ARF では、経口・経腸栄養が第一選択である。 重症病態に伴う ARF では、消化管機能障害や消化管出血のリスクが増大することを考慮する。 重症病態に伴う ARF における経腸栄養は、たとえ少量であっても消化管機能の維持・改善に寄与する。 持続血液浄化療法を必要とする ARFでは、経腸栄養で推奨摂取量を満たすことは難しく、 静脈栄養の併用を考慮する。 AKIというくくりでの栄養に関する質のいいエビデンスは少ないため、ステートメントレベルでは、即実践で使用できるような指標はない。
#91.
病態栄養専門医テキスト第2版 こちらの方がガイドラインではない分より実践的な書き方をされている。 KDIGOガイドラインを中心にまとめる。 AKIガイドライン2016
#92.
AKI患者では炎症性サイトカイン、異化ホルモン(カテコラミン、グルカゴンなど)が放出され、全身炎症状態である。
全身炎症を反映して、蛋白異化亢進、インスリン抵抗性の増加が認められる。
異化ホルモンの作用により、脂肪組織の分解もおこり血清中性脂肪の上昇、脂肪製剤の代謝遅延なども認められる。
持続血液浄化による透析膜への暴露も炎症を惹起する原因となる。
AKIの栄養管理総論
#93.
AKIそのものによるエネルギー必要量の増加はないとされている。
全病期で20~30 kcal/kg/day(25-30 (ASPEN))のカロリー投与
何より重要なのは、血糖を適正に保つこと。
110~149 mg/dlに厳格に管理することを推奨している。(日本腎臓学会では180が上限) AKIのカロリー投与量
#94.
腎不全進行防止のための蛋白制限は推奨しない。
RRTを必要としないAKIでは0.8~1.0 g/kg/day程度の蛋白投与量とする。CRRTを使用する場合は1.7 g/kg/dayを上限とした蛋白投与量を推奨(2D)(KDIGO2012、日本腎臓学会2016)。
RRTを必要とするAKIでは1.2~2.0 g/kg/day程度の蛋白投与量とする。CRRTを使用する場合は2.5 g/kg/dayを上限とした蛋白投与量を推奨(米国集中治療医学会&経腸栄養学会2016)。(Evidence Level:Very Low)
AKIのたんぱく・アミノ酸投与量
#95.
必要エネルギー量の20~30%は脂質で投与すべきであるが、高脂血症(350 mg/dl以上)、pH 7.2未満のアシドーシス、循環障害や低酸素血症の患者には脂肪製剤を投与すべきでない。
アミノ酸製剤は腎不全用のアミノ酸製剤を用いる。
電解質(特にK、iP)、Volumeに注意
微量元素や水溶性ビタミンはRRT施行時には欠乏状態になりやすい。 AKIの経静脈栄養
#96.
Permissive underfeeding:急性期は20 kcal/kg以下,1.2 g/kg以上の蛋白投与を行い、3日以降7日以内には80-100%のカロリーにUPすることが推奨されている。 ガイドラインの比較 Alice Sabatino, et al. Clin Nutr. 43(9):2238-2254, 2024.
#97.
AKIのときには敗血症や手術侵襲、心不全などがベースにあることが多い。よって炎症性サイトカインや酸化ストレスなどが放出される。
加えて腎代替療法によるアミノ酸喪失、代謝性アシドーシス、コルチゾールなどの異化亢進ホルモンの放出も加わり、グルコース、蛋白の異化が亢進している。
筋肉で代謝されるバリン・ロイシン・イソロイシンの分岐鎖アミノ酸(BCAA)はAKIの状態では低下していることが多い。 腎不全時の代謝
#98.
腎臓はアミノ酸代謝においても重要な働きをしている。
アルギニン、シスチン、チロシン、セリンは腎臓で合成されるアミノ酸であり、AKIでは低下する。
アミノ酸代謝 尿素回路 腎臓での尿素回路の代謝障害からアスパラギン酸の濃度が上昇する。
アルギニンがないと尿素回路は働かず血中アンモニアが上昇する。
しかし尿素回路が活性化するとBUNが増える。
#99.
※質量パーセント濃度
#100.
※質量パーセント濃度 消費しやすい、かつ筋でのタンパク合成を促すBCAAは豊富に含むようにし、尿素回路を少し抑えるためアルギニンは低く抑えられているとも解釈できる。
ネオになる前のアミユーという製剤は、(高尿素血症を改善するため?)アルギニンが含まれてなく、尿素回路が機能しなくなり、高アンモニア血症を来したため使用中止となった。腎不全用ではアルギニンが少なめなので、添付文書には高アンモニア血症に注意となっている。
#101.
実は腎不全用アミノ酸を使用して生存率が改善したエビデンスはない。
腎不全用アミノ酸は濃度が薄いのがデメリットでもあるので、あまりこだわりすぎないのも一手と考えられる。
#102.
AKIでは、急性炎症蛋白の増加や体液量の恒常性も失われていることが多く、通常使用する①アルブミン、②プレアルブミン、③トランスフェリン、④レチノール結合蛋白などの信頼性が低くなりやすい。
連続的に評価を行い経時的に診ていくことが重要。
プレアルブミンが前値より4 mg/dl以上低下するとAKI患者の予後が悪化することが知られている。 栄養の評価 ■窒素バランス 投与(摂取)した蛋白/アミノ酸が足りているかどうかの指標。 窒素バランス = Nin – Nout (正常は+0)
窒素バランスが負ということは、体内のたんぱく質が分解されていることを示唆する。 Nin=投与蛋白質(g/日)×0.16 Nin=アミノ酸量(g/日)×0.81×0.16 Nout=尿中尿素窒素(g/日)+2~4(g)
#103.
透析中に透析回路から経静脈的栄養療法を行うことができ、これをIntradialytic parenteral nutrition: IDPNという。
通常中心静脈からしか投与できない高濃度ブドウ糖も投与でき、外来透析でも可能。
処方例) 以下を透析中投与,4時間かけて
*高血糖に注意
*脂肪乳剤を使用する場合もある 1回の透析で400 kcal (1日200 kcal分)であり,あくまで補助的な使用となる。 透析中の栄養 透析1回につき4 kcal/kg/日程度の補充にしかないらないため,、20 kcal/kg/日以下の摂食量の場合、他の栄養療法の併用が必要となる。
#104.
日本静脈経腸栄養学会ではアミノ酸、脂質、ブドウ糖が含まれた800~1200kcalの輸液をHD中に投与。
NPC/Nは150~200程度。
HDでアミノ酸は投与量の40%程度、ブドウ糖は15%程度除去されてしまった報告はあるが、経口摂取が不十分な患者では推奨される。 透析中の栄養
#105.
AKI後は20-50%が完全に回復せず、 CKDに移行する。
AKI単独でもESRDになるリスクが高まる。
退院後3か月から半年程度は少なくとも外来フォローを行う。
どれほど腎機能が回復したか、もともとの腎機能はどれくらいだったか、今後のリスクはどれくらいなのか、などを総合的に評価して外来フォロー継続の必要性を検討する。 腎機能が回復したら
#106.
まとめ 慢性腎不全と異なり、急性腎不全は回復が期待できます。初期にしっかりと介入し、原因を可能な限り推定して、対応することが望ましいと考えられます。
推定される原因は通常複数想定され、複合的に発生していることも多いです。病歴、病態、バイタル、使用薬剤歴などなるべく漏れがないように調べて、想定されるすべてに対し可能な原因除去および介入を同時並行的に行います。
高度急性腎不全患者の場合、尿毒症での意識変容かどうかは、重症患者では他の原因もあるため判断が難しいこともあります。早期に血液透析介入を行ったら予後が良くなることもないですが、個人的には尿毒症が想定され、早期に腎機能の改善が十分に期待できない場合、また無尿の場合は、腎代替療法はあまりためらわずに行うべきかと思います。