#4.
パーキンソニズムとは ① ② ③ ④ 安静時振戦 歯車様固縮 動作緩慢 姿勢反射障害 ①典型的で左右差がある または ②〜④のうち2つ以上 これがあれば、パーキンソニズム
#5.
ドパミン補充療法に対する反応性(増量・減量) MIBG心筋シンチグラフィー
#6.
(除外する疾患) 多系統萎縮症 進行性核上性麻痺 正常圧水頭症・脳血管性パーキンソン症候群 レビー小体型認知症・アルツハイマー型認知症では説明がつかない高次機能障害 (確認すべき状況) 薬剤歴(薬剤性パーキンソン症候群)・薬効 ドパミントランスポーターシンチグラフィー
#7.
3年以内に頻回の転倒がある 5年以内に構音障害・嚥下障害・呼吸障害・急激な歩行障害の悪化 10年以内に首下りを発症する 5年以内に非運動症状を認めない
#8.
多系統萎縮症(MSA) • 脊髄小脳変性症・多系統萎縮症ガイドライン2018 • MDS-MSA 診断基準(2022) • 必須所見:孤発性・30歳以降発症・進行性 • 中核的臨床的所見:自律神経障害・小脳症状・レボドパ反応性が乏しいパー キンソニズム • 支持的臨床所見:3年以内の進行(嚥下・構音・姿勢反射)、頭頸部のジスト ニア、説明のつかないバビンスキー徴候など • MRIマーカー(十時サインなど) • 除外項目
#9.
PD・DLB PSP (除外すべき疾患) レビー小体病 進行性核上性麻痺 (MRIで除外) 多発性硬化症 脳血管性パーキンソン症候群 小脳炎や小脳腫瘍
#10.
進行性核上性麻痺 (PSP) PSP診療ガイドライン2020
#11.
MDS-PSP 診断基準(2017) PSPの臨床 診断基準 ① 基本的特徴:孤発性・40歳以上・緩徐 進行と除外基準 ② 中核となる臨床的特徴 ③ 支持的特徴 ②・③の詳細と、 その組み合わせによって7つの臨床亜型を 決定
#12.
#13.
#14.
#15.
パーキンソン病 緩徐進行 レボドパ反応性のある パーキンソニズム 振戦 固縮 動作緩慢 姿勢反射障害 特徴的な所見を取りつつ 相互の除外診断を行うための 神経診察が必要 忘れずチェック ⚫ 画像検索 ⚫ 使用薬の確認 進行性核上性麻痺 中間型進行性 多系統萎縮症 進行性 眼球運動障害 自律神経障害 小脳症状 姿勢反射障害 無動 高次機能障害 レボドパ反応性の乏しい パーキンソニズム (疑い症例での実際の流れ) ① 経過を確認(発症から進行、 自律神経障害の程度) ② 薬剤と血管リスクを確認 ③ パーキンソニズムの確認 ④ 筋トーヌス(頸部も) ⑤ 眼の動き ⑥ 深部腱反射とバビンスキー ⑦ 歩いてもらって継足 ⑧ Pull test ⑨ 検査の説明(RI±MRI or CT) ⑩ レボドパチャレンジ ⑪ 2-4週間後に再診
#16.
振戦 • パーキンソン病に特徴的なものは、静止時振戦(安静時振戦ではない) • 筋の随意的収縮が生じていない時に起きる • 安静時ではないのは、会話や計算、歩行中に増強するため • およそ5Hzであるが、発生源はまだはっきりしていない • 小脳性振戦に特徴的なものは、動作時・企図振戦 • 筋の随意的収縮が生じている時に起きる
#17.
固縮・強剛 • 筋トーヌスの表現 • 他動的な速度に関係なく出現する抵抗(痙縮・拘縮との違い) • 基本は鉛管様で、歯車用は背景の振戦の影響 • パーキンソン病患者の特徴的な異常姿勢の原因 • 大脳基底核疾患全般で見られる • 脱力のためには臥位、肘関節、手首、首の柔らかさを確認
#18.
姿勢反射障害 • Pull test • 歩行(痙性、足幅、歩幅) • Romberg徴候(開閉眼の差) • 継足歩行(感度が上がる) ◼小脳、錐体路、筋肉、末梢神経の関与がある事を忘れてはならない
#19.
小脳症状(眼球運動障害以外) • 「失調」ではなく、「協調運動障害」と理解した方が良い • (「失調」は脊髄後索の障害による歩行障害に使われていた) • 口:構音障害 • 四肢(指鼻試験・膝踵試験): 測定障害;標的を行き過ぎることが多い 協働収縮異常;ぎこちない動き
#20.
眼球運動 • 上下左右の動きを確認 • 上方視は特に加齢による影響が出やすく要注意 • 核上性障害であるか判断するため、前庭(動)眼反射を用いる • 眼振は自発眼振・注視眼振があるか確認する
#21.
錐体路障害 • 深部腱反射 • トレムナー徴候 でスクリーニング(感度重視) • バビンスキー徴候 • クローヌスの有無 で確認(特異度重視) • 前者が陽性で、後者が陰性の場合は、要注意
#22.
解釈で注意する点 • 結果に影響する因子の把握 • 加齢による筋力・関節・神経の変化を理解 • 多機能の動員・・その診察は何を診ているのかを理解 • 身体のどこが傷害されているかイメージしながら診察
#23.
補助検査 ◼MIBG心筋シンチグラフィー • 支持的基準に含まれる、他のパーキンソニズムを示す疾患との鑑別で、パーキン ソン病で80%以上の特異度を示す検査法の一つ • 心疾患での偽陽性に注意 ◼ドパミントランスポーター(DAT)シンチグラフィー • 絶対的除外基準に含まれるシナプス前性のドパミン系機能画像 • これが正常であることが除外基準 • パーキンソン症候群の鑑別には使えない
#24.
間違いやすい疾患 • パーキンソン病と進行性核上性麻痺・多系統萎縮症 • 正常圧水頭症・脳血管性・薬剤性パーキンソン症候群 • 頸髄症 • ALS 錐体路の診察を行う事で防げる • 脳卒中 • サルコペニア・フレイル 高齢者の正常範囲の捉え方
#25.
◼経過 外来や 予定入院 の時に ◼診察 • 眼球運動 • 筋トーヌス • バビンスキー徴候 • pull testか継足試験
#26.
急性期入院(感染症)の時 • 意識障害・せん妄 • 急激な身体機能低下 が生じるのでまともに診察できない • 薬物吸収に問題 • 悪性症候群を予防 • 早期の離床・退院 (元の生活場所へ戻す)
#27.
抗パーキンソン病治療薬を どうするか ① 飲めないなら、経鼻胃管を使用してでも内服 ② 無理なら静注(半量〜同量を1日3回か24時間持続投与) ③ アゴニスト(ドパミン受容体作動薬)貼付剤(〜パッチ) ◼ アゴニストの特徴 ⚫ 進行期のパーキンソン病患者のアゴニストの有効性は「オン 時間の延長」・「オフ時間の短縮」→単独使用の効果? ⚫ 悪性症候群では、ブロモクリプチン ⚫ 精神症状のリスクが高まる ⚫ 基本的には③の選択はしない
#28.
レビー小体型合併例の典型的な悪循環 向精神病薬 幻覚・妄想 アパシー・抑うつ 不安 身体機能悪化 抗パーキンソン病 治療薬 抗うつ薬 抗不安薬 起立性低血圧 • 薬剤は、必要最低限で、少量から • 追加だけではなく、減量や中止も検討 食思不振
#29.
急性期病院からの 転院症例
#30.
パーキンソン病(60代後半女性) • 10年以上前より動作緩慢が出現し、緩徐な進行の過程。 • 転倒を繰り返すようになり、4年前に「パーキンソン病」と診 断。 • 自宅内で四つん這いで移動する程にまで悪化し、リハビシテー ション入院。 • 入院中に褥瘡発症し、菌血症も発症。 • 急性期治療の後に転院(リハビリ入院からは2ヶ月半経過)。
#31.
• 意思疎通不可(助けて!、痛い!との発言はある) • 発語は不明瞭で構音障害の評価困難 • 指示に従えないため、眼球運動や嚥下状態の評価困難 転院時 の 状態 • 固縮は左右差なく軽度 • 深部腱反射は正常範囲内 • 胃瘻からの栄養 • 仙骨部に一部骨にまで達する握り拳大の褥瘡 • 抗パーキンソン病治療薬はレボドパ製剤とアゴニスト • ドネペジル5mgも使用 • せん妄に頓用のクエチアピン(10mg)
#32.
転院時の印象と方針 • 本当にパーキンソン病? • 家族の話では、幻覚はあった様子。そのためのドネペジル? • せん妄・意識障害を来たすアゴニストは中止 • ドネペジルも中止 • せん妄の場合は、頓用ではなく少量のクエチアピンを短期間定 期使用
#33.
その後① • 薬剤調整で意識状態は改善し、「家に帰りたい」、「背中がい痛い」としっ かりと意思を伝えることが出来るようになった。 • ただ、看護師の記録には、「傾眠」・「ぼーっとしている」 • 嚥下状態も評価し、リハビリしながら食形態調整。 • 家族の「病院でしっかり治してほしい」という希望に逆行するが、病院での 治療の限界を伝え、自宅退院を積極的に説得し、入院3ヶ月目に退院。
#34.
その後② • 自宅退院2日目より、覚醒度の改善。 • リハビリ効率も上がり、1年で胃瘻閉鎖・褥瘡完治。 • 3年かけて歩行器歩行可能な状態まで回復。 • その過程で、典型的な安静時振戦や明らかなオフが出現する様になり、パーキン ソン病の診断に矛盾しないと考えている。 • ただし、転院時のレボドパ製剤は過量であったと感じる。 • 背景にレビー小体型認知症がなかった事が良かった。
#35.
まとめ • パーキンソン病・多系統萎縮症・進行性核上性麻痺は診察で鑑 別 • 眼球運動・筋トーヌス・バビンスキー徴候・pull testか継足 • 急性期はせん妄・悪性症候群に注意し、早期離床か退院 • 薬はレボドパ製剤中心