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きりん@循環器内科

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米国内科、循環器内科専門医からのメッセージ 米国臨床留学を考えている君へ〜米国臨床留学に興味がある医学生、研修医、医師へ〜

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きりん@循環器内科

なし

内容

米国内科・循環器内科専門医が、米国臨床留学のメリット・デメリット、留学方法、その後のキャリアについて解説します。

◎目次

・自己紹介

・このスライドから知ってほしいこと

・米国臨床留学を考えている君へ 其の一

・米国臨床留学のメリット:体系化された研修

・米国臨床留学のメリット:異文化での生活と仲間

・米国臨床留学のデメリット:時間

・米国臨床留学のデメリット:費用

・米国臨床留学のデメリット:労力

・米国臨床留学のデメリット:科ごとのハードルの違い

・米国臨床留学の価値は?

・とはいうものの…

・米国臨床留学を考えている君へ 其の二

・米国臨床留学の仕方:N program経由

・米国臨床留学の仕方:海軍病院経由

・米国臨床留学の仕方:基礎研究留学経由

・米国臨床留学の仕方:私の場合

・米国臨床留学の仕方:補足

・おまけ:N program豆知識

・米国臨床留学を考えている君へ 其の三

・研修を終えたあと、どうするか

・米国臨床留学のキャリアへのインパクト

・米国臨床留学の人生へのインパクト

・まとめ

本スライドの対象者

医学生/研修医

テキスト全文

  • 1.

    米国内科、循環器内科専門医からのメッセージ 米国臨床留学を考えている君へ 〜米国臨床留学に興味がある医学生、研修医、医師へ〜 米国臨床留学に興味があればぜひ読んでね♫

  • 2.

    自己紹介 ü 200X年に地方国立大学卒業 ü 初期研修は地元の500床の総合病院 ü 同病院で循環器内科後期研修 ü 岩田健太郎先生に憧れて米国臨床留学 ü 米国内科、循環器内科、心血管インターベンション専門医 取得後に帰国 ü 現在は関東の病院で循環器内科勤務 首が痛くてレントゲン撮影したら整形の先生が “首、長っ!”ってびっくりしたから、きりんっていうんだ

  • 3.

    味がある君に 米国臨床留学に興 このスライドから知ってほしいこと ü Why? なぜ米国臨床留学をしたいのか、突き詰めて考えよう。 ü How? N program応募、もしくは基礎留学 → 臨床プログラム応募が現実的。 ü Where? 研修後のキャリアは帰国か米国に留まるか。 一緒にみていこう♫

  • 4.

    米国臨床留学を考えている君へ 其の一 米国臨床留学のメリット、デメリットを知ろう そしてなぜ、米国臨床留学をしたいか考えよう。

  • 5.

    米国臨床留学のメリット:体系化された研修 ü 米国の卒前、卒後臨床教育の歴史は長い。屋根瓦方式は米国発。 また日本で2004年に必修化されたマッチングによる卒後臨床教育も、米国式をほぼ そのまま取り入れて開始された。 ü ACGME(Accreditation Council for Graduate Medical Education)という、全米の研修プ ログラムを統括する組織により、卒業までの目標が一律に、全ての科で定められてい る。これによりムラの少ないレベルの医師が養成される。また教育に割かれる時間が 多い。レクチャーが充実している。 → 毎日のランチレクチャー、月1回のGround round、モーニングレクチャー等。 ü ACGMEは、プログラムが教育を提供するにふさわしい基準に達しているかを毎年 監視している。基準に達しないプログラムは研修医受け入れが停止されることもある。

  • 6.

    米国臨床留学のメリット:異文化での生活と仲間 ü 海外で生活することで日本を客観視でき、日本の良い点、悪い点が見えてくる。 一度しかない人生の貴重な体験であり、医療のみならず、考え方や人との接し方など、 人間としての幅も広げてくれる。 ü 米国は学部(Undergraduate)を卒業してから医学部に入り直すため、日本の研修医と 比較すると 多才 であった。 p p p p MBAホルダーの医師 弁護士から医師へ転身した医師 ウォール街で証券マンをしていた医師 ゲームのアプリを開発していた医師 など...... ü 海外での生活は、文化や言語の違いによる驚きや感動の他、困難も多いが、 その分家族の絆が強くなる。その分思い出も増える。 ü 食べ物とお風呂が恋しくなる。自分が日本人である事を認識する。

  • 7.

    米国臨床留学のデメリット:時間 ü 米国臨床留学への準備としては以下のものがある。 p USMLEの対策と突破 p 英語の勉強 (目安として TOEFL ibt 100 点以上) p 履歴書や Personal statement※の準備 p プログラムへの応募 p 面接旅行 p 貯金 ※なぜそのプログラムへ応募したのかを表すもの 最低2年はかかるだろう。もっとかかる事も。 USMLE取得後に一度臨床留学を諦めたが、再度挑戦して10年かかった人も。 私は3年半ほどかかりました(研修医2年目から開始)

  • 8.

    米国臨床留学のデメリット:費用 (×10万円) ・受験料 ・カプランの受講料 ・現地受験のためのホテル代 ・飛行機代 など 100 80 ・英会話スクール2年 ・TOEFL ibt の受験代や参考書代 など 60 40 ・現地視察に一度 ・東京での面接 など 80万円 20 40万円 35万円 英語の勉強 移動費 0 USMLE関連

  • 9.

    米国臨床留学のデメリット:費用 ※後期研修が終わった、卒後5年目程度で渡米する場合を想定したケース 期間 6 年 (内科レジデント3年、専門研修3年) (万円) 給料 10000 −3600万円? 8000 6000 4000 7800万円 1300万円x6年 4200万円 650万円x3 + 750万円x3 2000 0 日本で働いた場合 米国臨床留学した場合

  • 10.

    米国臨床留学のデメリット:労力 ü USMLEのStep 1はおそらく最初の関門。膨大な基礎を英語で勉強するという罰ゲーム。 するならとっつきやすいStep 2で勢いをつける。 ü 英語の勉強は高校、大学と勉強が手薄なListening、Speaking、Writingを鍛えないと いけないが、効果を実感するまで時間がかかる。 ü 仕事の合間や、プライベートの時間を削って準備に途方もない時間を掛ける必要が ある。 そして行ける保証などなし......

  • 12.

    米国臨床留学の価値は? ü 米国臨床留学の最大の魅力は歴史のある、体系化された教育システムである。 ü しかし、近年は日本でも卒後教育の体系化が進み、充実してきている。 このため、今後、米国臨床留学を希望する人は、何を求めて渡米するのかを、 メリットとデメリットを天秤にかけ、より一層明確にする必要がある。

  • 13.

    とはいうものの...... ü そこまで難しく考えるとなかなか一歩が踏み出せない。性格にもよるかもしれないが、 考えれば考える程、「行かない理由」が出てくる。 忙しい、周囲の雑音、家族の反対など。 ü 「米国の研修システムで学んで日本に還元する!」 「米国で学んだ日本人医師が素晴らしく、同じ様になりたいと思い留学したい!」 などというキラキラしたことを面接官はよく聞くし、応募者はよく言う。私もそう言ってい ました。 ü でも渡米したい理由なんかなんでもいいと思います。立派じゃなくていい。 私は、本音としては、一度しか無い人生、なんとなく米国で医者やってみたいなぁ。 NY住んでみたいなぁ。米国で医者ってパワーワードだな。研修が終わったら?その 時考えようと思いながら渡米準備をしていました。

  • 14.

    米国臨床留学を考えている君へ 其のニ 米国臨床留学へのルートを知ろう!

  • 15.

    米国臨床留学の仕方:N program経由 ü 東京海上日動がスポンサーをしている、かれこれ30年ほど歴史のあるプログラム。 主にNYにある、Mount Sinai Beth Israel Medical Center と提携している。 内科を中心にこれまで総勢180名近く、毎年4-5人送り込んできた。倍率は例年4-5倍。 ü “N”は“New York”とプログラムを始めた時の米国人医師と日本人医師の名字の 頭文字がNだった事からN programと名付けられたとか。 ○ メリット p 東京で一次、二次面接があり、合格すれば、 米国からわざわざプログラムディレクターが 面談に来てくれる。二次面接まで通ると、 最終面談もほぼ通る。 p これまでの全留学者のメーリスがあり、貴重。 自分も一員になれる。 p 同期の日本人がいる。やはり日本人1人で 行くよりは心強い。その後も長い付き合いと なることが多い。 ✕ デメリット p Mount Sinai Beth Israel medical center または N program のコネがある病院にしか 応募できない。 p 内科しか提携していないため、内科以外のプロ グラムにマッチするのは難しい。

  • 16.

    米国臨床留学の仕方:海軍病院経由 ü 沖縄と横須賀にある海軍病院で1年、米国人医師と働ける。 そこから米国人医師からの推薦状を入手し、正規のルートから 全米のプログラムに応募する方法。 ○ メリット p アメリカ人医師から推薦状を入手し、 内科だけではなく、好きな科に応募できる。 p 米国式の医療に触れられる。 米国臨床留学した際のイメージが持てる。 気に入らなければ留学自体をやめればよく、 無駄が省ける。 p 英語の上達が早い。慣れができる。 p 面接・旅行などの休暇の融通がききやすい。 ✕ デメリット p 海軍勤めの米国人医師が有名で、 多くの病院にコネがある医師ということは稀。 推薦状の威力はそこまで強くない可能性がある。 p 正規ルートを通じて米国全土のプログラムに 応募するのであれば、外国人の日本人は 何かしらの“売り”がないと厳しい。 Ph.D.や論文実績などがないと、いいプログラムに マッチできる可能性は低い。

  • 17.

    米国臨床留学の仕方:基礎研究留学経由 ü 最初に医局や自分で売り込んで基礎留学をし、そこで臨床留学の準備も研究をしつつ、 進める。外国人(米国人以外)には割と多く取られている手法かと思われる。 ○ メリット p ラボでの実績ができれば、それがそのまま 自分の履歴書の充実につながる。 ✕ デメリット p 基礎研究の結果が出るまでの時間が読めない。 p そもそもよい結果が出ないかもしれない。 p 米国国内にいるため、面接などが組みやすい。 p 実績ができればラボのボスからの推薦状も よくなる。 p ラボのボスの顔が広ければ、面接で有利。 p 奨学金などを獲得しないと、基礎研究中、臨床 留学中と経済的に苦しい期間が長くなる可能性 がある。

  • 18.

    米国臨床留学の仕方:私の場合 ü 私は下記の内容を考慮して、N program 一本の応募としました。 ① 基礎研究留学 → 興味がゼロ。 ② 英語にそこまで抵抗はない → 海軍病院で慣れる必要はないか。 ③ 自分で通常のプロセスを通して全米のプログラムに応募。 → 日本で臨床しかやっておらず、米国人医師の推薦状もなく、 論文の実績がゼロの自分は箸にも棒にも引っかからないと想像できた。 ④ プログラムの知名度にこだわりは無い。ハーバードやコロンビアじゃなくてもいい。 N program一本勝負!

  • 19.

    米国臨床留学の仕方:補足 ① 多くの先生にとって、内科臨床留学をする頃、志す頃には既に自分の専門が決まって いる事が多いと思う。腎臓内科、内分泌、消化器、呼吸器...... ② 内科で臨床留学する場合、最初の3年は内科。 卒業前に再度専門研修(フェローシップ)へと応募。フェローシップは大体2〜3年。 循環器は3年で、血管インターベンションや電気生理学をしたいならもう1-2年。長い。 ③ 内科レジデンシーは、言い方は悪いが、米国で臨床を学ぶ入り口と考えて、 フェローシップで名門を目指す(それが自分のキャリアの目標に一致しているなら) という考えもある。 消化器/循環器 > 血液内科/呼吸器内科 > 腎臓内科/内分泌内科 > 一般内科 ④ 内科系フェローシップの人気順も、給料の順序とほぼ一緒。 ⑤ 人気が低い科でも、トッププログラムへの道のりは険しい。論文実績が絶対必要。

  • 20.

    おまけ:N program豆知識 ü 日本からの米国臨床留学について調べた場合、N programは割とすぐたどり着く情報の 1つだと思います。他の選択肢としては野口医学研究所か。 ü その選考方法は受験したことがない人には謎に包まれていると思います。 私が受験したときから月日は流れてしまったので、異なっている可能性はある。 豆知識 p 1番重視してくるのは英語力となる。TOEFL ibt 100点未満は足切りラインとされる。 95点くらいなら倍率によっては土俵に上がる。 p 異常に難しい単語テストがあった。これが意外にかなり差がつく。 p リスニングの難易度は割と普通。CNNが9割聞き取れれば困らないと思う。 ここで点差はあまりつかなかった。 p もちろん面接が1番重視されるが、大幅な点差はつきにくいか。

  • 21.

    米国臨床留学を考えている君へ 其の三 研修修了後のことについて考えてみよう。 米国臨床留学がキャリアや人生にもたらすものは?

  • 22.

    研修を終えたあと、どうするか… ü N programの卒業生で帰国された先生はアカデミックな病院、大学病院やブランド 病院で活躍されている割合が多い。 しかし、開業されたり、医者以外の働き方をされたりしている先生もいる。 ü 当初渡米前に思い描いていることと、研修を終えた後では環境や考え方が 変わるのは普通。あまり渡米前の理想にとらわれずに、米国に残るなり、帰国 するなり、他の国にいくなり、自由にすれば良い。 → 私も色々考え、最終的には帰国した。 でもまた渡米するかもしれませんし、しないかもしれません。 ü 研修後に日本へと帰国したが、様々な事情で再度渡米した先生もいますし、 逆に米国に残ったが、しばらくしてから日本に帰国する方もいる。 正解はない!百人百通り

  • 23.

    米国臨床留学のキャリアへのインパクト ü 自分の専門としたい分野のフェローシップまで修了するのが理想的。 米国の専門医が取れる。ただし日本では米国の専門医があっても、互換性はない。 少なくとも循環器内科は。 → 日本の専門医が必要であれば、取得しないといけない。 少数であるが、最初の内科レジデンシーの3年間で帰国した先生もいた。 理由は様々であっただろうが、もったいない気はした。 ü 米国臨床留学の経歴はアカデミックキャリアには役立つかもしれない。 ただし米国での厳しい競争を勝ち抜き、名門のフェローシップに進み、論文を たくさん書いた、高インパクトファクタージャーナルに載せた、などの実績が前提。 ü 米国臨床留学したからといって、それだけで偉くなるわけでも何でもない。 優秀な人が駆け上がっていく際に、+@になる程度だと思う。

  • 24.

    米国臨床留学の人生へのインパクト ü プライスレスである事は間違いない。 p 将来教科書にのるであろう医師との出会い p 超絶優秀な後輩、同期、上司との出会い p 美味しいピザを食べに連れて行ってくれた同期 p 美味しい寿司屋へ連れて行ってあげた同期 p 同時に留学した日本医師との切磋琢磨 p NYでの生活、米国の地方での生活 などなど… ü 米国臨床留学をして損した、無駄だった、時間と金返せ!と思う人はあまり いないのではないか。

  • 25.

    まとめ ü 米国臨床留学はメリット、デメリットがある。 よく考えて、でも、ときには勢いをつけて目指そう!行きたい理由はなんでもいい! ü 個人的にはN programがコスパ最強であった。ただし人が違えば、当然状況も変わる。 自分の状況と合わせて最適なルートでいこう! ü キャリアに有用かどうかは人それぞれ。 ただし、人としての成長をもたらしてくれたり、人生を豊かにしてくれる可能性は高い! 「あのとき、本気で目指せばよかったなぁ、、、」 と 10 年後に後悔するかもと思うなら、行こう!

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