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鈴木祥太郎

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発熱・皮疹のみかた

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鈴木祥太郎

飯塚病院

内容

感染症外来を開始して診察した発熱・皮疹の症例をメインに解説を合わせて説明を行っています。

本スライドの対象者

研修医/専攻医

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内容

感染症外来を開始して診察した発熱・皮疹の症例をメインに解説を合わせて説明を行っています。

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その他(297)


発熱・皮疹のみかた

  • 1.

    -

  • 2.

    Agenda 自己紹介 発熱・皮疹のSTEPを理解する 発熱・皮疹を見たときのアプローチとは? 海外渡航者の問診・診療のアプローチとは?

  • 3.

    自己紹介 生まれは長崎 2014年 愛知医科大学卒業 2014年4月-2016年3月 九州医療センター初期研修 2016年-2018年 (株)麻生飯塚病院 総合診療科 (総合内科 ”hospitalist”) 後期研修 2019年 同上 総合診療科・感染症フェロー 現在

  • 4.

    総合診療科×感染症フェロー 3年間病棟メイン(ホスピタリスト研修)の研修を行った 院外研修で離島研修も体験 感染症科の研修を経て他科含め視野の広がりに可能性を感じる わがままを通して現職に至る

  • 5.

    今年に入って気付いた事・・・ 発熱・皮疹外来 になっている・・・・

  • 6.

    本日学ぶ3つのポイント 1.発熱・皮疹のSTEPを理解する 2.発熱・皮疹を見たときのアプローチ 3.海外渡航患者の問診・診療のアプローチ

  • 7.

    発熱+皮疹を見たときの6STEP ショックバイタルがある患者の発熱+皮疹 薬剤に伴う重篤な副作用 渡航関連感染症 性行為感染症 周囲に蔓延しやすいウイルス感染症 症状出現が比較的緩やかかつ診断に時間がかかるもの トップランナーの感染症外来診療術から引用

  • 8.

    病歴聴取の前に 緊急性の判断が大事

  • 9.

    発熱+皮疹+ショックバイタル ”VS WATER” V:Vibrio vulnificus(ビブリオ) S:Spleen (脾摘後重症感染症) W:Waterhouse-Friderichsen症候群 A:Anaerobes (Clostridium perfrigens) T:Toxic shock E:Endocarditis (感染性心内膜炎) R:Rickettsia (日本紅斑熱、ツツガムシ病)

  • 10.

    薬剤に伴う重篤な副作用 何事にもまずは薬剤性の除外!! 新規薬剤を探す!!!

  • 11.

    症例:20歳男性 X日  発熱、感冒症状が出現。 X+1日  上半身、両上肢、手に小丘疹が出 現し、同時期より左頚部リンパ節 腫脹も認めていた。 X+8日 精査目的に当科受診した。 既往歴:クラミジア、淋菌

  • 12.

    梅毒

  • 13.

    発熱+皮疹を見たときの6STEP ショックバイタルがある患者の発熱+皮疹 薬剤に伴う重篤な副作用 渡航関連感染症 性行為感染症 周囲に蔓延しやすいウイルス感染症 症状出現が比較的緩やかかつ診断に時間がかかるもの トップランナーの感染症外来診療術から引用 ❌ ❌ ❌ 既往的にも・・・

  • 14.

    性感染症では“問診”が大事 一つのSTDを見つけたら複数あると考える! CDC(米国室病予防管理センター)では以下が記載されている“5P” P(partners)性行為の相手 同性、異性、何人、いつから P(Practice) 性行為スタイル P(Prevention of Pregnancy)避妊方法は? P (Protection of STDs) 性感染症予防 P (Past history of STDs)過去の性感染症罹患歴

  • 15.

    この症例では? P(partners):複数、どちらも P(Practice) :両方 P(Prevention of Pregnancy):なし P (Protection of STDs) :女性の時はしている P (Past history of STDs):淋菌・クラミジア罹患歴あり 第二期梅毒と判断。AMPCによる治療介入開始とした。

  • 16.

    一般外来編

  • 17.

    発熱・皮疹患者が来たらどうしますか? Question 1 D A B C 他の人に回す とりあえず向き合ってみる 全員隔離 とりあえずまごころ

  • 18.

    大事なのは病歴・問診力 薬剤歴 海外渡航歴 ワクチン接種歴 性交渉歴 免疫不全がないか (HIV・脾摘後、ステロイド使用) 接触歴(動物・子供・虫) 森林暴露歴 職業歴 皮疹の出現順番

  • 19.

    どこで診察するかも大切! 疑わしきは罰せよの方が後々いいことも

  • 20.

    症例:40歳の男性

  • 21.

    身体所見 <全身状態>良好<意識レベル>清明 <Vital Signs>体温37.8℃、血圧137 /75mmHg、脈拍数80bpm 整、SpO2 97%(RA)、呼吸数16/m 頭頚部:眼球結膜充血あり、後頚部リンパ節腫脹あり、貧血なし、黄染なし、粘膜疹なし胸部:心雑音なし、肺雑音なし、消退する紅斑が散在、癒合傾向なし腹部:胸部と同様に消退する紅斑が散在している、掻痒感は軽度 四肢:同様の紅斑が散在している

  • 22.

    背中 左下腿

  • 23.

    続き 【既往歴】特記事項なし 【薬剤歴】カロナールのみ 【アレルギー歴】薬物なし、飲食物なし 【家族歴】兄:透析をしていたが死去(詳細は不明) 【生活歴】ADL:妻・子どもとの6人暮らし、喫煙:20本/日、飲酒:なし、職業歴:農協の職員

  • 24.

    症例経過 Sick contact:会社の同僚が皮疹・発熱を同日から発症している お子さんの学校での流行はなし 皮疹の出現順番:発熱→顔面→体幹→四肢の順番 ワクチン接種歴は不明 ROS+:乾性咳嗽、皮疹、充血 ROS-:鼻汁、関節痛

  • 25.

    血液検査

  • 26.

    発熱+皮疹を見たときの6STEP ショックバイタルがある患者の発熱+皮疹 薬剤に伴う重篤な副作用 渡航関連感染症 性行為感染症 周囲に蔓延しやすいウイルス感染症 症状出現が比較的緩やかかつ診断に時間がかかるもの トップランナーの感染症外来診療術から引用 ❌ ❌ ❌ ❌ ❌ ❌ 周囲の同様の症状あり

  • 27.

    症例経過 “風疹”を疑い、ICTに連絡し速やかに外来に幽閉 3徴を認めていたことから、保健所に連絡を行いPCR検査を施行した。 幸い家族に妊娠している人はいなかった 仕事は、休んでもらい自宅で経過観察

  • 28.

    最終診断 風疹 第2病日にPCRで診断

  • 29.

    風疹の感染力はインフルエンザの何倍? Question 2 D A B C 同じくらい ほぼかからない 3-5倍 20倍

  • 31.

    風疹とは トガウイルス科に属する1本鎖のRNAウイルスでエンベロープを持っている。 発疹発現の数日前から出現後7日が最も感染力を持っている。 5類感染症のため届出が必要。

  • 32.

    感染経路、症状 典型的な症状: 発熱、それとほぼ同時に発症する皮疹、リンパ節腫脹 ※後頸部に多いとされている ※成人の場合は関節痛も多い 飛沫感染(咳くしゃみ) 潜伏期間:14-18日 合併症:関節炎、血小板減少、先天性風疹症候群 眼:白内障(25%)、耳:難聴(60%)、心臓:先天性心疾患(45%) Clin Infect Dis 2000;31:85, Lancet 2004;363:1127

  • 33.

    臨床経過 大阪大学感染制御部から引用(https://www.hosp.med.osaka-u.ac.jp/home/hp-infect/file/manual/e-5ingai.pdf)

  • 34.

    成人風疹の診療のポイント 成人風疹も3徴は『発熱、皮疹、リンパ節腫脹』 皮疹は非典型的なこともある (紫斑癒合傾向にあることも) ③ 確定診断はPCRまたは、風疹IgMで行う。 疑い事例は、保健所に連絡を。

  • 35.

    成人風疹の症状頻度 方法 東京都都立駒込病院で風疹と診断された症例27例を後方視的に検討したもの。 患者: 2012/1/1−2013/4/30の期間に 抗体検査で風疹と診断された27例 年齢 中央値34.5歳(20-56歳) 結果: 三徴が全てが揃うわけではない。 リンパ節も実は、バラバラである。 加藤博史、今村顕史、関谷紀貴 他 感染症誌 2013; 87: 603-607

  • 36.

    疑った時に大事なのは・・・ 皮疹の広がり方に注目 予防接種歴、周囲の流行状況から疑う! 2-3週間前に近くに同様の症状がいたら黒 周囲に妊婦さんがいないかの確認

  • 37.

    麻疹・風疹の違い 内科 Vol 1116 No6 2015から引用

  • 38.

    先天性風疹症候群 三大症状は先天性心疾患、難聴、白内障 妊婦が顕性感染した場合の発症頻度は妊娠1ヶ月で50%以上、2ヶ月で35%以上、3ヶ月で18%、4ヶ月で8%程度であるとされている。 成人でも15%程度は不顕性感染なので、無症状でも起こることがある。 NIID 国立感染症研究所から引用 https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/429-crs-intro.html

  • 39.

    先天性風疹症候群は防げます 風疹の定期接種対象者は予防接種を受けましょう。 妊婦さんが周りにいる人は、風疹にかからないように予防に努めましょう 妊婦の夫 10代後半〜40歳代の女性 産褥早期の女性 ※生ワクチンなので妊婦は禁忌です

  • 40.

    TOPICS 毎日新聞 デジタルから引用

  • 43.

    Topics 2019年4月以降、クーポン券が届きます。 対象者: 1972年4月2日-1979年4月1日生まれの男性が対象。

  • 44.

    2019年からの対応

  • 45.

    Take Home Message 発熱・皮疹を見たら風疹・麻疹は忘れない 感染症に大事なのは流行を知ること 風疹は赤ちゃんを守るためにも正しい知識を。

  • 46.

    Question 3 A B YES NO ワクチンキャッチアップ知ってますか?

  • 47.

    海外渡航編

  • 48.

    渡航感染症の問診で大事なこと 渡航地域 渡航地域によって流行感染症が異なる 潜伏期間 鑑別が絞られてくる 暴露歴 飲水・食事・環境・性行為含め大事

  • 49.

    渡航地域 流行感染症を調べる方法はいくつかあります。 FORTH 日本語です。厚生労働省が管理しています。 CDC FORTHにないものも見れます。 Fit for travel マラリアマップなど見れます etc

  • 50.

    潜伏期間 Lancet 2003;361:1459-69を参考

  • 51.

    皮疹の性状から鑑別 症例から学ぶ輸入感染症A to Z ver. 2から引用

  • 52.

    渡航感染症の基本 検査前確率を見積れるかがカギになる 渡航地域・潜伏期間・暴露リスク 熱帯感染症ばかりでない ワクチンで防げるものは防ぐ

  • 53.

    症例:21歳 男性 現病歴 X-17日 タイ・カンボジアを旅行した。 X日 帰国した。 X+1日 腹部症状・白色の下痢を認めた。 X+4日 病院を受診してLVFX・整腸剤を処方され帰宅。 X+10日 下痢症状は改善した。 X+12日 皮疹が出現した。 X+13日 40度の発熱を認めたため、当院ERを受診した。

  • 54.

    追加情報 【既往歴】特記事項なし 【薬剤歴】カロナール 【アレルギー】薬物- 飲食物- 【ADL】自立、一人暮らし 【喫煙】なし 【飲酒】月に一本くらいのビール 【職業歴】大学生

  • 55.

    身体所見 <全身状態>良好<意識レベル>意識清明 <Vital Sign>体温36.7℃、血圧132/82mmHg、脈拍数98bpm 整、SpO2 98%(室内気)、呼吸数16/分 頭頚部:貧血なし、黄染なし、充血あり、後頚部リンパ節腫脹あり(可動性良好・弾性軟・圧痛なし)、皮疹は散在している 胸部:心雑音・肺雑音なし 腹部:平坦、軟、圧痛点なし、腸管蠕動音正常 四肢:頭頚部・体幹と同様の皮疹が散在している

  • 56.

    症例写真

  • 57.

    タイ  バンコク→チェンマイ→パーイ 陸路でカンボジアへ シェリムアップに行った後に帰国 Fit fo travelから引用 https://www.fitfortravel.nhs.uk/destinations/asia-east/thailand/thailand-malaria-map

  • 58.

    ワクチン接種歴 A肝-、B肝-、風疹(+)、麻疹(+)、チフス-、マラリア-、日本脳炎(+) 食事摂取歴 現地では、ドラゴンフルーツなどを摂取、生ものはなし、水は現地の屋台のものを飲んだ 動物接触歴 象、イヌはなし、蚊には刺された 最近の旅行歴 2018年10月アメリカ(サンフランシスコ:研究発表)3月インドネシア

  • 59.

    渡航地域 タイ→カンボジア(マラリアはいない) 潜伏期間 14-21日かな・・・ 暴露歴 現地の水などは飲んでいる、子供との接触あり 渡航感染症でやばいのはなさそうかな・・・

  • 60.

    皮疹の性状から鑑別 症例から学ぶ輸入感染症A to Z ver. 2から引用

  • 61.

    症例の経過 皮疹の性状から水疱性病変として鑑別。 頭皮内にも水疱があることから水痘を疑った。 罹患歴無し、ワクチン接種歴は水痘はなし。 マラリアマップを確認して否定的と判断。

  • 62.

    検査結果 デング熱抗原抗体:陰性 インフルエンザ迅速:陰性 VZV IgM(EIA) 9.34 VZV IgG(EIA) 8.6

  • 63.

    診断 成人水痘

  • 64.

    水痘 VZV(varicella zoster virus)によって引き起こされる 空気感染によって感染する 接触・飛沫感染もある 基本産生数は8-10 基本産生数:免疫を持たない集団に感染者が入った時に感染する数

  • 65.

    臨床経過 大阪大学感染制御部から引用(https://www.hosp.med.osaka-u.ac.jp/home/hp-infect/file/manual/e-4ingai.pdf)

  • 66.

    水痘はワクチンで防げる! 日本では定期接種の開始は2014年 生ワクチンである 日本でも定期接種を開始してから4歳以下で75%を占めていた水痘患者が40%まで低下している。 接触後、72時間以内であれば70-100%は発病を防げる

  • 67.

    ワクチンの効果 水痘の患者さんは、左記の三地域を見ると71-84%減少を認めていた。 Seward JF, Watson BM, Peterson CL et al.:Varicella disease after introduction of varicella vaccine in the United States,1995-2000. JAMA 287:606-611,2002.

  • 68.

    課題 定期接種後、小児科の患者数は減少している 現在、5歳以上の症例数は変化なし。 20-40歳代が30-50%を占めている。 定期接種対象年齢以外の年代の 未罹患者に対するワクチンアップが大切である

  • 69.

    Take Home Message 何事も問診が大事 オリンピックイヤーも近づき輸入感染症も増えるのでしっかりと鑑別を ワクチンキャッチアップをしていきましょう 入院患者でも肺炎球菌を打つなど・・・

  • 70.

    -

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