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術後の発熱とSSIの話

投稿者プロフィール
長谷川耕平

堺市立総合医療センター

20,999

149

概要

ローテーター向けに行った術後患者の発熱とSSIのレクチャースライドです。

SSIに関しては主に術前・中・後に行う予防について触れています。

周術期医療に関わる方も関わらない方も参考にどうぞ。

本スライドの対象者

専攻医/専門医

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テキスト全文

  • #1.

    2023.10.12 術後の発熱とSurgical Site Infection (SSI) の話 谷 長 立 堺市 総合医療センター 感染症内科 川耕平

  • #2.

    目 次 • 術後の発熱 • SSIとは • 予防

  • #3.

    発熱のタイミングは? • Immediate: 術後数時間以内 • Early: POD 0〜3 • Late: POD 4〜30 • Delayed: POD 30〜

  • #4.

    術後すぐに出る熱の多くは, 術の種類にもよるが, 侵襲度が くなると熱が 腹腔鏡下胆嚢摘出術より開腹胆嚢摘出術の )2) くなる が熱が出やすい3) 日 方 1. Anesthesiology. 2000;93(6):1426-1431. 2. Circ J. 2007;71(5):766-771. 3. J R Coll Surg Edinb. 1995;40(2):116-118. 高 - 然軽快する 動脈解離は偽腔減少率が少ない場合, 熱が続きやすい (平均15.9±11 自 • で 最初の24時間で最 体温に達するまでの中央値は11時間1) 日 - 術侵襲に対する炎症であり1-2 高 - 手 • 高 大 手 Immediate fever

  • #5.

    術後合併症のタイミング • 術後1-2 以内は肺炎やUTIの割 合がSSIより多い (深部・臓器吻 合不全はあり得る) • 3 - 以降はSSIが増加する 例外的に, S. pyogenes, Clostridium spp.による創部 感染は2 以内に起こりうる J Surg Educ. 2015;72(3):430-437. 日 日 目 日 Clin Infect Dis. 2014;59(2):e10-e52.

  • #6.

    W 原因 タイミング Wind 無気肺 POD 1-2 Water 尿路感染症 POD 2-3 Wound 創部感染 POD 3-7 Walking Wonder drug • • DVT/ 栓性静脈炎 薬剤熱 POD 5-7 POD >7 ただし, 無気肺によって発熱する根拠には乏しい1-2) 感染症ならば術後 腫や虚 , 副腎不全 (ステロイド使 者), 中枢熱 (脳外科術後), 感 染症ならCDIや肺炎, 胆嚢炎, CRBSIなど, “Ws”に含まれない熱源も考える3) 1. JAMA Surg. 2019;154(5):375-376. 2. Chest. 2011;140(2):418-424. 用 血 血 3. Emerg Med Clin North Am. 2013;31(4):1045-1058. 血 非 術後発熱の古典的”Ws”

  • #7.

    目 次 • 術後の発熱 • SSIとは • 予防

  • #8.

    分類 定義 臓 術や整形外科 術など。呼吸器・消化器・ 殖器・尿路系に対する は含まれない。1期的縫合創, 閉鎖式ドレーン挿 例, 穿通性鈍的外傷 Clean wound Clean-contaminated 著しい術中汚染のない呼吸器・消化器・ 殖器・尿路系に対する wound ない胆道系・ 垂・膣・ 腔咽頭 術, 開放式ドレーン挿 例 術 術, 感染が Contaminated wound 早期穿通性外傷, 早期開放 折, 清潔操作が著しく守られていない 術 (開胸 マetc), 術中に消化器系から 量の内容物の漏れが じた場合, 胃 指腸穿孔 後24時間以内, 適切に機械的腸管処置が われた 腸内視鏡検査での穿孔 (12 時間以内) Dirty-infected wound 壊死組織の残存する外傷, 陳旧性外傷, 臨床的に感染を伴う創, 消化管穿孔 •Clean, Clean-contaminated surgery/woundでいかにSSIを起こさないかが重要 心 手 二 手 十 手 入 非 生 生 大 入 生 行 用 手 大 骨 fi 口 手 虫 日 本化学療法学会/ 本外科感染症学会, 術後感染予防抗菌薬適正使 のための実践ガイドライン https://www.chemotherapy.or.jp/uploads/ les/guideline/jyutsugo_shiyou_jissen.pdf 手 心 手 日 術創部の分類

  • #9.

    SSIは深達度で分ける • 表層:表 • 深層:筋膜〜筋 • 臓器体腔:さらに奥 〜 下組織 肉 皮 皮 Infect Control Hosp Epidemiol. 1992;13(10):606-608.

  • #10.

    Super cial incisional SSI Deep incisional SSI Organ/Space SSI 術後30 以内に, 切開部の 膚 と 下組織のみが関与し, 下記 の1つ以上を満たす場合 a. 創部からの排膿 b. 無菌的に提出された体液/組 織培養が陽性 c. 疼痛、局所的な腫脹・発 ・ 熱感 d. 外科医もしくは主治医が判断 する場合 術後30-90 以内に, 切開部の深部軟 部組織(例えば筋膜や筋 ) におよび, 下記の1つ以上を満たす場合 a. 深切開部からの排膿 b. 然開放されるか, 外科医, 主治医 などにより開放/吸引された深部切 開創と, 深部軟部組織から微 物が 同定, かつ≧38°C, 限局性の痛みま たは圧痛の1つ以上を満たす場合 c. 眼的解剖学的または病理組織学 的, または画像検査で検出される深 切開を含む膿瘍または感染の証拠 術後30-90 以内に, 術中に操作 された筋膜/筋層よりも深部を含 み, 下記の1つ以上を満たす場合 a. 臓器/腔に留置されたドレーン からの膿性排液 b. 臓器/腔の液体または組織から の微 物の同定 c. 眼的解剖学的または病理組 織学的, または画像検査で検 出される臓器/腔を含む膿瘍ま たは感染の証拠 生 皮 赤 肉 日 日 日 fi 生 CDC, Surgical Site Infection Event Web site (accessed August 26, 2023) https://www.cdc.gov/nhsn/pdfs/pscmanual/9pscssicurrent.pdf 皮 自 肉 肉 Surveillance criteria

  • #11.

    SSIの原因微 物 1 冠動脈バイパス 脊椎固定術 胸部 Staphylococcus aureus Staphylococcus aureus 術( 臓以外) 膵頭 指腸切除 Staphylococcus aureus Enterococcus faecalis 2 CoNS CoNS Streptococcus spp. Enterobacter cloacae complex 3 Serratia spp. Staphylococcus epidermidis CoNS Enterococcus faecium Pseudomonas aeruginosa Klebsiella pneumoniae 4 Staphylococcus epidermidis Corynebacterium spp. Enterobacter cloacae complex 5 Corynebacterium spp. Enterococcus faecalis Pseudomonas aeruginosa 生 心 門 二 手 十 JANIS, SSI部 , 2021年度年報 (accessed August 27, 2023) https://janis.mhlw.go.jp/report/ssi.html

  • #12.

    SSIの原因微 物 Clean surgery 1 Clean-contaminated surgery 冠動脈バイパス 脊椎固定術 胸部 Staphylococcus aureus Staphylococcus aureus 術( 臓以外) 膵頭 指腸切除 Staphylococcus aureus Enterococcus faecalis 2 CoNS CoNS Streptococcus spp. Enterobacter cloacae complex 3 Serratia spp. Staphylococcus epidermidis CoNS Enterococcus faecium Pseudomonas aeruginosa Klebsiella pneumoniae 4 Staphylococcus epidermidis Corynebacterium spp. Enterobacter cloacae complex 5 Corynebacterium spp. Enterococcus faecalis Pseudomonas aeruginosa • Clean surgeryの場合は 膚からのエントリー • Clean-contaminated surgeryは 術臓器由来 and/or 膚からのエントリー 皮 手 生 皮 心 門 二 手 十 JANIS, SSI部 , 2021年度年報 (accessed August 27, 2023) https://janis.mhlw.go.jp/report/ssi.html

  • #13.

    • SSI治療の原則は異物の除去, ドレナージ, 洗浄である1) • 表層切開創SSIの場合, 下記のいずれも満たさなければ, 抗菌薬投与を 物除去, 切開・排膿のみで様 を てもよい1) • 発 わず縫合 ・腫脹 > 5cm 発熱 > 38.5℃ 拍 > 110 bpm WBC > 12,000 切開創SSIの起因菌として, 清潔 術ならば表層からのブドウ球菌が多い が, 準清潔 (消化器外科など) では切除臓器由来の細菌も原因となりえる2) 糸 生 行 見 手 子 門 などの異 表層/深部切開創 1. Clin Infect Dis. 2014;59(2):e10-e52. 2. JANIS, SSI部 , 2021年度年報 (accessed August 27, 2023) https://janis.mhlw.go.jp/report/ssi.html 赤 心 切開創SSIに対する治療と原因微 物 1 E. faecalis 2 S. aureus 3 P. aeruginosa 4 E. cloacae complex 5 B. fragilis group

  • #14.

    • NPWT (V.A.C.Ⓡ, RENASYSⓇ)の 効果1) - 創を物理的に引き寄せる - 細胞に刺激を与えることで分裂・ 活性化を促す - 炎症起因物質の除去 • 流の増加 NPWTi-d (V.A.C. UltaⓇ) では周期 的 動洗浄機能が われ, 壊死組織 の除去が可能2) 行 1. Ann Vasc Surg. 2018;48:104-110. 2. 本外科感染症学会雑誌. 2020;17(1):27-32 自 血 日 NPWT

  • #15.

    • 開腹 術後の予防的NPWTは, 21の研究 (RCT×5 + 観察研究×16) を含んだメタ解析でSSI発 に対し RR 0.53 (95% CI, 0.40-0.71; I2=56%; P<.0001) • ただし, 質の い観察研究やRCTのみに絞って解析を うと有意性はなかった 生 高 Clin Infect Dis. 2021;73(11):e3804-e3813. 手 行 NPWTはSSI予防に有効か?

  • #16.

    • 各領域の切開創SSIハイリスク症例, 創分類, 基礎疾患に応じてSSI1次予防の適応あり1) • 禁忌として, 主要な 管・臓器・神経が露出している創傷, 管吻合部, 臓器と交通して いる瘻孔, 髄液瘻・消化管瘻・肺瘻, 痂 を伴う壊死組織を除去していない創傷, 壊死 が除去されていない 髄炎, 悪性腫瘍がある創傷が挙げられる2) • NPWTでは壊死組織の残存している感染創には禁忌とされていたが, NPWTi-dでは洗浄 液が 定時間創部を浸し壊死組織を軟化させ, 陰圧治療により除去されるため, 中等度の 感染創には使 可能3) 1. 本外科感染症学会, 切開創SSIに対するNPWT機器の適正使 http://www.gekakansen.jp/pdf/NPWT_jssi.pdf にかかる提 (2019年8 23 ) 2. RENASYS創傷治療システム, 添付 書 (2022年11 改訂第3版) https://www.info.pmda.go.jp/ down les/md/PDF/371113/371113_22400BZX00276000_A_02_03.pdf 骨 本外科感染症学会雑誌. 2020;17(1):27-32 血 日 月 皮 言 用 月 骨 血 文 用 一 3. fi 日 日 適応

  • #17.

    NPWTi-dはincisional SSIに有効 • 術後の腹部 下組織創傷治癒遅延に対する NPWTの効果を従来法 (CWT) と 較したRCT • 浅部切開創 60%, 深部切開創 35% • 主要転機:術後42 までの閉創率は, NPWT (35.9%) vs CWT (21.5%) (95% CI, 6.6%22.2%) • 閉創までの 数はNPWT (36.1 days) vs CWT (39.1 days) (95% CI 1.6-4.4) 比 目 日 皮 日 JAMA Surg. 2020;155(6):469-478.

  • #18.

    目 次 • SSIとは • 術後の発熱 • 予防

  • #19.

    予防のキモは何がリスクかを知ること • 患者要素:術前 • 医療要素:術前, 術中, 術後 JAMA. 2023;329(3):244-252.

  • #20.

    介 可能 • DM 術前 • 免疫抑制 創傷治癒遷延のリスクとなりうるため, 中断または減量する (PSLは何mg?) • 低栄養 低栄養は創傷治癒遅延の原因となり, 低Alb • 肥満 BMI 20-25と • 喫煙 最低でも • S. aureus保菌 介 標は空腹時 糖≦140mg/dL, 後 糖≦200mg/dL, A1c<7% 症はMφ活性化の抑制や, 間質・全 較し, 30-40は1.5倍, ≧40は2.3倍SSI発 性浮腫の原因となる 率が上がる 術1ヶ 前から禁煙する 腔S. aureus除菌を検討する 不能 • 年齢 • SSTIの既往 SSTIの既往は, 固有の免疫や機能に関する問題を • 放射線治療歴 放射線治療による 齢になればなるほど創傷治癒遅延のリスク 唆する 膚障害, 深部結合組織障害 JAMA. 2023;329(3):244-252. 身 生 示 血 血 食 血 皮 月 比 手 目 入 Infect Control Hosp Epidemiol. 2023;44(5):695-720. 入 鼻 高 患者要素と術前対応

  • #21.

    術前 •除 術の妨げにならない限り除 • 感染症の併発 術中 予定 • • • • • • • • 適切な 外科的 洗い 膚 洗いを 膚をアルコールを含む2剤混合の 膚 周術期抗菌薬を適切に使 輸 輸 技 わない;必要な場合クリッピングで除 する。剃 は使 しない。 う 切開部位周辺の 外科 は 術の前に, 全ての感染症を治療しておく (創部から遠い場合でも) 抗菌薬 薬を いて消毒する する はMφ機能を低下させることでSSIのリスクを めるため, 可能な限り輸 の必要性を減らす。 組織を丁寧に扱い, 死腔を減らす 適切な 袋 重 無菌 袋を い, 破損した場合は直ちに交換する 術室の無菌化に関する標準原則を遵守する 術時間 特に決まりはないが, 術 技や無菌的処置を怠らないように, 可能な限り最 限に抑える。 術室 換気 American Institute of Architectsの基準を遵守する 交通 術室への出 環境表 りを最 適切な消毒薬を 術器具の滅菌 適切な 限にする いる 順で滅菌を う 用 刀 小 血 毛 用 用 皮 高 行 毛 手 用 小 手 行 行 皮 用 入 JAMA. 2023;329(3):244-252., Infect Control Hosp Epidemiol. 2023;44(5):695-720. 行 手 手 手 面 手 手 手 手 毛 血 • • • • 血 手 皮 二 手 手 手 手 手 医療要素とその対応

  • #22.

    • • • 予防的抗菌薬としてVCMをルーチンで使 しない 経 栄養を投与するために 術を遅らせない 消毒 ドレープをルーチン使 しない • • • • • 切開部位の最適酸素濃度 胸部 術患者に対する術前の経 ・咽頭CHG除菌 ゲンタマイシン含有スポンジの使 抗菌薬パウダーの使 されるエビデンスに基づく基準, 規則, 医療機器メーカーの使 術室の 員とケア環境を観察し 直す 説明書に沿った患者のSSIリスクを軽減するための 針と実践を実施する。 Infect Control Hosp Epidemiol. 2023;44(5):695-720. 方 手 用 用 用 行 の使 高 行 術 用 用 糸 口 用 見 用 手 鼻 手 行 用 手 用 口 非 皮 手 心 血 用 行 手 用 子 手 手 人 用 大 手 口 用 手 用 未解決 SSIリスク評価を実施する 適応のある患者には陰圧閉鎖療法の使 を検討する 術前診察, 外科ICU, および/または外科病棟での実践を観察し, レビューする SSIを予防する戦略として消毒含浸縫合 を使 する 適 毛 わない • • • • する 整形外科 術および 臓胸部 術の術前に, ブドウ球菌活性のある抗菌薬で 術患者を除菌する 帝王切開分娩や 宮摘出術を受ける患者には, 抗菌活性を含む術前腟剤を使 する。 術 技の妨げにならない限り, 術部位の剃 を わない アルコールを含む術前 膚準備剤を消毒薬と併 する 低体温を必要としない 技の場合, 周術期には平熱 (≧35.5℃) を維持する 消化管および胆道 術には創縁保護器具を使 する。 術中に消毒薬による創洗浄を う 全ての患者の術後の 糖値を管理する チェックリスト・バンドルを い, ベストプラクティスの遵守を確認する SSIサーベイランスを実施する 動化データを活 し, サーベイランスの効率を める 外科, 周術期のスタッフおよび指導者にSSI率を継続的にフィードバックする プロセス遵守率を測定し, HCPにフィードバックする。 SSI予防対策について外科医と周術期担当者を教育する。 必要に応じて, 患者とその家族にSSI予防について教育する。 用 ルーチンでは

  • #23.

    • SSI発 について, アルコール含有クロルヘキシジンのアルコール 含有ポビドンヨード に対する優位性が報告されており, ガイドラインで推奨されている • ただし, クロルヘキシジンを いる場合は, する可能性があるため注意を要する 分に乾燥させなければ電気メス使 時に発 用 非 十 用 本外科感染症学会 消化器外科SSI予防のための周術期管理ガイドライン2018 生 日 皮 火 膚消毒薬

  • #24.

    • メタ解析でイソジン系消毒薬に対してSSI発 率を下げる効果が確認されたのは2.02.5%CHG (RR 0.75, 95%CI 0.61-0.92) と1.5%オラネジンのみ (RR 0.49, 95%CI 0.26-0.92) • 0.5%CHGはRR 0.69 (95%CI 0.47-1.02) と有意差はないがSSIが減る傾向にあった • • 本で いることができる最 濃度の1%CHGに関しては解析なし clean surgeryの場合は, CHGは濃度によらずイソジン系消毒薬と 果が い (RR 0.6, 95%CI 0.36-0.99) 較しSSI発 予防効 生 比 生 大 用 Lancet Microbe. 2022;3(10):e762-e771. 高 日 CHG濃度

  • #25.

    • 基本は執 • 1時間前から30分程度で点滴を う 例外:バンコマイシン, フルオロキノロンは執 術時間が半減期の2倍を超える, または出 2時間前に開始 >1500mlの場合, 術中追加投与を 本化学療法学会/ 本外科感染症学会, 術後感染予防抗菌薬適正使 う のための実践ガイドライン 行 刀 血 行 用 fi 日 https://www.chemotherapy.or.jp/uploads/ les/guideline/jyutsugo_shiyou_jissen.pdf 刀 手 日 周術期抗菌薬

  • #26.

    術前抗菌薬のタイミングとSSI Ann Surg. 2009;250(1):10-16.

  • #27.

    術前抗菌薬のタイミングとSSI • WHOが ったメタ解析では, 執 120分以上前 vs 120分以内ではSSIが増加 (OR 5.26; 95% CI 3.29–8.39) するが, 120分以内の中では特にSSI発 率に差がなかった • そのため, WHOは120分以内であればいつでも投与可能としている (薬剤ごとの検討はない) 生 刀 行 World Health Organization. (2018). Global guidelines for the prevention of surgical site infection, 2nd ed.. World Health Organization. https://apps.who.int/iris/handle/10665/277399. (accessed August 25, 2023)

  • #28.

    • 膚常在菌 ( ブドウ球菌) を押さえつつ, トラムを変更する • 例えば, 臓外科ではセファゾリンだが, 下部消化器外科ではセフメタゾール, 気道が胸 腔内で開放される場合はスルバシリンなどを いる • 術部位 (清潔・汚染 術) によってスペク 術部位の常在菌をカバーするように考えていくとわかりやすい 本化学療法学会/ 本外科感染症学会, 術後感染予防抗菌薬適正使 のための実践ガイドライン 手 手 用 用 fi 色 黄 日 https://www.chemotherapy.or.jp/uploads/ les/guideline/jyutsugo_shiyou_jissen.pdf 心 皮 日 手 何を使うか?

  • #29.

    • 79,058件の外科 術を対象とした後 視的コホート研究において, バンコマイシンの周 術期予防はAKIリスクの有意な上昇と独 して関連していた ( 臓 術: aOR, 1.17; 95% CI, 1.10-1.25; 臓 術: aOR, 1.21; 95% CI, 1.13-1.30)1) • 特に胸部外科領域で, VCM単剤の術前投与はMSSAによるSSIが増える可能性があり2), ルーチンでの使 は推奨されない 手 心 立 方 手 心 非 手 1. Clin Infect Dis. 2004;38(10):1357-1363. 2. JAMA Surg. 2019;154(7):590-598. 用 皮 膚常在菌カバーはバンコマイシンでもいいか?

  • #30.

    うか? • 全 • 臓 術, 胸部 管 術, 脊椎インプラント挿 術などについては, MRSA感染の既 往, 転院 or 最近の 院歴, 期療養型病床群もしくは介護施設に 所, 液透析中患者を 対象に術前 腔MRSAスクリーニングを考慮する 術患者に対するMRSAスクリーニングは推奨されていない 本化学療法学会/ 本外科感染症学会, 術後感染予防抗菌薬適正使 のための実践ガイドライン 行 血 入 手 入 用 長 fi 手 入 血 大 鼻 日 手 https://www.chemotherapy.or.jp/uploads/ les/guideline/jyutsugo_shiyou_jissen.pdf 手 心 日 誰にMRSAスクリーニングを

  • #31.

    • 臓 管外科, 関節置換術, インプラント挿 術などを受ける患者で, MRSAの定着ま たは感染の既往があり根絶されていない場合, グリコペプチドを術前抗菌薬として投与す ることを検討する1-2) • 消化器外科領域では, MRSA保菌者に対する術前VCM投与の有効性は明らかではない3) , MRSA保菌者に対する関節形成術の術前抗菌薬にVCM+CEZを投与しても, CEZ単 剤と 較しSSI発 率を減らさないことがRCTで されており, 腔除菌などとのバンド ル化された取り組みでないならばVCM追加は効果が乏しい可能性がある4) • 臓 - 管外科領域の 部で, 以下の場合VCMとCEZの併 が推奨されている5) MRSA保菌, 3 以上の 院, 他施設からの転院, 既に抗菌薬投与がなされている場合, 1. J Antimicrob Chemother. 2006;57(4):589-608. 弁/ 管を挿 している場合 2. Am J Health Syst Pharm. 2013;70(3):195-283. 鼻 用 示 入 入 入 一 工 生 人 日 血 工 人 血 比 血 方 3. 本外科感染症学会 消化器外科SSI予防のための周術期管理ガイドライン2018 4. N Engl J Med 2023; 389:1488-1498 5. Ann Thorac Surg. 2007;83(4):1569-1576. 工 心 一 心 人 日 誰にバンコマイシンを投与するか?

  • #32.

    • 8分野の 術 (腹部, 整形外科, 泌尿器, 神経, 臓 管外科, 胸部外科, 形成外科および固形 臓器移植) を含む前 視的コホート研究において, MRSA保菌者に対する除菌処置 (ムピロ シン+CHG bath) はSSIを減少させなかった (60/10910 vs 70/10844)1) • その後, 臓, 股関節, 膝関節の 術を受ける, 腔のS. aureus保菌者 (MRSA 3-4%) に除 菌 (ムピロシン+CHG bath) ったところ, S. aureusによるSSIが有意に減少することが 報告された (MRSA陽性者は術前抗菌薬としてバンコマイシン投与)2) • SHEA/IDSA, WHOは, 臓 管外科・整形外科領域において, 5 以上のムピロシン+CHG bathによるS. aureus除菌を推奨3)しているが, バンドル化された介 なのでムピロシンの みでの効果はunknown 入 日 血 JAMA. 2008;299(10):1149-1157. JAMA. 2015;313(21):2162-2171. Infect Control Hosp Epidemiol. 2023;44(5):695-720. World Health Organization. (2018). Global guidelines for the prevention of surgical site infection, 2nd ed.. World Health Organization. https://apps.who.int/iris/handle/10665/277399. (accessed August 25, 2023) 鼻 心 手 行 血 心 方 手 1. 2. 3. 4. 心 鼻 腔S. aureusの除菌について

  • #33.

    • CDCガイドラインでは, (Category IB)1) • WHOガイドラインでは, 術前に普通 鹸または抗菌 鹸のいずれかで 浴することを 推奨しており, CHG bathを推奨するエビデンスはないとしている (Conditional recommendation, moderate quality of evidence)2) • 本外科感染症学会も, CHG bathのみでSSIを予防する効果はないと結論づけている3) → 術前に 術前 に 鹸 or アルコール製剤による全 浴を推奨している 浴することはSSIを減らすことに有効であるが, アルコール製剤でなくともよい 入 身 石 石 石 日 手 手 1. JAMA Surg. 2017;152(8):784-791. 2. World Health Organization. (2018). Global guidelines for the prevention of surgical site infection, 2nd ed.. World Health Organization. https://apps.who.int/iris/handle/10665/277399. (accessed August 25, 2023) 3. 本外科感染症学会 消化器外科SSI予防のための周術期管理ガイドライン2018 入 日 日 CHG bath

  • #34.

    • 股関節 術, 膝 術, 宮摘出, 腸 術, CABGを受けた患者について, 称ペニシリン アレルギーでは, CEZを避けてCLDM, VCM, GMが処 される傾向にあり, SSIのoddsが 上昇した (aOR 1.51; 95%CI 1.02-2.22)1) • 頭頸部遊離 • , ベータラクタムアレルギーとlabelingされた患者に対し, 関節置換術の周術期 抗菌薬としてCEZを使 しても, アレルギー反応は増えず, 2ndラインの抗菌薬と 較し SSIが減った (0.9% vs 3.8%)3) • 弁におけるCLDMの使 でも, SSI発 リスクが4倍となる2) 称ペニシリンアレルギーは, 真のアレルギーかどうか慎重に判断する必要がある 比 自 工 人 方 生 手 用 大 用 子 手 皮 手 1. Clin Infect Dis. 2018;66(3):329-336. 2. Otolaryngol Head Neck Surg. 2016;154(2):272-278. 3. Open Forum Infect Dis. 2023;10(6):ofad224. 方 一 自 ペニシリンアレルギーとSSI

  • #35.

    PEN-FAST • • <3点をcut o としたvalidation study - 感度:70.4-7.5% - 特異度:39.9-84.9% - PPV:6.4-70.4% - NPV:84.9-98.4% 0-2点では, ペニシリンアレルギーの可 能性は低い ff JAMA Intern Med. 2020;180(5):745-752.

  • #36.

    • CEZはPCN系抗菌薬と側鎖が異なり, 重症 度や初回反応からの期間に関わらず即時型 PCNアレルギーの症例でも使 できうる • PCN系抗菌薬は, 重症型即時型PCNアレ ルギーが じた時期が5年以上前なら注意 深く使 可能 用 非 生 用 Clin Microbiol Infect. 2023;29(7):863-875.

  • #37.

    - CDC, WHOはドレーンの有無によらず閉創後の抗菌薬投与を わないことを推奨2-3) - 臓外科 術では, 術後24時間以内に抗菌薬投与を終了した場合に胸 SSIの発症リスク が上昇すると報告されており4), 本化学療法学会は48時間以内に終了することを推奨し ているが1), CDCでは術後抗菌薬投与の推奨はない2) 術前1時間前かつ半減期の2倍での抗菌薬投与がない場合は, 術後抗菌薬がSSIを減らすかも しれない (RR 0.79, 95%CI 0.67-0.95) が, 標準的な抗菌薬投与が われていれば有 性 は認められなかった5) 1. 術後感染予防抗菌薬適正使 のための実践ガイドライン 用 骨 行 行 2. Infect Control Hosp Epidemiol. 2023;44(5):695-720. 3. World Health Organization. (2018). Global guidelines for the prevention of surgical site infection, 2nd ed.. World Health Organization. https://apps.who.int/iris/handle/10665/277399. (accessed August 25, 2023) 4. J Antimicrob Chemother 2012; 67: 541–550 5. Lancet Infect Dis. 2020;20(10):1182-1192. 日 • 基本的には, 術後24時間以内に終了する1) 用 • 手 心 周術期抗菌薬はいつまで続けるか?

  • #38.

    • 術後抗菌薬を48時間以上継続すると, 急性 腎不全やCD腸炎が増える可能性がある (右 図)1) • ≧48時間継続しても, SSIは増加しない (減 りもしない)1) • 閉創後も抗菌薬を継続すると, 薬剤耐性菌発 リスクが上昇する2) 1. JAMA Surg. 2019;154(7):590-598. 2. Circulation. 2000;101(25):2916-2921. 長 生 術後抗菌薬の延 による弊害

  • #39.

    整形外科 術で術後抗菌薬を延 した群で院内感染が増える傾向 長 手 JAMA Netw Open. 2022;5(4):e226095.

  • #40.

    予防のまとめ SSI予防は「これをやっておけば良い」というものはなく, 施設ごとにバンドル化して取り組んでいくのがよい

  • #41.

    全体のまとめ • SSIは発 深度で分類し, 浅部切開創なら処置のみで治癒しうる • SSIは予防可能であり, 複合的な取り組みが重要 日 術後の発熱=SSIではなく, 経過 生 • 数が重要

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