医師・医学生のためのスライド共有

Antaa Slide

お知らせ

ログイン
診療科
術後の発熱とSSIの話 L1.png

すでにアカウントをお持ちの方はこちら

関連テーマから出会おう。

閲覧履歴からのおすすめ

Antaa Slide
2024.4.18時点のCOVID治療薬と濃厚接触者の就業制限の考え方とワクチンまとめ

2024.4.18時点のCOVID治療薬と濃厚接触者の就業制限の考え方とワクチンまとめ

新米ID

続けて閲覧
劇症型溶血性レンサ球菌感染症について

劇症型溶血性レンサ球菌感染症について

長谷川耕平

続けて閲覧
投稿者

長谷川耕平

1/44

テキスト全文

  • #1.

    2023.10.12 術後の発熱とSurgical Site Infection (SSI) の話 谷 長 立 堺市 総合医療センター 感染症内科 川耕平

  • #2.

    目 次 • 術後の発熱 • SSIとは • 予防

  • #3.

    発熱のタイミングは? • Immediate: 術後数時間以内 • Early: POD 0〜3 • Late: POD 4〜30 • Delayed: POD 30〜

  • #4.

    術後すぐに出る熱の多くは, 術の種類にもよるが, 侵襲度が くなると熱が 腹腔鏡下胆嚢摘出術より開腹胆嚢摘出術の )2) くなる が熱が出やすい3) 日 方 1. Anesthesiology. 2000;93(6):1426-1431. 2. Circ J. 2007;71(5):766-771. 3. J R Coll Surg Edinb. 1995;40(2):116-118. 高 - 然軽快する 動脈解離は偽腔減少率が少ない場合, 熱が続きやすい (平均15.9±11 自 • で 最初の24時間で最 体温に達するまでの中央値は11時間1) 日 - 術侵襲に対する炎症であり1-2 高 - 手 • 高 大 手 Immediate fever

  • #5.

    術後合併症のタイミング • 術後1-2 以内は肺炎やUTIの割 合がSSIより多い (深部・臓器吻 合不全はあり得る) • 3 - 以降はSSIが増加する 例外的に, S. pyogenes, Clostridium spp.による創部 感染は2 以内に起こりうる J Surg Educ. 2015;72(3):430-437. 日 日 目 日 Clin Infect Dis. 2014;59(2):e10-e52.

  • #6.

    W 原因 タイミング Wind 無気肺 POD 1-2 Water 尿路感染症 POD 2-3 Wound 創部感染 POD 3-7 Walking Wonder drug • • DVT/ 栓性静脈炎 薬剤熱 POD 5-7 POD >7 ただし, 無気肺によって発熱する根拠には乏しい1-2) 感染症ならば術後 腫や虚 , 副腎不全 (ステロイド使 者), 中枢熱 (脳外科術後), 感 染症ならCDIや肺炎, 胆嚢炎, CRBSIなど, “Ws”に含まれない熱源も考える3) 1. JAMA Surg. 2019;154(5):375-376. 2. Chest. 2011;140(2):418-424. 用 血 血 3. Emerg Med Clin North Am. 2013;31(4):1045-1058. 血 非 術後発熱の古典的”Ws”

  • #7.

    目 次 • 術後の発熱 • SSIとは • 予防

  • #8.

    分類 定義 臓 術や整形外科 術など。呼吸器・消化器・ 殖器・尿路系に対する は含まれない。1期的縫合創, 閉鎖式ドレーン挿 例, 穿通性鈍的外傷 Clean wound Clean-contaminated 著しい術中汚染のない呼吸器・消化器・ 殖器・尿路系に対する wound ない胆道系・ 垂・膣・ 腔咽頭 術, 開放式ドレーン挿 例 術 術, 感染が Contaminated wound 早期穿通性外傷, 早期開放 折, 清潔操作が著しく守られていない 術 (開胸 マetc), 術中に消化器系から 量の内容物の漏れが じた場合, 胃 指腸穿孔 後24時間以内, 適切に機械的腸管処置が われた 腸内視鏡検査での穿孔 (12 時間以内) Dirty-infected wound 壊死組織の残存する外傷, 陳旧性外傷, 臨床的に感染を伴う創, 消化管穿孔 •Clean, Clean-contaminated surgery/woundでいかにSSIを起こさないかが重要 心 手 二 手 十 手 入 非 生 生 大 入 生 行 用 手 大 骨 fi 口 手 虫 日 本化学療法学会/ 本外科感染症学会, 術後感染予防抗菌薬適正使 のための実践ガイドライン https://www.chemotherapy.or.jp/uploads/ les/guideline/jyutsugo_shiyou_jissen.pdf 手 心 手 日 術創部の分類

  • #9.

    SSIは深達度で分ける • 表層:表 • 深層:筋膜〜筋 • 臓器体腔:さらに奥 〜 下組織 肉 皮 皮 Infect Control Hosp Epidemiol. 1992;13(10):606-608.

  • #10.

    Super cial incisional SSI Deep incisional SSI Organ/Space SSI 術後30 以内に, 切開部の 膚 と 下組織のみが関与し, 下記 の1つ以上を満たす場合 a. 創部からの排膿 b. 無菌的に提出された体液/組 織培養が陽性 c. 疼痛、局所的な腫脹・発 ・ 熱感 d. 外科医もしくは主治医が判断 する場合 術後30-90 以内に, 切開部の深部軟 部組織(例えば筋膜や筋 ) におよび, 下記の1つ以上を満たす場合 a. 深切開部からの排膿 b. 然開放されるか, 外科医, 主治医 などにより開放/吸引された深部切 開創と, 深部軟部組織から微 物が 同定, かつ≧38°C, 限局性の痛みま たは圧痛の1つ以上を満たす場合 c. 眼的解剖学的または病理組織学 的, または画像検査で検出される深 切開を含む膿瘍または感染の証拠 術後30-90 以内に, 術中に操作 された筋膜/筋層よりも深部を含 み, 下記の1つ以上を満たす場合 a. 臓器/腔に留置されたドレーン からの膿性排液 b. 臓器/腔の液体または組織から の微 物の同定 c. 眼的解剖学的または病理組 織学的, または画像検査で検 出される臓器/腔を含む膿瘍ま たは感染の証拠 生 皮 赤 肉 日 日 日 fi 生 CDC, Surgical Site Infection Event Web site (accessed August 26, 2023) https://www.cdc.gov/nhsn/pdfs/pscmanual/9pscssicurrent.pdf 皮 自 肉 肉 Surveillance criteria

  • #11.

    SSIの原因微 物 1 冠動脈バイパス 脊椎固定術 胸部 Staphylococcus aureus Staphylococcus aureus 術( 臓以外) 膵頭 指腸切除 Staphylococcus aureus Enterococcus faecalis 2 CoNS CoNS Streptococcus spp. Enterobacter cloacae complex 3 Serratia spp. Staphylococcus epidermidis CoNS Enterococcus faecium Pseudomonas aeruginosa Klebsiella pneumoniae 4 Staphylococcus epidermidis Corynebacterium spp. Enterobacter cloacae complex 5 Corynebacterium spp. Enterococcus faecalis Pseudomonas aeruginosa 生 心 門 二 手 十 JANIS, SSI部 , 2021年度年報 (accessed August 27, 2023) https://janis.mhlw.go.jp/report/ssi.html

  • #12.

    SSIの原因微 物 Clean surgery 1 Clean-contaminated surgery 冠動脈バイパス 脊椎固定術 胸部 Staphylococcus aureus Staphylococcus aureus 術( 臓以外) 膵頭 指腸切除 Staphylococcus aureus Enterococcus faecalis 2 CoNS CoNS Streptococcus spp. Enterobacter cloacae complex 3 Serratia spp. Staphylococcus epidermidis CoNS Enterococcus faecium Pseudomonas aeruginosa Klebsiella pneumoniae 4 Staphylococcus epidermidis Corynebacterium spp. Enterobacter cloacae complex 5 Corynebacterium spp. Enterococcus faecalis Pseudomonas aeruginosa • Clean surgeryの場合は 膚からのエントリー • Clean-contaminated surgeryは 術臓器由来 and/or 膚からのエントリー 皮 手 生 皮 心 門 二 手 十 JANIS, SSI部 , 2021年度年報 (accessed August 27, 2023) https://janis.mhlw.go.jp/report/ssi.html

  • #13.

    • SSI治療の原則は異物の除去, ドレナージ, 洗浄である1) • 表層切開創SSIの場合, 下記のいずれも満たさなければ, 抗菌薬投与を 物除去, 切開・排膿のみで様 を てもよい1) • 発 わず縫合 ・腫脹 > 5cm 発熱 > 38.5℃ 拍 > 110 bpm WBC > 12,000 切開創SSIの起因菌として, 清潔 術ならば表層からのブドウ球菌が多い が, 準清潔 (消化器外科など) では切除臓器由来の細菌も原因となりえる2) 糸 生 行 見 手 子 門 などの異 表層/深部切開創 1. Clin Infect Dis. 2014;59(2):e10-e52. 2. JANIS, SSI部 , 2021年度年報 (accessed August 27, 2023) https://janis.mhlw.go.jp/report/ssi.html 赤 心 切開創SSIに対する治療と原因微 物 1 E. faecalis 2 S. aureus 3 P. aeruginosa 4 E. cloacae complex 5 B. fragilis group

  • #14.

    • NPWT (V.A.C.Ⓡ, RENASYSⓇ)の 効果1) - 創を物理的に引き寄せる - 細胞に刺激を与えることで分裂・ 活性化を促す - 炎症起因物質の除去 • 流の増加 NPWTi-d (V.A.C. UltaⓇ) では周期 的 動洗浄機能が われ, 壊死組織 の除去が可能2) 行 1. Ann Vasc Surg. 2018;48:104-110. 2. 本外科感染症学会雑誌. 2020;17(1):27-32 自 血 日 NPWT

  • #15.

    • 開腹 術後の予防的NPWTは, 21の研究 (RCT×5 + 観察研究×16) を含んだメタ解析でSSI発 に対し RR 0.53 (95% CI, 0.40-0.71; I2=56%; P<.0001) • ただし, 質の い観察研究やRCTのみに絞って解析を うと有意性はなかった 生 高 Clin Infect Dis. 2021;73(11):e3804-e3813. 手 行 NPWTはSSI予防に有効か?

  • #16.

    • 各領域の切開創SSIハイリスク症例, 創分類, 基礎疾患に応じてSSI1次予防の適応あり1) • 禁忌として, 主要な 管・臓器・神経が露出している創傷, 管吻合部, 臓器と交通して いる瘻孔, 髄液瘻・消化管瘻・肺瘻, 痂 を伴う壊死組織を除去していない創傷, 壊死 が除去されていない 髄炎, 悪性腫瘍がある創傷が挙げられる2) • NPWTでは壊死組織の残存している感染創には禁忌とされていたが, NPWTi-dでは洗浄 液が 定時間創部を浸し壊死組織を軟化させ, 陰圧治療により除去されるため, 中等度の 感染創には使 可能3) 1. 本外科感染症学会, 切開創SSIに対するNPWT機器の適正使 http://www.gekakansen.jp/pdf/NPWT_jssi.pdf にかかる提 (2019年8 23 ) 2. RENASYS創傷治療システム, 添付 書 (2022年11 改訂第3版) https://www.info.pmda.go.jp/ down les/md/PDF/371113/371113_22400BZX00276000_A_02_03.pdf 骨 本外科感染症学会雑誌. 2020;17(1):27-32 血 日 月 皮 言 用 月 骨 血 文 用 一 3. fi 日 日 適応

  • #17.

    NPWTi-dはincisional SSIに有効 • 術後の腹部 下組織創傷治癒遅延に対する NPWTの効果を従来法 (CWT) と 較したRCT • 浅部切開創 60%, 深部切開創 35% • 主要転機:術後42 までの閉創率は, NPWT (35.9%) vs CWT (21.5%) (95% CI, 6.6%22.2%) • 閉創までの 数はNPWT (36.1 days) vs CWT (39.1 days) (95% CI 1.6-4.4) 比 目 日 皮 日 JAMA Surg. 2020;155(6):469-478.

  • #18.

    目 次 • SSIとは • 術後の発熱 • 予防

  • #19.

    予防のキモは何がリスクかを知ること • 患者要素:術前 • 医療要素:術前, 術中, 術後 JAMA. 2023;329(3):244-252.

  • #20.

    介 可能 • DM 術前 • 免疫抑制 創傷治癒遷延のリスクとなりうるため, 中断または減量する (PSLは何mg?) • 低栄養 低栄養は創傷治癒遅延の原因となり, 低Alb • 肥満 BMI 20-25と • 喫煙 最低でも • S. aureus保菌 介 標は空腹時 糖≦140mg/dL, 後 糖≦200mg/dL, A1c<7% 症はMφ活性化の抑制や, 間質・全 較し, 30-40は1.5倍, ≧40は2.3倍SSI発 性浮腫の原因となる 率が上がる 術1ヶ 前から禁煙する 腔S. aureus除菌を検討する 不能 • 年齢 • SSTIの既往 SSTIの既往は, 固有の免疫や機能に関する問題を • 放射線治療歴 放射線治療による 齢になればなるほど創傷治癒遅延のリスク 唆する 膚障害, 深部結合組織障害 JAMA. 2023;329(3):244-252. 身 生 示 血 血 食 血 皮 月 比 手 目 入 Infect Control Hosp Epidemiol. 2023;44(5):695-720. 入 鼻 高 患者要素と術前対応

  • #21.

    術前 •除 術の妨げにならない限り除 • 感染症の併発 術中 予定 • • • • • • • • 適切な 外科的 洗い 膚 洗いを 膚をアルコールを含む2剤混合の 膚 周術期抗菌薬を適切に使 輸 輸 技 わない;必要な場合クリッピングで除 する。剃 は使 しない。 う 切開部位周辺の 外科 は 術の前に, 全ての感染症を治療しておく (創部から遠い場合でも) 抗菌薬 薬を いて消毒する する はMφ機能を低下させることでSSIのリスクを めるため, 可能な限り輸 の必要性を減らす。 組織を丁寧に扱い, 死腔を減らす 適切な 袋 重 無菌 袋を い, 破損した場合は直ちに交換する 術室の無菌化に関する標準原則を遵守する 術時間 特に決まりはないが, 術 技や無菌的処置を怠らないように, 可能な限り最 限に抑える。 術室 換気 American Institute of Architectsの基準を遵守する 交通 術室への出 環境表 りを最 適切な消毒薬を 術器具の滅菌 適切な 限にする いる 順で滅菌を う 用 刀 小 血 毛 用 用 皮 高 行 毛 手 用 小 手 行 行 皮 用 入 JAMA. 2023;329(3):244-252., Infect Control Hosp Epidemiol. 2023;44(5):695-720. 行 手 手 手 面 手 手 手 手 毛 血 • • • • 血 手 皮 二 手 手 手 手 手 医療要素とその対応

  • #22.

    • • • 予防的抗菌薬としてVCMをルーチンで使 しない 経 栄養を投与するために 術を遅らせない 消毒 ドレープをルーチン使 しない • • • • • 切開部位の最適酸素濃度 胸部 術患者に対する術前の経 ・咽頭CHG除菌 ゲンタマイシン含有スポンジの使 抗菌薬パウダーの使 されるエビデンスに基づく基準, 規則, 医療機器メーカーの使 術室の 員とケア環境を観察し 直す 説明書に沿った患者のSSIリスクを軽減するための 針と実践を実施する。 Infect Control Hosp Epidemiol. 2023;44(5):695-720. 方 手 用 用 用 行 の使 高 行 術 用 用 糸 口 用 見 用 手 鼻 手 行 用 手 用 口 非 皮 手 心 血 用 行 手 用 子 手 手 人 用 大 手 口 用 手 用 未解決 SSIリスク評価を実施する 適応のある患者には陰圧閉鎖療法の使 を検討する 術前診察, 外科ICU, および/または外科病棟での実践を観察し, レビューする SSIを予防する戦略として消毒含浸縫合 を使 する 適 毛 わない • • • • する 整形外科 術および 臓胸部 術の術前に, ブドウ球菌活性のある抗菌薬で 術患者を除菌する 帝王切開分娩や 宮摘出術を受ける患者には, 抗菌活性を含む術前腟剤を使 する。 術 技の妨げにならない限り, 術部位の剃 を わない アルコールを含む術前 膚準備剤を消毒薬と併 する 低体温を必要としない 技の場合, 周術期には平熱 (≧35.5℃) を維持する 消化管および胆道 術には創縁保護器具を使 する。 術中に消毒薬による創洗浄を う 全ての患者の術後の 糖値を管理する チェックリスト・バンドルを い, ベストプラクティスの遵守を確認する SSIサーベイランスを実施する 動化データを活 し, サーベイランスの効率を める 外科, 周術期のスタッフおよび指導者にSSI率を継続的にフィードバックする プロセス遵守率を測定し, HCPにフィードバックする。 SSI予防対策について外科医と周術期担当者を教育する。 必要に応じて, 患者とその家族にSSI予防について教育する。 用 ルーチンでは

  • #23.

    • SSI発 について, アルコール含有クロルヘキシジンのアルコール 含有ポビドンヨード に対する優位性が報告されており, ガイドラインで推奨されている • ただし, クロルヘキシジンを いる場合は, する可能性があるため注意を要する 分に乾燥させなければ電気メス使 時に発 用 非 十 用 本外科感染症学会 消化器外科SSI予防のための周術期管理ガイドライン2018 生 日 皮 火 膚消毒薬

  • #24.

    • メタ解析でイソジン系消毒薬に対してSSI発 率を下げる効果が確認されたのは2.02.5%CHG (RR 0.75, 95%CI 0.61-0.92) と1.5%オラネジンのみ (RR 0.49, 95%CI 0.26-0.92) • 0.5%CHGはRR 0.69 (95%CI 0.47-1.02) と有意差はないがSSIが減る傾向にあった • • 本で いることができる最 濃度の1%CHGに関しては解析なし clean surgeryの場合は, CHGは濃度によらずイソジン系消毒薬と 果が い (RR 0.6, 95%CI 0.36-0.99) 較しSSI発 予防効 生 比 生 大 用 Lancet Microbe. 2022;3(10):e762-e771. 高 日 CHG濃度

  • #25.

    • 基本は執 • 1時間前から30分程度で点滴を う 例外:バンコマイシン, フルオロキノロンは執 術時間が半減期の2倍を超える, または出 2時間前に開始 >1500mlの場合, 術中追加投与を 本化学療法学会/ 本外科感染症学会, 術後感染予防抗菌薬適正使 う のための実践ガイドライン 行 刀 血 行 用 fi 日 https://www.chemotherapy.or.jp/uploads/ les/guideline/jyutsugo_shiyou_jissen.pdf 刀 手 日 周術期抗菌薬

  • #26.

    術前抗菌薬のタイミングとSSI Ann Surg. 2009;250(1):10-16.

  • #27.

    術前抗菌薬のタイミングとSSI • WHOが ったメタ解析では, 執 120分以上前 vs 120分以内ではSSIが増加 (OR 5.26; 95% CI 3.29–8.39) するが, 120分以内の中では特にSSI発 率に差がなかった • そのため, WHOは120分以内であればいつでも投与可能としている (薬剤ごとの検討はない) 生 刀 行 World Health Organization. (2018). Global guidelines for the prevention of surgical site infection, 2nd ed.. World Health Organization. https://apps.who.int/iris/handle/10665/277399. (accessed August 25, 2023)

  • #28.

    • 膚常在菌 ( ブドウ球菌) を押さえつつ, トラムを変更する • 例えば, 臓外科ではセファゾリンだが, 下部消化器外科ではセフメタゾール, 気道が胸 腔内で開放される場合はスルバシリンなどを いる • 術部位 (清潔・汚染 術) によってスペク 術部位の常在菌をカバーするように考えていくとわかりやすい 本化学療法学会/ 本外科感染症学会, 術後感染予防抗菌薬適正使 のための実践ガイドライン 手 手 用 用 fi 色 黄 日 https://www.chemotherapy.or.jp/uploads/ les/guideline/jyutsugo_shiyou_jissen.pdf 心 皮 日 手 何を使うか?

  • #29.

    • 79,058件の外科 術を対象とした後 視的コホート研究において, バンコマイシンの周 術期予防はAKIリスクの有意な上昇と独 して関連していた ( 臓 術: aOR, 1.17; 95% CI, 1.10-1.25; 臓 術: aOR, 1.21; 95% CI, 1.13-1.30)1) • 特に胸部外科領域で, VCM単剤の術前投与はMSSAによるSSIが増える可能性があり2), ルーチンでの使 は推奨されない 手 心 立 方 手 心 非 手 1. Clin Infect Dis. 2004;38(10):1357-1363. 2. JAMA Surg. 2019;154(7):590-598. 用 皮 膚常在菌カバーはバンコマイシンでもいいか?

  • #30.

    うか? • 全 • 臓 術, 胸部 管 術, 脊椎インプラント挿 術などについては, MRSA感染の既 往, 転院 or 最近の 院歴, 期療養型病床群もしくは介護施設に 所, 液透析中患者を 対象に術前 腔MRSAスクリーニングを考慮する 術患者に対するMRSAスクリーニングは推奨されていない 本化学療法学会/ 本外科感染症学会, 術後感染予防抗菌薬適正使 のための実践ガイドライン 行 血 入 手 入 用 長 fi 手 入 血 大 鼻 日 手 https://www.chemotherapy.or.jp/uploads/ les/guideline/jyutsugo_shiyou_jissen.pdf 手 心 日 誰にMRSAスクリーニングを

  • #31.

    • 臓 管外科, 関節置換術, インプラント挿 術などを受ける患者で, MRSAの定着ま たは感染の既往があり根絶されていない場合, グリコペプチドを術前抗菌薬として投与す ることを検討する1-2) • 消化器外科領域では, MRSA保菌者に対する術前VCM投与の有効性は明らかではない3) , MRSA保菌者に対する関節形成術の術前抗菌薬にVCM+CEZを投与しても, CEZ単 剤と 較しSSI発 率を減らさないことがRCTで されており, 腔除菌などとのバンド ル化された取り組みでないならばVCM追加は効果が乏しい可能性がある4) • 臓 - 管外科領域の 部で, 以下の場合VCMとCEZの併 が推奨されている5) MRSA保菌, 3 以上の 院, 他施設からの転院, 既に抗菌薬投与がなされている場合, 1. J Antimicrob Chemother. 2006;57(4):589-608. 弁/ 管を挿 している場合 2. Am J Health Syst Pharm. 2013;70(3):195-283. 鼻 用 示 入 入 入 一 工 生 人 日 血 工 人 血 比 血 方 3. 本外科感染症学会 消化器外科SSI予防のための周術期管理ガイドライン2018 4. N Engl J Med 2023; 389:1488-1498 5. Ann Thorac Surg. 2007;83(4):1569-1576. 工 心 一 心 人 日 誰にバンコマイシンを投与するか?

  • #32.

    • 8分野の 術 (腹部, 整形外科, 泌尿器, 神経, 臓 管外科, 胸部外科, 形成外科および固形 臓器移植) を含む前 視的コホート研究において, MRSA保菌者に対する除菌処置 (ムピロ シン+CHG bath) はSSIを減少させなかった (60/10910 vs 70/10844)1) • その後, 臓, 股関節, 膝関節の 術を受ける, 腔のS. aureus保菌者 (MRSA 3-4%) に除 菌 (ムピロシン+CHG bath) ったところ, S. aureusによるSSIが有意に減少することが 報告された (MRSA陽性者は術前抗菌薬としてバンコマイシン投与)2) • SHEA/IDSA, WHOは, 臓 管外科・整形外科領域において, 5 以上のムピロシン+CHG bathによるS. aureus除菌を推奨3)しているが, バンドル化された介 なのでムピロシンの みでの効果はunknown 入 日 血 JAMA. 2008;299(10):1149-1157. JAMA. 2015;313(21):2162-2171. Infect Control Hosp Epidemiol. 2023;44(5):695-720. World Health Organization. (2018). Global guidelines for the prevention of surgical site infection, 2nd ed.. World Health Organization. https://apps.who.int/iris/handle/10665/277399. (accessed August 25, 2023) 鼻 心 手 行 血 心 方 手 1. 2. 3. 4. 心 鼻 腔S. aureusの除菌について

  • #33.

    • CDCガイドラインでは, (Category IB)1) • WHOガイドラインでは, 術前に普通 鹸または抗菌 鹸のいずれかで 浴することを 推奨しており, CHG bathを推奨するエビデンスはないとしている (Conditional recommendation, moderate quality of evidence)2) • 本外科感染症学会も, CHG bathのみでSSIを予防する効果はないと結論づけている3) → 術前に 術前 に 鹸 or アルコール製剤による全 浴を推奨している 浴することはSSIを減らすことに有効であるが, アルコール製剤でなくともよい 入 身 石 石 石 日 手 手 1. JAMA Surg. 2017;152(8):784-791. 2. World Health Organization. (2018). Global guidelines for the prevention of surgical site infection, 2nd ed.. World Health Organization. https://apps.who.int/iris/handle/10665/277399. (accessed August 25, 2023) 3. 本外科感染症学会 消化器外科SSI予防のための周術期管理ガイドライン2018 入 日 日 CHG bath

  • #34.

    • 股関節 術, 膝 術, 宮摘出, 腸 術, CABGを受けた患者について, 称ペニシリン アレルギーでは, CEZを避けてCLDM, VCM, GMが処 される傾向にあり, SSIのoddsが 上昇した (aOR 1.51; 95%CI 1.02-2.22)1) • 頭頸部遊離 • , ベータラクタムアレルギーとlabelingされた患者に対し, 関節置換術の周術期 抗菌薬としてCEZを使 しても, アレルギー反応は増えず, 2ndラインの抗菌薬と 較し SSIが減った (0.9% vs 3.8%)3) • 弁におけるCLDMの使 でも, SSI発 リスクが4倍となる2) 称ペニシリンアレルギーは, 真のアレルギーかどうか慎重に判断する必要がある 比 自 工 人 方 生 手 用 大 用 子 手 皮 手 1. Clin Infect Dis. 2018;66(3):329-336. 2. Otolaryngol Head Neck Surg. 2016;154(2):272-278. 3. Open Forum Infect Dis. 2023;10(6):ofad224. 方 一 自 ペニシリンアレルギーとSSI

  • #35.

    PEN-FAST • • <3点をcut o としたvalidation study - 感度:70.4-7.5% - 特異度:39.9-84.9% - PPV:6.4-70.4% - NPV:84.9-98.4% 0-2点では, ペニシリンアレルギーの可 能性は低い ff JAMA Intern Med. 2020;180(5):745-752.

  • #36.

    • CEZはPCN系抗菌薬と側鎖が異なり, 重症 度や初回反応からの期間に関わらず即時型 PCNアレルギーの症例でも使 できうる • PCN系抗菌薬は, 重症型即時型PCNアレ ルギーが じた時期が5年以上前なら注意 深く使 可能 用 非 生 用 Clin Microbiol Infect. 2023;29(7):863-875.

  • #37.

    - CDC, WHOはドレーンの有無によらず閉創後の抗菌薬投与を わないことを推奨2-3) - 臓外科 術では, 術後24時間以内に抗菌薬投与を終了した場合に胸 SSIの発症リスク が上昇すると報告されており4), 本化学療法学会は48時間以内に終了することを推奨し ているが1), CDCでは術後抗菌薬投与の推奨はない2) 術前1時間前かつ半減期の2倍での抗菌薬投与がない場合は, 術後抗菌薬がSSIを減らすかも しれない (RR 0.79, 95%CI 0.67-0.95) が, 標準的な抗菌薬投与が われていれば有 性 は認められなかった5) 1. 術後感染予防抗菌薬適正使 のための実践ガイドライン 用 骨 行 行 2. Infect Control Hosp Epidemiol. 2023;44(5):695-720. 3. World Health Organization. (2018). Global guidelines for the prevention of surgical site infection, 2nd ed.. World Health Organization. https://apps.who.int/iris/handle/10665/277399. (accessed August 25, 2023) 4. J Antimicrob Chemother 2012; 67: 541–550 5. Lancet Infect Dis. 2020;20(10):1182-1192. 日 • 基本的には, 術後24時間以内に終了する1) 用 • 手 心 周術期抗菌薬はいつまで続けるか?

  • #38.

    • 術後抗菌薬を48時間以上継続すると, 急性 腎不全やCD腸炎が増える可能性がある (右 図)1) • ≧48時間継続しても, SSIは増加しない (減 りもしない)1) • 閉創後も抗菌薬を継続すると, 薬剤耐性菌発 リスクが上昇する2) 1. JAMA Surg. 2019;154(7):590-598. 2. Circulation. 2000;101(25):2916-2921. 長 生 術後抗菌薬の延 による弊害

  • #39.

    整形外科 術で術後抗菌薬を延 した群で院内感染が増える傾向 長 手 JAMA Netw Open. 2022;5(4):e226095.

  • #40.

    予防のまとめ SSI予防は「これをやっておけば良い」というものはなく, 施設ごとにバンドル化して取り組んでいくのがよい

  • #41.

    全体のまとめ • SSIは発 深度で分類し, 浅部切開創なら処置のみで治癒しうる • SSIは予防可能であり, 複合的な取り組みが重要 日 術後の発熱=SSIではなく, 経過 生 • 数が重要

術後の発熱とSSIの話

  • 感染症科

  • SSI
  • 術後発熱
  • ICT
  • 院内発熱

17,869

140

更新

シェア

ツイート

投稿者プロフィール
長谷川耕平

堺市立総合医療センター

概要

ローテーター向けに行った術後患者の発熱とSSIのレクチャースライドです。

SSIに関しては主に術前・中・後に行う予防について触れています。

周術期医療に関わる方も関わらない方も参考にどうぞ。

本スライドの対象者

専攻医/専門医

テキスト全文

  • #1.

    2023.10.12 術後の発熱とSurgical Site Infection (SSI) の話 谷 長 立 堺市 総合医療センター 感染症内科 川耕平

  • #2.

    目 次 • 術後の発熱 • SSIとは • 予防

  • #3.

    発熱のタイミングは? • Immediate: 術後数時間以内 • Early: POD 0〜3 • Late: POD 4〜30 • Delayed: POD 30〜

  • #4.

    術後すぐに出る熱の多くは, 術の種類にもよるが, 侵襲度が くなると熱が 腹腔鏡下胆嚢摘出術より開腹胆嚢摘出術の )2) くなる が熱が出やすい3) 日 方 1. Anesthesiology. 2000;93(6):1426-1431. 2. Circ J. 2007;71(5):766-771. 3. J R Coll Surg Edinb. 1995;40(2):116-118. 高 - 然軽快する 動脈解離は偽腔減少率が少ない場合, 熱が続きやすい (平均15.9±11 自 • で 最初の24時間で最 体温に達するまでの中央値は11時間1) 日 - 術侵襲に対する炎症であり1-2 高 - 手 • 高 大 手 Immediate fever

  • #5.

    術後合併症のタイミング • 術後1-2 以内は肺炎やUTIの割 合がSSIより多い (深部・臓器吻 合不全はあり得る) • 3 - 以降はSSIが増加する 例外的に, S. pyogenes, Clostridium spp.による創部 感染は2 以内に起こりうる J Surg Educ. 2015;72(3):430-437. 日 日 目 日 Clin Infect Dis. 2014;59(2):e10-e52.

  • #6.

    W 原因 タイミング Wind 無気肺 POD 1-2 Water 尿路感染症 POD 2-3 Wound 創部感染 POD 3-7 Walking Wonder drug • • DVT/ 栓性静脈炎 薬剤熱 POD 5-7 POD >7 ただし, 無気肺によって発熱する根拠には乏しい1-2) 感染症ならば術後 腫や虚 , 副腎不全 (ステロイド使 者), 中枢熱 (脳外科術後), 感 染症ならCDIや肺炎, 胆嚢炎, CRBSIなど, “Ws”に含まれない熱源も考える3) 1. JAMA Surg. 2019;154(5):375-376. 2. Chest. 2011;140(2):418-424. 用 血 血 3. Emerg Med Clin North Am. 2013;31(4):1045-1058. 血 非 術後発熱の古典的”Ws”

  • #7.

    目 次 • 術後の発熱 • SSIとは • 予防

  • #8.

    分類 定義 臓 術や整形外科 術など。呼吸器・消化器・ 殖器・尿路系に対する は含まれない。1期的縫合創, 閉鎖式ドレーン挿 例, 穿通性鈍的外傷 Clean wound Clean-contaminated 著しい術中汚染のない呼吸器・消化器・ 殖器・尿路系に対する wound ない胆道系・ 垂・膣・ 腔咽頭 術, 開放式ドレーン挿 例 術 術, 感染が Contaminated wound 早期穿通性外傷, 早期開放 折, 清潔操作が著しく守られていない 術 (開胸 マetc), 術中に消化器系から 量の内容物の漏れが じた場合, 胃 指腸穿孔 後24時間以内, 適切に機械的腸管処置が われた 腸内視鏡検査での穿孔 (12 時間以内) Dirty-infected wound 壊死組織の残存する外傷, 陳旧性外傷, 臨床的に感染を伴う創, 消化管穿孔 •Clean, Clean-contaminated surgery/woundでいかにSSIを起こさないかが重要 心 手 二 手 十 手 入 非 生 生 大 入 生 行 用 手 大 骨 fi 口 手 虫 日 本化学療法学会/ 本外科感染症学会, 術後感染予防抗菌薬適正使 のための実践ガイドライン https://www.chemotherapy.or.jp/uploads/ les/guideline/jyutsugo_shiyou_jissen.pdf 手 心 手 日 術創部の分類

  • #9.

    SSIは深達度で分ける • 表層:表 • 深層:筋膜〜筋 • 臓器体腔:さらに奥 〜 下組織 肉 皮 皮 Infect Control Hosp Epidemiol. 1992;13(10):606-608.

  • #10.

    Super cial incisional SSI Deep incisional SSI Organ/Space SSI 術後30 以内に, 切開部の 膚 と 下組織のみが関与し, 下記 の1つ以上を満たす場合 a. 創部からの排膿 b. 無菌的に提出された体液/組 織培養が陽性 c. 疼痛、局所的な腫脹・発 ・ 熱感 d. 外科医もしくは主治医が判断 する場合 術後30-90 以内に, 切開部の深部軟 部組織(例えば筋膜や筋 ) におよび, 下記の1つ以上を満たす場合 a. 深切開部からの排膿 b. 然開放されるか, 外科医, 主治医 などにより開放/吸引された深部切 開創と, 深部軟部組織から微 物が 同定, かつ≧38°C, 限局性の痛みま たは圧痛の1つ以上を満たす場合 c. 眼的解剖学的または病理組織学 的, または画像検査で検出される深 切開を含む膿瘍または感染の証拠 術後30-90 以内に, 術中に操作 された筋膜/筋層よりも深部を含 み, 下記の1つ以上を満たす場合 a. 臓器/腔に留置されたドレーン からの膿性排液 b. 臓器/腔の液体または組織から の微 物の同定 c. 眼的解剖学的または病理組 織学的, または画像検査で検 出される臓器/腔を含む膿瘍ま たは感染の証拠 生 皮 赤 肉 日 日 日 fi 生 CDC, Surgical Site Infection Event Web site (accessed August 26, 2023) https://www.cdc.gov/nhsn/pdfs/pscmanual/9pscssicurrent.pdf 皮 自 肉 肉 Surveillance criteria

  • #11.

    SSIの原因微 物 1 冠動脈バイパス 脊椎固定術 胸部 Staphylococcus aureus Staphylococcus aureus 術( 臓以外) 膵頭 指腸切除 Staphylococcus aureus Enterococcus faecalis 2 CoNS CoNS Streptococcus spp. Enterobacter cloacae complex 3 Serratia spp. Staphylococcus epidermidis CoNS Enterococcus faecium Pseudomonas aeruginosa Klebsiella pneumoniae 4 Staphylococcus epidermidis Corynebacterium spp. Enterobacter cloacae complex 5 Corynebacterium spp. Enterococcus faecalis Pseudomonas aeruginosa 生 心 門 二 手 十 JANIS, SSI部 , 2021年度年報 (accessed August 27, 2023) https://janis.mhlw.go.jp/report/ssi.html

  • #12.

    SSIの原因微 物 Clean surgery 1 Clean-contaminated surgery 冠動脈バイパス 脊椎固定術 胸部 Staphylococcus aureus Staphylococcus aureus 術( 臓以外) 膵頭 指腸切除 Staphylococcus aureus Enterococcus faecalis 2 CoNS CoNS Streptococcus spp. Enterobacter cloacae complex 3 Serratia spp. Staphylococcus epidermidis CoNS Enterococcus faecium Pseudomonas aeruginosa Klebsiella pneumoniae 4 Staphylococcus epidermidis Corynebacterium spp. Enterobacter cloacae complex 5 Corynebacterium spp. Enterococcus faecalis Pseudomonas aeruginosa • Clean surgeryの場合は 膚からのエントリー • Clean-contaminated surgeryは 術臓器由来 and/or 膚からのエントリー 皮 手 生 皮 心 門 二 手 十 JANIS, SSI部 , 2021年度年報 (accessed August 27, 2023) https://janis.mhlw.go.jp/report/ssi.html

  • #13.

    • SSI治療の原則は異物の除去, ドレナージ, 洗浄である1) • 表層切開創SSIの場合, 下記のいずれも満たさなければ, 抗菌薬投与を 物除去, 切開・排膿のみで様 を てもよい1) • 発 わず縫合 ・腫脹 > 5cm 発熱 > 38.5℃ 拍 > 110 bpm WBC > 12,000 切開創SSIの起因菌として, 清潔 術ならば表層からのブドウ球菌が多い が, 準清潔 (消化器外科など) では切除臓器由来の細菌も原因となりえる2) 糸 生 行 見 手 子 門 などの異 表層/深部切開創 1. Clin Infect Dis. 2014;59(2):e10-e52. 2. JANIS, SSI部 , 2021年度年報 (accessed August 27, 2023) https://janis.mhlw.go.jp/report/ssi.html 赤 心 切開創SSIに対する治療と原因微 物 1 E. faecalis 2 S. aureus 3 P. aeruginosa 4 E. cloacae complex 5 B. fragilis group

  • #14.

    • NPWT (V.A.C.Ⓡ, RENASYSⓇ)の 効果1) - 創を物理的に引き寄せる - 細胞に刺激を与えることで分裂・ 活性化を促す - 炎症起因物質の除去 • 流の増加 NPWTi-d (V.A.C. UltaⓇ) では周期 的 動洗浄機能が われ, 壊死組織 の除去が可能2) 行 1. Ann Vasc Surg. 2018;48:104-110. 2. 本外科感染症学会雑誌. 2020;17(1):27-32 自 血 日 NPWT

  • #15.

    • 開腹 術後の予防的NPWTは, 21の研究 (RCT×5 + 観察研究×16) を含んだメタ解析でSSI発 に対し RR 0.53 (95% CI, 0.40-0.71; I2=56%; P<.0001) • ただし, 質の い観察研究やRCTのみに絞って解析を うと有意性はなかった 生 高 Clin Infect Dis. 2021;73(11):e3804-e3813. 手 行 NPWTはSSI予防に有効か?

  • #16.

    • 各領域の切開創SSIハイリスク症例, 創分類, 基礎疾患に応じてSSI1次予防の適応あり1) • 禁忌として, 主要な 管・臓器・神経が露出している創傷, 管吻合部, 臓器と交通して いる瘻孔, 髄液瘻・消化管瘻・肺瘻, 痂 を伴う壊死組織を除去していない創傷, 壊死 が除去されていない 髄炎, 悪性腫瘍がある創傷が挙げられる2) • NPWTでは壊死組織の残存している感染創には禁忌とされていたが, NPWTi-dでは洗浄 液が 定時間創部を浸し壊死組織を軟化させ, 陰圧治療により除去されるため, 中等度の 感染創には使 可能3) 1. 本外科感染症学会, 切開創SSIに対するNPWT機器の適正使 http://www.gekakansen.jp/pdf/NPWT_jssi.pdf にかかる提 (2019年8 23 ) 2. RENASYS創傷治療システム, 添付 書 (2022年11 改訂第3版) https://www.info.pmda.go.jp/ down les/md/PDF/371113/371113_22400BZX00276000_A_02_03.pdf 骨 本外科感染症学会雑誌. 2020;17(1):27-32 血 日 月 皮 言 用 月 骨 血 文 用 一 3. fi 日 日 適応

  • #17.

    NPWTi-dはincisional SSIに有効 • 術後の腹部 下組織創傷治癒遅延に対する NPWTの効果を従来法 (CWT) と 較したRCT • 浅部切開創 60%, 深部切開創 35% • 主要転機:術後42 までの閉創率は, NPWT (35.9%) vs CWT (21.5%) (95% CI, 6.6%22.2%) • 閉創までの 数はNPWT (36.1 days) vs CWT (39.1 days) (95% CI 1.6-4.4) 比 目 日 皮 日 JAMA Surg. 2020;155(6):469-478.

  • #18.

    目 次 • SSIとは • 術後の発熱 • 予防

  • #19.

    予防のキモは何がリスクかを知ること • 患者要素:術前 • 医療要素:術前, 術中, 術後 JAMA. 2023;329(3):244-252.

  • #20.

    介 可能 • DM 術前 • 免疫抑制 創傷治癒遷延のリスクとなりうるため, 中断または減量する (PSLは何mg?) • 低栄養 低栄養は創傷治癒遅延の原因となり, 低Alb • 肥満 BMI 20-25と • 喫煙 最低でも • S. aureus保菌 介 標は空腹時 糖≦140mg/dL, 後 糖≦200mg/dL, A1c<7% 症はMφ活性化の抑制や, 間質・全 較し, 30-40は1.5倍, ≧40は2.3倍SSI発 性浮腫の原因となる 率が上がる 術1ヶ 前から禁煙する 腔S. aureus除菌を検討する 不能 • 年齢 • SSTIの既往 SSTIの既往は, 固有の免疫や機能に関する問題を • 放射線治療歴 放射線治療による 齢になればなるほど創傷治癒遅延のリスク 唆する 膚障害, 深部結合組織障害 JAMA. 2023;329(3):244-252. 身 生 示 血 血 食 血 皮 月 比 手 目 入 Infect Control Hosp Epidemiol. 2023;44(5):695-720. 入 鼻 高 患者要素と術前対応

  • #21.

    術前 •除 術の妨げにならない限り除 • 感染症の併発 術中 予定 • • • • • • • • 適切な 外科的 洗い 膚 洗いを 膚をアルコールを含む2剤混合の 膚 周術期抗菌薬を適切に使 輸 輸 技 わない;必要な場合クリッピングで除 する。剃 は使 しない。 う 切開部位周辺の 外科 は 術の前に, 全ての感染症を治療しておく (創部から遠い場合でも) 抗菌薬 薬を いて消毒する する はMφ機能を低下させることでSSIのリスクを めるため, 可能な限り輸 の必要性を減らす。 組織を丁寧に扱い, 死腔を減らす 適切な 袋 重 無菌 袋を い, 破損した場合は直ちに交換する 術室の無菌化に関する標準原則を遵守する 術時間 特に決まりはないが, 術 技や無菌的処置を怠らないように, 可能な限り最 限に抑える。 術室 換気 American Institute of Architectsの基準を遵守する 交通 術室への出 環境表 りを最 適切な消毒薬を 術器具の滅菌 適切な 限にする いる 順で滅菌を う 用 刀 小 血 毛 用 用 皮 高 行 毛 手 用 小 手 行 行 皮 用 入 JAMA. 2023;329(3):244-252., Infect Control Hosp Epidemiol. 2023;44(5):695-720. 行 手 手 手 面 手 手 手 手 毛 血 • • • • 血 手 皮 二 手 手 手 手 手 医療要素とその対応

  • #22.

    • • • 予防的抗菌薬としてVCMをルーチンで使 しない 経 栄養を投与するために 術を遅らせない 消毒 ドレープをルーチン使 しない • • • • • 切開部位の最適酸素濃度 胸部 術患者に対する術前の経 ・咽頭CHG除菌 ゲンタマイシン含有スポンジの使 抗菌薬パウダーの使 されるエビデンスに基づく基準, 規則, 医療機器メーカーの使 術室の 員とケア環境を観察し 直す 説明書に沿った患者のSSIリスクを軽減するための 針と実践を実施する。 Infect Control Hosp Epidemiol. 2023;44(5):695-720. 方 手 用 用 用 行 の使 高 行 術 用 用 糸 口 用 見 用 手 鼻 手 行 用 手 用 口 非 皮 手 心 血 用 行 手 用 子 手 手 人 用 大 手 口 用 手 用 未解決 SSIリスク評価を実施する 適応のある患者には陰圧閉鎖療法の使 を検討する 術前診察, 外科ICU, および/または外科病棟での実践を観察し, レビューする SSIを予防する戦略として消毒含浸縫合 を使 する 適 毛 わない • • • • する 整形外科 術および 臓胸部 術の術前に, ブドウ球菌活性のある抗菌薬で 術患者を除菌する 帝王切開分娩や 宮摘出術を受ける患者には, 抗菌活性を含む術前腟剤を使 する。 術 技の妨げにならない限り, 術部位の剃 を わない アルコールを含む術前 膚準備剤を消毒薬と併 する 低体温を必要としない 技の場合, 周術期には平熱 (≧35.5℃) を維持する 消化管および胆道 術には創縁保護器具を使 する。 術中に消毒薬による創洗浄を う 全ての患者の術後の 糖値を管理する チェックリスト・バンドルを い, ベストプラクティスの遵守を確認する SSIサーベイランスを実施する 動化データを活 し, サーベイランスの効率を める 外科, 周術期のスタッフおよび指導者にSSI率を継続的にフィードバックする プロセス遵守率を測定し, HCPにフィードバックする。 SSI予防対策について外科医と周術期担当者を教育する。 必要に応じて, 患者とその家族にSSI予防について教育する。 用 ルーチンでは

  • #23.

    • SSI発 について, アルコール含有クロルヘキシジンのアルコール 含有ポビドンヨード に対する優位性が報告されており, ガイドラインで推奨されている • ただし, クロルヘキシジンを いる場合は, する可能性があるため注意を要する 分に乾燥させなければ電気メス使 時に発 用 非 十 用 本外科感染症学会 消化器外科SSI予防のための周術期管理ガイドライン2018 生 日 皮 火 膚消毒薬

  • #24.

    • メタ解析でイソジン系消毒薬に対してSSI発 率を下げる効果が確認されたのは2.02.5%CHG (RR 0.75, 95%CI 0.61-0.92) と1.5%オラネジンのみ (RR 0.49, 95%CI 0.26-0.92) • 0.5%CHGはRR 0.69 (95%CI 0.47-1.02) と有意差はないがSSIが減る傾向にあった • • 本で いることができる最 濃度の1%CHGに関しては解析なし clean surgeryの場合は, CHGは濃度によらずイソジン系消毒薬と 果が い (RR 0.6, 95%CI 0.36-0.99) 較しSSI発 予防効 生 比 生 大 用 Lancet Microbe. 2022;3(10):e762-e771. 高 日 CHG濃度

  • #25.

    • 基本は執 • 1時間前から30分程度で点滴を う 例外:バンコマイシン, フルオロキノロンは執 術時間が半減期の2倍を超える, または出 2時間前に開始 >1500mlの場合, 術中追加投与を 本化学療法学会/ 本外科感染症学会, 術後感染予防抗菌薬適正使 う のための実践ガイドライン 行 刀 血 行 用 fi 日 https://www.chemotherapy.or.jp/uploads/ les/guideline/jyutsugo_shiyou_jissen.pdf 刀 手 日 周術期抗菌薬

  • #26.

    術前抗菌薬のタイミングとSSI Ann Surg. 2009;250(1):10-16.

  • #27.

    術前抗菌薬のタイミングとSSI • WHOが ったメタ解析では, 執 120分以上前 vs 120分以内ではSSIが増加 (OR 5.26; 95% CI 3.29–8.39) するが, 120分以内の中では特にSSI発 率に差がなかった • そのため, WHOは120分以内であればいつでも投与可能としている (薬剤ごとの検討はない) 生 刀 行 World Health Organization. (2018). Global guidelines for the prevention of surgical site infection, 2nd ed.. World Health Organization. https://apps.who.int/iris/handle/10665/277399. (accessed August 25, 2023)

  • #28.

    • 膚常在菌 ( ブドウ球菌) を押さえつつ, トラムを変更する • 例えば, 臓外科ではセファゾリンだが, 下部消化器外科ではセフメタゾール, 気道が胸 腔内で開放される場合はスルバシリンなどを いる • 術部位 (清潔・汚染 術) によってスペク 術部位の常在菌をカバーするように考えていくとわかりやすい 本化学療法学会/ 本外科感染症学会, 術後感染予防抗菌薬適正使 のための実践ガイドライン 手 手 用 用 fi 色 黄 日 https://www.chemotherapy.or.jp/uploads/ les/guideline/jyutsugo_shiyou_jissen.pdf 心 皮 日 手 何を使うか?

  • #29.

    • 79,058件の外科 術を対象とした後 視的コホート研究において, バンコマイシンの周 術期予防はAKIリスクの有意な上昇と独 して関連していた ( 臓 術: aOR, 1.17; 95% CI, 1.10-1.25; 臓 術: aOR, 1.21; 95% CI, 1.13-1.30)1) • 特に胸部外科領域で, VCM単剤の術前投与はMSSAによるSSIが増える可能性があり2), ルーチンでの使 は推奨されない 手 心 立 方 手 心 非 手 1. Clin Infect Dis. 2004;38(10):1357-1363. 2. JAMA Surg. 2019;154(7):590-598. 用 皮 膚常在菌カバーはバンコマイシンでもいいか?

  • #30.

    うか? • 全 • 臓 術, 胸部 管 術, 脊椎インプラント挿 術などについては, MRSA感染の既 往, 転院 or 最近の 院歴, 期療養型病床群もしくは介護施設に 所, 液透析中患者を 対象に術前 腔MRSAスクリーニングを考慮する 術患者に対するMRSAスクリーニングは推奨されていない 本化学療法学会/ 本外科感染症学会, 術後感染予防抗菌薬適正使 のための実践ガイドライン 行 血 入 手 入 用 長 fi 手 入 血 大 鼻 日 手 https://www.chemotherapy.or.jp/uploads/ les/guideline/jyutsugo_shiyou_jissen.pdf 手 心 日 誰にMRSAスクリーニングを

  • #31.

    • 臓 管外科, 関節置換術, インプラント挿 術などを受ける患者で, MRSAの定着ま たは感染の既往があり根絶されていない場合, グリコペプチドを術前抗菌薬として投与す ることを検討する1-2) • 消化器外科領域では, MRSA保菌者に対する術前VCM投与の有効性は明らかではない3) , MRSA保菌者に対する関節形成術の術前抗菌薬にVCM+CEZを投与しても, CEZ単 剤と 較しSSI発 率を減らさないことがRCTで されており, 腔除菌などとのバンド ル化された取り組みでないならばVCM追加は効果が乏しい可能性がある4) • 臓 - 管外科領域の 部で, 以下の場合VCMとCEZの併 が推奨されている5) MRSA保菌, 3 以上の 院, 他施設からの転院, 既に抗菌薬投与がなされている場合, 1. J Antimicrob Chemother. 2006;57(4):589-608. 弁/ 管を挿 している場合 2. Am J Health Syst Pharm. 2013;70(3):195-283. 鼻 用 示 入 入 入 一 工 生 人 日 血 工 人 血 比 血 方 3. 本外科感染症学会 消化器外科SSI予防のための周術期管理ガイドライン2018 4. N Engl J Med 2023; 389:1488-1498 5. Ann Thorac Surg. 2007;83(4):1569-1576. 工 心 一 心 人 日 誰にバンコマイシンを投与するか?

  • #32.

    • 8分野の 術 (腹部, 整形外科, 泌尿器, 神経, 臓 管外科, 胸部外科, 形成外科および固形 臓器移植) を含む前 視的コホート研究において, MRSA保菌者に対する除菌処置 (ムピロ シン+CHG bath) はSSIを減少させなかった (60/10910 vs 70/10844)1) • その後, 臓, 股関節, 膝関節の 術を受ける, 腔のS. aureus保菌者 (MRSA 3-4%) に除 菌 (ムピロシン+CHG bath) ったところ, S. aureusによるSSIが有意に減少することが 報告された (MRSA陽性者は術前抗菌薬としてバンコマイシン投与)2) • SHEA/IDSA, WHOは, 臓 管外科・整形外科領域において, 5 以上のムピロシン+CHG bathによるS. aureus除菌を推奨3)しているが, バンドル化された介 なのでムピロシンの みでの効果はunknown 入 日 血 JAMA. 2008;299(10):1149-1157. JAMA. 2015;313(21):2162-2171. Infect Control Hosp Epidemiol. 2023;44(5):695-720. World Health Organization. (2018). Global guidelines for the prevention of surgical site infection, 2nd ed.. World Health Organization. https://apps.who.int/iris/handle/10665/277399. (accessed August 25, 2023) 鼻 心 手 行 血 心 方 手 1. 2. 3. 4. 心 鼻 腔S. aureusの除菌について

  • #33.

    • CDCガイドラインでは, (Category IB)1) • WHOガイドラインでは, 術前に普通 鹸または抗菌 鹸のいずれかで 浴することを 推奨しており, CHG bathを推奨するエビデンスはないとしている (Conditional recommendation, moderate quality of evidence)2) • 本外科感染症学会も, CHG bathのみでSSIを予防する効果はないと結論づけている3) → 術前に 術前 に 鹸 or アルコール製剤による全 浴を推奨している 浴することはSSIを減らすことに有効であるが, アルコール製剤でなくともよい 入 身 石 石 石 日 手 手 1. JAMA Surg. 2017;152(8):784-791. 2. World Health Organization. (2018). Global guidelines for the prevention of surgical site infection, 2nd ed.. World Health Organization. https://apps.who.int/iris/handle/10665/277399. (accessed August 25, 2023) 3. 本外科感染症学会 消化器外科SSI予防のための周術期管理ガイドライン2018 入 日 日 CHG bath

  • #34.

    • 股関節 術, 膝 術, 宮摘出, 腸 術, CABGを受けた患者について, 称ペニシリン アレルギーでは, CEZを避けてCLDM, VCM, GMが処 される傾向にあり, SSIのoddsが 上昇した (aOR 1.51; 95%CI 1.02-2.22)1) • 頭頸部遊離 • , ベータラクタムアレルギーとlabelingされた患者に対し, 関節置換術の周術期 抗菌薬としてCEZを使 しても, アレルギー反応は増えず, 2ndラインの抗菌薬と 較し SSIが減った (0.9% vs 3.8%)3) • 弁におけるCLDMの使 でも, SSI発 リスクが4倍となる2) 称ペニシリンアレルギーは, 真のアレルギーかどうか慎重に判断する必要がある 比 自 工 人 方 生 手 用 大 用 子 手 皮 手 1. Clin Infect Dis. 2018;66(3):329-336. 2. Otolaryngol Head Neck Surg. 2016;154(2):272-278. 3. Open Forum Infect Dis. 2023;10(6):ofad224. 方 一 自 ペニシリンアレルギーとSSI

  • #35.

    PEN-FAST • • <3点をcut o としたvalidation study - 感度:70.4-7.5% - 特異度:39.9-84.9% - PPV:6.4-70.4% - NPV:84.9-98.4% 0-2点では, ペニシリンアレルギーの可 能性は低い ff JAMA Intern Med. 2020;180(5):745-752.

  • #36.

    • CEZはPCN系抗菌薬と側鎖が異なり, 重症 度や初回反応からの期間に関わらず即時型 PCNアレルギーの症例でも使 できうる • PCN系抗菌薬は, 重症型即時型PCNアレ ルギーが じた時期が5年以上前なら注意 深く使 可能 用 非 生 用 Clin Microbiol Infect. 2023;29(7):863-875.

  • #37.

    - CDC, WHOはドレーンの有無によらず閉創後の抗菌薬投与を わないことを推奨2-3) - 臓外科 術では, 術後24時間以内に抗菌薬投与を終了した場合に胸 SSIの発症リスク が上昇すると報告されており4), 本化学療法学会は48時間以内に終了することを推奨し ているが1), CDCでは術後抗菌薬投与の推奨はない2) 術前1時間前かつ半減期の2倍での抗菌薬投与がない場合は, 術後抗菌薬がSSIを減らすかも しれない (RR 0.79, 95%CI 0.67-0.95) が, 標準的な抗菌薬投与が われていれば有 性 は認められなかった5) 1. 術後感染予防抗菌薬適正使 のための実践ガイドライン 用 骨 行 行 2. Infect Control Hosp Epidemiol. 2023;44(5):695-720. 3. World Health Organization. (2018). Global guidelines for the prevention of surgical site infection, 2nd ed.. World Health Organization. https://apps.who.int/iris/handle/10665/277399. (accessed August 25, 2023) 4. J Antimicrob Chemother 2012; 67: 541–550 5. Lancet Infect Dis. 2020;20(10):1182-1192. 日 • 基本的には, 術後24時間以内に終了する1) 用 • 手 心 周術期抗菌薬はいつまで続けるか?

  • #38.

    • 術後抗菌薬を48時間以上継続すると, 急性 腎不全やCD腸炎が増える可能性がある (右 図)1) • ≧48時間継続しても, SSIは増加しない (減 りもしない)1) • 閉創後も抗菌薬を継続すると, 薬剤耐性菌発 リスクが上昇する2) 1. JAMA Surg. 2019;154(7):590-598. 2. Circulation. 2000;101(25):2916-2921. 長 生 術後抗菌薬の延 による弊害

  • #39.

    整形外科 術で術後抗菌薬を延 した群で院内感染が増える傾向 長 手 JAMA Netw Open. 2022;5(4):e226095.

  • #40.

    予防のまとめ SSI予防は「これをやっておけば良い」というものはなく, 施設ごとにバンドル化して取り組んでいくのがよい

  • #41.

    全体のまとめ • SSIは発 深度で分類し, 浅部切開創なら処置のみで治癒しうる • SSIは予防可能であり, 複合的な取り組みが重要 日 術後の発熱=SSIではなく, 経過 生 • 数が重要

投稿された先生へ質問や勉強になったポイントをコメントしてみましょう!

0 件のコメント

コメントするにはログインしてください >

長谷川耕平さんの他の投稿スライド

細菌性髄膜炎のマネジメント

#感染症科 #髄膜炎 #細菌性髄膜炎 #髄膜炎菌

163

55,468

最終更新:2022年9月22日

Mpox (サル痘) のまとめ (2023.04.19更新)

#サル痘 #M痘 #Mpox

62

17,586

最終更新:2023年4月26日

皮膚軟部組織感染症 overview

#感染症科 #皮膚軟部組織感染症 #蜂窩織炎 #壊死性筋膜炎 #SSTI

311

105,967

最終更新:2023年5月26日

もっと見る


診療科ごとのスライド

内科(538)

消化器内科(69)

循環器内科(91)

呼吸器内科(135)

血液内科(37)

糖尿病内分泌代謝内科(69)

腎臓内科(51)

アレ膠リウマチ内科(51)

脳神経内科(115)

総合診療科(234)

救急科(432)

外科(39)

消化器外科(4)

呼吸器外科(38)

乳腺外科(0)

整形外科(92)

脳神経外科(23)

泌尿器科(25)

形成外科(24)

皮膚科(35)

眼科(19)

耳鼻咽喉科(14)

歯科口腔外科(9)

リハビリテーション科(12)

心臓血管外科(8)

小児科(66)

産婦人科(52)

精神科(73)

放射線科(88)

麻酔科(14)

緩和ケア科(29)

感染症科(230)

産業医(9)

初期研修医(526)

医学生(60)

その他(368)


Antaa Slide Post Banner
今すぐ投稿
Antaa Slide Post Banner今すぐ投稿

Antaa Slide

医師・医学生のためのスライド共有

投稿者インタビュー
Antaa QA

医師同士の質問解決プラットフォーム

App StoreからダウンロードGoogle Play Storeからダウンロード

会社概要

Antaa, Inc. All rights reserved.

Follow us on Facebook
Follow us on Twitter