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発熱性好中球減少症(FN:Febrile Neutropenia)の対応

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2016/7/5
2017/1/27 更新
近藤猛

名古屋大学医学部附属病院

発熱性好中球減少症(FN:Febrile Neutropenia)は緊急事態です。その対応について、2つの条件(好中球500/mm3以下、38.3度以上の口腔温または1時間以上38度)から問診、身体所見、検査(培養検査含む)と考え方を紹介します。フローチャートや具体的な処方例、真菌、ウイルスまで症例を交えながら解説します。


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発熱性好中球減少症(FN:Febrile Neutropenia)の対応

  1. Case 1 悪性リンパ腫にてChop療法中の71歳男性 体温40℃にて病棟よりコール 本日の採血結果をみるとWBC300,好中球200

  2. 発熱性好中球減少症 Febrile Neutropenia 2008.10.29 近藤 猛

  3. 緊急事態 ! !

  4. 発熱性好中球減少症って? 2つの条件 好中球減少 好中球数500/mm3,もしくはそうなることが予想される 発熱 口腔温:38.3℃以上か,38℃が1時間以上

  5. 何が聞きたい? 入院or外来? 原疾患(悪性腫瘍等)の状態 最後の化学療法はいつ? 抗菌薬使用はある? カテーテルは留置されている? 好中球減少症の状態は続いている? (10日以上継続でリスク上昇)

  6. 所見は? 好中球がない ⇒ 症状・徴候現れにくい 感染源がわかるのは30%のみ 眼底、歯肉、咽頭、皮膚 肺、心臓、会陰、肛門周囲 血管内カテーテル、爪周囲 ・・・いつものアレは?

  7. 直腸診する ? 菌血症を招くため禁忌といわれているが・・・ A digital rectal examination (and rectal temperatures) generally should be avoided. However, if a perirectal abscess or prostatitis is suspected, a gentle rectal examination can be performed after broad-spectrum antibiotics have been administered.  直腸診・直腸温は避けるべきだが肛門周囲膿瘍・前立腺炎を疑えば広域の抗菌薬開始後にやさしく行う ( UpToDate 16.2)

  8. それからどうする ? 血液培養とって抗菌薬

  9. 起炎菌は? 以前はGNRが主だったが今は60-70%がGPC

  10. 起炎菌は多岐にわたるが・・・緑膿菌のカバーは必須 Gram-positive cocci and bacilli Staphylococcus speciesa Coagulase-positive (Staphylococcus aureus) Coagulase negative (Staphylococcus epidermidis and others) Streptococcus speciesa Streptococcus pneumoniae Streptococcus pyogenes Viridans group Enterococcus faecalis/faeciuma Corynebacterium speciesa Bacillus species Listeria monocytogenes Stomatococcus mucilaginosus Lactobacillus rhammesus Leuconostoc species Gram-negative bacilli and cocci Escherichia colia Klebsiella speciesa Pseudomonas aeruginosaa Enterobacter species Proteus species Salmonella species Haemophilus influenzae Acinetobacter species Stenotrophomonas maltophilia Citrobacter species Flavobacterium species Chromobacterium species Pseudomonas species (other than P. aeruginosa) Legionella species Neisseria species Moraxella species Eikenella species Kingella species Gardnerella species Shigella species Erwinia species Serratia marcescens Hafnia species Flavimonas oryzihabitan Achromobacter xylosoxid

  11. Empiric Therapy 単独療法? 複合療法?

  12. 低リスクって? 21/26以上で低リスクと判断

  13. 処方例 (1)マキシピーム®(セフェピム)2gを生食100mlに溶解して12時間ごとに投与 嫌気性菌を疑う場合 エルタシン®(クリンダマイシン)600mgを生食100mlに溶解して8時間ごと (2)メロペン®(メロペネム)0.5g を生食100mlに溶解して6時間ごと

  14. バンコマイシンは? 血圧低下 粘膜炎 皮膚もしくはカテーテル部位の感染症 MRSAのコロナイゼーション キノロンの予防投与 バンコマイシン15mg/kgを生食100に溶解して12時間毎

  15. カビは? 7日間以上の発熱・好中球減少で   リスク上昇 5-7日間フォーカス不明の発熱が   続いたら投与を考慮 ガイドラインではアムホテリシンB推奨 ガイドライン以降に研究の出た ボリコナゾール,Casupofunginもよい

  16. ウイルスは? 疑う症状があれば投与 単純ヘルペス・帯状疱疹を疑う皮疹 アシクロビル

  17. 喉が痛くて救急車?

  18. Case 2-1 ERに来院した生来健康な73才男性 痛風にてアロプリノール内服中 1日前より発熱、咽頭痛 同僚に様子がおかしいと言われ救急call 体温39℃、他バイタル安定 採血にて白血球8、好中球0

  19. なぜ下がったの? 感染症後 HBV、EB、HIVが深刻な好中球減少症を引き起こす。 それ以外のウイルスでは短期間しか続かず細菌感染合併はまれ。 薬剤性 抗がん剤、抗甲状腺薬、クロザピン(向精神薬)、スルファメジン、チクロピジン、PPI、αブロッカー、アロプリノールなど 免疫異常 輸血によるもの、新生児のもの、反復性に起こる良性のもの、純白血球形成不全、顆粒リンパ球増多症、人工物の埋め込みなどに惹起されたもの 脾腫によるもの、骨髄由来

  20. Case2-2 入院後、マキシピーム1gq8hr使用 全身状態は速やかに改善 入院3日目には好中球2000となり解熱した

  21. いつまで投与? 抗菌薬の変更・中止を考える前に好中球>500を確認 病態がわかればそれに合わせた治療・治療期間を

  22. 熱が下がったら?

  23. 熱が下がらない

  24. ご静聴ありがとうございました IDSA - Use of Antimicrobial Agents in Neutropenic Patients with Cancer UpToDate16.2 大曲先生の感染症ガイドライン

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